なぜパートナーや他人を信頼することができないのか?~不信感の心理~



「すごく誠実な彼だけどその彼を信じることができない」という相談はとても多いものです。もちろん、パートナーシップに限らず、あらゆる人間関係でこの「不信感」がテーマに上がります。
その不信感も深掘りしてみれば様々な要因が見て取れるのですが、結局は自分自身の問題という点に行きつくのです。

このところ「投影の法則」について書き連ねているのですが、今回もまたそんなお話です。
もうお腹いっぱいっすか?まだまだ食えますよね?笑

それくらい「投影」ってのは大切な法則なんですわ。

つまり、誰かに対する不信感も実は「投影」でして、何を投影しているかというと「自己不信」なわけです。

あっ!!と心臓にぶっ刺さって流血沙汰になってる方はいらっしゃいません?笑
でも、逆に「全然ピンと来ない」という方もたくさんいらっしゃると思います。

「えー、昔の彼に散々裏切られて傷ついて、それから男の人を信じられなくなったのに、それが自己不信が原因ってことになるの?えー、それはちょっと信じられない」と早くも不信感を露呈してる方もいらっしゃるかもしれません。

そう、そうなんです!ここがややこしいのです!!

でも、そんな疑問(クレーム?)に対する根本さんの回答は「男を見る目に自信ある?」です。(嫌ですよねえ、そんなこと言われたら。ほんと。)

そこで頭を回転させて「確かに男を見る目に自信がないのは確かだけど、それが付き合ってる彼氏を信頼できないのと関係あるの?」とさらに鋭い質問を投げ返してくるでしょう。

まあ、そこはニヤリと笑って「その付き合ってる彼氏ってのは自分が選んだ相手なわけでしょ?相手から告白されたとしても。男を見る目に自信がなかったら、そうして自分が選んだ彼氏のこと信じられないのも自然なことじゃないの?」とお答えさせていただくのですけれど。

とはいえ、このあたりの心の仕組みはちょいと複雑にできているので、様々な角度からアプローチするものです。

実際のカウンセリングでは、過去の男に裏切られた不信感があるならば、その不信感、その裏切られた心の傷を最初に見ていくと思います。

そして、自己不信はそのあとのテーマにしていくでしょう。

ということで改めて「自己不信の投影が対人不信になる」というお話を始めさせていただこうと思います。

恋愛を例に話を進めたほうが分かりやすいと思うのでその線で話をしますが、仕事仲間や上司、部下、取引先に対する不信感などについても同じように解釈できますので置き換えて考えてみてください。

「彼がすごくわたしのことを愛してくれているのは分かるし、誠実な人だと思うんです。けれど、彼の気持ちを素直に受け取れず、どうしても騙されているんじゃないか?今はよくてもいずれ裏切られるんじゃないか?という疑いがぬぐえなくて、彼のことを信じられないんです。」

そういうお話はとてもよーーーく伺うものです。

まあ、いろいろなことが起きる人生を送って来られたのですから、純粋な子どものように目の前のことを信じるなんてことはそう簡単にできないものでしょう。

だから、大人になってからの人間関係ってのはじっくり育まれるものですし、信頼関係を築くまでのプロセスも長期にわたるのが“通常”なのです。

ちなみにこの「信頼」というのも“思考的”“心理的”と分けてとらえたほうがいいと思っていまして、相手のプロフィールや言動などを分析して思考的に信頼するのは比較的簡単だと思います。

「あの人のこの部分は信頼できるが、あの部分は信頼できない」みたいなことも可能ですしね。

問題は「心」の方でして、「心から信頼する」ということを望む方も多いと思いますが、これがまた難しいわけですね。

今日の記事はもちろん「心理的信頼」の方のお話です。

さて、カウンセラーとして「彼のことを信じられない」という話をお伺いすると「過去に何があったの?」という質問をしていくことになります。

・何か裏切られたりした経験はあるの?
・信じていたのに騙されたことがあるの?

つまり、トラウマがあって、それでパートナーを信じられなくなっているのかな?と考えるのです。

そうすると過去に恋愛経験がある方だったらそれなりに出てきますよね。

「うまくいってると思ったら浮気されてた」
「独身のふりして近づいてきたのに実は既婚者だった」
「いい感じで付き合えてると思ったら突然別れ話をされた」
「何かと小さい嘘をつく人と付き合ってたことがある」
「釣った魚に餌をやらないを地で行く人がいた」
「都合が悪くなると既読無視をする人だった」
「ちゃんと話をしたかったのに、全然向き合ってくれなかった」

特に大好きだった人とか長年付き合ってきた人とうまくいかなくなるトラウマはやはり相当なものでして、リアルに「もう恋なんてしたくない!」と思い込んでしまう人もいるでしょう。

そうした心の傷が原因で付き合う人を信じられなくなるのは無理もないですよね。

もう浮気されたくない、裏切られたくない、騙されたくない、嘘をつかれたくない、という思いがでてきますから。

でも、そうして「もう二度と裏切られたくない!」と強く思うってことは、それだけまだまだ痛みが残っているということです。

だとしたら、その傷を癒していきましょう!とカウンセラーは提案するでしょう。
まずはそこから、という風に。

それでその傷が癒えてきたら今付き合っている人のことも信頼できるようになっていくでしょう。

ただ、それだけで十分とは言えないのがカウンセリングの現場で体験することなんですね。

つまり、過去の男たちに対する遺恨はけっこう消えて「ああ、あの人とはいろいろあったけど幸せになってほしいよねー」という風に思えているし、「あの頃はしんどかったけど、自分もそこから学んで成長できたから、決して悪いことだとは思ってないんだよね」と捉えられているような場合でも、「それでも今の彼氏のことを信頼するのは怖いと思っちゃう」という声が出てくるのです。

となると、自分の心の内側に何かしらわだかまりがあるということですよね。

ところで、トラウマの原因となってる彼氏と付き合っているとき、あるいは別れた後に「自分が悪かったの?」と思ったことはありませんか?

つまり、「浮気するような男を選んでしまった自分が悪い」とか「自分と付き合ったから彼がそんなひどい男になっちゃったの?」とか「男を見る目がない自分が悪い」とか「そんな扱いを受けるのは自分がいい女じゃないからだ」とかの自責の念にとらわれることってありませんでした?

それが「自己不信」なのですよね。

ちなみにパートナーに求める要素の圧倒的第一位に「誠実さ」をあげている方はきっとこの自己不信(からの他者不信)がとても強い方かもしれません。

「誠実な人ならば自分を傷つけることはないだろう」という期待があり、また、「誠実な人と付き合うことによって自己不信を解消したい」という潜在的な欲求が働いているわけです。

だから、そういう方は「ああ、まだまだ傷が残ってんのかなー。癒してあげんとなー」と思っていただければ幸いです。

また、過去に裏切られた経験が傷になっている一方で、自分が裏切る側に立ったことはありませんか?

あるいは、自分も相手が退屈な男だったらいずれ裏切ってしまうかもしれん、と思うところはありませんか?

パートナーシップに限らず、大切な誰かを傷つけたり、裏切ることになったり、嘘をついたりすることって・・・そりゃあありますよね?めちゃくちゃありますよね?

嫌かもしれんけど、そこに目を向けたいのです。

例えば、夫婦の浮気問題をたくさん扱ってきて気づいたことがあるんです。

「今回はたまたま夫が浮気したのだけど、タイミングがずれていたら妻の方が浮気してたかもしれんよね」(もちろん、この「夫」と「妻」はひっくり返しても成り立ちます)

つまり、夫が浮気した、という問題は「浮気という問題が生まれる土壌が夫婦間にあった」ということを示しているのであって、一方的に夫が悪いとは言い切れないのです。

とはいえ、浮気された妻としてはすぐにそれを受け入れることは難しいですよね。
実際浮気されて傷ついているわけですし、少なくとも顕在意識では自分が浮気しようとは思ったことがないわけですから。

でも、それを相手の問題ではなく、自分の中にも問題があった、という風に見ていく方が解決が圧倒的に早いんです。

だから、嫌かもしれんけど、自分の内側にある「裏切り」「嘘」「攻撃性」などを受け入れていくことが大事なんです。

そして、この「裏切る側」というのは必ずしもパートナーシップに限らないわけです。

お母さんに嘘をついたことや都合の悪いことをごまかしたこと、言われたことにムカついてキレてしまったこともそれに含まれます。

もちろん父やきょうだいに対してもそうだし、学生時代の友達関係でも自分が自分に不信感を覚えるようなことってした記憶はありませんか?

きっと少なからず誰にでもあると思うんです。
特に思春期(反抗期)には。

となると、この辺の「罪悪感」を癒していくことで「自己信頼」を取り戻せるかもしれません。

「ああ、それは全然悪くなかったんだよ」とか「そうするしかなかったじゃん」とか「ほんとはすごく後悔してるんだよね」みたいな感じで自分と対話しつつ、その「裏切り者のわたし」を許していきたいです。

実際に過去に浮気したり、不倫したり、彼氏に嘘ついたり、彼氏を傷つけるようなことをしちゃったりした経験はすごく自己不信につながるものですけれど、これも同じですね。

罪悪感とちゃんと向き合っていくことが求められていて、それを手放していくことで彼への不信感も薄れていく、と知っていただければと思うのです。

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その思春期にはね、やはりいろいろな葛藤が生まれましたよね。

周りの子と自分を比べて凹んだり、競争心を出しちゃったり、勝ったり負けたり、悔しかったり、惨めだったり。

そうして自己肯定感が低くなっていくわけです。

自己肯定感が低くなれば「自分のことが嫌い」と思いやすくなります。

嫌いな奴のことなんて信用できないじゃないですか。

それで自己不信なんてのがでてきます。

彼氏ができて「わたしみたいに取り柄のない女を好きになるなんておかしい!」みたいに思ったことってありませんか?

彼を信じられない裏側には、そうした「自分の自信のなさ」が影響してることってよくありますが、それ自体が「自己不信」と言うこともできるわけです。

だから、その自己不信が無価値感につながるし、その無価値感も自己不信に拍車をかけるし、ということで、「わたしなんて愛されるわけがないっ!!」という思いが生まれ、それで相手をテストしちゃうことだって珍しくないですよね。

だから、彼氏が誠実な人で、ちゃんと愛してくれてる、と頭ではわかっていても、心ではそれを全然受け取れないのです。

だとしたら、やっぱり「自己肯定感」が大事だな、という話になるわけです。

不完全な自分を肯定する、完璧じゃない自分を受け入れる、まさにその自己肯定感が自己信頼につながり、それを投影して、彼のことも信頼できるようになっていくのです。

ここで改めて信頼とはなにかについて考える必要がありそうです。

「彼を信頼する」ということはどういうことなのでしょうか?

多くの方はそれを「期待」とはき違えています。

「期待」というのは“自分にとって都合の良いことを彼に求めること”です。

それは信頼ではありません。

信頼というのは相手の長所も短所も含めて受け入れる、ということです。

裏切られる可能性もあるし、すごく愛される可能性もあるし、誠実さもあれば、不誠実に感じることもある、ということを受け入れることです。

だから傷つく怖れがあれば相手を信頼することはできません。

不信感を手放して彼を信頼しようと思えば、そうした自分にとってネガティブな要素も含めて「許す」必要があるのです。

だから、まあ、難しいっすね。めちゃくちゃ。

完璧主義なんて持ち出そうものなら不可能なことに思えちゃいます。

けれど、それは「完璧じゃない彼のことも愛しますか?」という選択を求められていると思ってください。

ということは自分自身に対しても同じこと。

完璧じゃない自分を許し、受け入れることが、自己信頼、というわけです。

だから、彼への愛が信じられない、という不信感を根っこから改善していこうと思えば、まずは自分自身と向き合う必要があると言えるんです。

あ、絶望してません?

でも、そうして自己肯定感もそうだし、自分を許すこともそうだし、自己信頼を高めていくにつれてこのプロジェクトはどんどん成果を見せ始めるんです。

以前よりは彼のことを信頼できている自分に気づくでしょう。
同時に、以前よりも自分に自信を持てていることも分かるでしょう。

完璧さを求めればキリがないのですが、そうした成長分に目を向ければ徐々に不信感が払拭されていくのが実感できるのです。

だから、不信感があるとすれば、自分の内側を見つめ、自己肯定感をあげながら自己不信を解消していくこと、そこに意識を向けましょう!!ということです。

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