母を自死で亡くしたロックマン夫をどうしたら助けてあげられるだろう?



夫を癒してあげたいと思うのはもちろん愛情なのですが、それがゆえに「妻」から「母」に変わってしまうリスクが生まれます。
そうすると転移・逆転移が起こって、彼と母との関係を再現してしまって余計に問題がややこしくなるんです。
だからこそ、自分軸が重要であり、妻で居続けることが大事なのです。

いつもブログで勉強させて頂き、自分軸確立中の武闘派女子です。
モラハラDV家庭で育った長女私と、過干渉&うつ病からの自死をした母がいた一人っ子夫の話です。
主人の両親が他界してから、今までは主人と両親の愚痴や主人の思いを聞きながら、色々アク抜きというかお互いの傷をなめ合い?相互の理解に努める時間もあったのですが、他界してからはご両親の話は何となくタブー的な雰囲気で話すこともなく、よりロックマン化し、彼自身がちょっとしたことでシャッターを閉めやすくなった気がします。
出来るだけ自分軸で過ごし、母性で乗り切ろうと思うのですが、子どももいるし、どこまで夫婦関係持つのかなぁっと思うこともあったり。。
ご両親の他界はロックマン的にやはり何か影響ありますか?卒業させてあげたい、と思うのもまた武闘派コメントなんでしょうけど、これは私1人でなんとかなるんですかね。夫婦でカウンセリング受けたいと日々思っています。。
(Cさん)

そうですねー、私一人でなんとかなるんかなあ?と思うところが自立系武闘派なんちゃらの典型的なところでして、そうと思わずに頑張っちゃうことが多いもんなんですよね。

>ご両親の他界はロックマン的にやはり何か影響ありますか?

と聞かれたら「そりゃあ、あるでしょうねー」と答える私ですけれど、特に自死ってのはかなり影響が大きいもんです。

ひとりっ子ですしね。お父様はいつ亡くなられたか分からないのですが、過干渉だったということは、彼にとってお母さんが体の一部になっていた可能性も考えられますよね。

そうすると「助けられなかった」「見殺しにしてしまった」「自分がもっとしっかりしておけば」「何かできることがあったんじゃないか?」等々の思いが頭の中をぐるぐる巡っているはずです。

そして、その悲しみ、辛さ、無力感、罪悪感、喪失感、失敗感が強ければ強いほど、その感情に蓋をしたくなるものです。つまり、ロックマン化が進む、ということです。

自死というのは残された家族に深い傷を残すんです。
仮にうつ病だからといつかそういう日が来るという覚悟をしていても同じことです。

自死に限らず、事故や急病などで突然亡くなった場合、まずその現実を受け入れるのに人は相応の時間がかかります。

でも、人の心はたくましく、強く、そして、しなやかなので徐々にではありますが回復していきます。
そんな記事をいくつか紹介しましょう。

喪失感から始まる様々な感情について。

大切な人の死をどう受け止めたらいいのか?

死をどんな風にとらえればいいのか?

また、こうした死生観についてはアルフォンス・デーケン先生の本なども役立つと思います。

ということで、お母さんがいつ亡くなられたのか分からないのですが、彼は彼なりに母の死と向き合い、そして、回復に向かっていると信じてあげたいですよね。

ということで彼の話はこれくらいにして、Cさんのお話をしましょう。こっちがメインですしね。

自分軸を意識しながら彼を助けてあげたい、救いたいという思いは愛そのものですよね。
それくらいご主人のことを愛していらっしゃるのでしょう。

でも、まず大切なのは「これは夫自身の問題である」という風に線引きをしておくこと。
彼の心の痛みですから、彼自身がそれを何とかしようとしなければどうしようもないということ。
もちろん、そうした彼の行動に影響を与えることはできますし、サポートしてあげられることはたくさんありますが、その線引きはすごく重要です。

というのもCさん自身が「モラハラDV家庭」で育ったわけですから、ついつい「癒着」してしまいやすいのですね。

要するに彼の面倒を見すぎてしまいやすいんです。

今までも彼の話をよく聞いてあげていたみたいですが、自分が疲れていたり、余裕がなかったりしたときもちょっと無理して頑張ったことありませんか?
「聴いてあげなきゃ、何とかしてあげなきゃ」という思いで。

で、そういう思いも愛があるから生まれるものでもありますけれど、ただ、そうして無理して頑張った分だけ、期待も生まれやすくなるんです。

自分では意識してないんだけど「早く良くなってね」というメッセージを送っちゃうことがあるんですよね。

「私がこれだけ頑張って話を聴いてあげてるんだから、その分、結果も出してよね」という無言のプレッシャーを出しちゃうこともあるんです。

これがより彼の状態を停滞させてしまうことになるので、だからこそ、自分軸を確立し、「それは彼の問題である」という風にきちんと線引きしておかないといけないわけです。

これ、誰もがよくやっちまいがちですので気を付けてくださいね。
特に助けたい、役に立ちたい、何とかしてあげたい、という愛情深い人ほど。

例えば、みなさんが根本先生のカウンセリングを受けたとするでしょう?
そのとき先生から「私は偉大なカウンセラーですから、あなたはさっさと結果を出す責任があるんですよ。じゃないと私の名前に傷がつくことになりますからな。数回で良くなってもらわなきゃ困るんですよ。」という雰囲気を感じたらどう思います?

あ、この先生じゃダメだわ、と思います?笑

それとも「まあ、良くなるときは勝手に良くなるもんですし、私にもそれがいつかなんてわからないですからねえ。まあ、そう焦らずにのんびりやりましょうや。」という雰囲気を醸し出していたらどう思います?

やっぱり、あ、この先生じゃダメだわ、と思います?笑

Cさんも「それはあんたの問題なんだから、あんたがちゃんと向き合いや」という意識でいることが大事ってことなんです。

さて、「母性で乗り切ろう」というのもロックマン対策としては有効なのですが、だからと言って、彼のお母さん代わりになってしまうのは危惧されるところですよね。

これはほんとあるあるな話ですので、みなさま、耳をかっぽじって、、、あ、いや、目を見開いて読んでいただきたいのです。

彼を受け容れてあげたい、彼を癒してあげたい、という思いはとても素晴らしいものですから、ぜひ彼に与えてあげていただきたいのですが、それはあくまで「自分に余裕があるとき」という限定を受けるものです。

それ以上は犠牲や補償行為となり、先ほど書いたような無言のプレッシャーを与えることになりやすいものです。

愛を与えてるつもりが脅迫してた、なんて嫌でしょ?

で、失ったお母さん代わりになろうと思っているわけではないと思いますが、彼の話をひたすら聞いて受容し、承認し、理解を示してあげることは時に「妻が母になる」というリスクを負います。

これはほんとバランスが難しいのですが、そうして彼を優しく包み込むように女性性を使って接することは癒しに当たるのですが、それだけだとCさんが妻ではなく母になってしまうんですね。

で、彼にとって「母」とは因縁の相手じゃないですか。

「妻=母」に見えてくると、彼の中で「妻も失うかもしれない」という怖れに火を点けてしまいます。

身近な人を自死で失った人は、無意識に「これ以上親密になったらその人を自死で失うかもしれない」という怖れを持つようになるんです。

また、これはちょっと信じがたい話かもしれませんが、関係性は再現されるので、Cさんが彼にとっての母役をこなせばこなすほど、Cさんが過干渉になり、また、うつ病っぽい状態になってしまうリスクもはらむんです。(これを転移・逆転移と言ったりします。)

それと同時にCさんの育ったモラハラDV家庭の再現も危惧されるところです。

つまり、Cさんが母性(女性性)をフルに使って彼の母になってしまうと問題が余計にややこしくなることがあるわけです。

それはイヤですよね?

ということで自分軸がものすごく大事ってことになるんです。

母ではなく妻であり、そして、一人の女であることは忘れちゃいけないってことです。

で、こういうときに母にならずに彼の傷を癒すにはどうしたらいいのか?

察しの言い方はもうお気づきかと思うのですが「妻にあって、母にないもの」を探ればすぐにピンと来ると思います。

そう、セックスですね。

そもそもセックスは最高のヒーリングツールでもありますから、彼のそうした状態にはうってつけの癒しになるものです。

けれど、二人の関係が「母・息子」になったり、「姉・弟」になったりしていくほどにセックスはタブーになります。つまり、やる気になりません。

だからこそ、Cさんにとってセクシャリティは重要なものです。

特にセクシャリティってのは生命力でもありますから、死と非常に関係が深いものです。
死の淵から救い出してくれる力を持つものなのですね。

まあ、けっこう偉そうなことを立派に書いておりますけれど、要約すれば「エロは最強」ということです。はい。

そういうわけでCさんが今、意識を集中させるべくは「女で居続けること」です。というか、女としての魅力をさらに上げること、です。

ロックマン化すると感情をどんどん封印していくようになります。シャッターを下ろすってのはまさにそういうことですね。

しかし、そんなロックマン氏でも感情をあらわにできる機会があり、それが「怒り」と「性欲」なんです。だから、彼を怒らせてあげるのも一つの手ですが、それはあんまりお望みじゃないと思うので「性欲」をちゃんと解放させてあげるんです。

だからこそ、母になっちゃまずいわけです。せっかくの感情の出口を一つ自ら塞いじゃうことになりますから。

目標としては「彼が追いかけたくなるような女でいること」です。

とはいえ、これにはCさん自身に相当のコミットメントが求められると思います。

以前から似たようなテーマを扱っているんですけど、元々セクシャリティに蓋をしている奥様だったり、かつてはオープンだったけど旦那がこういう状態になってから蓋をしてしまった奥様だったりして、私がこの話をするとみるみる引いて行かれるのが分かるんです。笑

この話をして「なーんだ、簡単す。Tバックにミニスカであいつを誘惑しとけばいいんすね?」と気軽に取り組める人ってあんまりいないんですよ。

それはやはり彼の問題は自分の問題でもあり、彼がシャッターを占めてロックマン化しているということは、パートナーであるCさんもセクシャリティに蓋をしている可能性が高いからです。

そういうわけで、夫婦でカウンセリングを受けるのももちろん悪いことではないのですが、それは旦那様もカウンセリングを利用する気があった場合に限ります。

無理やり引きずって来られても我々としては何もできませんので。

それならばパートナーは鏡なわけですから、やる気のあるCさんがまずカウンセリングなどを利用されるのがお勧めです。

そうして自分のエネルギーを高く保ち、自分軸を確立していくと、自然と夫婦関係は変わっていきます。

ということで、たぶん人生の大きな分岐点でもあると思いますから、Cさん自身も焦らずにじっくり時間をかけて取り組んでみてください。

ま、あかんかったら離婚すればいいか、という気楽な思いも持ちながら、今できることから始めて行きましょう。

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