「いい人」をやめるにはどうしたらいいのか?~シャドウとの統合について~



人から嫌われたくなくて、自分の嫌な要素を隠して「いい人」を演じてしまうことってありませんか?
そんな「いい人」はほんとに「いい人」であることも多いのですが、その隠している要素が投影されて、「シャドウ」と呼ばれる人たちが目の前に出現してしまうのです。
実はそれは悪いことではなくて、自分がもっと楽に生きられるようになるヒントを与えてくれる人たちなのです。

「いい人をやめるぞ!」というテーマでオンラインセミナーをしました。

「いい人をやめる」って別に悪い人になるわけではなく、「自分らしく生きるために、自分の思いを大事にする」ってことなんです。

人からの頼まれごとを「いい人」をやってるときは、その「いい人」であるために「わかった!」と了解することしかできません。
しかし、それを手放すことができれば、その頼まれごとを「受け入れる or お断りする」から選択できるようになり、自由度が高まります。

ほかの人から「大丈夫?手伝おうか?」というありがたい申し出も、「いい人」をやっているときは「うん。大丈夫よ!ありがとう!ピンチになったら助けてね!」と笑顔で返すんですけど、それが本音かどうかといえば、、、けっこう、、、、???なことが多いですよね。

でも、いい人を手放せたら「ありがとう(はあと)。よかったー。ちょっと手伝ってくれない?」ってお願いできるようにもなります。

つまり、いい人をやめると「楽」になるのです。
気を張らなくてもいいし、気を使わなくてもいいし、背伸びしなくてもいいし、ヒーローやヒロインを演じなくてもいいし、かっこつけなくてもいいし、自分に正直でよくなるんです。

でも、なぜ、人は「いい人」であろうとするのでしょう?

それは自分の中にそれとは反対の「悪い人」という思い込みが存在しているからです。
そして、その「悪い人」の部分を出したら、みんなに嫌われる、みんなに攻撃される、と思っているので、それを隠します。

だから、「本当の私はそんなにいい人じゃない。むしろ腹黒くて狡い、悪い奴だ」と思うようになります。

もっと具体的に言えば、「私は悪い人」という思い込みがあり、悪い人は嫌われる、という思い込みもあります。
だから、悪い人の部分は隠さなきゃいけない、と思います。
隠すためには、それが出ちゃってないかを常に監視する必要があります。
監視するってことは、、、常に、自分の悪い人の部分を見つめる、探し続ける、ということになります。

それで、自分のことを悪い奴、と思うようになり、だからこそ、「いい人でなければならない」と思うのです。

だから、「ついついいい人をやってしまう」という方は、自分のことを本当は悪い奴と思い込んでいるものです。

・・・でも、ほんとにいい奴が多いんですよ。現実的には。

自分のことを悪い奴と思えるって、いい奴だけですから。
ほんとうに悪い奴は、自分のことをいい奴だと思っているものです(笑)

とはいえ、自分では自分のことを「ほんとうはいい人じゃない」と思い込んでいるので、みんなから嫌われないために、攻撃されないために、迷惑をかけないために、いい人でいるわけです。

ところが、そうした隠している「私は悪い奴」という部分は何を基準に決めているのでしょう?

それが個々人の今までの体験がベースになっています。

こういうことをしたらお母さんやお父さんや周りの人にひどく怒られた/嫌われた。否定された。だから、「こういうことをすると愛してもらえないんだ」と思ったできごと。

お母さんやお父さんや周りの人が「こういう人ってほんと嫌い。最悪。ダメ」と言っている要素。

つまりは、心の傷、痛みなわけです。

自分が愛されないと思ったり、嫌われたりした痛みなんですね。

だから、そういう要素は徹底的に隠さなければいけません。
そして、「僕にはそんな要素はないですよ」という顔をしなければなりません。

そうして隠すことを「抑圧」って言います。嫌われると思った要素を力づくで抑え込むわけですね。

だからけっこう苦しいんですけど、もう一つ厄介なことが起こります。

「投影」という現象が起きるのです。

特に、潜在意識はご親切にも「あなた、この要素、隠してますよ!気づいたほうがいいですよ!」と教えてくれるんです。まるで、落とし物をした時に親切な人が「あら、あなた、ハンカチ落としましたよ」と教えてくれるように。

つまり、あなたが「嫌われる」と思って「抑圧した/隠した要素」をまざまざを見せつけてくれる人があなたの目の前に現れるのです。

「感情的になったら嫌われる」と思って「感情的であること」を隠しているあなたの前に「感情的な奴」が現れるのです。

「お金のことをべらべら話す奴は嫌われる」と思って「お金?全然興味ないよ!」というフリをしているあなたの前に「お金の話ばかりする奴」が現れるのです。

「きちんとしなきゃ愛されない」と思って「ちゃんとする/きちんとする」をモットーに生きているあなたの前に「だらしのない奴」が現れるのです。

「上から目線の偉そうな態度をとる奴は最悪だ!」と思って「人に対して丁寧に接する」ことを意識してたら、目の前に「上から目線の横柄な奴」が現れるのです。

いやですよねえ。
ほんと「氏ねばいいのに!」とか思っちゃいますよねえ(笑)

でも、その要素を嫌って隠しているのは「自分」なんですよね。
そう、まさに、その要素を持っているのは「自分」なんですよね。

気持ちが悪いでしょう?認めたくないでしょう?今日の記事は読まなきゃよかったと思ったでしょう?(笑)

ちなみに、そんな「自分の隠してる要素を見せてくれる嫌な奴」のことを「シャドウ(影)」と呼びます。

このシャドウは別名「生きられなかったもう一人の自分」でもあります。
自分が諸般の事情で隠してしまった「もう一人の自分」なのです。

※ちなみにこの辺の話は以下の記事でもお話ししています。
「嫌いな人って実は・・・。」

「シャドウ~生きられなかったもう一人の自分と共に歩む方法~」

「職場のBさんが苦手です。~シャドウとその扱い方~」

「投影とシャドウ。」

> 2018/09/03配信「生きられなかったもう一人の私~「シャドウ」との統合に向けて~」

だから、あなたの前に現れる「嫌いな人」「苦手な人」というのは、あなたが抑圧している(隠している)要素を見せてくれるいたいけな“ボランティア”なんですね。

ほんと、ありがたいですねえ~(棒読みで笑)

このシャドウ、職場に現れることもあれば、お母さんがそうだって人もいますし、となれば、娘がシャドウってことになる場合もありますし、恋人の中にも当然現れる要素でもあります。

あなたが「いい人」をし続ける限り、どこまでもそんな人は現れるんですよね。
その理由はここまでの説明でお分かりいただけると思います。

となれば、いい人をやめる、ということは、自分が抑圧した部分を許す/解放する、ということであり、それは、シャドウを許す(統合する)、ということになります。

すなわち、「いい人をやめたければ、嫌いな奴と向き合い、許せ!」というのがどストレートな表現になるのです。

ね、嫌ですよねー。
無理ですよねー。

みなさんの周りにいる嫌な奴、嫌いな奴、苦手な奴を思い出してみてください。

とはえい、がっちがちにいい人をやってる人は「嫌いな人なんて思いつかない」とおっしゃるかもしれませんが、あえて「どういう奴が嫌いなのか?」を改めて考えてみるといいと思います。

ウソをつく人。嫉妬深い人。攻撃的な人。高圧的な人。怠け者。狡い人。自慢ばかりする人。何もしなくても愛される人。恵まれた環境にいる人。怒りっぽい人。人の話を聞かない人。お金持ち。仕事ができる人。・・・。まあ、どんどん出てくるでしょう。

あなたがどんな人が嫌いなのか?というのは、あなたが嫌われると思って隠している要素なのです。

だから、これらの要素が嫌いだと思うということは、あなたの中にもそのような要素がある、ということなんです。

でも、まあ、当たり前ですよね。人間だもの。ほんと。

きれいなところばっかりじゃないです。

そして、あなたがそうした要素を抑圧しなきゃいけない事情もちゃんとあるわけです。

だから、あなたが悪いわけではありません。

で、そのシャドウとの統合ですけれど、最初にその後の話をしておきたいと思います。

例えば、高圧的で、自慢ばかりして、嘘つきで、上から目線の嫌な奴があなたのシャドウだとしますね。

その人を受け入れ、許し、肯定すると、その人のことが嫌いじゃなくなります。苦手じゃなくなります。
けれど、仲良くなれるか?というと、それはわかりません。好きになるとも限りません。
そして、あなたが高圧的で、自慢しぃな奴になるかというと、別にそうもなりません。

・・・要するに、その嫌いだった人が「ふつう」とか「気にならない」程度にはなります。

でも、時にはその人のことが好きになり、尊敬できるようになることもあります。
「あの人、やり方はあんまりうまくないけど、根はほんといい人で、いいこと言ってんだよね。誤解されやすいんだけどさ」などと、その人の価値や魅力をちゃんと受け入れられるようになったりします。
なんなら応援したり、サポートしたりしたくなるかもしれません。

どっちみち「苦」ではなくなりますね。

じゃあ、どうしたらそうなれるのか?というと、方法はほんといろいろあります。
丁寧にやっていくこともできるし、若干、強引なやり方もあります。

今日はその力業をひとつ紹介したいと思います。

皆さんもセミナーや研修などで「短所→長所変換」ってやったことありませんか?

短所だと思うところを長所に置き換えていく、という奴。

だから、あなたのシャドウが持つ要素を「長所・価値・魅力」に変換していくのです。

高圧的な奴のいいところってどんなところだろう?
嘘つきな奴のいいところってどんなところだろう?
上から目線な奴のいいところってどんなところだろう?

例えば、彼らは「助けたい、役に立ちたい、注目されたい(ヒーローになりたい)、与えたい、教えたい」ところがあるのかもしれません。

そんな風に、そんな要素を長所に無理やり変換してみて、そういう目でその人を見てみる、というやり方です。

これは機械的にできるんですけど、頭をけっこう使いますね。

もう一つのやり方は、その嫌いな人、苦手な人の「良いところ」を50個くらい見つけることです。
そうすると「高圧的で嘘つきだけど、けっこう視野が広くて、賢くて、情に厚いところがある」みたいに、それぞれバランスが取れてきます。

この2つの方法のどっちかをがっつりやってみてください。

そうすることで、自分の内なるシャドウが解放されるので、すーっと楽になることが実感できると思います。

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『「いつも無理してるな」と思った時に読む本』(大和書房)

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「「いい人」をやめるにはどうしたらよいか?」

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