*
そもそも大人って定義があいまいで、個人差があるものだと思うんです。
何が正解ってのもなければ、こうすべきってルールもありません。
個々人が自ら模索していくものだと思います。
筆者にとっては「大人は自由なもの」と思っています。だから、大人になることは楽しいし、面白いし、幸せなのです。
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大人の女性になることについて質問させてください。
私はいわゆる「いい」大学を卒業して大手企業の営業として働いていましたが、合わなくて退職。
今は不妊治療をしながら(夫以外は知りません)、パートをしています。
先日、久しぶりに実家に帰った際に、父親からこんなことを言われました。
「この前、知り合った社長が〇〇大学出身でー、『あ娘も〇〇大学なんですよ、でも会社辞めちゃって何だかねえ』って言ったら~、いや〇〇大学の人は優秀だから大丈夫って言われてー笑」など、イラッとすることを言われました。
正直、私はもう会社で活躍することとか、考えてないんです。
ここからが疑問なのですが、少し前までの私だったら、ここでムカムカムカーとして、後で母親にLINEして文句を言うか、家で数日モヤモヤして過ごしていたと思います。
今回は、「イラッ」くらいで済みました。
今まで私は、人が自分の思うとおりに理解してくれない、動いてくれないことにすぐ腹が立っていました。で、その度に誤解を正したり、文句(注文)を付けたり。人をコントロールしたい欲がありました(今もあります)。
人との境界線が曖昧なんだろうと思います。
「別に人にどう思われようがいいや」「私は私」と思えるようになりたいです。もっと大人になるにはどうすればいいでしょうか。
ちなみに母親はワガママお嬢様タイプで過干渉で思い通りにならないとキレる、父親は権威大好きで世間体を気にするタイプ。夫は自由で世間体を気にしない人です。私は長女です。よろしくお願いします!
(Eさん)
何をもって「大人」と定義するかってのは色々あると思うんです。
選挙権があるから大人とも言えるし、酒が飲めるから大人でもあるし、生理が始まれば体としては大人になってるわけで、身長が止まったからみたいなのもあるし。・・・ってまあ、内面的な話ですよね?笑
だから「大人になる」と言っても様々なものがあるし、周りから「あの人は大人だよね」と言われても自分としてはまだまだ大人になり切れてないと感じることもありますし、そこも色々です。
という非常にあいまいな話から始まるわけですけれど、これをお読みの皆さんは「自分も大人だなあ」と感じるのってどんなところでしょうか?
まだまだ子どもと思う部分はしばし放置して大人な部分を探してみて下さい。
そして、その「大人の自分」に対してどういうイメージを持っているかも一緒に感じてみてくださいませ。
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例えば「前は喧嘩っ早くてすぐに怒鳴り込んでいた」けれど、「今はグッと我慢がきくようになった」という場合、「お前も大人になったな」などと言われるわけです。
「かつては徹夜してでも締め切りを守ろうって頑張ってたんですけど、今はそれはしんどいから事前に計画を立ててちゃんとこなせるようになりました。」なんてこともあるでしょう。
「昔の自分は男だったら誰とでも寝てたけど今の自分はちゃんと相手を選ぶようになったんです。」という人もいるはず。
「白黒はっきり付けなきゃ気が済まない性格だったんだけど、最近はグレーなものも受け入れられるようになったかも」というのもありますね。
でも、そう思ったときに一抹の寂しさと言うか虚しさのようなものを感じる場合がありませんか?
いわば、「大人になる=もう若くない」というイメージで捉えているような、「大人になる=角が取れる」みたいな、「大人になる=きれいじゃない」みたいな。
そもそも「大人」というものに対してどんなイメージを持っているか?というのもあるでしょう。
落ち着いている。
分別が付く。
感情に振り回されない。
物腰が柔らかい。
しっとりとした大人の魅力がある。
色っぽい。
自分の人生を生きている。
人生に責任を持っている。
自分を客観的に見ることができている。
等々、きっと十人十色だと思います。
まあ、そうした「大人の定義」が「今の自分にできてないこと」を並べてしまう自己嫌悪強めの方も多いと思いますけれどね(苦笑)
*
「ああ、まだ大人じゃないなあ。そんな自分はダメだなあ」と思うこともあるかと思いますけど、それってやっぱり自己否定なんですよね。
自己肯定感的に言えば「大人じゃない自分も受け入れること」になりますね。
ある意味それが「大人」なのかもしれません。
>ここからが疑問なのですが、少し前までの私だったら、ここでムカムカムカーとして、後で母親にLINEして文句を言うか、家で数日モヤモヤして過ごしていたと思います。今回は、「イラッ」くらいで済みました。
ということはたぶんEさんも大人になったんじゃないでしょうか?
以前より寛容になったなあ、と。
>人をコントロールしたい欲がありました(今もあります)。
>人との境界線が曖昧なんだろうと思います。
という風に自分を客観的に見ることができるのもまたEさんが大人な証拠だと思います。
だから、私が思うのは「とりあえず自分のことは大人だと思っておけばいい」ということです。
そして、先ほど皆さんに質問したように「大人な部分を見つけること」をしてほしいですし、「大人じゃない部分はただ受け入れるだけ」でいいと思います。
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大人の定義って「自由」だと思っています。
自分で人生を選べる自由があるのが大人だと。
子どもってやっぱり良くも悪くも親の影響下にあります。
でも、大人になれば親の影響をまったく受けないわけじゃないけど、それすらも選択できる自由を持っています。
Eさんの話で言えば、また子どもを産んでしばらくして社会に戻ることもできるし、そのまま主婦として生きることもできますよね。その選択肢はEさん自身の手にあります。
人をコントロールしたい欲求なんてたぶん誰でも一生持つものですが、そのことに気付いており、ときにはそれを引っ込めることができるという選択肢を持つことができれば大人なんだろうと思います。
そう、自由というのは選択肢があり、自分の意志で選べることですからね。
だから、大人になることってひとつひとつ自由を獲得していくことで「嬉しい」「楽しい」「面白い」ものだと思うんです。
経験を積むことで視野が広がるし、もちろん知識だって得られます。
そうすることでますます選択肢が広がるわけですね。
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でも、他でもないその「大人」のモデルは「親」なんですね。
親がどのように生きていたか?が大人のイメージを形作るわけですから、親がしんどそうだったら「大人ってしんどいんだ」と思いますし、親が楽しそうなら「大人って楽しいんだ」と思うようになるわけです。
そして、私たちはその後、様々な大人に出会います。
学校や習い事の先生から始まって、職場の上司や取引先など大人との付き合いをしていきます。
そこでどんな大人に出会うかもまた「大人」のイメージに繋がります。
でも、大人になればその出会う大人も選択できるようになりますね。
だから、メンターと言われる存在ってすごく大切だと思います。ま、それは「大人として」に限りませんけれど。
もし、大人に対していいイメージがないのであれば、きっとあなたの周りの大人たちがあまり幸せそうじゃないのかもしれません。
だから、幸せそうな大人を探してみるのも一興です。
また、自分で自分に制限をかけているのであれば、幸せそうな大人に会っても「あたしとあの人は違うから」と自らブロックしてしまうでしょう。
それもまた苦しいですから、自分にかけた制限を外していくことが求められます。
この制限というのは「観念(ビリーフ)」という思い込みや決め付け、自己否定などです。
Eさんにとっては旦那様がいい見本なのかもしれませんねー。
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さて、大人論について語ってきたのですが、本題はこちらでしたね。
>「別に人にどう思われようがいいや」「私は私」と思えるようになりたいです。もっと大人になるにはどうすればいいでしょうか。
たぶんEさんにとっての大人というのが「私は私」と思える自分軸を確立してる人なんだろうと思います。
自分軸を確立する方法についてはブログでも散々語られてますし(ブログ内検索してみてください。)、本もありますので参考にしてみてください。
*文庫版『人のために頑張りすぎて疲れた時に読む本』 (だいわ文庫)
*新書版『なぜ、あなたは他人の目が気になるのか?』(フォレスト出版)
でも、お父ちゃんにイラっとするだけで済んだってことはEさんもだいぶ自分軸ができてるのかもしれません。
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自分軸の確立していく上でやはり「親」「配偶者」「子」というのはたいへん難しい存在です。めちゃくちゃ距離が近いですから。
だから、職場では自分軸で振舞えるのに母ちゃんの前だと思い切り母軸(他人軸)になってしまうし、パートナーに対して自分軸が確立できるようになったのに子どもに振り回されたりもするのですね。
それくらい難しいものですから、徐々に自分軸が確立されていくプロセスを楽しめたらいいな、と思います。
前はブチ切れて暴れてたのに、今はそこまでひどくないってところに成長を感じられるじゃないですか。そのプラス分にぜひ賞賛を送ってあげて欲しいんですよね。
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でも、言うなれば大人になることと自分軸を確立して自己肯定感をあげていくことは同じ意味なのかもしれないと思うのですね。
そして、自己肯定感があがっていくに連れて「他者肯定感」も高まっていくものですから、「まあ、父ちゃんは世間体を気にする人だからすぐ大学の話とかしちゃうんだよねえ。そこはあたしと価値観が違うんだよねえ」という風に生暖かく受け止められるようになっていくと思います。
子どもの頃は親の価値観を真に受けます(それでEさんもお父さんの期待に応えていい大学に入られたのでしょう)。
けれど、大人になれば自らの価値観を作り出していくわけで、そうすると「親父とは価値観が合わん」ということにもなろうかと思います。時代も変わりますしね。
そこで喧嘩するのも一つですけれど「価値観が違うんだねー」と“違いを許容すること”ができたらそれもまた大人になること(=他者肯定感)なのかもしれません。
そこで親が自分の価値観を強く押し付けてきたら、大人なんですから“自由に”距離を取ればいいわけです。その影響を受けない距離まで引いてしまえばいいんです。
そして「父ちゃんはそういう価値観だなー、自分とは違うねえ」と思いながら、父ちゃんがどうするかを見守ってあげれば良いのですな。
そうすると父ちゃんもまたあなたの価値観を受け入れてくれるかもしれないし、拒否したまんまかもしれません。
拒否したまんまなら悲しいけれど「まあ、それが親父なんだろうなあ」とやはり肯定して受容していくことができます。
こうなってくると「父ちゃんに分かってほしい」とか「みんな一緒がいい」などのニーズ(欲求)もないですし、父ちゃんをコントロールしたり、「正しさの争い」をしたりとかの競争心もないので、平和で安全な生き方ができます。
*
とはいえ、これは一つの例です。
大人とはこういうもんだ!と言いたいわけではなく、一つのアイデアだと思ってください。
その上で「じゃあ、自分の場合はどうなんだろう?」って考え、その方向に足を進めていくのがいいですよね。
ということでやっぱり自分軸と自己肯定感の話になってしまいましたねー。笑
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