不誠実な態度をとるようになった彼氏と別れたいと思うのは傲慢なのか？

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始めはすごく優しくて愛情表現もしてくれるような彼がなぜか変わってしまい、不誠実な態度をとるようになったとき、あなたはどう対処しますか？
そんな態度をとる奴は許せん！とさくっと斬りますか？
それとも情が移っていてすぐには決断できず、ずるずると付き合ってしまいますか？
正解ってのはなくて、そこは自分の価値観に照らし合わせるのが良いのです。

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数日前に「そんな彼を許せるくらい器の大きな女になるにはどうしたらいいでしょう？」という記事を書いたのですが、そこで「限度」の話をしていました。

この「限度」が難しいんだよなあああああああ、と思いながら文章を編みましたところ、ちょうどたまたまＮさんのネタが目に留まり、ああ、そういうことなんだよね、まあ、難しいっすけどね、と思ったので今日はそんな話をさせていただこうと思います。

で、Ｎさんの彼に限らず、彼氏・夫のことをご相談いただくたびに、みなさまの深慮遠謀にはほんとうに関心させられるというか、やっぱすげーなあ、と感心することしばしなのです。

＞彼は優しいし愛情もくれているのに、不誠実な対応が許せず別れを決めた私は傲慢なんじゃないか？と言うことです。

みなさま、「傲慢」とか「ワガママ」という言葉を異常に気にしていらっしゃるのではないかと思い、うちの何人かのクライアント様の爪の垢を煎じて販売しようかと思っているところです。
（え？まさかあたしじゃないよね？と思われた方はたぶん大丈夫っす。）（ああ、これ、あたしのこと言うてるな。こんどあいつシメとかなきゃ！と思った方はたぶん当たりです。次回のセッションの時に爪の垢をご持参ください。報酬は売値の３０％でよろしいでっしゃろか？販売コストとかいろいろかかるもので。）

さて、一時は「こいつがヘラクレスオオカブトってやつか！やった！」と歓喜していたＮさんですが、その後の彼の対応において「は？なんやねん、こいつ」と思うようになり、別れを考え始めたとのこと。

ということで、みなさまは「もし、あなたの友達がこういう目に遭ってるとしたらどう思いますか？何て言いますか？」をちょっと考えてみてください。

ケース１）会う約束をしていたのに連絡が無く、こちらから連絡したら「今から行く」と言ってたのに来ない。

ケース２）別の日には彼の家に泊まる約束をしていたので夜道を1人で歩いて会いに行き（この時も連絡が返ってこなかったので）、彼の家のピンポンを鳴らしても家にいるのに出てこない。

まあ、Ｎさんもご自身で気づいていらっしゃると思うのですが、おそらく友達との議論は「彼をどう処罰すべきか？」という点で白熱していくだろうと思います。

で、そういう態度を取られているにもかかわらず、「私は傲慢なんじゃないか？」と思ってしまうのはなぜでしょう？

友達がそんな目に遭ってたら「は？なんやねんそいつ。あたしが今から突撃して南港に沈めたろか？」と即座に反応されると思うのですね。

え？それでも生ぬるい？も、もしかして、去勢とかしちゃう感じ？

それなのに自分がそういう目に遭うと「私は傲慢なんじゃないか？」という発想になるのはなぜなのでしょう？

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そう、まだまだ自分を大切にできてない証拠って言えるんじゃないでしょうか。

たぶん、その友達にも「あんた、いい女なんだからそんな自分を粗末にするようなことはしちゃダメよ！」と強く訴えると思うのです。

そういう意味ではＮさんの「自分を大切にして生きる」プロジェクトにおいては大きなチャンスが訪れていると考えていいと思います。

「ああ、さすがにこれはキツイなー。女ひとり、夜道を歩いて家まで行ったのに出てこないってどういうこと？あり得ない。それはさすがに限度を超えるわー」と判断しても良いのです。

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ただ、なぜ、そういう風にすぐに思えないか。
別れを即断即決ができないのか。

それにはちょっと別の心理も動いているのです。

それが「情」とひとことで表されるものでして、そこが恋愛にまつわるややこしい思いなのです。

優しく、愛情表現だってしてくれる彼。
気を遣わずに楽に付き合える彼。

Ｎさんの人生において、そんな彼はレアキャラなのかもしれません。

そしたら、やっぱその彼に心を持っていかれるのも無理はありません。

もちろん、体を交したら女としての本能として彼の子どもを産む準備を心身ともに始めるもんです。

そんなときに不誠実な態度を連発されても、「本当の彼は優しい人」という思いはすぐには捨てられませんし、しがみついてしまう気持ちも出てくるものです。
（だって心の一部はすでに巣作りを始めているものですから）

それどころか「もしかしてあたしが何か悪いことをしたんじゃないか？彼の気分を害するようなことをしてしまったんじゃないか？」とお得意の罪悪感を発動させてしまう女子もすごく多いです。

「あんな優しい彼がそんな不誠実な態度を取るなんて信じられません。きっとあたしが彼を傷つけてしまったんだわ」と。

だからむしろ「謝りたい」なんておっしゃる方もいらっしゃるほどでして。

確かにそういうケースもあろうかと思いますが、「それとこれとは別」と捉えたほうが良いかと思います。

だから仮に友達から「なにその彼、ひどくない？別れたほうがいいよ」て言われても、確かにその通りと思う一方で、「でも、あたししか知らない彼がいるのよ。ほんとうはすごく優しい人なのよ」と反発したくなる気持ちも出てきたりします。

そういう風に「情」を元に彼との関係をあれこれ振り返るんですよね。

そうすると確かにムカつく面もあるけれど、それ以上にいい面が思い出されるわけです。
。
「彼は悪い人じゃない」という結論ありきで考えられる人も少なくありません。

そうすると「客観的に見れば別れたほうがいいと思うんだけど、主観的にはもう少し様子を見たいんです」という風になってしまうものです。

それでズルズル関係を続けちゃってる人も少なくないんじゃないでしょうか？

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そうして彼とのことをあれこれ考え続けていくと、昔ながらの癖が出てくるんです。

それは「自分を大切にしてこなかった過去」の“遺産”みたいなものです。

＞もう自分を可哀想な状況には置かない！これからの人生は思いっきり自分を大切にして生きよう！

と心に決められましたよね？

ということは、それまでは「自分を可哀想な状況に置き、自分を大切にしてこなかった自分」がいたわけです。

そして、そのルーツをたどれば遥か昔までたどり着くと思うのです。

そこで出てくるのは「全部あたしが悪い」という罪悪感だったり、「どうせ自分は選ばれない」という無価値感だったり、そして、Ｎさんの場合は「あたしは傲慢なんじゃないか？」という思いってことで、これが「パターン」と呼ばれる心の癖なのです。

自分を大切にしよう！と思うと、自分を大切にできない自分が出てきちゃうんですね。

「傲慢になってはいけない」とか「あたしは傲慢な女だ」という思い、Ｎさんはいつからお持ちなのでしょうか？

自分を傲慢な女だと見ているならば、「自分の欲求を抑えて周りに合わせる」「自分よりも周りを優先する」「人目を気にして本音を出せない」などの状態が当たり前になってたのかもしれないし、それが数々の問題を作ってきたのかもしれません。

Ｎさんのご相談を読んで表面的に「そんな男、さっさと別れたほうがいいよ」とアドバイスするのは簡単なんですけど、その上側にそんな心理が隠れてるとなれば、まあ、分かっててもすぐには別れられないよな、自分を責めちゃうよな、ということが分かりますし、さらに言えば「自分を傲慢じゃないかと扱う癖を何とかした方が今後のためにも良くない？」という見方ができるんです。

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さて、皆さんはこういうとき、何が出てくるでしょう？

無価値感や罪悪感が出てきますか？
被害者になっちゃいますか？
どうせ・・・って拗ねますか？
Ｎさんと同じく、傲慢じゃないか、自分勝手じゃないかって思っちゃいますか？

それが皆さんの心の中にずっとある「パターン」で、それが各所で出てきて自分を苦しめているのかもしれないです。

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＞でもやっぱり私からしたら彼の対応はやっぱ嫌だし、彼と付き合うのは疲れた！ドタキャンしない、夜道を女子1人で歩かせない人がいい！と思ってしまいます。

これは正解ですし、私もそう思いますし、カウンセリングでも「そういう男はさっさと損切しちゃった方がいいっすよー。次もありますしねー」とか軽く言っちゃうんですけど、「そんなことよりもさ、そのパターン、何とかしません？」という方向に話を持って行きます。

それはそれ、これはこれ、という奴ですね。

「そういう不誠実な態度を取られてもスパッと別れられないのはなぜなんでしょう？」

私はたいていそういう話をしていくんです。

友達がそんな目に遭ってたら即座に別れを申告すべき！と思うのに、自分がそういう目に遭っててもすぐに別れられないばかりか、自分を責めちゃうのはなぜだろう？と。

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ふたりの間に何があったんだろう、とあれこれ質問をしていくものです。

優しくて愛情表現もしてくれる彼の姿は偽り（補償行為、犠牲など）で、本当の姿が今の不誠実な彼なのだろうか？

Ｎさんもそうだけど、彼にも「親密感への怖れ」みたいなものがずいぶん強くあるのだろうか？

彼の態度が変わってしまったきっかけって何だろうか？Ｎさんが何かしらやらかしてしまったのだろうか？

おそらくＮさんもこれらのことは考えられたと思うのですけど、ひとりでは結論が出ないと思います。当事者にはなかなか見えないものがありますからね。

でも、少なくとも「あたしは傲慢じゃなかろうか？」という思いが出てきたということは、それにまつわる何かが二人の中でも起きていたし、Ｎさんのそれ以前の人生にもだいぶ影響を及ぼしている“価値観”ではないかと見るのです。

「傲慢さ」というのは、簡単に言えば、相手の気持ちや考えに配慮せずに一方的に自分の気持ちや考えを押し付けたり、判断したりすることです。

「彼はきっとあたしのことを好きじゃないと思うの！」という判断もときには「傲慢さ」になることもあるのです。

だから、とりあえず彼とは別れても良いと思います。

その一方で、自分が傲慢だと思ってしまうパターンについてさらに深掘りしていきませんか？

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さて、

＞価値観の違いってどうやって擦り合わせていけばいいのですか？

という点について最後に触れておきたいと思います。

バンドやグループYoutuberの解散理由の第一位でもある「価値観の違い」なんですけれど、ここをすり合わせていくには「相手に対して誠実であること」が何よりも求められると思います。

自分の気持ちを尊重しつつ、相手の気持ちも尊重する。

お互いにそういう意識が必要ですね。

もちろん、リアルタイムにそれができなくても構いません。

価値観の違いから衝突して喧嘩になっても、そのあとのひとり反省会において“お互いが”自分を見つめ直し、この相手とやっていくためにどうしたらいいのか？を考え、言動でそれを示していくことが「相手を尊重する」ということになるかと思います。

「いやあ、その態度って不誠実じゃね？」と感じたら、それを伝えるわけですね。

それと同時に「なんでそんな態度を取ったのか？相手はそれを不誠実だと思っていないのか？」という事情聴取も行いたいところです。

そこで話し合いの上で「ごめん、悪かった。そういう態度は取らないようにする」と彼が素直に非を認めるかもしれないし、逆に「いやあ、あんたのこの態度が気に入らないのよ」と彼が言い出すかもしれません。

そこでまた自分を見つめ直し、「ごめん」でもいいし、「無理」でもいいですが、彼に正直なところを伝えていきます。

これが言葉でできれば分かりやすいですが、言葉にするのがうまくなかったり、ちゃんと相手の話を聞けなかったりこともあるでしょう。

でも、相手にちゃんと自分の思いが伝わっていれば、“相手が自分との関係を大切にしようと思っているのであれば”必ず何らかの変化がみられるものですし、変化しようとする態度が見て取れるはずです。

「前は完全なるドタキャンだったけど、１時間前に連絡をしてくれるようになった」という程度の変化であっても。

自分も含めて人の変化ってタイムラグが生じるものですから、少し待ってあげることも必要かもしれません。

で、自分軸ってのがやっぱり大事でして、それを良しとするか否とするかは自分の価値観によるのです。

それは良いも悪いもなく「あたしが嫌だから」という点で良いのです。

たぶん、Ｎさんはこれが苦手なんですよね。そして、Ｎさんだけでなく、読者のみなさまも意外と優しいので、これが苦手なんだろうと思います。

そこで無理して彼に合わせちゃう、我慢しちゃう、犠牲しちゃう、ということをし勝ちですね。

「彼も変わろうと頑張ってくれてるのは分かるけど、やっぱ無理」もアリなんです。

それはもう「下戸」とか「辛いものが苦手」という体質的なものだと思ってよいのです。

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で、結局のところ「情」が勝ってしまって、そんな彼だけど別れられないこともあるんですけど、「まあそれが自分らしさってことだよね」と自己肯定感で見ていくことができれば良いのです。

何が正しい、間違ってる。どうするのが良いか、悪いか。

そういう基準ではなく、あくまで自分の基準で決めるのが良いんです。

となれば、人から「傲慢だ」と言われることがあったとしてもそれは知らんこっちゃとしても良いのです。

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