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わざと相手を不快な気分にするのは、そうすることで相手をコントロールし、自分の元から去って行かないようにするためなのですが、当然その戦略は不完全なので失敗に終わることが多いものです。
けれど、本質的には「それって彼だけの問題なのかなあ?」というところにあります。
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私の彼氏の不思議な癖?のようなものについて是非ご意見をお伺いしたく、メールしました。
もしネタとしてお使いいただけたら最高に喜びます!
私の彼は、わざと私に嫉妬させるように仕向けます。
例えば、ほかの女の子から言い寄られているような事を何度も伝えてくる。元カノや過去にモテていたようなプレイボーイ的な発言、他の女の子が自分を好きになるように仕向けて私にご丁寧に伝えてくる…など、わざと心配かけるような事や嫉妬心を煽ってきます。
依存的な子は嫌いと言いながらも、私に嫉妬させるように仕向けたり、私に心配させて私を依存的にするようにしてきます。
しかし、私が重たい事を言うと『自由にさせてよ』『重たい』などいってきます…。
しかし私と別れる気はなさそうです。私が疲れ果てて別れようとすると止めてきます…。
ちなみに彼が依存的な時も過去にはあったのですが、その時期が辛いのか、上記のような事をして自立な立場に彼は立ちます。
このように、わざと嫉妬させる、わざと私を依存的にするように仕向ける、というような彼の心理について教えていただきたいです。
(Nさん)
よくこういうことってあるし、されたことも、しちゃったことも心当たりがある方が山ほどいらっしゃる今日この頃だと思います。世間はお盆休みなんですね(遠い目)。新大阪の駅に着いて気が付きました。笑
さて、わざと嫉妬させるようなことをする理由ってのはシンプルでして、
「自分に注目させたい」
「彼女の愛情を確かめたい」
「自分が優位に立ちたい」
というのが分かりやすいと思いますが、それをさらに掘り下げれば、
「自分に自信がないから」
「愛されてる自信が持てないから」
というところになり、「ああ、彼は無価値感が強いのかな?自己肯定感が低いのかな?」という見解になるものです。
たぶん、そういうお話をすると「ええ?そんな風にはまったく見えない!!」という感想をおっしゃるかもしれませんが、「それは補償行為だからよ」ということになります。
よくうちのブログでは「自立の依存」とか「自立の自立」というテーマが掲げられることがあるのですが、彼のような態度はまさに「自立の依存」の典型的かつメジャーな言動でございます。
自分の中の自信のなさとか自己肯定感の低さってのはやっぱり認めたくないわけです。
しかも、彼女の前ではかっこつけたいし、リードしたいし、プライドもあるし、惚れられたいと思ってたりするわけでして、そうした「弱さ」は当然隠したいものです。(出したら嫌われると思っているから)
依存状態だとそうした自信のなさをストレートに出すのですが、仮にも自立しているのでそんなことは怖くて恥ずかしくてイヤで出せません。
だから、そこで人はその依存心を自立的に表現するというやり方をします。(これが自立の依存ですね。)
【自信のなさを隠して、相手に「怖れ」を抱かせ、そして自分の思い通りにコントロールしようとする】という作戦を立てるわけですね。
もちろん、そんなこと考えてやってるわけではないのですが。
「お母さんの言うことを聞かないんだったらもうご飯あげない!」みたいなことです。
それが「宿題やったらお菓子食べていいよ」という“取引”になることもあります。
さて、この【 】内の「怖れ」の部分は別の感情にも置き換えられます。
・嫉妬
・罪悪感
・無価値感
・不安
・寂しさ
・惨めさ
・悲しさ
・無力感
等々、要するにネガティブな感情ですね。
だから、彼の態度を翻訳すれば、
「僕なんて君みたいな彼女に愛される価値もないし、そんな自信もないんだよね。でも、君を話したくないんだ。けど、君をつなぎとめておけるほどの魅力が僕にはないから、何とか自分から離れないように君を嫉妬させるんだ。そうして君が僕に依存してくれたら君は僕から離れて行かないだろう?」
さあ、皆さん、声を合わせて言いましょう!
「キモっ!!!!!」
彼も薄々自分の感情がキモいことを知っているので、そうした本音は決して吐かずに、さぞ、自分が正しい、自分が上だ、自分が偉い、という態度でそういう行動をとるのです。
でも、やっぱりNさんも彼のことが好きだし、彼と離れたくない気持ちもあるから、ついついその手に乗ってしまうわけですね。
しかも、Nさんもうちの読者でいらっしゃるなら立派な武闘派であり、情熱系女子であるので、「売られた喧嘩は買うぜ!」という調子で、彼の作戦にまんまと引っ掛かってしまって大いに嫉妬してしまうわけですね。
そうして嫉妬してる彼女の姿を見て彼は「これで僕の元から離れて行かないだろう」と安どするんです。
とはいえ、自信のなさは変わらないわけですから、また不安になったり、自信がなくなったりしたら同じようなことを言って彼女を嫉妬させ、コントロールしようとするのですね。
だから、時々Nさんも疲れてしまって「もうあんたとはやっていけないわ」と言うと必死に止めるんですよね。だって別れたくて言ってるわけじゃなくて、別れたくないから言ってるので。
こういう心理的な話をすると「ああ、めんどくせえなあ」と思いますよね?
けど、我が身に照らし合わせてみれば「他人事じゃねえなあ」と思う方もわんさかいると思うんです。
Nさんの彼は「嫉妬」を使ってきますが、他にも様々な手があります。
「ねえ、あたしを誘ったのはあなたでしょう?どう責任を取ってくれるの?」(罪悪感)
「なあ、もしオレが急にいなくなったらどうする?」(怖れ、不安)
「そんな態度取るんだったらあなたと一緒に居られなくなるよ」(寂しさ、怖れ)
「お前みたいなめんどくさい女、俺くらいしか付き合えないだろ?」(無価値感)
「あたしがいなくなったら一人でやっていけるわけ?」(惨めさ、無価値感)
もちろん恋愛以外でも各方面でこうした言動は展開されてますよね。
「お前らがしっかりしないから俺一人で頑張らなきゃいけないんだよ!」(罪悪感、無力感)
「君はAくんと同期だってな?彼はもう部のエースって呼ばれてるらしいぞ。君ももっと頑張らなきゃいけないだろ?」(嫉妬、惨めさ)
「あたしにばっかり家事させて!あたしだって働いているんだからあんただって少しは手伝いなさいよ!」(罪悪感)
1日耳を済ませて他人の話を聴いてみたらそんな事例が山ほど見つかると思います。
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これは「競争心から相手をコントロールしたくなる心理」でもありまして、自分のネガティブな感情(無価値感とか自信のなさとか)を隠して相手をコントロールし、自分が相手よりも優位な立場を得たいという「自立の依存」の心理と言えます。
Nさんの話で言えば、彼は常に自分が優位に立っておきたいわけです。
そのために、Nさんを依存に落としたり、自分が上であることを主張したりするんですね。
まあ、分かりやすく言えば、Nさんに首輪をつけて犬小屋に飼っておきたいわけです。
逆から見れば、そうやってコントロールしないとNさんが自分のそばには居てくれない、と思い込んでいるわけですね。
でも、Nさんもご存知の通り、そうして相手を自分のそばに置いておきたくてコントロールするんですけど、逆にそれがアダになって相手は自分から離れて行こうとします。
「え?あたし、犬じゃねえし」ということで、犬小屋からさっさと抜け出そうとするわけですね。
だから、相手はより強固な犬小屋を作るべく、より強くNさんを嫉妬させたり、依存させたりしようとするわけです。
そうして関係性がどんどん冷えてしまうってことは日常茶飯事ですよね。
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さて、彼が独りよがりでそうしたプレイに興じているならば「あんたも好きだねえ?」と冷ややかに見ていればいいのですが、Nさんにもまた競争心があるので、その手に乗ってしまうわけですね。
嫉妬させようとする彼の手にまんまと乗ってしまって狙い通り嫉妬しちゃうわけです。
それはNさん自身にも彼同様に自信のなさがあり、無価値感だの罪悪感だのがあって、彼の競争に付き合ってしまうわけです。
ちょっと想像してみてください。
もし、Nさんがモテモテで引く手あまたで、道行く男たちがみんな振り返り、行く先々で花束を持った男が自分を迎えてくれる状況だと。
そんな状態のときに彼がNさんを嫉妬させるような言動を取ったらどう思うでしょう?
「え?あたしにそんな態度を取るわけ?お取替えしちゃうわよ」と思って全く動じないと思いませんか?
つまり、相手が自信のなさから競争を仕掛けてきたときに、同じく自信のない自分もまたその競争に乗ってしまうってことになります。
自分がF1レーサーだったら、一般人が公道レースを挑んできても絶対乗らないし、自分がプロの格闘家だったら街のヤンキーが喧嘩をしかけてきても相手にしないのと同じ。
自分に自信があったら仮に競争を仕掛けられても嫉妬しないし、依存しないんです。
だから、「彼のふり見て我が振り直せ」ってことで、Nさんに与えられた課題は「自分がいい女であることにもっと自信を持つ」ということになります。
それと同時に自分が彼からちゃんと愛されてる証拠を見つけて受け取ることも大事ですし、彼に対して「あら?そんなことしなくてもあたしはあなたを愛してるわよ」という態度を取っていくことも課題です。
そこでは「自分の愛に自信を持つ」ということもテーマに一つになりまして、カウンセリングでは「彼のこと好きなんだよね?愛していくんだよね?彼への愛情は揺るがないんですよね?」などと嫌味な質問をされるので要注意です。笑
つまり、こうした競争は仕掛ける方もそれに乗っちゃう方も同じ問題があるんですね。
「子どもからバカにされてもなんとも思わないのに彼に同じことを言われたらキレちゃう」ってことと同じです。
よくパートナーシップは同じ感情で苦しむって言うんですけど、彼から嫉妬を煽られてそれに乗ってしまうということは、嫉妬に潜む無価値感、自信のなさ、劣等感などの感情と向き合う必要があるってことなんです。
そうして自分自身がその弱さと向き合い、受け入れられるようになると、自信も持てるようになって彼に煽られても乗らなくなります。
そしたら彼もその手は通用しないってことを学ぶから嫉妬を煽るようなことはしなくなるでしょう。
だから、こういうときに「そういうことはやめて!」と言っても、お互いにその問題が残ったままなので、「嫉妬は煽らないけど罪悪感は煽っていい?」みたいな展開になることが多いです。
ということで、こういう場合も彼の問題に見えて、実はそこに自分の問題も潜んでいるので、彼のせいにせんと自分と向き合うのが基本中の基本なのです。
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