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窮屈さを感じていたり、パートナーシップがうまくいかなかったり、やりたいことが見つからなかったりするのはもしかしたら制限がかかってしまってるからかもしれません。
だから制限を外すということがテーマになるのですが、実はそれ、自己肯定感と非常に密接な関係があるんです。
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まだ冬だった頃のある日、とある常連様がキラッとした目をしながらカウンセリングルームにやって来られました。
「どうやらあたしにも久々に彼氏なるものができたようです。」
というご報告を頂き、その後はそこまでの経緯というテイで惚気話をたくさん聴かせていただきました。ええ、もちろん私はテキトーに聞き流しておりましたけど、なんでも今までの彼氏・元旦那とは全然違う路線なんだそうです。しかも8個も年下だそうで。
ちょっといい感じの人ができたという話は前回のカウンセリングのときに聞いておりまして、その後、狙い通りに彼を押し倒すことに成功したようでたいへんめでたいことです。
「まだ付き合って数週間なので、いつ終わりが来るかは分かりませぬ」と謙虚に語られていましたが、週に2,3度はお互いの家を行き来しているらしく、早くも一緒に住む話が出てきたそうで、展開の速さにお互いがびっくりしているみたいです。
その日は惚気話を聞いて終わりかな?と思ってたんですけど、「まあ、お察しかと思いますが(実は全然お察ししてない)、やはり親密感への怖れなるものが出てきてるようでして、幸せな気持ちで過ごしてるときにふとエアポケットに落ちたように怖くなったり、疑いが出てきたり、重たい気分になったりするんです。」とのこと。
「まあ、まだ付き合って間もないし、いろんな経験されてきてるので不安になるのも分かりますけど、それも時間が解決してくれるんちゃう?」とテキトーに流そうと思ったんですけれど、そこはさすがは常連様、「いやいや、ちゃんと見てくださいよ。前もそうだったじゃないですか。」と逃がしてはくれませんでした。
彼女、何年か前からずるずる付き合ってるセフレのような既婚者がいたのですが、それも彼の登場と共にすっぱり斬り捨てられたとのことで、それも良かったです。
◎ワークショップ「親密感への怖れを徹底的に癒すワーク10連発」
東京:5/28(日)14:00-17:00
大阪:6/10(土)14:00-17:00
オンライン:6/11(日)14:00-17:00
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/49020
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彼女とのカウンセリングは1年以上に渡っているのですが、そこで取り組んできた課題のひとつが「制限を外す」ということでした。
自分が自分にかけてる制限を外していく、という試みは私のセッションでは非常にメジャーなものですが、やはり長年積み上げた人生経験により抵抗がでたり、すぐにうまく行かなかったりすることも多いものです。
その制限というのはまず親から与えられたものがベースとなり、その後、自分が過ごす環境の影響をものすごく受けて構築されていくものです。
よく「しっかり者の長女」という話が出ますが、「お姉ちゃんなんだから」と制限をかけ続けられた結果、「きちんとちゃんと」が合言葉になり、優等生になって周りから信頼されるけどちょっと窮屈な生き方になっちゃってそれが特に恋愛でマイナスに働いている事例は山ほどあるものです。
「こうしなければ」(義務)、「こうしてはダメだ」(禁止)というルールで自分に制限をかけるのですが、そうすることで自分の気持ちよりも思考が優先されるようになったり、なんなら自己喪失してしまったりすることもあるわけです。
この制限のことは「観念」とか「ビリーフ」とか「自分ルール」とか「思い込み」という表現で私のブログによく出てきますね。
こうした制限があると「自分らしさ」が一番の犠牲になるものです。
例えば、ほんとの自分はけっこう暴れん坊(情熱的)で、わがまま(自由人)で、好奇心旺盛な部分をたくさん持っているとします。
しかし、それを「いい子」という枠組みに押し込んだ結果、「大人で知的、人の話をよく聞く、安定志向、気遣いができるいい人」になったわけです。
ええ、確かにそういう人は職場でも重用されるし、友達だってできるし、どこに行っても信頼されるキャラとしてある種の成功を収めるでしょう。
そして、そうした彼女の要素は決してウソではなく、彼女の魅力であることは間違いありません。
でも、決して情熱的にならず、不自由な生き方になるので「窮屈さ」を覚えるのも確かです。けど、あんまりそれを自覚することは少ないかもしれません。
仮に自覚してもその窮屈さを受け入れられない自分がダメだと思うんです。
だから、そこを解消しようとはよほどのことがない限り思わないはずです。
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で、そういう「いい子」が恋愛をするとどうなるか?
知的さを求め、安定的な関係を望み、コミュニケーションが円滑にできる、やはり「いい人」と相性がいいように思います。
また、そんな彼女に近付いてくる男性もまたその線になりやすいものです。
そうすると「情熱かつ自由」を封印したような恋愛になるので、彼女は「退屈」を覚えるようになります。
一方、恋愛って感情でするものですから、それまで封印してきた情熱的かつ自由人が活発に動き始め、「え?なんであの人のことが好きなの?」と周りから言われる人と付き合ったり、思い切り振り回される恋に突撃したり、全然うまくいかない相手と苦闘を繰り広げたりすることになります。
でも、そうして恋愛すると封じ込めてた自分が出て来ちゃうんだったら「恋愛してるときの自分は嫌い」と思うようになります。
だから、恋を遠ざけつつも、でも、内側の自分は騒ぐものですから、アンダーグラウンドでしか男女関係が築けないこともあるんです。
この辺、文章にすると難しいですねー。
きちんと説明しようとすると理屈っぽくなりそうだしー。
何よりもめんどくさいしー。
つまり、会社員としてはとても順調に実績を積み上げ、お局様と揶揄されようが職場で信頼される立場にある一方で、「なぜか恋愛がうまくいかん」となったり、「幸せそうな奥さんに見られるけど実はモヤモヤがいっぱい」となったりするわけですね。
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そこでその自分が自分にかけた制限を外そう!という話になるわけです。
先ほどの例で言えば「暴れん坊で自由な自分を解放しよう!」ということになります。
これはものすごい葛藤が出るのも分かるでしょう。
ある人は「ほんとうの自分に気付かなかった方が幸せだったかも」と嘆いてたほど、受け入れたくないものかもしれません。
ただ、その際、「大人で知的、人の話をよく聞く、安定志向、気遣いができるいい人」という魅力を捨てる必要はありません。そこに「情熱的で自由な人」という要素を加える感じです。
え?でも、それって矛盾しない?そんな「いい人」かつ「情熱的で自由な人」って想像できないんだけど?と思われるかもしれません。
ええ、その通りです。人間ってものすごく矛盾してるんですよ。矛盾だらけなんですよ。
それはみんな経験してることだと思うんです。
「優しくしてあげたいのに、冷たくしちゃう自分がいる」
「ほんとは甘えたいのに、強がって平気なふりしてしまう」
「いい加減でテキトーな人なのに、ちゃんとした人を演じてしまう」
とかとか。
両方自分なんですよ。
優しいのも冷たいのも、甘えん坊なのも強がりなのも、テキトーなのもちゃんとしてるのも。
どちらも自分だからどっちもあるんです。
制限を外すというのは、どっちの自分も受け入れて、認めていくことを意味します。
律儀な自分もいればズルい自分もいることを受け入れ、どっちも自分だと認めるんです。
「ちょっとあざとい自分もいるんだよねー」と。
素直な自分もいれば頑固な自分もいるし、ピュアな自分もいれば腹黒い自分もいるし、恥ずかしがり屋な自分もいれば度胸のある自分もいるし、そういう自分を「まあ、それが自分なんだよねー」と受け入れていくことが自己肯定感だし、そうして認めていくことで「制限を外す」ということができるんです。
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自分の中で認めたくない自分というのがいるんです。
何で認めたくないかと言えば、そういう自分が出てきたら愛されない、必要とされない、嫌われる、と思い込んでいるから。でも、それは思い込みなんですよね。
そういう自分を「そんな自分もアリだよね」と受け入れていくことで制限を外すことができるんです。
だから、自分を見て、知って、受け入れるプロセスを繰り返していきます。
やはり一般的にネガティブだと思われていることや性的なものに抵抗が強いものです。
また、人と違う部分、目立ってしまうと思っている部分にも抵抗は出てきます。
だからけっこうこういう質問をします。
「大胆に振舞うとしたらどうすると思う?」
「解放的なファッションというとどんな服を思いつく?」
「何をしても自由だとしたら何したい?」
そこでイメージされるものって制限を外した自分かもしれません。
上司に言いたいこと言ってる自分。
気分によって会社をサボる自分。
体のラインが出る服を着てる自分。
派手なメイクをしてる自分。
さっさと海外に旅行してる自分。
値札を気にせず買い物してる自分。
夜中にプリンを食べちゃう自分。
朝までゲームしちゃう自分。
もし、そんな自分は嫌いと思ってたらまさに制限をかけてる証拠なんですよね。
そういう自分に対して「それも自分なんだよね」と受け入れていくことなんです。
「制限を外す」というのはそうして「自分に許可を出し続けること」です。
いろんな自分にOKを出し続けることなんです。
つまりは自己肯定感そのものと言えます。
だから許可を出した分だけ楽になって解放されて気分は上がります。
けれど、まあ、制限をかけるくらいだからものすごく否定も出てくるんですが、そんな否定してる自分も受け入れてあげるところが一歩目かもしれません。
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カウンセリングでは「それやっちゃいなよ」とか「それが次回の宿題ね」という風に言うこともありますけど、「許可を出す」というのと「それを実行する」というのは別の問題です。
「許可を出す」と「選択肢が増える」ということになります。
選択肢が増えるということ自体が「自由になる」ということです。
会社をサボってもいい、という許可を出したところで、実際にサボるかどうかは選べるんですよね。どっちでもいいんです。
サボってもいいし、サボらなくてもいいんです。
だから余計に混乱しますよね?
ある意味「サボっちゃいけない」とルールを作っておいた方が考えなくてもいいから楽かもしれません。
自分で選ぶより、そのルールに従っていた方が安全なんです。ていうか、安全のためにルールを作ってるんだから。
でも、それでは窮屈なんですよね。そして、そこが問題として出てくるんですよね。
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冒頭の彼女。あれこれ制限を外して自分を自由にしてあげる中で、1年の間に広い部屋に引っ越しをし、服を断捨離してセクシーな服ばかりを揃え、メイクを学びに行き、有休を積極的に使うようになり、残業を減らし、会社と交渉して在宅勤務をメインにし、料理にハマっていくなどの分かりやすい変化がありました。
1年前の自分とはガラッと変わった感じの頃に今の彼とアプリで出会いました。
年下だし、今までだったら敬遠していたのですが、勇気を出して会ってみることにしたら意気投合したそうです。
その後、彼からの熱心なお誘いもあって陥落したわけですけれど、彼に対しては何でも言えるところが今までと違うところらしいです。
そして、計算高く、ズルいところがあって、わがままで、プライドが高く、でも、ほんとは弱くて、感受性が強すぎる部分も彼の前で出せるんだそうです。
「まあ、世の中には奇特な方もいらっしゃるんですねえ」とは某カウンセラーの弁です。笑
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