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誰もが自分を特別な存在として見て欲しいというニーズを持っています。
しかし、そのニーズが強すぎると大人であることを受け入れられず、それがパートナーシップや仕事上の問題として出てきてしまいます。
みなさんは「大人であること」に喜びを感じられていますか?
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3年くらい前に「退屈すると無理めな恋をしてしまう」の悩みでご相談しました。
あれからずっと考えながらトライアンドエラーをしてきたのですが、意外と無理めではなかったようで、いいなと思っていた件の男性と食事に行ったり、日々の気付きをメールでやりとりしたりなど、ふたりの時間をお互いになんとなくつくるようになりました。
(不倫はいやなので、これは理想のかたちかもしれません)。
相手から、直接的な言葉はないですが、しっかりと好意を感じます。
しかし少し前、ちょっと待てよ…と思い「私は、どうしても特別に自分のことを見てくれる誰かが欲しいんだ」ということに彼とのあるできごとで気がついてしまい、恋のウキウキした気持ちが一気に消沈してしまいました。
「無理めな恋を血眼で探してしまう」答えのひとつが見えたと感じました。
いいなと思った彼は、一緒にいると自分が体を縮めて小さな箱に入るような気持ちになります。私がどんどん広がっていくような感じがしません。それでも、一緒にいるために体を縮めようとする自分がいます。
「だれかに私だけを特別に見て欲しい」
この痛みを、彼とのやりとりが教えてくれました。これまでのいくつかの人生のバグも、その痛みで腑に落ちるものがありました。
若い頃長年不倫をしてしまったのも、「私を特別に見てくれている」は担保していたからです。
ちなみに「独り占めしたい」は近いけど少し違うみたいですね。本当に独り占めしたい気持ちが最も強かったら不倫は続かない気がします。
これは、私が、私に注目をしていないということなのでしょうか?
(Sさん)
「私だけを特別に見て欲しい」という気持ち、多くの女性が首がもげんばかりに頷いていらっしゃると思うんですけど皆さんもやっぱりそうですか?
でも、「私だけを特別に見てもらえてるってどうしたら感じられるの?」という質問にはどう答えますか?
言語化できます?
感覚的なものだから具体的に表現するのは難しい?
今では武闘派を名乗っている女子たちもかつてはお姫様だった時代があり、「あたしは特別な存在なの!」と思っていたんです。(少なくとも物心つくまでの赤ちゃんの頃は)
でも、親との関係だったり、きょうだいが生まれたりして「あれ?あたしは姫じゃなくて奴隷だったの?」ということに気付いたり、「あれ?あたしより母(姉・妹)の方が姫ってこと?」ということを思い知らされたりして「特別な存在であること」を自分で否定するようになります。
それゆえ潜在意識の中には「あたしを特別扱いしてー。あたしを特別な存在だと言ってー!」という思いが根強く残ってたりします。
そして、その姫が未だに顔を出すので「恋愛すると少女に戻って彼を父(兄)にしてしまう」という問題が生まれるのですね。
そういう意味で不倫というのは「パパから特別扱いしてもらえる」ことが多いですから、かつて抑圧した思いを取り戻せるという意味では最適な場になっちゃうわけです。
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Sさんのように長年不倫をしてきて「特別な存在であること」を体験することに慣れるとふつうの恋愛に対して不感症になっちまうものです。
対等であることに魅力を感じなくなり、与えることにあまり喜びを感じられません。
また、「彼の奥さん」という分かりやすいライバルもいないために「自分が選ばれている」「自分の方が特別な存在だ」という感覚も得られませんから物足りなさを感じます。
>いいなと思った彼は、一緒にいると自分が体を縮めて小さな箱に入るような気持ちになります。
こういう気持ちになるのも「姫/娘」ではなく「大人女子」として扱われるからではないでしょうか?
パパに愛されてることを知ってる娘はパパの前で好き勝手に振舞います。
もちろん、多少気を遣うことはあるかもしれませんが、ある時はお馬さんになることを命じ、またあるときは従順な召使として扱い、長じてはATMとして活用するのですね。
(ちなみに筆者は数日前にも娘からその旨を記したDMを頂きました。)
だから娘でいられると「自由」を感じやすいんです。
一方、大人女子として対等に扱われるとかなり気を遣いますし、あれこれ考えますし、また、失うことを思えば遠慮だって出てきます。
そうすると小さな箱に入るような気持ちになるんじゃないかと思います。
ほんとうは「子ども」よりも「大人」の方がはるかに自由なんですけれどね。
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昨日もカウンセリングで「心の中に14歳の少女がいるんだよねー」という話をしてたんですけど、少なからず「成長を止めている部分」を私たちは持っています。
結婚や出産を望むのにそれが叶わない理由のひとつに「自分はまだ14歳だと思ってる」という心理があるんです。
実年齢はいい歳だと分かってても「自分はまだ14歳」だと思っていれば、それはまだまだ先の話で現実的じゃないんです。
社会的には「大人」でも、心の一部に「子ども」を残しているとその部分で問題が生まれてくるんですね。
もちろん、「子ども」でいなきゃいけない理由というのも存在して、それが問題の根っことなるのでここを扱っていくことになるんです。
例えば、「親が過干渉で、いつまで経っても自分のことを子ども扱いしてくる」とか「早くに自立して子ども時代に子どもがちゃんとできなかった」とか「周りの期待に応えてきたのでいつも背伸びをしていた」とか「お姉ちゃんでしょ?と言われて育った」とか様々なケースが想定されます。
見た目や振る舞いや社会的には十分大人なんですけれど、心のある部分が子どものままだと、その子どもの部分が早く大人になりたくて自分の存在を主張してくるんです。
それで恋愛や仕事などの面で問題として現れるんですよね。
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>これは、私が、私に注目をしていないということなのでしょうか?
もし、自分のことを「娘」として扱っていて、その部分が「あたしを特別に見て!」と主張してきているならば、それは「依存心」という奴になります。
自分が特別な存在であることを“他人”に証明してもらいたいわけですから。
だから、Sさんがおっしゃるように「私が、私に注目していない」というのは確かでしょう。
だから、Sさんのその感覚を癒すのであれば、「その娘の面倒を大人の自分が見る」ということが求められると思うわけです。
内なる14歳の少女を「彼」に見てもらうのではなく「私」が見るわけですね。
まあ、それはけっこう抵抗があるものですけど、ね。
でも、長年不倫をして「娘」を堪能してきたのであれば「もう十分娘はやってきたでしょ?もうあんたは大人なんだよ。」ということを自分に教えてあげることで解消できるかもしれません。
自分自身をもう大人の女子としてふだんから扱ってあげることです。
それは自分に厳しくすることではなく、内なる少女の声に耳を傾けることで、それによって「母性」も強化されますから、雰囲気もまた変わるかもしれません。
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さて、そうした娘の自分というのは「大人」に対するイメージがあんまりよくないので、大人になりたがらないわけです。
私たちが持つ「大人」のイメージは当然ながら「親」がその原型となります。
中でも「同性の親」がどう振舞っていたかは大きな影響を持つものです。
それで「ピーターパンシンドローム」と呼ばれる「大人になりたくない!」という思いを持つ人も少なくないものです。
そういう意味で改めて「大人であることのすばらしさ」を思い出し、実感し、実践することが必要です。
大人女子のいいところってどんなところでしょう?
大人女子はどんな自由を与えられているのでしょう?
あなたは大人を楽しんでますか?
そこに目を向けてみるのがすごく役立つと思います。
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さて、「大人」のメリットのひとつは「主体性」ですね。
それは「自由」と置き換えてもいいでしょう。
やりたいことを自由にやることができるわけです。
もしSさんや同志の皆さまが「なぜか知らんけど自分に制限をかけてやりたいことをやってない」と感じるのであれば、むしろ、そこを問題にしていただきたいところです。
自分に問うてみてください。
「あなたは今、どれくらい自由でしょう?」
その質問がイヤなものであるならば、なぜかは知らんけど、あなたは自分で自分を縛ってしまってるようです。
じゃあ、そんな自分を解放してあげましょう!ということになります。
また、主体的に行動することのひとつに「愛すること」があります。
自分から愛を与えることです。
それを取引ではなく、また、犠牲でもなく、主体的に愛を与えることが大人にとっての喜びです。
まだまだ娘でいたい気持ちが強いと愛することよりも愛されることの方を求めてしまうので色々とうまく行かなくなります。
もしあなたが自らに制限をかけ、自由を感じられないとするならば、きっと愛することも躊躇し、愛を出し惜しみしてしまうでしょう。
だから人生の主人公が自分であることを思い出し、愛を与えることで自由を感じられることを目標としてみたいところです。
「愛する」ってとても抽象的なのですが、シンプルに言えばこんな感じです。
「彼を喜ばせてあげましょう。そして、そのこと自体に喜びを感じましょう。」
これは「与える」という愛し方の一つですね。
また、先ほどの「内なる少女を大人の自分が面倒を見る」というのもまた「自分で自分を愛する」という行為になりますね。
だから、ちゃんと自分のことも愛してあげなきゃいけません。
「自分を喜ばせてあげる。自分がご機嫌に、笑顔になれることを積極的にしてあげる」
という意識を持ってみることがいいでしょう。
そういう意識を持つと「自分軸」も確立されていくので、「自由」を感じられるようになりますし、誰かに証明してもらわなくても自ら「私は特別な存在だ」ということを実感できるようになるものです。
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この「私は特別な存在だ」というのはちょっと誤解を招きやすいので補足します。
心理学には「特別意識」という言葉があります。
「自分を特別な存在として扱ってもらいたい」という“欲求”のことでして、これは無価値感から来る「問題」です。
この特別意識が強い(=無価値感が強い)と「自慢する」「マウントを取る/取られる」「競争心が強くなる」「要求が強くなる」「他人に不満を覚えやすくなる」等々の依存的な問題が出てきます。
しかし、ここで言う「私は特別な存在だ」というのは自己承認の上に成り立つもので、「私は周りの人とは違う唯一無二の大切な存在である」ということを自覚するものです。
つまりは自分自身を受け入れ、自分の個性を認め、自分が自分であることを誇りに感じて生きる姿勢です。ま、一言で言えば自己肯定感が高い状態ですな。
ちょっと紛らわしいですよね。
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だから、そういう風に見ればSさんが目指すのはそうした大人女子として改めて自分を見つめ直すことであり、自分の個性を知り、自分を活かすべくライフワークなどに意識を向けることかな、と思います。
今、好意を示してくれている彼が真実のパートナーかどうかは分かりませんが、不感症を癒すべく、その彼とより向き合ってみることをお勧めしたいと思います。
そして、自分はどう生きたいのか?何がしたいのか?どんな生き方をしたいのか?という視点で自分を見つめ続けていきましょう。
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