ほんとはパパのことが大好きだったのに・・・。



お父さんのことが大好きだったのに、母に遠慮して、その気持ちを隠さなければならなかったケースってけっこう多いと思うのです。
それは無理のないことなんだけど、そこに罪悪感も生まれるし、自分の愛情を素直に出せなくなるし、それゆえお父さんのことをずっと心の中に抱き続けることになるのです。
その影響ってけっこう大きいんです。

根本先生こんにちは☆
いつも楽しく拝見させていただいております。

本音を隠して生きることの影響についてお聞きしたいです。

私は根本さんのお弟子さんに離婚がきっかけでお世話になって、もうすぐ2年経ちます。
カウンセラーさんがいつもおっしゃるのが、「本音、素直になる」でした。
私は両親の不仲により、いつも母を守り味方をしてきたのですが、特に小さい頃は父にはとても溺愛されており、父の事は母を苦しめた人だけど憎みきれずにいました。
だから私の中で父は好きになってはいけない人という存在でした。
カウンセラーさんにはそれはすごいハートブレイクだねと言われました。

半年前に父が亡くなり、本当は自分がとても父を愛していることを認めざるを得なくなりました。
私はずっとこの本音を隠していきてきました。

これらのことはやはりパートナーシップを築く上で、マイナスの影響があるものなのでしょうか?

私は結婚する前、こんなに素敵な人と結婚していいのだろうか?とすら思うくらいでしたが、結婚後は完全なる母の追体験をし、カウンセラーさんにはあなたは自分の大きな愛を隠したがると言われました。

再婚もしたいのでアドバイスいただけると嬉しいです。
(Kさん)

「父というのは女の子にとって生まれて初めて出会う異性であり、その父との関係においてパートナーシップを学ぶ」

というのは心理学の大原則と言ってもいいほどでして、女子にとってのパートナーシップと言えば「お父ちゃんとどんな関係なの?」と質問するのが定番、、、というもんなんですよねー。

ただ、日本の場合はお父ちゃんが遠かったり、権威を失墜していたり、存在感なかったりするので「母」の影響が大きく、このブログでもパートナーシップのお話に対して「ラスボスおかん」が頻繁に登場することになっています。

この母の存在感が大きいのは農耕民族(母系社会)の名残みたいなもんでしょうか。
それとも表向き戦争を長らくしていないからですかねー。

そして、生まれてからしばらくは「パパ・ママ・あたし」という3人の関係性で育っていくものです。
きょうだいがそこに絡むのは少しあとのこと。

Kさんのようなケースは珍しくなくて、特に高度成長期以降からバブル崩壊後のゼロ成長期くらいの時期に関しては「男は仕事!24時間戦え!女は家をしっかり守ってろ!」という方針で社会が動いていたように思われます。

そうすると母はワンオペ育児が当たり前となり、寂しさや不満、ストレスなどから子どもとの心理的距離が近すぎるほど近くなり、ときには自分の感情を吐き出す先として娘を使うことも珍しくありません。

それゆえ、どうしても母の影響が強くならざるを得ないですし、母の価値観をもろに受けることになります。そして中でも自立系武闘派女子の才能がある方はそんな母を助ける/背負う、もしくは、反発してさっさと家を出る、といった行動に出るものですね。

さて、でも、やっぱりパパのことは好きなんですよね。

もちろん、男の子もパパのことが好きですけれど、それは同志、仲間的な愛情で、女の子のそれとはちょっと違います。

特に3,4歳くらいまでの女の子にとってはきょうだいは目の上のタンコブであり、ライバルであり、同志ですが、パパには恋人的な思いを持つものです。

今ではパパをATMもしくはスポンサー、兼、夜中にお腹が空いたときにコンビニまで連れて行ってくれる足として都合のいい男として扱っている筆者の娘も、かつてよちよち歩きの赤ん坊だった頃は「パパと話すときとあたしと話すときで声色がちょっと違うのよ」とママが愚痴るほどパパは特別な存在でした。(ええ、もちろんある意味で今も特別な存在ですけど)

だから、「あんな父親でもはじめのうちは嫌いになれなかったし、むしろ大好きだった」として捉えるのが正しいのです。(←この前提はものすごく重要)

しかし、そこで母親が「父親の悪口を言う」「父親が家にいない寂しさを娘にぶつける」「幸せそうじゃない姿を娘の前で晒す」ということになり、両親が喧嘩ばかりしていたり、冷戦状態だったりすれば素直に「パパ大好き!」とは言えませんよね。

むしろ、パパが好きなことに罪悪感を持ってしまいます。

「ママが嫌いなパパのことを好きなあたしってひどい子ども?」なんて風に感じちゃったりします。

ママのことも大好きですし、ママのことを助けたいと思いますし、ママを笑顔にするために頑張ってるのも事実です。

だから、そこで一生懸命パパのことを嫌いになるか、嫌いなふりをするかになるのです。

そうすると、今度は、好きな人を嫌いになろうとする、という罪悪感を持つことにもなるのですね。

だから、こういう女の子は心の中で常に「パパとママが仲良くしてくれますように」とお祈りを続けることになります。

パパとママが仲良くなれば、二人のことを堂々と大好きでいられますから。

でも、実際は「ママかパパかどちらかを選びなさい!」みたいな状況が続くわけですから、より日常的に距離が近いママの方を選ばざるを得ないのが実情だと思います。

それでママの味方をするようになるのですが、たくさんウソをつかなきゃいけないですよね。

「あたしはパパのことは嫌いだけど、あんたは娘だからパパのことを好きでいてもいいわよ」と大人な態度を取るママは案外少ないものでして、「あたしがパパのことを嫌いなように、あんたもパパのことを嫌いになりなさい」とコントロールしてくるのが一般的ですよね。

そうするとパパのことが好きって気持ちは心の奥底に隠し、「うん、あたしもパパのこと嫌いだよ!」とウソをつく日々が始まるんです。

苦しいですよね?ほんとは好きなのに。

でも、好きでいてはママとやっていけないから一生懸命パパのことを嫌いになろうとするのです。

実際、叩けば埃しか出ないパパですし、ママからの情報はネガティブなものばかりですから、案外、その作戦は成功することも多いです。

愛情表現はあんまりしない。
ママが悲しむようなことをいっぱいする。
あまりあたしやきょうだいと遊んでくれない。
なんか怖い存在。
○○ちゃんのパパみたいに優しくない。

理由はたくさん見つかります。

そうすると「好きな人を好きでいることが恥ずかしい、惨め、キモい、バカみたい」という思いすら抱くようになります。

それで完全にママの味方となり、そのママを一生懸命助ける良い娘になるのです。

さらに、その作戦が成功するとパパのことが好きな気持ちなんてすっかり忘れて「パパが大っ嫌い」となり、それが発展して「男嫌い」になることも少なくないわけです。

だから、「お父さんのことはずっと嫌いで嫌いでほんとに嫌いで何年も口を聞いていません!」という方に問答無用で「裏ファザコン」という認定をすることになるのです。

「へー、そこまで嫌わなきゃいけないくらい好きだったんだね」というわけです。

でも、そうして好きな人を他の人の目を気にして嫌いになる(興味がないふりをする)って苦しいじゃないですか。

ものすごく苦しいじゃないですか。

けれど、幼い娘にとってはそうするしかこの家にいる方法がありませんし、また、実際ママのことも好きで、ママが辛そうな姿を見たくないですから、そこでものすごく頑張るんですね。

たぶん、Kさんもそんな葛藤を抱いて生きて来られたんじゃないでしょうか?

特に、

>特に小さい頃は父にはとても溺愛されており、父の事は母を苦しめた人だけど憎みきれずにいました。

という状況であれば、なおさら「異性を好きになる」ということに対して猛烈な抵抗や罪悪感を持つことになるでしょう。

あんなにも大好きだったパパを嫌うふりをしてきたんだから、そう簡単に他の男を好きだなんて認められないですよね。

そんなのパパに申し訳なさすぎますもの。(罪悪感)

そして、そんな風に大好きな人を嫌った自分のことを愛せるわけもありませんから、

1)素敵な人が現れてもその人の愛を受け取らない。
2)自分と同じ罪悪感が強い人に惹かれて癒着する。
3)罪悪感を感じるような相手(不倫等)を好きになる。
4)うまく行かない恋愛を繰り返して自分を罰し続ける。
5)自分ごときが誰かを好きになることを許せない。
6)素敵な人とお付き合いすればその恋を潰そうとしてしまう。
7)自分なんかが幸せになれるわけないし、なっちゃいけない!と思う。

という現象が起こってくるのです。

ほんとうはパパのことが大好きだった、と思ってみましょう。

ママとの関係でパパのことを嫌いにならざるを得なかったけど、ほんとうは好きだったんですよね。

そうすると表向きはママの味方をしているけれど、常にパパのことを“遠くから”見てるんです。

冷静に考えてみるとパパもよくないところはいっぱいあるけど、ママだって悪いところがあって、どっちもどっち、場合によっては「ママ、それひどいよ」と思うことだってよくあるんです。

でも、そこでパパの味方をしてしまったらママと仲良くできないし、そうすると晩御飯も作ってもらえなくなるし、お菓子だって買ってもらえなくなるし、何よりもママが悲しむから頑張ってママの味方をし続けるんです。

罪悪感がわんさか出てきますが、そんなことはどうしようもないのです。

でも、そうしながらも大好きなパパのことを見ています。

パパとママが仲良く笑っている様子を思い浮かべ、神様にお願いをします。

朝起きたらパパとママが仲良く朝ごはんを食べていて「おはよう!」って二人揃って笑顔で迎えてくれることを毎晩願います。

でも、そんな願いはかなわなかったので、ついでに神様のことも嫌いになりそうでした。

とはいえ、ママの陰からずーっとパパを見ていたんですね。ほんとは好きだから。

そうすると色々と見えちゃうんです。

パパの寂しさ。葛藤。辛さ。罪悪感。惨めさ。苦しみ。

特に「孤独感」については幼い自分の心を痛めます。

すぐに側にいってあげたいのに、それはしちゃいけません。
自分を溺愛してくれたパパだから、自分が側に行けば孤独じゃなくなることを知ってます。

でも、それは絶対にしちゃダメなんです。ママのために。

ママにしてあげているように、パパの苦しみを少しでも軽くしてあげたいのに、それができないもどかしさを強く感じ、それは自己嫌悪にもなります。

あまりにそれが辛いから、その気持ちを抑圧します。

パパのことを無視して、パパを視界に入れないようにして、パパにひどい態度を取って嫌われようとします。

パパがあたしを嫌ってくれたら、あたしもパパを嫌いになれるから。

そうして「自立」を進めていくんです。

でも、その「パパを助けてあげたい」という思いはずっと心の中に残り続けます。

だから、それを「彼氏」「夫」を通して解消しようとします。

罪悪感の強い人。
孤独な人。
心に傷を持っている人。

そんな男たちになぜか惹かれます。

友達から「そんな男、絶対やめたほうがいいよ」と言われても好きになっちゃうし、パパを助けられなかった分だけ、思い切りその彼を助けようとするんです。

仮に自分がボロボロになったとしてもね。

もし、その彼に「妻」がいたら、シチュエーションは完璧だと思いませんか?

パパ・ママ・あたし、の関係が完璧に近い形で再現されるんだから。

そんな風に好きな気持ちを抑えるために葛藤し続けてきたんだから、そりゃあ、自分の愛に素直になれないのも無理はないですよね?

さらに、何度も出てくる「罪悪感」ってのがありますから、素敵な彼が現れてもそれこそ「にげる」「たたかう」「うたがう」「つぶす」というコマンドしか選べないのも無理はないと思いません?

ましてや「こんなに素敵な人と結婚していいのだろうか?」なんて結婚をしてしまったら、ただひたすら苦しいと思います。悪い子ちゃんにならざるを得ないと思います。

でも、

>半年前に父が亡くなり、本当は自分がとても父を愛していることを認めざるを得なくなりました。

ということに気付けてよかったのかもしれませんね。

パパが亡くならなければその気持ちに素直になることなんて許されなかったですものね?

でも、どうでしょうか?生きている間に愛を示せなかったことについて罪悪感はあるでしょうか?

何度も繰り返し出てくる罪悪感という感情。

この感情を手放して行くのが大切なプロセスのひとつになりそうですね。

自覚しているものもあれば、自覚されない罪悪感もあるものです。

これをひとつテーマにしてみてはいかがでしょうか?

「いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本」(ディスカバー21)
*セミナー動画:『私の幸せを阻む「罪悪感」を「愛」で癒して「私」を自由に解放するワークショップ』
*心理学講座動画:『罪悪感と癒着の心理』
光の瞑想~疲れや罪悪感などを癒すイメージワーク~

私たちは今できることしかできませんから、パパに対しても今できることから始めていきましょう。

まずは、ほんとうは好きだったパパに「ごめんなさい」と「大好き」と「ありがとう」を伝え続けましょう。

心の中でもいいし、墓前や仏壇にその言葉を備えてもいいでしょう。
お手紙を気が済むまで書き続けるのも効果的です。

素直になれるのは今しかありませんから、その素直な気持ちを綴ってみるのです。

それと同時にパパからの愛を改めて受け取りましょう。

自分が娘として愛された証拠をたくさん探し、やっぱりパパに「ありがとう」って言うんです。

そうして、パパを「パートナーの席」から「父ちゃんの席」に移っていただきます。

そう、幼少期のパパ大好きが言えない気持ちが引っ掛かって、ずーっと本来パートナーが座る席にパパを座らせちゃっているのです。

そうして、パートナーの席を一旦空席にしてあげます。

これはちょっと寂しいですけれど、必要な寂しさだと思ってくださいませ。

また、パパをパートナー席に座らせておく問題として「大人の女になり切れない」というものがあります。

どうでしょうか?この辺は?

セクシーなパンツを履きましょう!セックスを楽しめる女になりましょう!という方針もありですけれど、大事なのはやっぱり内面的な大人女子。

社会性もそうですし、セクシャリティもそうだし、自分をちゃんと「大人」として認識できるようにしていきます。

ただこれは個人差が大きいので一般論としてお聴きくださいませ。

そして、、、パパの話をずっとしてきましたけれど、ママも重要人物ですよね。

ママをずっと背負って来たなら「母の母」をやってきたかもしれないし、心理的にママとの距離が近すぎる問題も出てくるかもしれません。

母とも大人同士の関係になれるように意識していきたいところです。

こうしたプロセスを経ると徐々に自分の気持ちに素直になってきて「好き!」という気持ちも隠さずに表現できるようになるんちゃうかな?と思っております。

・・・ということで、2年お世話になってるお弟子に師匠からそんなことを言われたんだけどよろしくー!と伝えといてくださいませ。笑

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