父ちゃんと男性性でバトルを繰り広げてきた自立系武闘派女子はつい癖で男どもとも男性性で対峙してしまうからコミュニケーションが苦手に感じてしまうのかもなあ。



自立していくプロセスで親と衝突するのは正しいのですが、男性性の強い父ちゃんがその相手だと、つい自分も磨き上げられた男性性で対抗してしまい、それが男性とのコミュニケーションの基本となってしまいます。
そうすると常に戦闘モードで対峙することとなりなんかうまくいかないってことが起こるものです。

「ライフワークを生きることにコミットし始めるとパートナーシップもなるようになっていくもの~夫婦のコミュニケーションの違いに加えて~」を拝見して質問です。
女性性豊かな人のパートナーは、思考的・理性的・理論的な男性性強めの方が務めることが多いということですが、これは相反する真逆の性質が惹き合うということでしょうか?
またこの男性性強め、未知は否定し自分の正しさを主張する反応を親子関係で受けていたことによる、「男性との話し合いはうまくいくことがない。わかってもらえない」という観念はどうしたら変えていけるでしょうか。

私の父親はとにかく私の進路に関して過干渉で、私の「とにかくこの進路で頑張りたい!」という女性性たっぷりの意見は即座には否定され、自分が娘が取ると良いだろうという進路を押しつけてくる感じで、毎回壮絶な言い合いでした。
最後はいつも「何年生きてると思ってるんだ!何も社会をわかってないやつが何を根拠に進路を決めれるんだ!」と怒鳴られ、「私の気持ちはわかってもらえない。」という大きな傷を得るのみで、その経験からか男性と未来の話をすることにとても抵抗がありますし、元パートナーともたまの話し合いで毎回険悪になり、「わかってもらえない」を感じて最終的に終わりました。

元パートナーに父親と似た者を選んでいるファザコン問題もあるとは思いますが、女性性豊かだからどうしたって男性性強めな人を選ぶ傾向にあるとも考えられるかなと思います。女性性優位な人が話し合いへの苦手意識を変えていくためのヒントをいただければさいわ幸いです。
(Aさん)

「毎回壮絶な言い合い」という箇所を「壮絶な打ち合い」と呼んでしまい、思わずボクシングのタイトルマッチを想像してしまいまして、さすが武闘派は違うなあ、と心から感心したところです。

さて、基本的に人間関係というのは「バランスの法則」が成り立つものでして、男性性強め男子に女性性強め女子、思考的彼氏に感情的彼女、クールな彼氏に熱血彼女みたいな感じでバランスを取り合うものです。

なので、自立系武闘派女子のみなさまが女子力高めの優しくて穏やかで落ち着きがあって冷静な旦那様を選ばれるのも理屈が合うものですね。

で、このバランスの法則は親子関係にも当てはめられることもありますが、場合によっては「同じ穴のムジナ」「同族嫌悪」になることもよくあるわけでして、どうやらAさんはお父様から英才教育を受けた結果、立派な武闘派女子に成長されたのだろうと思われます。

お父さまの「何年生きてると思ってるんだ!何も社会をわかってないやつが~」のくだりなど、一見、伝家の宝刀に見えるセリフですが、実は追いつめられた結果発せられる断末魔の叫びですよね。やはりAさん、相当な腕をお持ちのようですな。

とはいえ、権力を振りかざすお父様には最終的には逆らえませんから泣く泣くその意見に従わなければならず、砂を噛むことも一度や二度ではなかったと思います。

その結果、「男には分かってもらえない」という確信を得ることになるのも無理はないと思います

もちろん、武闘派女子のみなさまは元々女性性が豊かであることは間違いなく、育った環境によって後天的に男性性を磨きに磨かれたわけですから、骨の髄まで漢に見えながらも、実はか弱い女の子の部分を隠し持っているんですよね。信じられんけど。

だから、表面的には強気に武器を持ってやいのやいのと敵を制圧されるのですが、その裏では密かに傷つき、涙を見せるような、優しく、思いやりの深い部分もあるんですよね。信じられんけど。

そうすると話し合いともなれば男性性的な理論・思考を前面に押し出して戦ってしまうのですが、本当は気持ちを通わせたい、心と心を通じ合わせたい、という思いを持っているんですよね。信じられんけど。

だから、そもそも自立系武闘派女子というのはある一面においては内側に男性性vs女性性の葛藤を抱きやすいものとお見受けしますし、自分でも「どっちやねん!」とツッコミたくなる状況がたまに訪れるんじゃないかと思います。

そうすると私などは職務上、その男性性と女性性の間を取り持つという、たいへん過酷で面倒な状況に巻き込まれることになるんですよね。(ため息)

さて、ここでたいへん理屈っぽい話を展開することになるのですけれど、例えば、Aさんがカウンセリングでそんなご相談をしていただいたなら、私は次のようなポイントに疑問を持ち、あれこれお尋ねすることになろうかと思います。

「Aさんにとってさー、話し合いってどういう意味なの?何をもって話し合いなの?」

「Aさんにとって分かってもらえるってのはどういうことを指すん?逆に、分かってもらえないってのは何を意味するん?」

そう、言葉の定義、というたいへんめんどくさい議題を提示しちゃうのですよね。やだ、いじわるー。

「話し合い」っていうくらいですからお互いに話をし合うことを指すわけですけれど、少なくとも文面を読む通り、Aさんにとってお父さまとの話し合いは「あたしがちゃんと考えて選んだ進路を素直に受け入れて応援しろや」という主張を通す場のように見えるわけです。

一方、お父様からすれば話し合いをする気は毛頭ないのかもしれず、お父様もお父様で「俺に言うことを聞け!反論するな!俺の言う通りにしろ!」の一点張りなんですよね?

となると、私が冒頭で述べたように「言い合い」を「打ち合い」と読み違えたのはあながち間違っておらず、お互いの自分の主張を言い合い、最終的に権力者である父親が勝ち、娘は泣く泣く引き下がるということになってるのかな?と思われるのです。

そう「話し合い」と「言い合い」(打ち合い)ってのは全然違いますよね。

ってことは、たぶんお母さんから見れば「まあ、ふたりとも頑固なんだから」ということになるかもしれず、娘からすれば「父ちゃんはあたしを全否定して自分の価値観を押し付けてくる。あたしのことなんて何も分かってない」という忸怩たる思いを抱くことになり、また、お父ちゃんも「娘は何かと反抗的で、俺があいつのことを考えて言ったことも全部否定しよる。俺の気持ちなんざ、まったく分かってねー」とやはり悔しい思いを持たれていると想像します。

そう、お互いに似た者同士みたいですね。(こんな風に言われるのはとっても嫌だと思いますが)

で、この「話し合い」というやつなんですけれど、実は非常に難しいものなんですよね。

「分かってくれない」という不満をAさんが持つ通り、たぶん、Aさんは自分の気持ちを分かってほしいんだと思うのです。

つまり、武闘派女子の陰に隠れてる女性性が出てきてるわけですね。

一方、いきなり全否定するようにコミュ力が高いとは言えないお父ちゃんは、そうした気持ちを受け入れるコミュニケーションなんて能力的に難しいようで、とかくああすべき、こうすべきという論理で話をしようとするはずです。

つまり、感情のコミュニケーションを求める娘と、論理のコミュニケーションをする父で、完全にすれ違いが起きてるのですよね。

一方はフランス語を話し、他方は中国語を話すので「全然会話が成り立たなーい!」ということが起きてるってわけです。

でも、表面上は日本語を話すわけで、意味が理解できてしまうがゆえに、こうした豪快なすれ違いは日常茶飯事で起きてるものです。

父娘もそうですが、夫婦関係や職場などでも頻繁に起きてるものだと思います。

つまり、Aさんからすれば「なんでその進路で頑張りたいんだい?」と質問をし、「そうか、お前はこういう風にしたいんだな」と理解を示し、何なら「そういう風に考えるのはお前らしいな」などと承認をした上で、「でもな、父ちゃんはこうした方がお前が幸せになれると思うんじゃよ」などと優しく諭してくれたら「分かってもらえた」と感じると思うのですね。

でも、どうでしょう?Aさんの父ちゃん、そして、Aさんが好きになるような男子たちはそんな高度なコミュニケーションができる人なのでしょうか?

また、何度もそうした上から抑えつけられるようなコミュニケーションを繰り返されたら、娘の方も対策を練るわけですよね。

そうするとさらなる理屈でお父ちゃんを組み伏せようとして、まるで学会発表のような論文を語るようにするか、武闘派らしくひたすら力で対抗し、「いいや、あたしはこうする」「父ちゃんが分かってくれへんでもあたしはこうする」と力づくで対抗するかって作戦に出るようになるわけです。

つまり、お父ちゃんの許可が必要な行動をとる際は、1週間前より精神統一を始め、日々滝に打たれて気合を込め、いざ許可の申し入れに際しては白装束を纏った上、懐に短刀を潜ませて挑むことになるでしょう。

そして、こちらの発言を全否定してくる父を討ち返そうとするわけで、結果的に「お前はなんてわがままなんだ」とか「親の言うことに反発するダメな娘」とか「自分勝手で周りのことを考えない奴」等々の称号を得ることになるのです。

つまり、「どうせ分かってもらえない」と思っているから、説明もほどほどに押し問答を始めちゃうわけです。

まあ、こうした打ち合いを繰り返しますと「あたしのことなんて分かってもらえるはずがない」という確固たる姿勢が形成されますね。

今回はファザコン問題についてはあまり多くを語りませんが、結局父ちゃんのことが好きなので、父ちゃんに似た自立系男子をターゲットに定めるのですが、その結果、彼氏たちにバンバン父ちゃんを投影するので、何かを話し合う場面になれば「分かってもらえない」前提の発言、すなわち、強気に押す戦法を繰り出してしまいます。

そうすると彼もそんな強気な姿勢で挑まれるので構えますよね?

その結果、仮に彼氏が「Aちゃん、どうしたんだい?君の希望をまずはじっくり聞かせてもらおうじゃないか」という受け入れ態勢を取っていたとしても、彼女のその態度によって彼氏も態度を硬化させ、まるで父のような(でも、父ほど強力ではない)上から抑えつけるような言い方をしてしまい、「こ、こいつも父と同じ部類か!」という風に思ってしまうわけです。

つまり、「分かってもらえない」という前提があると力業で自分の主張を通そうとするので、人は態度を硬化させることになるんですよね。

で、やっぱりファザコンであればなおさら「お父ちゃんに分かってもらいたい」というニーズは強くなるのですよね。

だから、父ちゃんに似たタイプの人を選んで同じことを繰り返してしまうわけで。
父ちゃんと違う、Aさんの話を受け入れてくれるような男には魅力を感じないわけで。

で、こうした話はカウンセリングでも非常によく出てくるテーマでコミュニケーションの難しさを表しているのですが、そんな方々にまずお伝えするのは「何を分かってほしいのか?をちゃんと伝えようぜ!」ということなんです。

自分の主張を否定されたことも辛いけれど、ほんとうに欲しいのは気持ちに寄り添い、気持ちを分かろうとしてくれる姿勢なんだと思うのです。

だから、「気持ちを受け入れてほしいのだ」ということを伝えるのですが、当然、その分かってほしい肝心の相手はドがつく素人です。

Aさんや女子のみなさまは感情のコミュニケーションに関してはプロです。
日々、女子会を通じてトレーニングを積み重ねてるわけですから、相当な技術をお持ちです。

そんなプロが素人を相手に同じレベルを求めるのは失礼に当たるわけです。

バリバリの大リーガーが草野球チームの選手に本気でボールを投げたら怪我するでしょう?

ちゃんと相手が受け取れるレベルのボールを投げてあげなきゃいけないわけです。
そして、相手が投げるへなちょこなボールも上手に受け止めてあげなきゃいけないわけです。

その自覚が必要なんですよね。

やっぱ親だから期待しちゃうじゃないですか。
あたしのすべてを受け入れて―!!って。

そして大人になっても親に対しては全部を受け入れてー!って期待し続けちゃうんです。

そして、それを好きな男にも投影しちゃうから、「分かってもらえない」と思う一方で、「分かってほしい」と思っちゃうんですよね。

その期待を手放したいんですよね。

つまり、Aさんは女性性が豊かなんだけど、男性性が優位な人に対してはそれに合わせて男性性で挑んでしまっているのかもしれません。

女性性のコミュニケーションというのは感情・感覚ベースですが、そこではまともに男性性の圧を受け止めるのではなく、受け流したり、ときには飲み込んだりする器用さがあります。

よく男性とのコミュニケーションはスナックのママから学ぶといいよ、とお伝えするんですけど、自分の主張を頭ごなしに否定する相手に対しては「あらやだ。そんな風に言われたら悲しいわ」と受け止めつつ、「なんでお父さんはそれがダメだと思うの?」と柔らかく返し、「それってあたしの幸せを考えてくれてるんだよね?」と少々押しつつ、「お父さん、ほんとにあたしのこと好きなのね?うれしいわ」などと感情ベースで話を進めつつ、相手を持ち上げるので、、、基本、相手は恥ずかしくなって「好きにしろ」って言い出します。

理屈を言って来ても「あたし、そんな難しいこと言われてもわかんないわ」と流してやはり、「あたしのこと一生懸命考えてくれてるのね。ありがとう」なんて言っちゃうので、たいていの男はそこで「お、おぅ」とぐうの音も出なくなります。

もちろん、そこではちゃんとそうした反応を返せるだけの「心理的距離」が必要なわけですし、やれと言われてすぐにできることでもないのですけれど、女性性でコミュニケーションするのであれば感情ベースで話し続けることを意識するのです。

所詮、感情の方が思考よりも遥かにパワーがあるので、感情側に引っ張っていけば感情に疎い相手は何も言えなくなります。(そこでたいていキレてしまうのですが)

男性のプライドを立てつつ(つまり、持ち上げつつ)自分の主張を受け入れさせるのが女性性の強みです。

まあ、こんなレベルのコミュニケーションなんてなかなかできないんですけど、女性性が豊かな人はつい相手に合わせて相手の土俵に乗っちまいますから、「そんなことしなくていいんだ」と肝に銘じていただければ幸いです。

鎧を着て、矛を持ち、盾を構えて挑んでくる相手(男性性)に対し、かわいいワンピで対抗するのが女性性を活かすってことです。

フットワークは軽く、相手が矛を向けてきても「きゃー」って言いながら逃げまどいます。

さらに、仲間と共に集団で向き合うことも得意です。

もちろん、「えー、そんなこと言われたら辛いー」とウソ泣きすることは朝飯前です。

男性性って、逃げるとか集団とか泣くのとか苦手でしょ?

女性性ってプライドはもちろん、勝ち負けも気にしないんです。主張を通すというよりも気分が良いことが大事なのです。

だとするとAさんは女性性ではなく男性性でお父ちゃんと対峙し、今も、男どもと男性性でやり合っているのかもしれません。

ということで、まったく意外な話になるかもしれませんが、そんな男性性が強い男性をパートナーに持とうと思うなら、さらに女性性の解放を目指し、「ワンピースを着た相手と戦うのは男の恥」という状態まで持っていくことを目指すのがお勧めです。

そしたら、Aさんのやりたいことに対し、完全武装した相手が「護衛」に回ってくれるようになるのですから心強いと思いませんか?

それがいわゆる「姫マインド」とも言えますし、女王様マインドに続くものでもあります。

つまりは女性性をさらに意識し、ワンピースも鎧も似合う女になれ、ということがAさんの当面の方針になるかもしれません。

※なお、筆者は共に東京滞在中の娘にお小遣い並びにイベント参加費をねだられ、黙って拠出致しましたが今回の本文とは関係ありません。

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