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パートナーシップは心理的に近いところで起こるので、親子関係が及ぼす影響が非常に強いものです。
今回は改めて親子関係がパートナーシップに与える影響を頂いた事例を元に解析し、どうすればいいのか?を考えてみました。
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彼氏が欲しいと思いながら、6年ほどなにも無い30歳です。
まったくモテません。
好きになる人達は、ある程度好きになってから全く気配がなかった彼女や奥さんの存在が明らかになることが9割、連絡すら取れない状況になるのが1割で、
全く相手にもされない状況が続いていることに疲弊しきっています。
もう正直、自分から頑張ってアプローチしたりしたくありません。。。
プロの力を借りて見た目を磨いてみたり、他にも思いつく自分磨きの手は尽くしましたが恋愛面での変化はありません。
自分には女としての魅力が無いんだなと悲しくなる毎日です。
両親は離婚しており、母親は過干渉・ヒステリックで、子供の私に嫉妬。
離婚後、母親の彼氏と私との不仲、母親が私よりも彼氏の意見を優先する、父親(今でも関係は良いです)と満足に会わせてもらえない、母親が彼氏に振られ彼氏に縋り付く様子を目の当たりにする、などなど。。。
傷つくことが多かったため、親密感の恐れがある自覚があります。
仕事は、一人暮らしをしながら生きがいの趣味のために投資出来る程度には出来ており、問題はありません。
今もまた、おそらく彼女がいる男性に片想いし、どうしたら良いか分からず、そんな年甲斐もない自分に落ち込む日々です。
どうしたら男性と距離を縮め、好きになってもらえるのでしょうか?
(Cさん)
6年手を尽くして何もなかったらそりゃあ諦めたくもなりますわなあ。
彼女・奥さん持ちが9割、音信不通が1割ってことは、なかなかマニアックなところに釣り糸を垂らしているのかもしれません。
色々と自分磨きを続けられてきたようですが、女子たちの評価はどうなんでしょうか?
友達などから「めちゃいい女!男ができんのが不思議すぎる!」みたいな話はよく聞きますか?(そんなこと言われてもウザいだけだと思いますけど)
Cさんの家庭環境を見ればなるほど肝が据わった武士に成長するのも無理はなく、それゆえ、「仕事は問題ねえんだよ。男だよ、男。なんとかしろや、コラ!」問題を抱えられることになるのでしょう。
両親とのことを書いてくださってましたので、今日はその辺をゴリゴリ読み解いてみたいと思います。
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パートナーシップって親密な心理的距離感を作るものですから、どうしたって同じように距離がめちゃくちゃ近かった親子関係がクローズアップされるものです。
仕事上の付き合いだとそんな距離が近づくこともないので、自立した方々は「問題なく」こなすことができるものです。
しかし、恋愛ともなりますと特に相手との距離が近づけば近づくほど「親との間で傷ついた部分が露出してくる」ことになり、そこで逃げたくなったり、潰したくなったり、逃げられたり、問題を起こされたりして、それらをひっくるめて「親密感への怖れ問題」という風に表すわけです。
★セミナー動画:ワークショップ「親密感への怖れを徹底的に癒すワーク集」
★セミナー動画:自立系武闘派女子のための恋愛講座「親密感への怖れを癒す」
親密感への怖れをどう癒すのか?ってのはこの動画なども参考になるかと思いますが、そのルーツをたどればやっぱり父・母に行き着くわけで、その関係性を見つめ直していくことが王道となります。
Cさんのケースは教科書に載せたいほど分かりやすい事例なんですけどねー。
整理してみましょう。
○両親→離婚。
ちなみにこれは何歳頃の頃でしょうか?
○父→好き。仲良し。
でも、満足に会わせてもらえない、というところは試験に出るポイントですのでみなさまアンダーラインでも引いておいてください。
ここでCさんは「パパのことが大好きなのになかなか会えない」という体験をしてるわけですね。
○母→たいへん情熱の女。
だいぶ母に振り回されてきましたよね。
しかも、母の恋愛にもずいぶんと巻き込まれてしまいましたよね。
過干渉なのに自分よりも彼氏の意見を優先したり、父との仲を裂かれたり、母の感情の面倒をみなきゃいけなかったり、振られた彼氏にしがみつく母の姿を目の当たりにしたり、まあ、ほんと心乱れる日々だったかと思います。
そういう母でしたら、娘であるCさんに嫉妬するだけでなく、あれやこれや頼ってきてたかと思いますので、武士として自分を鍛えるためにCさんは母を背負って「階段うさぎ跳び」という超ハードなトレーニングを自分に課してきたのだと思われます。
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さて、そういう背景からCさんにはこういう心理的な可能性が起こりうるってことを考えてみたいと思います。
当たってるかどうかではなく、そういう傾向を人は持ちやすいんやで、という視点で見ていただければと思います。
○好きな人は遠くにいる。
「好きになる人は彼女持ちか既婚者ばかり」というご相談は私にとって大変メジャーなものでして、自立系武闘派女子のみなさまにとってはまさに通過儀礼と言ってもいいほど日常的なものかもしれません。
パパのことが好き。だけど、なかなか会えない。「母」という障害物がある。
こういう現象から見れば、好きな人との間に「障害物」があり、なかなか距離が縮められなくなることも珍しくはないものです。
この「障害物」というのは「彼女持ち」「既婚者」だけでなく、「ハードワーク」「遠距離」「経済的問題」「身体的問題」等であることもありますが、Cさんの場合はまさに「母」が障害物となっていたわけですから、「好きな人の奥さんに恋路を邪魔される」という素地になりうると思います。
ということで、この線から行けばある課題をクリアすることが望まれます。
それは改めてパパの愛を受け取るということ。
今でも仲良しであれば、パパが娘である自分を愛してくれてることは分かってらっしゃると思いますが、それでも改めて「離れていてもあたしはちゃんとパパに愛されてたんだ」ということを思い知る必要があります。
パパのことが大好きで、でも、離れ離れでいるならば、パパを切望する思いは心の中に深く刻まれます。
大人になって自由に会えるようになったとしても、寂しかった子ども時代の自分は未だにパパを探しているような状態になってる可能性もあるわけです。
そうすると全くもって意外かもしれませんが、「あたしの恋人はパパ、だから、それ以外に好きになる人はみんな愛人ポジションなの」という心理を持ちやすくなります。
言い換えれば、Cさんの心の中の「恋人の席」にパパがどっかりと座っちまってる状態なんですね。
だから、ちゃんとパパには「父親の席」に移ってもらわなきゃいけません。
それで改めて「パパからの愛を受け取る」ということを意識すること、そして、同時に、Cさん自身もちゃんとパパに娘としての愛を与えることが必要になります。
よくやる手としては「パパに感謝の手紙を書いて渡しましょう!」ということ。
そこには幼少期からのパパへの愛情、離れ離れになっていて寂しかったこと、今仲良くできてうれしいことなどを書き綴ってください。
LINEとかでもいいんですけど、超長文になると思うので手紙にした方が気持ちの整理も付きやすくていいと思います。
そして、パパが自分を愛してくれる絶対的な存在であり、ちゃんとパパに愛され、守られていることを実感できればOKです。
案外、インパクトの強い母の存在がクローズアップされやすいのですが、その母に隠れているパパとの関係が恋愛において重要なカギを握りますので、ここは素通りできないところです。
○大人の女としての絶望。
ということで、お待たせしました!母の登場ですっ!!
まあ、あんまり嬉しくないのですが、母子家庭になって(ひとりっこ?きょうだいはいる?)、ますます母との心理的距離が近くなり、その母に振り回される「母軸」な生き方を強いられたわけで、ここには様々な問題があるんですよね。
すでに何度も扱って来られたかもしれませんけど、振り返りも含めて改めて見つめ直してみましょう。
女の子にとって母は、自分の将来像を重ねる「見本」となる存在です。
自武女の方々の中には「母に絶望し、女としての自分を恥じ、武士として生きることを決めた」という、まことの漢もたいへん多いのですが、Cさんはもしかしてその典型かもしれません。
母の弱さ、情けなさ、恥ずかしさ、はしたなさ、未熟さ、甘さ、依存、執着等々を目の当たりにしたならば、ぶっちゃけ「うわー、大人になるのやだー。あんな風になるんだったら女になんてなりたくないーーー」と思ってしまうのも無理はないものです。
しかも、彼氏に振り回され、すがり付く姿も見てるわけですから「恋愛ってもっとロマンチックなもんじゃないの?え?少女漫画は全部ウソなの?」となりますね。
だから、Cさんの中には大人の女や恋愛に対する絶望にも似た思いが生まれるのも無理はないでしょう。
そうすると女であることを捨て、恋愛も結婚もいらん!となりやすいのですが、Cさんはお金・時間を相当かけてでも恋愛したいわけです。
それはなぜだと思われますか?
それくらいCさんもまた「女」であるということでしょうか?
あるいは、反抗期から「母みたいな女になどならぬ」と反面教師にすることを誓ったのでしょうか?
もしくは、その両方でしょうか?
ここ、重要なポイントになりますから「なぜ、そこまでしてあたしは恋愛をしたいのか?」について考えてみると良いと思います。
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さて、そんな男女関係がうまくいかない母を見て、恋愛に絶望しているCさんですが、そうするとCさんの中には「恋愛=苦しいモノ、うまく行かないモノ、すがり付くもの、振り回されるもの」という定義が生まれてしまうのですね。
それゆえ、「ああ、あたしの恋愛遍歴を見返してみればほんとその通りだわ」という結果になっているのです。
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そうなるとこの「女としての絶望的な思い」を解消してあげる必要があります。
今は一人暮らしをされてるのでしょうか?
母からは自立を果たせていらっしゃるのでしょうか?
その度合いにもよりますが、ここでCさんにしっかり意識していただきたいのは「女としての喜びとは?」ということです。
女で良かったことってどんなことでしょう?
気合を入れて年齢分くらいは書き出していただきたいです。
また、Cさんにとっての「女の幸せ」とはなんでしょうか?
これも十分な数を書き出していただいて、そこにどれくらい母の影響が含まれているのかを考えてみてください。
それによって「母」「女」「自分」を切り離してある程度客観的に見つめ直すことができるようになります。
その上で「女としての目標」を再設定します。
目標というと難しい書き方になってしまうのですが、「理想とする大人女子ってどんな人?」「幸せな大人女子ってどんな生き方してると思う?」という点を考えてみてください。
ちなみにこれらの宿題に取り組んでいるときに虚しさを感じるとすれば、やはり母との心理的距離が未だに近いことを示唆してます。それは次の項でお話することになります。
○母を助けることが最優先課題
さて、母親のネガティブな側面ばかりが強調される今日この頃ですが、その奥には全く逆のストーリーが描かれていることが多いものです。
この辺はリトリートセミナーで扱う“深い”心理であり、個人セッションでは2,3回は受けないと扱えない領域です。
だから、すぐに理解できなくても全然問題ありませんので、頭の隅に置きながら過ごしてみると半年、1年後くらいには腑に落ちるんじゃないかと思われます。
お母さん、幸せそうじゃなかったですよね?
離婚に至るプロセスもそうだし、それ以降も男に振り回されて。
感情的でアップダウンが激しく、娘の自分にも過干渉になるなど、お母さん自身、だいぶ苦しんでいらっしゃいましたよね?
で、そんなお母さんのことを愛していた自分がいると思ってください。
だから、小さい頃のCさんは「そんな母を救いたい。癒したい。助けてあげたい。」と思ったんですね。
それで、母を笑顔にするために子どもの頃のCさんはめちゃくちゃ頑張ったんじゃないかと思うんです。
話を聴いてあげたり、色々と世話をしてあげたり、慰めたり、励ましたり、子どもなりにできることをたくさんやってきたんだろうと思われます。
あ、ちなみにこれはそっくりそのままCさんの「才能」になりますね。
もちろん、それだけ頑張って尽くしたとしても母は変わらなかったと思います。
とはいえ、そこでブチっと切れて「中学時代から彼氏の家に転がり込んでいた」「家出を繰り返し、よく警察などのお世話になっていた」「盗んだバイクで走り出して校舎の窓ガラスを割っていた(←一定以上の年齢の方対象のネタのためCさんはたぶん『は?なにそれ?』となってると思う笑)」となるものですけれど、おそらく思春期に入ってからも母を助け続けてきたCさんがいらっしゃると思います。
それくらい助けたかったし、癒してあげたかったし、元気にしてあげたかったし、笑顔を見たかったのでしょう。
母だから当たり前じゃん?とかは思わなくていいです。
そうすると常にCさんの中には「母」が存在するようになります。
Cさんの優先順位の上位に「母」がいるんです。
つまり、言い換えれば「母と結婚しちゃったんだねえ」ということになり、これまた自武女のみなさまあるあるなネタです。
なので「なんであたしは結婚できないんすか!」とテーブルをバン!と叩いて主張される方にはもれなく「えー、あんたおかんと結婚してるやん?だからじゃね?」と鼻くそをほじりながら答えることにしています。
ま、すぐには信じられないですよね?
まあ、言わば、恋人・配偶者の席(=ハートの真ん中)にパパとママが喧嘩しながら座ってるようなもんですね。
これじゃあ、他人の入り込む隙間はありません。
言い換えれば「母軸な人生になっちまってるよ」ですし、「母と癒着しちゃってんだよね」ということになるのですが、要するに、Cさんの心の世界では母の存在感がめちゃくちゃ大きくなってると想定できるんです。
で、そうした生活を幼少期から繰り返してきているので、当の本人であるCさんにはなかなかその自覚が持てないかもしれません。だから「なんで男ができひんねん!」という問題になるんですけどね。
で、そうして母を優先する生き方が根付いてしまうと「母が幸せになったら自分も幸せになっていい」という思いが生まれるようになります。
幸せすらも母を優先してしまうようになるわけです。
ということで、ここでいわゆる「自分軸」を取り戻すべく、母を手放して行くことが求められるのですね。
これはまあ、体に染みついた癖を抜くようなものですから時間をかけて焦らずにリハビリをするつもりで進める必要があります。
カウンセリングなどを利用されるのがお勧めですけれど、そうして「母を手放す」ということに取り組んでいくうちに、どんどん「異性が入る隙間」が心の中に生まれていきます。
*「もう傷つきたくない」あなたが執着を手放して「幸せ」になる本」(学研プラス)
*セミナー動画『本気の手放しワーク』
そして、その手放しのプロセスでとても大切な意識の持ち方があります。
「あたしは母に対して与えられる限りのものを与えてきた。十分与えてきたので、今、その役割を卒業しても良い」
ということです。これをアファメーションとして使っても良いです。
手放しってのは「卒業」って意味ですから、母を助ける娘の役割をそろそろ卒業しましょう、という提案です。
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さて、それと同時にその才能を活用したいな、と考えるのも私の趣向でして、その母親のために尽くし、母親を癒すために全力で取り組んできた才能をライフワークとして昇華させたいと思うのです。
これはまあおいおいでけっこうなのですが、相当豊かな才能をお持ちだと思うので、両親のプロセスを経つつ、ライフワークに意識を向けるのもアリだと思います。
その分だけよりパートナーシップも引き寄せやすくなるものです。
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ということで超長文になりつつもCさんの心理を解析してきましたがいかがでしたでしょうか?
だんだん深いところに話が進むものですけれど、これらは数か月~数年かけて取り組むテーマですので、気長にやるのがお勧めです。
もちろん、それまで彼氏ができないか?というとそんなことはなく、そのプロセスの途中で「彼氏が入る隙間」がどんどんできていきますから、そこも心配はありません。
そして、今日は親子関係にフォーカスを与えましたが、他にも女性性、セクシャリティ、そして、今日出てきた才能の部分からも取り組むことができますから非常に手が広いんですね。
ということで、改めて絶望を希望に変えるべく、今できることから始めてみてくださいませ。
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