*
パートナーと親密になることを怖れている分だけ、私たちは逃げたいのです。
だけど、その相手を失うこともしたくないので、気を紛らわせてくれるクッションというか保険を用意してしまうことがあります。
それで確かに怖れは和らぐのですが今度は三角関係という問題が浮上してくるのです。
*
その後彼とは無事?音信不通のままブロックされ、昨年末にマッチングアプリで知り合った一回り下の男性と初対面で体の関係を持ってしまいお付き合いすることになりました。
初対面でグイグイきたので、私は付き合ってる人としか体の関係は持たないと宣言したところ付き合うという言い出しという絶対付き合う気のないただやりたいだけのやつだなとわかってはいたのですが、寂しさやなんとなく彼のことが嫌じゃなかったので騙されてあげることにしました。
帰ったらラインもブロックされてるのかな?なんて思っても、別れた後も連絡は取れるし通話もできるし面倒くさいことをいっても怒らないし、インスタのアカウントや聞いてないのに職場、実家の住所まで教えてくるので混乱しています。
前の野良猫は職場や住所なんて教えてくれなかったのに。なんで???怖くないの??と不思議でたまりません。
しかしやっぱり私が選ぶだけの男なので、その後もマッチングアプリは続けています。私は退会して欲しいと頼んだところ、削除した!と言いましたが、消してません。
私は彼とマッチングしたアカウントは削除してしまったので、顔を出さずに彼を検索したところ普通にオンラインになってますし友人に頼んでいいねをしてもらったところマッチングしてメッセージも送ってました。
これくらい怪しい男じゃないと怖くて逃げたくなるから、本気で向き合うのが怖い私にはちょうどいいのかななんて思っていたら、昨日私をブロックした野良猫の彼からLINEがきました。
彼には何か変なセンサーでもついてるんでしょうか?笑
一回り下の彼は既に私に飽きてきてる感はあるので、そのうちお別れされるんだろうなと思ってますが、彼がいるとちょっと心の余裕を持って野良猫に接することができるのでもうちょっといて欲しいなと思ってます。
でもここからどうする?結局私はまだ誰かと本気で向き合うの怖いままじゃない?何かクッションみたいなのがないと怖くて誰のことも見れないのがわかりました。
結局は親密感の恐れとか、自己肯定感なんでしょうか。
(Kさん)
そうですね、とりあえず困ったことがあったら「親密感への怖れ」と思っておけば間違いないと思います!!笑
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ということで、
>結局私はまだ誰かと本気で向き合うの怖いままじゃない?何かクッションみたいなのがないと怖くて誰のことも見れないのがわかりました。
というところが一番のポイントみたいですね!
この部分ってカウンセリング等で深掘りされたことってありますか?
*
この「親密感への怖れが強いとクッションを求めてしまう心理」というのはあるあるな話でして、「ひとりの人に絞れないの(はあと)」という問題にも通じるところがあります。
「パートナーと本気で向き合うのが怖い」
↓
「よし、怖れを紛らわすための男を用意しよう!」
というシンプルな心理なわけですけれど、これ、必ずしも「男」に限らないですよね。
「パートナーと本気で向き合うのが怖い」
↓
「よし、彼に依存しないように仕事を忙しくしよう!」
「パートナーと本気で向き合うのが怖い」
↓
「よし、彼に振り回されないように距離を取ろう!」
「パートナーと本気で向き合うのが怖い」
↓
「よし、彼から目を逸らすために何かトラブルを作ろう!」
さらに、こういう心理も存在します。
「パートナーと本気で向き合うのが怖い」
↓
「よし、彼に主導権を握らせないように常に上に立とう!」
「パートナーと本気で向き合うのが怖い」
↓
「よし、お母さんと癒着して彼だけにならないようにしよう!」
そんな風にパートナーと向き合わなくて済むようにいじらしいほどの努力をしてしまうのが「親密感への怖れ」なのです。
まあ、もちろんそんなつもりはないかと思いますけど・・・。
だから、本命の彼氏ができた途端に別の男が出現してうまいこと気を紛らわせてくれるのがちょうど良いのです。
良くないことって思っていたとしても、なんか安心するわけですね。
それになんか自信が付いたような気もするし、余裕も生まれます。
だから、こうした浮気相手のことを「保険」という風に呼んだりもします。
保険に入っていればいざって時に安心!ってわけですね。
野良猫くんが失踪したとしても別の男がいたらショックも和らぐでしょうし、その男と寝ることで女としての自尊心も回復するでしょうし、やっぱ余裕があるのです。
そもそもいきなりLINEをブロックしたり、行方不明になったりする野良猫を追いかけている時点でだいぶ親密感への怖れの匂いがするわけですけれどね。
*
ということで、やはりカウンセラーとしては「なんでそんな怖れが強いのだろう?」という視点で見ていくことになります。
無価値感がそんな強いの?
愛し、愛される自信がないの?
大好きな人には振り向いてもらえなかった経験があるの?
大失恋とか繰り返してきたの?
傷つくような恋愛ばかりしてきたの?
何か知らんけど罪悪感がたんまりあるの?
切り口はたくさんあります。
ただ、問題なのはこのクッション男を一度作ってしまうとそれが癖になることです。
例えば、結婚5年目くらいの奥様が「実は結婚前から付かず離れずの男の人がいて、たまに会って食事したり、体の関係を持ったりしてるんです。こういうのは主人に失礼だし、良くないことだと分かっているのだけど、その人がいなくなると思うとすごく不安になってしまうのです。主人と彼と2人いてちょうどバランスが取れてるような感じなんです。」とご相談にいらしたことがあります。
それで、子どもを産むかどうかも決められず、そんな風にふらふらしてしまっている自分が嫌いになってました。
彼女の場合、元々両親が不仲で、母があまり幸せそうじゃなかったことや、その母が世間体を気にする心配性な性格で、彼女とだいぶ心理的距離が近かったこと、そして、今までもあまり良い恋愛をしてこなかったことなどが影響しているようでした。
なので、とりあえず母や過去の恋愛などを振り返りつつ、自分はほんとにどうしたいのか?というところを見つめていったところ、その付かず離れずの人と会うのが苦痛になっていく、という現象が起こりました。
*
とはいえ、Kさんの場合、本命が野良猫君なのかもしれませんが、やっぱ野良猫ですし、一回り下の彼がクッションだとすると、やはりパートナーシップそのものを怖れているのかもしれません。
ひとりの人とずっと一緒にいる自信がなく、また、それをつまらないと思ってしまうのでしょうか?
つまりはまだまだいろんな男と浮名を流したい、ぶっちゃけ、モテたいんすよ!という思いがあるのでしょうか?
あるいは、ひとりの人に絞ってしまって、もしその男がいなくなったらヤバすぎる、という怖れを抱いているのでしょうか?
また、罪悪感から自分は人を愛してはいけない、幸せになってはいけない、と制限をかけているのでしょうか?
それとも女としての自信がなく、無価値感が強いため、あたしだけを愛してくれる男なんていない!という確信を得ているのでしょうか?
あるいはパートナーシップに心を持っていかれる何か(母とか仕事とか)があるのでしょうか?
あ、全部?コンプリートしてる?笑
実際、「もういい加減、結婚したい!この人!と思った人と添い遂げたい!」と言いながらも、本音では「いやー、正直ひとりの人をずっと好きでいられる自信なんてないんすよー。あたしって飽き性だから他の人に目移りしちゃわないか心配でー。」という方だって珍しくないものです。
「この人と結婚するんだろうなあ」と思っていても「何か決め手を欠く。この人に決めてしまって本当にいいのだろうか?」とふらふらしてしまってる方もいらっしゃいますしねー。
となると、やはりKさんが本気でパートナーシップに取り組めない理由って何だろう?と思うのです。
だから、やはり腰を据えてこの辺と向き合ってみられるのが良いと思うのですが、その覚悟を決めるのもなかなか勇気が要りますよねー。
とはいえ、その理由をできるだけ取り除いていくことをお勧めしたいですし、そうして本気でパートナーシップと向き合えるようになると、方向性が定まるし、肚も座るので、今よりずーーーーっと楽になります。
愛を与えること、受け取ることに躊躇がなくあるし、つながりも深く感じられるし、セックスもグッと良くなります。
だから私としてはその親密感への怖れを溶かすことを最優先にしてみたらどうかと思うのですがいかがっすかー?
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ということで余談。笑
>彼には何か変なセンサーでもついてるんでしょうか?笑
こう感じる体験をされてる方って意外と多くないですか?
あと、自分にもそんなセンサーが付いてるって気づいてる方も多くないですか?
よく「人と人とはつながっているから別に目に見える言動をしなくてもちゃんと相手には伝わるものよ」と言います。
それを「たまたま」「偶然」で済ませられればいいんですけど、そういうことが何度もあると怖くなりますよね。
「本命の彼氏ができて自分の気持ちがそっちに行くようになった途端、それまで引きずってた元カレがすり寄ってきた」みたいなこと。
「別居中の夫とやり直したくて執着していたときは全然だったのに、自分らしく生きることを意識するようになったら『夫がいなくても大丈夫かも』と思うようになって、そしたら、急に夫が連絡してくるようになった」
「元カレを手放してもう幸せになるんだ!と決意した途端、ショッピングモールで元カレとばったり会って心臓が止まるかと思った」
そういうことも珍しくありません。
人と人、特に気持ちを寄せ合っていたり、体の関係があったり、一時でも親密な距離を共有したりした相手というのは、思いが残っている間はつながり続けてるんです。
そういえば双子の場合、「双子のもう一方に何かあったら、何となくそれが分かる」という話もありますよね?
双子ほど密じゃないですけれど、お付き合いした相手ってのはやはりそれなりのつながりが生まれるんです。
だから、Kさんと野良猫君だってたとえ音信不通になったり、ブロックされたりしたとしても心の世界では関係ないことでちゃんとつながりが残ってるのですね。
それでKさんが一回り下の男の方に意識が向くと、野良猫君への気持ちもその分薄れるわけで、彼も何かはっきり意識してるわけじゃないけど「何となく連絡しようか」という気分になるのです。
これは男女に限らず、あらゆる人間関係で起こることです。
それくらい私たちは目に見えるものだけじゃなく、心の中でつながっているんですよね。
そもそも誰か人と出会うこと自体が奇跡ですもんね。
だから、あなたと一緒にいる人はもちろん、職場で出会う人、習い事の仲間、そして、友人なども「深いご縁」がある方ばかりなんです。
そういうこともあるんだなあ、という目で見ていただければ幸いですし、「面白い!」と感じられたなら、さらに心の世界に興味を持ってくださると嬉しいです。
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