お互いの常識の違いがパートナーシップを疲弊させる~正しさを選ぶと幸せは逃げていく~



自立して大人になって来た時点で私たちは様々な正しさ、常識、やり方、観念をたんまりと持っています。
そして、自立時代に身に着けた競争心によってパートナーシップは戦乱の時を迎えるのです。
どうしたら、それを回避することができるのでしょうか。

初めまして!
いつもブログ楽しく読ませて頂いてます!

私は結婚相談所で知り合った男性から、先日プロポーズを受けて成婚退会した31歳自称☆自立系武闘派女子です。

お見合いして、半年でプロボーズを受けた後、初めて喧嘩をしたのでアドバイス頂ければと思います(ネタとして使ったって~)

まず、お世話になった相談所に挨拶に行くのは礼儀として当然だと私は思っていて、(退会したあとは通常の流れ)、当然のように、何時にしようか、手土産は何にしようか♪と話したのですが彼は「行かない」の一点張りなのです。
理由を聞くと、お互い所属してる相談所は別々なのですが、双方のやり取りの漏れや、彼と彼側の仲人との信頼関係ができておらず、私の方の仲人へも不満があり、彼曰く「出会えたことは感謝しているが、また会ったことで不安になったり私との関係が壊れることを言われそうで不安だ」との事。

確かに、連絡ミスや説明不足で関係が微妙になったことはありますがこうして上手くプロポーズをお受けして、結果オーライではないのか、水に流して感謝の気持ちが持てない彼が不思議でなりません。

LINEでお互い一歩も引かず、一度は「行く」になったのですが、そこからLINEが初めて来なくなり、1日だけですが音信不通になってしまいました。

機嫌損ねた表現にがっかりし、(彼は5歳年上)、そんなに嫌なら参加しなくて大丈夫だよ、と私が伝え、結果、彼は来なかったのです。

どう、私のなかで落とし前をつけていいか分かりません。
どうすれば正解だったのか。
どのように考えれば私は腹立たず、彼を受け入れられたのか分かりません。
思考のプロセス等アドバイスをお願いいたします。
(Aさん)

まあ、落とし前という言葉がさらっと出てくるあたり、ガチな武闘派臭がぷんぷんしますね(笑)

LINEのやり取りだったことを彼は神に感謝すべきですよね。
面と向かってたら確実に首絞められてたか、表出ろや→ボッコボコな運命をたどっていたと思うので。
ツイてましたね、彼(笑)

しかも、めでたくプロポーズ→成婚退会したのに、新たな火種を求めるあたり、やはりガチ中のガチと言ってもいいでしょう。

彼の今後がちょっと心配なので、このネタを取り上げさせていただいた次第です。

「相談所に挨拶に行く」という点でやり合うくらいですから、きっと今後も情熱の炎に点火する機会は多数訪れると思いますので、処方箋出しておきましょう。

パートナーシップでめちゃくちゃよくあるケンカの原因に「お互いの常識が違ってぶつかり合う」というものがあります。

そして、お互いが常識にしているくらいですから、双方、それが正しい、と信じ込んでいますし、場合によってはそれだけの論理的理由(正論)もがっちり確保されていることが多いです。

なので、そこで「正しさの争い」という問題が勃発して、「おい、ちょっとお前、表出ろや」「え?どうして?怖いよ」「いいから、さっさと表出ろや。一発、気合入れたるさかい」「ええー、嫌だよ。そんなの。怖いよ」「男らしくねーなー。なんならここで暴れたろか?」「それはみんなに迷惑だよ。う、うん。分かった。防具付けるからちょっと待って」というやり取りが頻繁に起こるわけですね。
(もちろん彼が装着する防具が何の役にも立たないことは言うまでもありません)

Aさんの「お世話になった相談所に挨拶に行くのは礼儀として当然」という思いに何の間違いもありません。
が、彼は5歳上だとかそんなことは関係なく、相談所に嫌なイメージがあったり、まあ、もしかすると恥ずかしいとかそういうのもあるかもしれませんが、抵抗がありました。

そこで「行く」「行かない」という争いになるのはまだ彼がAさんの恐ろしさを知らないという初心なだけでなく、お互いの正しさが衝突しているわけです。

で、忘れちゃいけないのは「正しさを主張すると、幸せが逃げていく」という法則でして、ここでAさんが押し切って彼を相談所に連行するとなると(BGMはドナドナ)、彼はアンハッピーですし、今回のようにAさんが彼の思いを受け入れて単独で御礼参りに行くとなると、Aさんの腹の虫がおさまらない、という事態になってやっぱりアンハッピーです。

自立系武闘派女子(略して自武女)の皆さんは、正義感が強く情に厚い人が多いので、「礼儀は尽くすべき」という思いをよく持つものです。
もちろん、それ以外にも「これが正しい」とか「こうすべき」という理想をたくさん持っている場合も多いです。

それをいつも力関係と正論とよく回る頭とよくしゃべる口で相手の反論を完膚なきまでに叩き潰して従わせたとしても、当然ながら相手には不満がたくさん残ります。

また、義理人情を発揮してグッと彼の意見に合わせるとするならば、今度は自分の不満がたくさんたまります。

それが新たな火薬となり、何かの瞬間に火が付いて大爆発を起こすわけです。

もちろん、情熱たぎるドラマ的人生を望む自武女の皆さんにとっては、そうしたアップダウン激しい人生は望むところだ!となるかもしれませんが、まあ、夫婦関係としてはなかなかハードワークになりますね。

だから、自分の常識、正しさ、価値観を相手に突き付けることは「幸せ」という観点から見ると、自ら遠ざける結果になるのです。

「従わせてもダメ、従ってもダメ、じゃあ、どうすりゃいいって言うのよ!」と首を絞めたくなると思いますので、命が惜しい私は見て見ぬふりをして話を進めます。

「ふたりにとっての幸せってなんだ?」という視点を持つことがとても大切なのです。

「幸せな落としどころ」を見つけていくわけです。

それが「相互依存」という関係性であり、win-winの共同創造関係に至る道です。

そこでは自立時代にたくさん身に着けた正しさややり方や観念などを手放す必要があるんですね。

「正しさよりも幸せを選ぶ」という“勇気”が必要になります。

言い方を変えれば「私のやり方を手放して、二人のやり方を創造する」ということになります。

だから、パートナーシップは常に創造的関係になるのです。
(これはビジネスパートナーに対しても同じことが言えます)

ところが、そうは言っても「私はその気なんだけど、相手が乗ってこない」という場合もあるでしょう。
既に何度も彼をボッコボコにしてしまった場合、彼は戦意喪失して、あなたの奴隷と化している場合も多いですし、皆さんが大好きなロックマン氏ならばシャッターを下ろして音信不通になるでしょうし、皆さんが愛してやまない野良猫君ならば気が付けば逃げちゃっていることでしょう。

そうした彼のキャラも含めて、二人の幸せを共同創造していくわけです。
これは気付いた方がリーダーシップをとることになります。

ちなみにこの記事を彼に転送して、「ね?だからさ、ちゃんと話し合って共同創造できる関係になろう!」って呼び掛けても「そうだね」って返信が来てもなかなか現実化は難しいのも分かるでしょうか?

「根本さんの記事を彼に転送する」という時点で、自分のやり方を彼に押し付けていることになるんです。

ふたりで一緒に作業できたらいいですけれど、彼はまだその準備が整ってない場合もありますし、そもそも共同創造するということに対して、彼が同意しているかどうかはまだ分かりません。

なので、人間関係の基本として、彼を理解し、受け入れる、ということが先に来ます。
これが共同創造関係の1歩目となります。

ちなみにこちらの記事も参考になると思います。(これは本じゃないので無料で読めますぜ)

『「この人はそういう人なんだ」と相手を受け入れることで、人間関係はグッと楽になる。』
https://nemotohiroyuki.jp/everyday-psychology/26417

彼の気持ちをや考えを理解する、そして、それを受け入れる、ということはすなわち「彼を尊重する」ということになります。

ここで自立系の人がぶつかる問題として「競争」が出てきます。
無意識のうちに「彼を下(もしくは上)に見てしまう」という問題です。

揚げ足を取るならば「機嫌損ねた表現にがっかりし、(彼は5歳年上)、」という部分がそれに値すると思います。

5歳上だから、彼に期待し過ぎてなかった?
自分の常識に合わない彼にがっかりして見下し始めてない?

ということです。

ついついやっちゃうことですから、「ああ、やっちまったな」と都度気付いて手放していけば大丈夫です。

話が少しそれますが「めちゃくちゃ仕事ができる優秀な彼が、恋に対しても優秀である確率は意外と低い」という話があります。

つまり、そんなに期待しちゃあ、彼が負担になるぜよってことです。

いきなり話が高尚になりますが、「恋」と「愛」の違いという話がよく出てきます。
色んな表現がありますが、最近の私はその違いをこう考えています。

「彼のいいところだけを見るのが恋、彼の弱さまで受け入れらるのが愛」

結婚して末永いパートナーシップを築くということは、恋から愛に変化するプロセスをたどるわけですから、とっても重要なことだと思っています。

距離が近づけば彼の中にある嫌なところや、彼の弱さや、不完全なところが出てきます。
それを自立している人は「正しさ」の基準でもって判断し、相手を糾弾したり、幻滅したり、表に連れ出してボッコボコにしたくなったりします。

それは「競争」という問題で、やはりこれも「幸せ」を遠ざける秘訣になります。

彼の不完全さや弱さを理解し、受け入れ、許すこと(すなわち愛すること)が、これからのAさんにとって、とても面白い研究テーマになると思うのです。

>どのように考えれば私は腹立たず、彼を受け入れられたのか分かりません。

そもそも「腹が立つ」というのは「自分の中にある正しさや常識ややり方が彼と異なっているから」です。
もっと言えば「自分の思い通りにならなかった」のです。

怒りを感じるのは悪いことでも何でもなく、そこから学べばいいのです。

「ああ、私はこういう観念・思い込み・正しさを持っているんだな。」と。

そして、そこで「幸せを選択する」のです。

二人にとってどうするのが良いのか?どういう風にしたら幸せなのか?を考えるんです。

「ふたりにとって」というのがwin-win、共同創造的思考です。

相談所に御礼参りに行くかどうかはどっちでもいいと思います。

そこで「自分軸」に立って「私はこう思う」「俺はこう思う」ということを話し合い、その上で、お互いがハッピーになる結論を出すのがいいと思うのです。

その結果が、実際のように「Aさんが一人で相談所に殴り込みをかける」という形になったとしても、お互いがそこで話し合えた分だけAさんは納得して武器を持って押しかけることができたでしょう。

そういうときのコミュニケーション方法としては「私は○○だから、○○だと思うんだけど、あなたはどうする?」という風に「私は」と主語をはっきりさせて(=自分軸)、相手に意見を求めるのがお勧めです。

そして、理想を言えば、お互いの気持ちが納得するまで、「私は○○だと思うんだけどね」「俺は△△だと思うんだよね」と話し合えたらいいですね。

そもそもその話し合いができる相手かどうか、そして、自分がそれだけのコミュニケーションができるかどうか、がカギになりますね。

ということで、Aさんご夫妻は今後ともこうした衝突がよく起きるかもしれません。
そのときに今日の話を思い出して頂ければいいかな、と思います。

もちろん、ケンカが悪いわけではありませんし、うまく行くことばかりではありませんが、「お互いにとっての幸せ」という目標をずらさずにいれば、どんどん話し合いも上手になっていきます。

これは長期プロジェクトですから、時には悔し涙を流しながら、時には誰かに相談しながら、時には喜びを感じながら、ゲームをするように楽しめたらいいなあ、と思ってます。

ということで、改めて、彼の無事を陰ながら祈っております。

★そんな人間関係の築き方、コミュニケーションについて触れた本はこちらです。

「敏感すぎるあなたが人付き合いで疲れない方法」(フォレスト出版)

★自武女の会、いよいよ来週開催です。

大阪:1/20(日)10:00-18:00
もう野良猫・ロックマン・ダメンズはいらない!自立系武闘派女子が幸せなパートナーシップを築くための1DAYセミナー(本町)
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/26954

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https://www.mag2.com/m/0001677732.html


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