近付くと欠点が見え、失うと彼の価値に気付き、追いかけたくなる野良猫心理とその対処法について~親密感への怖れ、自己肯定感、愛するということ~



親密感への怖れがあると、好きになった人に近付くと相手のイヤなところが見えて距離を置きたくなり、でも、離れるとやっぱりいいところが見えて追いかけたくなるものです。
それを野良猫女子(男子)と呼んでます。
そんな野良猫属性な方々が幸せな恋愛をするためのポイントを解説します。

根本先生、いつもお世話になっています。

「失ってから気づく」と「去るから追いたくなる」の違いについて伺いたいです。

私の恋愛でよくあるのが、
気になる人に自分からグイグイ行く
→相手が好意を持ってくれる
→恋愛として好きかわからない&この人のここが好きじゃないなどと悩む
→相手の気持ちが離れる
→やっぱり好きだったかもしれない、と苦しくなる
というパターンです。

相手の気持ちが離れた直後は、それまで悩んでいた相手の欠点はどうでもよくなるのですが、しばらくすると「やっぱりその欠点は嫌なんだよな~」という思いがぶり返します。
「でもやっぱり好きかも…」と堂々巡りを繰り返してしまいます。

これは去るから追いたくなってるだけなのか、失ってから自分の気持ちに気づいたのか、どちらなのでしょうか?

そしてこのパターンをやめるにはどうすればいいのでしょうか…(涙)
(Kさん)

ああ、そういうの、うちでは「野良猫」って呼んでるんですよねー。笑
自覚ありました?野良猫女子って。

野良猫なので親密感への怖れがあって、近づくと遠ざかりたくなり、離れるとまた近づきたくなる、というのを繰り返す習性があるわけです。

で、遠ざかるには理由が必要なので「この欠点がやだ。無理。」と思うわけで、そこでまさか「怖い」なんて気付きません。

一方、距離を置けば「やっぱりいい人だよなあ」と思うのも再び近づくための理由のひとつなんです。

もちろん、近い距離と離れた場所では見え方も違うから、遠くから見たときに気にならなかったものが近づいたら気になったりするし、近くだと嫌な部分も離れたら大丈夫になったりするものです。

そもそも「失って初めてその価値に気付く」というのは皆さんも体験したことがありますよね。
あることが当たり前、いることが当たり前だったものを失ったときに、初めてその価値に気付いて慌てるんです。

今一緒に居てくれるパートナーや友達、当たり前に自分の席を用意してくれる職場、当たり前に「ここは自分の居場所だ」と思っている自宅、元気に動く体なども、いつ失うか分からないのは頭では分かっているのだけど、それを日々自覚するのはすごく難しいものですね。

また、「去るものを追いかけたくなる」というのも“習慣”というか、動物的本能というか、これまた当たり前に備わっているもので、「苦手だなあ」と思ってた先輩が異動になって「ラッキー!やったー!」と思う一方で、なんか寂しさを覚えたりするのもそうですね。
また、人だけじゃなくてモノだって、「これはもう着ないよな」と思って処分しようと思うんだけど、なんか手放しがたい気持ちがするのも似た心理かもしれません。

だから、どちらの思いも「人であればふつうに感じるもの」なんですね。

参考)最初は私の方が仲良くなるのに、しばらくたつと他の子の方が仲良くなってる現象を親密感の怖れ問題から見てみる。

ということで一般論はそこまでにしてKさんの話にツッコミを入れていくことにしましょう。

気になった人に自分からガンガン行って相手がその気になったときに“わざわざ”欠点を見つけて距離を置きたくなるってのは、親密感への怖れの典型的な行動です。

だから、距離を置きたくなるわけですが、とはいえそもそも「気になった人」ですから、離れればやっぱり「好きかもー。いい人かもー。」って思うようになるのも無理ないことですよねー。

それで近づこうかな?と思うのだけど、すでに欠点を知ってるから「どうしようかなあ」なんて迷うわけです。

で、カウンセリングなどでは「その欠点ってもう生理的に無理なレベルなの?」なんてお聞きするんですね。

それが生理的に無理なレベルだったらもうしょうがないのでさっさと斬ったらいいんですけどね。

でも、案外その答えは「そこまでじゃないんだけどなんか気になる」程度のもので、じゃあ、何とかなるかなあ、と思ったりします。

そうすると「ほんとは親密になるのが怖いんだよねー」という話になって、「なんでそんな親密感への怖れがあるの?」ってところを掘り下げたりします。

距離が近いところと言えば、「両親」「きょうだい」「小中学校の友達関係」「かつての恋愛」などが候補としてあがるので、その辺で痛い思いを散々してこなかったかを調査するわけですね。

で、そこで「それはだいぶ痛いねえ」と言うことが分かれば、「まだその痛みを引きずってるんだよね」となって、その痛みを癒していきましょうか、となります。

また、さらに深掘りしていくと、「その痛みによって封印されてるKさんの魅力」というのが見えてきて、よくあるのが「とってもきらきらして魅力的なKさん」とか「めちゃくちゃ情熱的でいい女のKさん」とか「めちゃくちゃセクシーで大人っぽいKさん」などなど。

じゃあ、その魅力を解放していきましょうよ!ってことに勤しむことになります。

そうして「親密になっても大丈夫!」「親密になっても安全だ!」「親密になるといいことがいっぱい!」「親密になるのって気持ちいい!」みたいな感覚を得ることができれば、このパターンもなくなります。

さて、距離が近づいたときに相手の欠点が見えたり、許せなくなったりするものですが、そこについてもう少しお話していこうと思います。

親密感への怖れがあると「相手から逃げるために根性で欠点を見つけ出す」みたいなことが起きるわけですが、そうでなくても距離が近づけば「あれ?」と思うことは出てくるものです。

大人になればみんな多かれ少なかれ仮面をかぶって生きているわけですし、「これは見せてはならぬ」という部分を隠しているものです。

距離が近づけば仮面の向こう側の素顔が少しずつ見えてきますし、相手の隠したい部分に「なんか怪しいぞ」という気がしてきます。

例えば「職場ではバリバリ仕事して、上司にもバンバン意見言って、後輩たちの味方になってくれる男気溢れる彼が、プライベートでは無口で気が利かずわがまま」だったり、「気さくで明るくて優しい彼と二人で合うようになったら、なんか重たい話をいろいろしてくるようになった」り、「けっこうまじめできちんとしていた人のはずが、なんか女の影がちらちら見えた」り。

そこで自分には「選択権」があるので、「ああ、そういう男はやだ。無理。」と思えばさっさと距離を置くのがお勧めなのですが、そこで「好き」な気持ちに振り回されていると、相手のイヤな部分を「見なかったこと」にして「彼はそんな人じゃない!」と思い込もうとしたり、意地になって彼に近付こうとして火傷を負ったりするものです。

さらに、お付き合いが始まったり、相手がこっちに気があると分かったりすると、その欠点を「直させよう」とコントロールし始めることもあります。

で、そういうときに私に相談してくださると「じゃあ、どうする?それでも突撃する?それとも引く?」と選択を迫られます。

というのも、それによって話の中身も深みも変わるからです。

それで「一度好きになった男ですから、あっしはこのまま突っ走りてぇと思いやす。」と啖呵を切られる武闘派女子も大量発生しているので、こんな話をしていくんですね。

「彼のいいところだけ見て好きになって、イヤなところを見て嫌になるって、それって感情に振り回されてるってことなんよね。彼軸になっちゃうでしょう?依存的になっちゃうでしょう?さらには好きな人に対して批判的な目で見ちゃうし、それを友達に愚痴るのも気分悪いでしょう?」

「好き」なのは感情で、原動力になるもので、すごく大事な気持ちなのだけど、「好き」だけで突っ走ろうと思うと結果的に「好き」という気持ちを人質に取られて振り回されるものです。

なので「愛する」という“行動”にできるだけ早く移行したいものですが、実はそこでめっちゃ重要なのが「自己肯定感」なんですね。

唐突に出てきた、毎度おなじみの自己肯定感。

「彼を愛する」というのはこんな意味を持ちます。

・彼を信頼する
・彼を許す
・彼に与える
・彼の愛を受け取る
・彼に任せる

まあ、それぞれの言葉も抽象的でよく分からんものですが、この行動に移るために自己肯定感(自分自身をありのままに受け入れること)がとっても大事なんです。

「彼のこんなところが嫌だ」と思うのはなぜなんでしょう?

もっと言えば「彼のその部分を“許せない”のはなぜなんでしょう?」という話になるんですね。

そこで「投影の法則」を持ち出してネチネチ責めることもできますが、もう少しシンプルに見ていきましょう。

「自分が自分を受け入れられない分だけ、相手を受け入れられない」ということなんですね。

自分の欠点を許せなければ、相手の欠点も許せません。
自分の短所を受け入れられなければ、相手の短所も受け入れられません。

もし、あなたが自分のダメだと思うところを受け入れ、許そうとしているならば、彼の「イヤだな」と思う部分も受け入れ、許そうとできます。

もし、自分が自分を理解し、許そうと思っていれば、彼のこともまた理解し、許そうと思えます。

つまり「自分を受け入れられていなくても、受け入れようとしているならうまくいきますよ」ということです。

そして、パートナーシップの相互依存関係でよく起こることなのですが、彼のことが好きで、彼を愛していて、だから彼の欠点を受け入れ、許そうとしていたら、結果的に自分の欠点も受け入れ、許すことができていた、というミラクルも起こります。

だから、自己肯定感を意識して、自分を丸ごと受け入れようとしているならば、彼のことも丸ごと受け入れようとすることができます。

それが関係性を「築く」ことにつながるのですね。

もちろん、野良猫を卒業する上でも自己肯定感は役立つものですが、好きな人と関係を築いていく上でも自己肯定感はとても大事なカギになるんです。

ということでKさんにとってはパートナーと愛し愛される関係を築くために「親密感への怖れ」と「自己肯定感」という2つの課題を突き付けられたことになるんですけど、どちらも重たいようでそんなややこしい問題ではないので面白がりながら自分を見つめていただければ幸いです。

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野良猫心理とその対処法。そして愛するということ。
 


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