大切な人間関係を自らぶち壊してしまうのはなぜなのか?どうすればいいのか?



自分のことが嫌いだと心理的に距離が近い人のことも嫌おうとしてしまいます。欠点を探したり、攻撃したり。自分に対してしていることを近い人にしちゃうわけですね。
さらにその方法は誰から学んだの?というのも重要なテーマでして、そうするとラスボスおかんが登場することもよくある話なのです。

根本先生、いつもお世話になっております。
以前、書籍を頂戴し、YouTubeライブでは質問に回答していただき、どうもありがとうございました。

今日は先生に悩みを聞いてほしくてメールしました。
よろしくお願いします。

私は自分が嫌になりました。
私には『大切な人間関係を、ぶち壊してしまう癖がある』と気付いてしまいました。

つい最近まで、人間関係を大切にしてると思い込んでいました。

いまあるもの、いま持っているもの、いまいる場所、いま関わりのある人達の価値を見ず『全く価値がない』と感じ、何ひとつ大切にしませんでした。

数年前、私は親友とケンカ別れをしました。
元彼や元夫ともケンカ別れをしました。
相手が悪いと思っていました。

コントロールしようとする癖もあり、『彼氏じゃなくて奴隷をさがせよな!』と元彼に言われたことがあります。

あたたかな繋がりを求めているのに、自ら壊してしまいます。

相手や環境を思い通りにしたがり、思い通りにならないと怒りをぶつけるところが母親にそっくりです。

根本先生やお弟子さんは、心のあたたかな人達です。
SNSやお茶会、カウンセリングなどで励ましてもらっています。

私も、先生達のように心のあたたかな人間になるにはどうしたらよいでしょうか。
(Yさん)

「心のあたたかな人間になるには冷たさを知らんとあかんのですよ」(名言風に)

このところ大阪はいい天気が続いてまして「毎日こんな爽やかで気持ちいい天気だったらいいのになー」と空を見上げながらてくてく歩いています。

でも、この五月晴れの価値を知るためには曇りや雨、寒い日を知らないと分からないんです。
たぶん1年中こんな天気だったらそんな風に思わないでしょうし、逆にたまーに降る雨に感動を覚えているでしょう。

辛い経験をしたから人のやさしさが分かるし、人を失った痛みを知っているから人を大切にしようと思えるのです。

だから、傷つくことも悪いことじゃありません。
そこから学ぶことっていっぱいありますから。

そうやって過ちや失敗から学ぶのって痛みを伴うわけで嫌じゃないですか。
ふだんから「今のままじゃヤバいよなー。お腹周りだいぶ出てきてるもんな」と薄々危機感を持っていてもやはりなかなかボディメイクをしようとは思わないのが人なんですよね。

それで何かのきっかけでドキッとすることがあって、それでちゃんとトレーニングしよう、食事制限しようと思うんですけど、そのドキッの程度によっては3日坊主で終わっちまいます。

本気で「これはなんとかせんとあかん」と思えるにはやはりより強い痛みが必要なのでしょう。

頭で分かっていても食事制限はめんどくさいですから「また明日から」になって、日々チートデーになっちまうわけです。

さて、珍しくそんな名言じみたことを冒頭に書き連ねているわけですが、「相手が悪いと思っていて、コントロールする癖がある」というのはたぶん母からの“遺伝”みたいなもんですかね?

「お母さんがそういう風に自分に接してきたから、近い距離の人に同じように接してしまう」というやつです。

これはものすごくよくあることでして、最近も書いた気がするのですが、私たちは親から何でも感でもコピーして(真似て)大きくなってきたわけですよ。

言葉もそう、態度もそう、怒り方も、人との接し方も、お金の扱い方も、男女関係も、仕事についても、親を見て学んできたわけです。

だから「あんなヒステリックにキレるなんてサイテー。あたしはあんな風には絶対ならないわ」と誓いを立てていても、彼氏に対してヒステリックにキレてしまうことになるのです。

そして、その影響の強さから「母親との距離が近すぎるみたいね。癒着があるのかもよ。だから母親と適切な心理的距離を取ることができればそれも緩和されると思うよ」とカウンセラーは提案するわけです。

で、ここからは私の妄想も多分に含む話なのでズレるかもしれませんが、まあ、聞いて下せえ。

『大切な人間関係を、ぶち壊してしまう癖がある』というテーマはカウンセリングでも非常によく出てくるあるあるなテーマでして、それを聞くだけで「ほぅ、親密感への怖れがだいぶ強いようでんな」と見るわけです。

あ、ちなみにこういうセミナーもありますよ。(そのうち動画販売もします)

◎ワークショップ「親密感への怖れを徹底的に癒すワーク10連発」
東京:5/28(日)14:00-17:00
大阪:6/10(土)14:00-17:00
オンライン:6/11(日)14:00-17:00
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/49020

「大切な人間関係=心理的距離の近い人」と見ることができますからね。

で、そうして大切な人に対して怒りをぶつけちゃうということは、間違いなく「ほほー、たいへん自己嫌悪が強いようでんな」ということになります。

だから「私は自分が嫌になりました。」というところが本日最も重要かつ中心的なテーマということになります。

自分のことが嫌いで、自分のことを普段から激しく罰してるとしましょう。
(私はこれを「ひとりSMごっこ」と呼んでいます。)

さて、人は「心理的に距離の近い人にはより自分自身を投影しやすい」という傾向があります。

距離が近くなると自分と相手の区別がつかなくなるんですね。(その状態を癒着と言います。)

だから、心理的距離が近い人に対しては「自分に対してしているのと同じことをしてしまう」ということになります。

それで「大切な人によくキレて怒りをぶつけまくる」という現象が起きてる人は、「自分に対してよくキレて怒りをぶつけている」ということが分かるわけです。

ちなみに「大切な人=自分自身」でもあるんですけど、さすがにそれは受け取れないですよね?でも、実は自分のことを「大切な人」と思っているんですけどねー。だから、自分の思い通りにしたいし、愛してくれないと文句を言っちゃうわけですねー。

なので「ひとりSMごっこは趣味としてはいいけどたいがいにしなさいな。もっと自分を愛してあげることにしましょうよ」というのがYさんや同志のみなさまの今後の中心的テーマとなるわけです。

そして、

>相手や環境を思い通りにしたがり、思い通りにならないと怒りをぶつけるところが母親にそっくりです。

ということは、Yさんは彼氏とか親友とかにやっちまったことは母から学んだことが分かりますよね。

そして、その母親自身もまた親密感への怖れが強く、自己嫌悪が大変強い人だったと分かるわけです。

ところが、娘(Yさん)はその母親の攻撃をよく耐え、生き延びて来られたんですよね。
どんな防御をし、どんな風に攻撃し返していたのかは分かりませんし、今、その母親との関係がどうなってるのか分からないですが、少なくても思春期くらいまではその母親からの攻撃を受け止めてきたわけです。

そうするとここでまた「投影」が起こります。

「あたしもその攻撃に耐えてきたんだから、あなたも耐えられるよね?」

だから、彼氏や親友に対しても母が自分にしたことと同じことをやってしまうわけです。

自分が何とか大丈夫だったから、彼氏も親友も大丈夫だろう、と思っちゃうわけですね。(もちろんそんな意識はしてないと思うけど)

ところが、彼氏も親友もYさんほど防衛力が高くなかったので喧嘩別れという形になっちゃったんだと思います。

「あれ?思ったほど強くないのね?」という感じですよね。

これはよく虎の穴育ちの自立系武闘派女子のみなさまがやっちまうもので、常々「ロックマン氏はガラスのハートを持ってるからね」「彼の下ろすシャッターはあなたから見ればアルミホイル程度にしか感じられないから安易にぶち破っちゃダメよ」「野良猫くんの逃げ足はあなたが本気を出せばすぐに追いついちゃう程度だからいきなり背中からドロップキックを決めたりしちゃダメだよ」等々の注意喚起を散々しているにもかかわらず、「先生、やっちまいました。てへ。」という報告が相次いでいるわけです。

そりゃあ、あなたは虎の穴で散々母や父や姉から鍛えられてきたわよ。
でも、あなたの彼氏や友達も同じような虎の穴で育ったとは限らないわよね?
そこをちゃんと押さえとかないと、あなたがちょこっと突っついたつもりでも、相手は激痛に感じちゃうのよ。

要するに「自分の強さをもっと自覚しなはれや」ということです。

Yさんも『彼氏じゃなくて奴隷をさがせよな!』と元彼に言われるくらいですから、よほど母の攻撃能力が高かったことが伺えますよね。

ということで、この点に関しては母との関係を見つめ直していくことがまずは重要かもしれません。

★母との癒着を切るためにどうぞお使いください。

「もう傷つきたくない」あなたが執着を手放して「幸せ」になる本」(学研プラス)
*セミナー動画『本気の手放しワーク』

さて、妄想はまだまだ続くわけですけれど、実はここである重要かつ厄介な問題が生まれています。

「頑固さ」という問題です。

父や母が暴れん坊だった場合、子どもはその親に対峙するために様々な攻撃手法並びに防衛手段を学びます。

ヒステリックな母ちゃんにクールに対応したり、暴言を吐く父親にさらなる暴言で対抗したり、支配的な姉から逃げる手段を模索したり。

そして、特に感情的な親に対しては「心を固く閉ざして身を守る」というダンゴムシというかアルマジロというかそんな感じの作戦を取るわけです。

母からの攻撃に対して頑丈な鎧を着込んで耐え忍ぶんです。

それが母専用の甲冑であればいいんですけど、対人関係においてもその甲冑を着込んで対峙することになります。

そうすると「人の言うことが耳に入ってこない」「人の話が聞けない」ということになりますし、その鎧があまりにも堅いものですから「内側から自分を変える」ということも難解になってしまいます。

それが「頑固さ」という形で出てきます。

人に心を開けず、人を受け入れられないわけですから、孤独感も強くなります。

何でも相手が悪いと思ってしまうのもその防衛手段のひとつであり、鎧と言えるんですけれど、そうすると痛みに対して鈍感になっているので、大切な人が次々去って行って、一時的に辛い思いをしても、すぐに「相手が悪い」と思うことによって自分を守っちゃうんですね。

だから変わりたいけど変われないって状態になりやすいのです。

それで「とりあえずその鎧を脱いでいこうよ」という話になるんですけれど、そもそもそういう提案が耳に届かないこともありますが、仮に届いても「えー、鎧脱ぐの?恥ずかしいじゃん!セクハラよ!」と抵抗したり、「また傷つくのが怖いから鎧は脱げません」ということになったりするんですね。

なので、この辺は「自らの頑固さとの戦い」みたいな展開になることが多いものです。

自己嫌悪に対しては自己肯定感を、
母との関係については癒着切りを、
防衛手段としての鎧は脱いでいくことに、
とアプローチはあれこれあるんですけれど、その頑固さが根っこにあるとなかなか取り組むことができません。

だからこの辺はYさんもモヤモヤヤキモキイライラしてしまうところでしょうし、ますます自分のことを嫌ってしまうかもしれません。

で、また違う角度から見てみれば「それくらい自己嫌悪が強いってことは・・・それくらい情熱的であるっていうことは・・・セクシャリティがめちゃくちゃ強いってことだよね?」ということになります。

で、一般的にセクシャリティって親が入り込めない世界なんですよ。

だから、案外、鎧を着込んでない部分と言えるんです。

まあ、攻める側からすれば「Yさんの弱点はセクシャリティだから、そこを狙い撃ちすれば、他のとこを攻めるよりも容易に陥落させられるぜ?」というあくどい戦略が立てられるんです。

これは多くの方に当てはまる法則なので、セクシャリティがカウンセリングやセミナーのテーマに上がることも多いですし、こういうグループセッションを継続することになるわけです。

◎6/24東京、7/1大阪。女性性とセクシャリティとサレンダーとコミットメント~実習メインのグループセッション~
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/43397

流れるようなステマをかましたところで、だから、その辺を扱っていくのが案外、効果的なことも多いです。(でも、“弱点”なので心理的抵抗も大きいけど)

セクシャリティというと「性的」な意味ももちろん含みますし、その方向から攻めていくのも大いにアリなのですが、広義に捉えれば「生命力」ということであり、バイタリティとかイキイキさとかを表しますし、創造性、直感力、感性と言ったところがより解放されるのです。

そして、あまりにパワフルゆえにここがうまくヒットすると外側の鎧も一気に外れちゃうこともあって、「短期間に人生が大きく変わる」なんてこともあり得ます。

リトリートセミナーとか1DAYセミナーというのは案外1日を通してセクシャリティを扱っているといっても過言じゃないので、「人生を変えるセミナー」になり得るわけです。

「アーティストを目指してみないかい?」みたいなことを伝えるときはたいがいここに照準を絞っているわけで、別にプロとして活動しなくても、絵、音楽、書、文章、写真、ダンス、スポーツ、演劇、お花等々を“趣味”としてやってみるだけでもエネルギーは解放されます。

創造性をちょっと刺激してみるのもアリってわけです。

さて、そういうわけで、少なくとも「自分のことが嫌い」ということは、心理的距離を縮めるに抵抗が生まれるし、近くなった人を攻撃しちゃうことも多いので、自己肯定感をあげて自分のことを好きになるのもすごく大切です。

まずは「自分のことを嫌いと思っちゃう自分を肯定しようぜ!」という善問答みたいなところから始めるのもアリっすね。

★自己肯定感をあげる動画&通信講座&書籍&ムック本

自己肯定感とは?(Youtube)

セミナー動画「自己肯定感をあげる3daysプログラム」

セミナー動画「自己嫌悪克服トレーニング~自己攻撃パターンからの脱出~」

自己肯定感アップカウンセラー資格取得講座(キャリアカレッジ)

「敏感すぎるあなたが7日間で自己肯定感をあげる方法」(あさ出版)

自己肯定感を高める100の法則 ありのままの自分をすきになる最もシンプルな方法

「マンガでやさしくわかる敏感すぎるあなたがラクになる方法」(日本能率協会マネジメントセンター)

「ムック本「書くだけで「自己肯定感」が高まるワークブック」」(宝島社)

ムック本「自己肯定感を高めるお得技ベストセレクション」(晋遊舎)

●この記事を読んで「ああ、自分の場合はどうだろう?」と思われた皆さん。そのネタ、聞かせてください!もしかしたらブログ上で回答させていただけるかもしれません!(不採用になっちゃったらごめんなさい!何度でもチャレンジ可!です)
また、感想を送ってくださったり、SNSで感想をつぶやいてくださったりすると根本がめっちゃ喜びます!

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