嫉妬していた友人に失言をしてしまい関係が終わってしまった。~汚い自分を隠すのではなく、どうしたら愛せるのか?~



嫉妬、惨めさ、劣等感、競争心。感じたくない感情ですよね。
だから、私たちはその感情を隠そうとします。
でも、その感情が強ければ強いほど隠すための力が必要になり、さらに何かのはずみで抑えきれずに漏れちゃうことがあります。
それが失言なんですよね。
そうなってしまったとき、そうならないようにするために何が大切なのでしょうか?

いつもためになるお話をありがとうございます。根本さんの存在を知ってから自分自身に向き合う時間が増えました。いつかセッションも受けてみたいです。

最近後悔の念に取り憑かれてとても苦しいことがあり投稿させていただきました。
高校時代からの大切な友人の晴れ舞台で、彼女へ密かに抱き続けていた嫉妬から不意に失言してしまったことへの後悔です。
彼女は役者をしており、当時からキラキラと輝いておりました。そんな彼女に触発されて、私も芸術の道へと進みました。
当時から役者一本でそれに全てを捧げてきた彼女の努力は実り、今では名のある役者として様々な分野で活躍しており、それに関して私もとても嬉しかったし、自慢の友達でした。
しかし同時にライフワーク一本で生活できていない自分と比べて劣等感も抱いており、「あなたは恵まれてていいよね。」という嫉妬や、有名になるにつれ忙しくて疎遠になってゆく彼女に寂しさを感じていました。
今年の夏、久々に彼女の大きな舞台を見に行った際、彼女の旦那さんがコロナで仕事が減り厳しいらしいという話を耳にし、ほんの少し、順調そうに見える彼女にも色々あるんだと安堵の念を感じました。
そして、舞台が終わった後、久々に会った旧友に挨拶した時、自動的に「〇〇の旦那さん、仕事なくなって厳しいんだって?でもあなたが稼いでるから良かったね」と言う言葉が自然と出てきて愕然としてしまいました。
当然友人の顔もは?という感じで、完全に友達やめよう、とシャッターを下ろした音が聞こえてきた気がしました。自分でもなぜあんな下衆な言葉が出てきたのかわかりません。思い出しただけで悪寒すらします。
今でも鮮明に思い出してしまい、自己嫌悪と大切な友人を失った悲しみが止まりません。
自分の中で処理しきれていなかった汚い感情が少しの隙間を見つけて自動的にドバッと出てきたのかと思うと、私は今後自分の感情をどのように処理していけばいいのでしょうか。
また失言するのではないかと思うと、人と関わることも怖くなってきてしまいました。
ネタとして使えるかわかりませんが、どうぞよろしくお願い致します。
(Kさん)

そう、ふだんから感情を垂れ流しにしておくことが大事ってことですよね。

それでお恨み帳などをお勧めしているのですが、恋人や友達や家族やカウンセラーとかに「実はこう思っちまうんすよねー」ということを聞いてもらうだけでも全然違うと思うのです。

「失言」っていうのは、「言っちゃいけない」と我慢している本音があって、それが何かのはずみで我慢できなくなっちゃって出た言葉ですよね。

「言っちゃいけない」と思うようなことを思っちゃってるわけでして、それが心の中にずっとある状態がそもそも苦しいわけです。

こういう失言って「いい人」とか「プライドが高い」という人によく見られるわけで、いい人をやるためには悪い人の部分は隠さなきゃいけないし、プライドが高いから下に見られちゃいけないし、ってことで「都合の悪い思い」を抑え込むんです。

だから、「いい人をやめる」とか「プライドを捨てる」みたいな方向性もひとつ考えられるわけですね。

Kさんの言葉を借りれば「自分の中で処理しきれていなかった汚い感情」をふだんからちゃんと排出してあげるってことが大事ってことです。

>しかし同時にライフワーク一本で生活できていない自分と比べて劣等感も抱いており、「あなたは恵まれてていいよね。」という嫉妬や、有名になるにつれ忙しくて疎遠になってゆく彼女に寂しさを感じていました。

身近な人が同じ道で成功していくというのはそりゃあ嫉妬するのが当たり前ですし、劣等感を覚えたり、惨めでいっぱいだったり、寂しくなったりすることもそりゃもう当然なものです。

だから、Kさんは何も間違っていないし、誰でもそうなるよね案件なのですが、特に「嫉妬」という感情が出てきてしまうと、自己嫌悪も同時に起こって取り扱いが難しいですよね。

先日のこちらの記事にも通じるものがありますね。

成功者である夫に嫉妬してしまい、コンプレックスを感じてしまってすごく苦しい。

それで、そうした嫉妬や劣等感を覚えるのはもちろん気持ちがいいものではないのですけれど、そこに追い打ちをかけるように自己嫌悪が出てくるものですから、「汚い感情」という風にとらえてしまうんです。

嫉妬や劣等感や惨めさっていやな感情ですけれど、「汚い」んでしょうか?

そういう感情を持っちゃいけないのでしょうか?

まあ、そう聞かれたら「悪くない。人間なんだから当たり前。」と答えられると思うのですけど、いざ自分がその感情を覚えたらとても苦しくなるものですね。

ただ、こうした嫉妬はよくない、劣等感はいやだ、そんな汚い感情は隠さなきゃ、と思っており、そういう気持ちを「絶対出しちゃだめだ!」と抑圧していると、失言したときに「ごめんなさい」が言えなくなるのです。

「あ、漏れちゃった!ヤバい!どうしよう!」という思いが先行してしまい、「なんてことを言ってしまったんだ!」と罪悪感が出ちゃうので、「ごめん」が言えず、しかも、そんなことをしてしまった自分を恥じますから、その相手との関係を切っちゃうんです。

失言だけで長年の友人関係が崩れるってことは実はあまり考えにくく、むしろ、失言のあとの態度によって関係が壊れちゃうことが多いものです。

「あ、ごめん。ひどいこと言っちゃった。ほんとごめん!」とか言えば相手も自分を大事にしてくれようと思ってますから、しょうがねえなあってことで収まるものです。

ただ、汚い感情を隠しているつもりでもけっこうバレてたりするんだよねー、という現実もあります。

今回の失言は「結果」であって、急にパッと出てきた感情じゃないんですよね。

前から思っていたことで我慢していたことですよね。

そうした思いって、やっぱ隠し通せないんです。特に長い付き合いの友人であれば。

だから、お二人の間にはなんとなく不穏な空気が以前から流れてたと思うのです。

会うと嫉妬してしまうから遠慮してしまった。
自分では気づいていなかったけど、つい棘のある発言をしてしまった。
何となく気を使い合ってしまい、久々に会っても楽しめなかった。

つまり、いつから彼女との関係がぎくしゃくし始めたのかを考えればずいぶんと以前からかもしれません。

大好きで友人であることがうれしくて、もっと成功してほしいと思っている自分と、そんな彼女に劣等感を覚えていて、強く嫉妬している自分とが葛藤がありますよね?

要するに「大好きだけど大嫌い」みたいな相反する感情がKさんの中にあるわけです。

それってのは「大好きだから大嫌い」ってことなのですけれど、その感情をどう扱うかはみんな難しいです。

彼女を大好きな自分からすれば、彼女に嫉妬している自分が許せないし、彼女に嫉妬している自分からすれば大好きであることが苦しくなって切りたくなります。

大好きであればあるほど嫉妬が苦しいわけですから、いっそのこと関係を切っちゃった方が楽だと思いません?

そしたら、失言のひとつやふたつしちゃったほうが都合がよいよね?なんて心理が働いている・・・・なんて推測も成り立つわけです。

ちなみに、大好きな友人と離れてしまってショックや後悔がほとんどを占めると思うんだけど、心のどこかにホッとしている自分はいません???

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よく「人間ってのはな、そんなきれいなもんじゃねえんだ」という話をするものです。

頭ではわかるけど、実際は受け入れたくないことだと思うのです。

特に思春期になると「潔癖」になるものですから、そうした汚い感情はできるだけ封印しようとします。

いい人をやろうもんなら大変です。
怒ってもいけないわけですから!!

特に女性は生理があるものですから、汚いものに対する嫌悪感はより強くなりやすいのです。

だから、自分の中にある汚さ、醜さ、狡さを受け入れていくことが成熟さを作るんです。

女性性の話をよくしてますが、女性性だってきれいな部分ばかりじゃありません。
あざとさ、計算高さ、狡さもあれば、「真綿で首を締める」怖さもあります。

それを嫌悪して隠しているつもりですが、たいていは「頭隠して尻隠さず」なものです。

身近な人にはたいていバレてます。

自分の汚い感情を必死に押し殺していても、たいがいバレてるものです。

こういう話はカウンセリングの中でもとてもよく出てきます。

大好きだけど、大嫌い。

それを受け入れるのって抵抗があるかもしれません。

でも、実際そうなんだからしょうがないよね。

心の中ってのは矛盾だらけです。

そういう矛盾を受け入れていくことができるようになると「ああ、大人になったねえ!」なわけです。

自己肯定感というのも「それがあたしだもん」と汚い部分を受け入れることをテーマにしています。

>当然友人の顔もは?という感じで、完全に友達やめよう、とシャッターを下ろした音が聞こえてきた気がしました。自分でもなぜあんな下衆な言葉が出てきたのかわかりません。

実際、その友人はどう思ったのでしょう?

シャッターを下ろした音が聞こえたのかもしれないけど、そのシャッターは今も閉まったままなのでしょうか?

自己嫌悪に駆られて彼女を切ってしまったのはKさん自身であり、じゃあ、彼女も同じ気持ちなのかは分からないですね。

長年の友達なんですよね?

シャッターをノックしてみるのはいかがでしょうか?

それでダメならそれまでだし、もしかしたら、有名になっていく中で孤独を覚えている彼女にとって古くからの友人は貴重な癒しになるかもしれません。

自分の中の「汚い部分」をイメージしてみましょう。

自分でも愛せない、きっと人からは嫌われる、決して出してはいけない自分の要素。

それを体の部位に置き換えるとイメージしやすいかもしれません。

ハートのあたりがすごく汚れてる感じがする。
性器がすごく汚い感じがする。
身体全体が薄汚れている感じがする。

あるいは、そういう汚い自分をそのまま感じていただいてもいいでしょう。

その自分はずっと“持ち主”である自分自身に嫌われてきたわけです。

まず、その部分に触れてみましょう。
そして、触れたときの感覚を感じてみましょう。

触れることができなければ、その触れられない気持ちを感じてみましょう。

ずっと隠されてきた、嫌われてきたその部分に意識していき、そこで出てくる感情を味わうのです。

1)その部分を誰かに差し出します。

その部分を受け入れてくれそうな人。
友達でも家族でもパートナーでもかまわないし、何なら「根本大先生なら!」と思っていただいても大丈夫です。

人が難しいなら神様・女神様をイメージしてみてください。

素直にその部分を差し出し、ただ愛してもらいます。

その自分でも愛することができない部分をその人に愛してもらうイメージをしていき、その気持ちを感じていきます。

2)その部分を自分が抱きしめてあげる。

「ずっと嫌ってきてごめんね」って言いながら、その自分(部位)を抱きしめます。優しく触れてあげます。よしよししてあげます。

そのとき出てくる感情をやっぱりただ味わいます。

これ、1回で完結させようとしないでくださいませ。
何度も向き合って、徐々に変わって行く、良くなったり、元に戻ったりしながらも前よりもマシになっている、という状態を狙います。

そうして、まずは自分自身で「汚い自分」を受け入れられるようになっていきます。

そうすると人に対してそれを隠す意欲が減っていくので、前よりも出しやすくなりますし、何なら自分からオープンにできますし、仮にそれにかかわる発言が問題になっても「ごめーん!」って言いやすくなります。

もっと言えば、その汚いと思っている部分が実は宝物で、隠れた才能、魅力を持っていることもたくさんあります。

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