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仕事でも趣味でも夫婦でも立場が代わりリーダーになると今までと見える世界がガラッと変わり、急に怖れ、不安、抵抗、自信のなさなどが噴き出てきて逃げたくなるものです。
自分に期待し過ぎたり、誰かと比較したりして自分を見失ってしまうのです。
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ライフワークとして、とある武道のインストラクターを目指す事になりました。本来は、人に教えるのは苦手で、するかどうかかなり迷ったのですが、上の立場の人から勧められて、断ったら後悔しそうだと思う一心で話を受けました。
しかし、決めてから自分のうまく出来ない事ばかりが気になり、年齢もかなりいってるし、体力も自信がなくなって来て、自分はバカなんじゃないかとか、ワクワクどころか常に重苦しい気持ちがつきまとう事が多くなりました。
自己肯定感が低いのは、過保護で心配性だった母の影響?と思いますが、母は尊敬出来る面もありますし感謝しています。
父については、容姿の事など私が傷つくような事を言うので苦手でした。今も仲良くはなくて感情面では、スルーしてしまっていますが、お金の面では感謝しています。
お金についてですが、武道のインストラクターになれたとしても集客出来る気がしないのと、パートもしていますが要領が悪いせいか、仕事が間に合わない為サービス残業が多く、どちらもやればやるほど、貧乏になりそうです。
武道をもっと極めたいのは確かで、自分にはもうそれしかないのですが、目立つのが嫌いで集客のためのSNSの発信もとても苦手です。
自己肯定感を高めるワークのおかげで成長しましたが、なりたい自分と今の自分が乖離しすぎて、まだ足りないかと思うと少し悲しく、もっとありのままの自分を認めた方がいいでしょうか。
ネガティブ全開になってしまいましたがアドバイス頂けると嬉しいです。
(Fさん)
武闘派女子が武道のインストラクターをやるなんてまさに無敵なんじゃねぇかと思う今日この頃です。
さて、リーダーシップに関するテーマなのですが、これは職場でも夫婦関係でもけっこう重要なテーマとなってまいりますので耳をかっぽじって、、、あ、いや、目を見開いて読み進めていただければ幸いです。ドライアイには気を付けて!
例えば、職場でも突然上司から「明日からこのプロジェクトのリーダーよろ。」なんて宣告を受けまして、「え?部下とかできんの?むりむりむりむり!」と思っちゃった経験がある方もいらっしゃれば、旦那が突然体調を崩したりして「え?あたしが家計を担うの?え?マジで?来週予約してるエステ、キャンセルした方がいい?」とか思っちゃうケースもあります。
この辺は習い事ではよくある世界で、ヨガ、ダンス、お花、お茶、料理、居合、カウンセラー等、先生から「インストラクター/師範/講師にならへん?」と声をかけられちゃうことはよくあるみたいですね。
学ぶ側から教える側へ変わるわけですから、そこで意識がガラッと変化します。
リーダーについて行けばよかったのが、自分がメンバーを引っ張る立場になるわけですから、世界も違って見えるものです。
だから、ある方なんていきなり社内で講師をすることになって慌ててそれまでのテキストを引っ張り出して復習してみたところ、全然内容が分からなくなっていて大いに焦り、絶望の中、なんとかやってみたものの、それまでの間は眠れないわ、食欲落ちるわ、イライラして周りに当たり散らすわで大変だったそうです。
(みなさまにはその話をお聞きして「死者が出なくてよかったですね。」と思わず答えてしまった私の勇気を讃えていただきたいです。)
で、私がFさんの話にまずツッコミを入れるとしたら
>断ったら後悔しそうだと思う一心で
という部分でして、「なんで後悔しそうだと思ったん?」という点をぜひともお聞きしてみたいんですよね。
なんでなんでしょう?
インストラクターという立場に実は興味津々だったんでしょうか?
それとも、「上の者が黒いカラスを白って言ったら白なんだよ」という武闘派なポリシーが染みついているからでしょうか?
それとも「上げ前食わぬは男の恥」を地道に行ってらっしゃるのでしょうか?
あるいは「断ったら嫌われる」みたいな思いがあったんでしょうか?
でもやっぱり今やってる武道が好きで、それを極めたいという武闘派女子魂が強いんだろうと思うのです。
で、そんな話を引き受けてしまうと即座に意識が変わるのが私たちでありまして、今までは習う側として「受け身」だったものが、今度は教える側として「与える」ことをしていくものですから、ほんと世界は一変します。
だから、次のような心境になるものです。
>自分のうまく出来ない事ばかりが気になり、
>年齢もかなりいってるし、体力も自信がなくなって来て、
>自分はバカなんじゃないかとか、ワクワクどころか常に重苦しい気持ちがつきまとう事が多くなりました。
>武道のインストラクターになれたとしても集客出来る気がしない
>武道をもっと極めたいのは確かで、自分にはもうそれしかない
>目立つのが嫌いで集客のためのSNSの発信もとても苦手です。
これらはその立場が変化したことで新たに見えてきた世界でして、Fさんはもう新しい扉を開いちゃったんですよね。
それは「かねてから行きたいと思っていた敷居も料金も高い飯屋さんに思い切って入ってみたものの、あまりに場違いな雰囲気に戸惑い、カウンター席に案内されるな否やどうしていいか分からず、早く店を出たい気持ちになっている」みたいなもんかもしれません。
「もう店に入っちまったんだから腹をくくるしかねえ。マナーを知らずに恥をかくのも、モノを知らずに店の人の会話に対応できないのも仕方ねぇ!!」と開き直るのがよいわけで、たぶん、Fさんも「もうしゃあないわ!煮るなり焼くなり好きにせえや!」という心境になるまではこの葛藤は続くと思います。
なぜか?
答えは簡単です。
「未経験だから。」
インストラクターなんて初でしょう?
思い出してくださいよ、あの初めて男の人と体を交えた日のことを・・・。
え?遠い昔すぎて忘れた???
・・・じゃあ、しゃあないけど・・・。
経験したことがなければできないことばかりが目に付くのも当たり前だし、どんどん自信を失うのも無理はないし、重苦しい気分になるもんですな。開き直るまでは。
ヤってことがないわけですから集客ができるもできないもよく分からないですし、目立つのがほんとうに嫌いだったらインストラクターの誘いを即座に断っていたでしょうから、Fさんがほんとにそれが嫌いかどうかは実は怪しいものです。
(その話を受けたときはそこまで考えてなかった、と思われるかもしれませんが、目立つことを徹底的に排除している方は考えるまでもなくお断りされるものです。)
だから、おそらくこの問題をクリアする一番のポイントは、
>武道をもっと極めたいのは確かで、自分にはもうそれしかない
という意識にフォーカスすることだと思われます。
だから、今やるべきことは「よりその武道に打ち込む」ということです。
練習量を増やす、もしくは、練習の質を高める、ということでしょうか。
おそらくインストラクターになるまでには多少の期間が与えられてると思います。
私の師匠のように「お前、来週のこのセミナー、オレと変わってくれ」といきなり無茶ぶりをしてくることはないと思います。
そうすると、インストラクターになるまでの間は受講生としての立場が保障されてると思うのですね。
そこで、この新しい意識と共に、練習に打ち込むとより「もっと究めたい」という思いが叶えられていくことになります。
つまり、今まではその武道をただ学んでいたのが、これからはインストラクターになる前提で練習することになるのです。
そうすると今のインストラクターの立ち居振る舞いを逐一チェックするようになるでしょうし、そこから教え方、表現の仕方、SNSの使い方などを意識的に学ぶようになるでしょう。
まあ、要するに引き受けちまったんだし、極めたいわけだから、肚を括りなよ!という話で、これは先ほどの「開き直り」と同じ意味だと思ってください。
怖れ、不安、自信のなさから逃げ道を必死に探しますけれど、果たして逃げ切れるものなのでしょうか?仮に逃げられたとしてそれを後悔することはないんでしょうか?そもそも逃げたいのでしょうか?
インストラクターになる!ということは新しい試みですが、その武道を極めたい気持ちはウソではないし、自分にはそれしかない!という覚悟も決まってるわけですから、インストラクターになるってことに腹を括れたらここに書いてくれたようなネガティブな思いはだいぶ減ると思います。
要するに「慣れ」ですな。
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ただ、ここで注意が必要なのは自立系あるあるの「比較競争」にハマらないということ。
例えば、今、Fさんを指導してくださっているインストラクターさんはインストラクターとしてそれなりのキャリア、知識、情報があると思います。
そのインストラクターさんと自分とをついつい比べて凹むという技術をよく皆さん多用されます。
「は?若葉マーク付けた初心者と、何年も車を乗り回している人とを比べて凹むのっておかしくね?」というわけです。
そこで比較競争の罠にハマると「あれくらいはしなければ」という謎の基準を設け、自分に大いに期待をかけてしまいます。
当然、若葉マークの初心者にはその基準を達成できるわけがありませんから、あとで自信を失い、「あたしには向いてません!」と言い出すことになります。
初心者なのにベテランみたいな振る舞いをしようと背伸びしてしまうわけですね。
「あ、あの・・・あたし、初めてなの・・・。」って正直に告白できました?それとも「いやあ、バージンは何年も前に捨てました・・・」みたいな態度取りました?
え?遠い昔すぎて忘れた???
・・・じゃあ、しゃあないけど・・・。
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うちのお弟子さんたちにもよく伝えていることがあります。
「てめぇらはカウンセラーとしては駆け出しもいいところなんだから、分かんねぇことがあって当たり前なんだよ。だから分かったフリなんてすんじゃねぇぞ。駆け出しなんだから分かんねぇものを分かんねぇて言っても許される立場なんだからよ。そこで素直に教えを請うって謙虚さが大事ってわけだ。間違っても先輩たちと同じことをしなきゃいけねぇとか思うんじゃねぇぞ。」
気負い過ぎちゃうんですよね。
それは元々のプライドの高さとか、自分が自分に期待してしまうこととか、勝手に高い基準を作って背伸びしようとしてるとか、無理をしてしまうからなんですな。
上の立場の人がFさんにインストラクターになることを持ちかけるのも、それだけの実力があると見込んだからでしょう?
その人のことをもっと信頼することも大事で、すなわち「等身大の自分でOK」というわけなんですな。
自己肯定感って話もあるので、その筋で話をすれば、自己肯定感をあげるポイントのひとつに「できることとできねぇことの区別をきちんと付ける」というものがあります。
初心者でできないことをできなきゃいけないと思うのは勝手だけど、できないものはできないわけですから、そこは素直になれってことなのです。
SNSで集客するって話にしても、やったことがないからはじめは見様見真似でしょう。
ますは、それに慣れることから始まるわけです。
苦手なりにやる、ということでいいわけです。
だから、インストラクターになるにしても、集客にしても、SNSにしても、初心者マークであることを忘れちゃいけないんです。
つまり、新しい扉を開いたわけですから「新しく学べることがたくさんある!」ということですし、「これから自分がまだまだ成長できる余地がある!」ということでもあります。
そうして基準を高くして背伸びしちゃうと結局それって無理してることになるので自分もしんどいんですが、実は周りもしんどくなっちゃうんですよね。
だから、「自分ができる範囲でベストを尽くして、自分なりにインストラクターを務めればよい」という意識を持っておくことが大事です。
これもまた「自分軸」のあり方の一つです。
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両親との関係も影響あるとは思いますけれど、まずは意識の持ち方からお話しさせていただきました。
立場が変われば世界が代わり、新しい世界の扉が開くので、そこでは謙虚に、素直に振舞うことが大事でっせ、というお話です。
そして、何より「この武道を極めてさらに筋金入りの武闘派女子になる!!」という大目標を忘れないでいることが何よりも重要です。
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ちなみに私はお弟子たちに「とにかく失敗をたくさんしろ」ということを伝えます。
カウンセラーとしても講師としてもまだまだひよっこなんだから失敗を恐れるな!って意味なんですけど、失敗するのが怖いとどうしたって小さくまとまってしまい、チャレンジすることができなくなってしまいます。
「こんなセミナーをしたいから企画しました!けど、豪快にコケました!!」という経験をたくさんして、そこで大いに成長してほしいと思うわけですね。
むしろ、失敗することに慣れて平気になって怖れがなくなることを目指したいほどです。
たぶん、Fさんは組織の中でインストラクターをされると思うので、先輩のインストラクターさんや事務局の人など相談相手もたくさんいると思います。
自立系な方々はつい「一人で何とかしなきゃ」と思いがちですけれど、たぶん、一人じゃないです。協力してくれる人だっていると思います。
だから、遠慮なく周りの人に頼って、学んで、成長していければと思うのです。
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