誰かのせいにしているうちは幸せになれない~被害者と加害者、無害者の心理~



被害者であることを盾にとって「正しさの争い」を仕掛け、相手を改心させるなどのコントロールに出たとしたら、その瞬間にあなたは加害者に変身し、罪悪感を抱えることになります。そして、その関係性は崩壊に向かいます。
つまり、誰かのせいにしていては幸せは逃げて行ってしまうのです。
そこを解決する在り方が「無害者」という立場で、自分軸を確立した成熟した大人の態度と言えるものです。

多く問題は「外」から降ってくることが多いものです。

彼氏がデートをドタキャンした。
旦那がほかに女を作った。
いい雰囲気だった彼からの連絡が途絶えた。
職場の上司が無能で困る。
モラハラ上司に散々傷つけられた。
おかんが何かと頼ってきてウザい。
夫が子育てに協力的じゃない。

そんな時はついつい「彼」や「彼女」のせいにしてしまうもんですよね。
他にも「会社のせい」「政治のせい」「金持ちのせい」ですし、今の時期はまさしく「コロナのせい」だったりします。

そうして「他者」のせいにしてしまうと、即座に私たちは「被害者」になります。
そして、その他者を「加害者」にします。

「コロナのせいで楽しみにしていたイベントが中止になった私たちはかわいそう!」となります。

さすがにコロナちゃんに損害賠償を起こすことはできませんけど、会社や人だったらそこで裁判沙汰にまで発展することも珍しくありません(っていうか、ほとんどの裁判ってそうですよね?)。

「被害者」でいるとよいところは、誰からも責められず、みんなの同情をかうことができる点です。

「あなたは何も悪くないのよ。悪いのはあいつだもんね。ほんと大変だったね」とみんな慰めてくれます。

一方、「加害者」になると、みんなから責められ炎上するわけで、大変肩身の狭い思いをします。

だから、その立場になるとあまり人に相談できません。

分かりやすい例を言えば、「振られた側はみんなに慰めてもらえるけれど、振った側は一人でその思いを抱えなければならない」ということになります。

そのとき被害者の立場としては「私は悪くない」もしくは「私は正しい」を主張します。
そして、「あなたが悪いんだから謝りなさい」「あなたのせいでこうなったんだから補償しなさい」という風に加害者を攻撃します。そして、その攻撃は正当性を持つとも言われます。

でも、勘の良い人ならここで「あれ?」ということに気付くはずです。

【「被害者」が「自分を正しい」と主張して「加害者」を攻撃するってことはさ、「被害者」が「加害者」に、「加害者」が「被害者」に変わってない?】

そうなんですよねー。

すなわち「被害者」は即「加害者」となり、「加害者」は即「被害者」になります。

すなわち「被害者=加害者」なのです。

だから、多くの争いでは「どっちが被害者か?」という展開となり、それぞれが「正しさ」を主張して泥沼にはまることになります。
そして、行きつく先は裁判です。

で、どっちが正しいのか?を「法律」という基準で話し合われるわけですが、カウンセラーとしては別の視点を持つんですね。

「そんなに正しさを主張して争うってことは、もうこの関係は終わってもいいんだよね?」と。

つまり「彼とはもう別れるんだよね?」「旦那とは離婚するんでしょ?」「その会社、もう辞めるってことだよね?」「おかんとは金輪際、縁を切るんだよね?」というわけです。

だって、「正しさ」という基準によって二人の関係は切り離されますよね?

奥さんが正しければ、夫は間違っているわけです。
あなたが正しければ、上司は間違っているわけです。

あなたの「正しさの主張」が通った場合、相手は負けますよね?どんな気持ちになると思いますか?

「そっかー、俺が間違ってたかー。すまんなー。ごめんごめん。改めるよー」って言うと思います???

思わないですよねえ。表向きはそういう態度を取ったとしても、正しさを主張する相手からは一緒にいたくないと思います。

屈辱的であり、惨めだし、嫌な気持ちでいっぱいですしね。

皆さんも「正論を振りかざす奴」とは一緒にいたくないと思いません?嫌な気分になるし、めんどくさいし。

そうすると正しさを主張して相手を攻撃した瞬間から、その関係性は壊れる方向に向かい始めるのです。

そして、心理的に見れば、「正しさを主張する」「攻撃する」ということはすなわち、即座に罪悪感を心の中に抱えることになります。

つまり、「被害者=加害者=罪悪感」となるのです。

「いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本」(ディスカバー21)
*セミナーDVD『私の幸せを阻む「罪悪感」を「愛」で癒して「私」を自由に解放するワークショップ』

かつて、こんな記事も書きました。

『お互いの常識の違いがパートナーシップを疲弊させる~正しさを選ぶと幸せは逃げていく~』

「正しさ」と「幸せ」は反比例するんですよね。

「あいつのせい」と「被害者」であることを主張した瞬間に、あなたは「加害者」になります。

そして、あなたが「被害者」であり続けるために主張する「正しさ」は、あなたの「幸せ」を遠ざけ、その関係性を壊していきます。

つまり、あなたが誰かのせいにしている間は、あなたは幸せを自らの手で遠ざけていると言えるのです。

これもまた「自作自演」と言えるのです。

『問題とは?問題解決とは?~すべては自作自演~』

だから、カウンセラーは「正しさよりも幸せを選びましょう」と提案し、「被害者であることを手放し、無害者になりましょう」あるいは「加害者を手放し(罪悪感を手放し)、無害者になりましょう」ということを提案します。

じゃあ、どうしたら「あいつのせい」にせずに「無害者」になれるのでしょう?

ひとつめは、「許し」ですね。

相手がなぜ、そのようなことをしてしまうのか?を理解し、許していくのです。
これは夫婦や親子など、特に近い関係性では重要な方法です。なんせ、一生のご縁になるものですから(夫婦には一応、離婚もありますけれど)。

相手の痛みを理解し、受け入れ、手放します。(これが許しのプロセスです)

かなりエネルギーがいる作業ですので、やはりこれだけのチャレンジをするだけのモチベーションが必要です。

そんな許しや手放しはここに詳しいです。

「もう傷つきたくない」あなたが執着を手放して「幸せ」になる本」(学研プラス)
*セミナーDVD『本気の手放しワーク』
*セミナーDVD『手放す愛で夫婦関係に奇跡を起こす~愛で問題を解決するセミナー~』

ふたつめは、「自分軸」(自己肯定感)を確立することです。

「私は私、相手は相手」として切り離します。
そして、「自作自演」であることを受け入れ、「この問題は自らのどんな心が引き起こしたのだろう?」という風に捉えます。

誰かのせいにしているうちは、自分の内面から目を背けることができます。

上司や旦那のモラハラ問題が、自らの内にある自己破壊的な攻撃性がその要因のひとつであることに気付くには、自分自身を見つめてみなければできません。

彼が浮気したり、ドタキャンしたりする原因が、自己評価の低さ(自己肯定感の低さ)にあることを知るのもまた、自分自身と向き合ってこそ気付けるテーマです。

「誰かのせい」にしている間は、相手が変わらないとその問題は解決しないわけですから、その間、被害者であるあなたは何もしなくていいですよね(楽なんです)。

でも、それって「他人軸」なので、相手が変わるまで、あなたは何ら恩恵を受けることはできません。

そんな自分軸を確立するならばこの本がお勧めです。

『「いつも無理してるな」と思った時に読む本』(大和書房)

『人のために頑張りすぎて疲れたときに読む本』(大和書房)

「敏感すぎるあなたが7日間で自己肯定感をあげる方法」(あさ出版)

みっつめは「逃げる」ことです。

この「逃げる」というのは「争わない」という意味であり、「距離を取る」という意味であり、職場ならば「辞める」、関係性ならば「別れる」ということです。

言い換えると今の状況に対し「No!」というはっきり態度で示し、その場を去ることです。

夫婦だから、好きな彼だから、長年勤めた会社だから、お母さんだから、という理由でその関係性を続けるくらいならば、思い切って逃げてしまえばいいんです。

そこで意地を張って頑張り続けたとしても自分がしんどいだけです。

先日もこんな話をクライアントさんにさせていただきました。

「今の職場の仲間や仕事内容に愛着があるのは分かるんだけど、でも、そんなにハードワークして心身にダメージが出てるんだから、そこからは逃げたほうがいいと思うよ。もうその会社を卒業して次のステップに進む時期なんだよ」と。

「逃げる」ことが苦手な方は最新刊をお読みいただけたらと思います。(さりげないステマにおいては定評のある根本先生。)

ギリギリまで我慢してしまうあなたへ『逃げる技術』(徳間書店)

無害者というのは「中庸」「中間」な位置にあり、「win-win」あるいは「相互依存」を実現できる自分軸の状態です。

良いか悪いか。正しいか、間違っているか。ではなく、何が幸せか?自分がどうしたいのか?を自分自身で選ぶことができ、そのために行動できる存在です。

無害者は正しさの争いを好みません。
お互いが傷つけあうことを十分に知っているからです。

また、相手がまだ被害者や加害者の位置にとどまっていたとしても、その相手が変化することを信頼して待つことができます。

さらに、この問題が起きたことで、相手との距離が空き、関係性が変化することへの覚悟もできています。

だから、その相手の影響されることなく、常に、自分らしくいることができるのです。

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誰かのせいにしているうちは幸せになれない。

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