職場のBさんが苦手です。~シャドウとその扱い方~



人に見る苦手なところは、実は自分の内面にあるもの。
ちょっと嫌な気分になりますが、きちんとそこと向き合うと自分の価値や可能性、今後の方向性が纏めて見えて来るんです。

とある職場での人間関係に関するAさんからのご相談。

「Bさんが苦手なんです。何でも押し付けて来るし、自分勝手だし、何かと上から目線でほんと嫌なんですよね。ほぼ同時期の入社なんですが、Bさんは少しだけ先輩なんです。それで仕事ができなければ何言ってるのってなるんですが、それが意外とできる人だし、言ってることは正論なんですよね。で、同期のCさんにそのことを愚痴ったら『もともとBさんってそういう人だし、私はあまり気にならないんだけどな』とのこと。えー!?なんで?って思っちゃうんですよね」

この手のご相談はとてもよく頂くのですが、「そりゃ、まあ辛いわなあ」なんて共感しつつも、ちょっと掘り下げた話をよくしています。

痛い話です。


「Aさんね。Bさんと自分が似てるな、って思うところって無い?押し付けてくるってことはお節介というか、見方を変えれば面倒見がいいってことだよね?Aさんもそういうところない?」

「痛いですね・・・。ないとは言えないです。私もけっこう人に干渉しちゃうことがありますね」

「なるほど。他にはどう?Aさんも自分のこと自分勝手だと思ったりしない?」

「思います、思います。私、本当はすごくわがままなんだと思うのです。だから、それを出さないようにしてるんです」

「そうか。じゃあ、Aさんは正直自分は仕事ができる方だと思ってる?それとも逆?」

「どっちかというと逆ですね。私、あまり接客が得意じゃなくて。Bさんは結構売り上げ出してて正直ちょっとうらやましいんですよね」

Aさんから見てBさんは“シャドウ”と言います。
自分の抑圧している側面を見せてくれる存在で、だから、すごく苦手意識が生まれますし、嫌いになります。いちいち地雷を踏むようなことをしてきたり(言ってきたり)するように思いますし、何かと腹が立つ存在です。

なぜかと言うと、それは「投影」なんです。
自分の内側にあるネガティブな要素をBさんに投影しているんです。
だから、自分はBさんにムカつくんだけど、Cさんは平気なんです。

Bさんとのことについてはそのシャドウのパターンがきれいに3つ出てきてるので一つずつ紹介したいと思います。

一つ目。押し付けるところが嫌。「自己嫌悪」
Aさんは自分にもそういうところがあることを認めています。
人に干渉したくなる自分のことを嫌だなあ、と思っています。
自分でも嫌だなあ、と思っていることをBさんがしているので、ムカッとしてくるんです。
ふだん自分が自分に「そんな人に押し付けちゃダメじゃないか!」と思ってる分、Bさんに対しても同じことを思ってしまうのです。

二つ目。自分勝手。「禁止」
Aさんは自分はわがままで自分勝手だという自覚がありました。でも、それを出してしまうと人に嫌われると思うので、出さないように抑圧(我慢)しています。
つまりは「禁止」してるわけですね。
私たちは自分が禁止してることを目の前でされたらムカつきます。
ダイエットしようと思ってケーキを我慢してる目の前で友達が「おいしいぃ!!」ってケーキ食べ始めたらムカつくと思いません?
それと同じなんですね。
だから、Aさんは自分が禁止してる自分勝手さをBさんが出してるからムカつくんです。

三つ目。仕事ができるところ。「嫉妬」
Aさんは自分は接客が苦手であまり仕事ができないと自分を責めていますし、嫌っています。しかし、Bさんは仕事ができるんです。
そうするとBさんに嫉妬の気持ちが生まれます。
自分には無いものをBさんが持っているように思うからです。
でも、本当にないものに対して私たちは嫉妬しないんですね。きっとAさんも仕事ができる人。それは接客業じゃないかもしれないけれど、Bさんと同等の力を持っているんですね。でも、それを発揮できていないから嫉妬と言う気持ちが生まれるんです。
もし、本当にBさんほど実力が無いのであれば、嫉妬ではなく、尊敬が生まれます。
(イチロー選手に嫉妬するのって、同等のレベルの打者だと思いませんか?ほとんどの選手はただただ憧れ、尊敬するだけですよね?)

そういう風に見ていくと、Bさんが悪いのではなく、AさんはBさんを通じて自分の内面を見てることになるんです。
それこそが投影の神髄なんですけどね。

つまりBさんはAさんの鏡なんですね。
だから「Bさんと似てるところはありませんか?」って最初にお聞きしたんです。

ということはBさんはボランティア。Aさんの内面を教えてくれるだけの存在なんです。
だから、間違ってもBさんを変えようとしたらいけません。それは何の意味もないからです。
Bさんと距離を置いても同じこと。
あなたがそういう内面を持ち続ける以上、どこかにニューBさんが出てきます。

では、自分を見つめ直すってどうしたらいいのか?

ただ、自分の中に同じもの有るんだな、ということを意識していくだけでまずはOKです。

私も押し付けるところがあるなあ。自分勝手だなあ。もっと自分に相応しい仕事がしたいなあ。と。

そして、「押し付ける」ところで少し触れてますが、一見短所に見える要素も見方を変えれば長所です。そこからこれからの生き方が見えてきます。

「自分の意見を押し付ける」→「面倒見がいい」「放っておかない」
「自分勝手」→「自由人」「自分の意見を持っている」「妥協しない」

とすれば、Aさんは自分のその長所を生かすように意識して見ればいいんです。

まずは今の仕事をもっと「自由に」「好きなように」にやりつつ、「周りをもっとサポートしていく」ということをしてみたらいいんですね。

そんな話をしていたらAさん、こんな話をしてくれました。

「あ、そう言えば、私、後から入ったってこと気にして、そういうことにすごく遠慮していました。もっと好きなようにお客さまだけでなく、従業員にも関わって行けばいいんですよね」

そう、その通りなんです。

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