自立を手放して自分らしさを発揮し始めた途端、夫がメンタルやられちゃったんですけどどんな意味があるんでしょうか?~自分、パートナー、そして二人のライフワークデザインについて~



長年身に着けてきた自立の鎧を脱ぎ去り、自分らしく生きるぞー!と思った途端、誰かに足を引っ張られるようなできごとが起きることって意外とよくありますよね。
そんなときにどう意識を向けたらよいのかを語りつつ、パートナーシップのライフワークについても考えていきましょう。

夫婦関係の投影についてです。
約1年前に女性性解放とサレンダーのグループワークに参加し、その後1年間かけてやっとサレンダーできてきました。
仕事を減らし、好きなことをして、喜怒哀楽を幼子のように放出するようになり、お金の面でも夫に頼ることができるようになりました。夫の収入が増えつつありました。

過去は母の母役をやり、金ない金ないと嘆く両親の心を支え、私が家族を守るんだと戦い続けて燃え尽きていました。

そんな私も夫という第三者に守ってらもらうことができるんだ。私だって誰かから無条件に愛されて守られていいんだ。
と、思った矢先に、今度は夫がメンタルの不調で仕事を休む運びとなりました。糸がプツンと切れたように急に限界が来たようです。
曰く、妻である私が自分に正直に生き始めたのを間近で見て、夫自身も自分に嘘をつく事ができなくなったとの事です。
また夫と私は似た所が多く、親の親役をしてきた長男&長女、サラリーマンに全く向いていないアーティスト気質、今の仕事は全然好きじゃないライスワーク等が挙がります。

最初は「あ~来たか。まあ仕方ないし、本当に壊れる前にわかってよかった。私も夫もこうやって、自分と一致した生き方しかできなくなっていく然るべき流れなんだろう」くらいドンと構えていました。
そして夫のメンタルケアをしつつ、元・自立系ならではの熱量と手際の良さで諸手続きや今後についての備えを一通り終えた今、ふつふつと怒りと絶望が湧いてきています。

私だって限界だったのに結局落ち着くところはパートで、夫に甘えさせてもらおうと思っていた矢先に夫はパートどころか休職?
結局私って誰にも守ってもらえないし安心させてもらえないの?
私より強い人って私の周りには現れない仕組みなの?私が弱くなると周りの人がもっと弱くなるのなんで?と。

本当は、怒りと絶望よりもさらに深い所では、「これは、私ももっともっと我慢をせず力を抜いて自由に生きろというサインだ」と一応受け取っています。

このように、似た者同士夫婦が互いに投影しまくっている場合、やはり癒着傾向でしょうか?
依存してるよー自分軸取り戻そっていうサイン??
このようなケースって良くありますか?
根本先生でしたら、この状況ではどんな意識を持つことがベストとお考えでしょうか。
ネタになりましたら、よろしくお願いします。
(Nさん)

まあ、お怒りもごもっともではございますが、お気づきの通り癒着しやすい状態なんだろうと思います。

よく奥様がカウンセリングやセミナーを利用されて一歩も二歩も成長されると、それに追随するように旦那様が何らかの変化が起きることはとてもよくあることで、Nさんのお話を伺えば「おぉ!素晴らしい!めちゃくちゃ順調っすねー!」と軽く答えてしまうだろうと思われます。(もちろん脛をがっちりガードしながら)

そして「なんでまたあたしが頑張らなきゃいけないの!なんであたしがまた夫を支える側になっちゃうわけ?神様、ちょっと体育館ウラまで来なさい!」という理不尽な思いが出てくるのが世の常ですが、その罠に引っ掛かっちまうとまた振り出しに戻っちゃうのでここはグッと頑張り時と言えます。

このあと心理的なお話をするのですが、こうした事例ってたくさんありまして、特に自立系武闘派女子を標榜する皆様には各方面で起こりやすい問題です。

ここで旦那と離婚する意欲が満々になっちゃったり、新たな出会いにコーフンしてハマっちゃったりすることもあるんですけれど(そして、それが必ずしも悪いことではないのだけど)、あとあと後悔しやすいものですから、改めて自分の内面と向き合う時間を取っていただきたいところです。

まずできごとを時系列で並べてみましょう。

>過去は母の母役をやり、金ない金ないと嘆く両親の心を支え、私が家族を守るんだと戦い続けて燃え尽きていました。

自武女あるあるなストーリーの一つですけれど、「子ども時代にちゃんと子どもができなかった」んだろうと思います。

そうするとある面では大変自立的かつ信頼がおける姐さんに成長されるわけですが、その一方では、親に甘えたい子どもっぽいお嬢ちゃんが取り残されてるわけです。

その姐さんの陰に隠れていたお嬢ちゃんは「誰かに守ってもらいたい。誰かに無条件に愛されたい。」という欲求(ニーズ)をずーっと持ち続けることになります。

ちなみにそのニーズを夫以外の誰かに満たしてもらおうとすると「旦那もいるけど彼氏もいる問題」という著名な問題として表出します。

★セミナー動画:応用心理学講座「旦那もいるけど彼氏もいる問題~分裂したマインドがもたらす現代社会の問題~」
https://nemotohiroyuki.jp/everyday-psychology/46448

とはいえ、その自立も相当強固なものであり、習慣化されるわけですから、燃え尽きるところまで突っ走るわけですが、そんな際になんかNさん、とても素晴らしいグループセッションに参加されたみたいですねー!え?誰がやってるどんなグループセッションなんですかー???あ、これですねっ!!よかったですねー!

◎女性性とセクシャリティとサレンダーとコミットメント~実習メインのグループセッション~
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/43397

こうしてグループセッションだったりカウンセリングだったりリトリートセミナーだったり1DAYセミナーだったりに参加して「自立の鎧」をはぎ取っていくと、そこには寂しそうなお嬢ちゃんが顔を覗かせるわけですね。

そのお嬢ちゃんが持つメリットとしては、

>仕事を減らし、好きなことをして、喜怒哀楽を幼子のように放出するようになり、お金の面でも夫に頼ることができるようになりました。

という点であり、その副産物として「夫の収入が増えつつありました。」みたいな素敵な現象が起こることもよくあるものです。

が、デメリットとしては今までそのお嬢ちゃんを隠すために使ってきたエネルギーもまた放出されるという点です。

それが

>私だって限界だったのに結局落ち着くところはパートで~

というところでNさんが表現してくださった「怒り」です。

そもそも自立するには「怒り」を使うことが一般的で「ちくしょー!甘えたいのに甘えられへんやないか!なんであたしが親を守らなあかんねん!逆ちゃうんかい!自分が強くなるしかないやないか!くそーっ!!」という怒りを使ってNさんは自立してきたわけです。

それを言い換えると「我慢」と言います。
甘えたい気持ちをグッと我慢して、親のために家族のために頑張る子になるわけです。

自立し、自分で自分を守るために鎧を着込んできた人がその自立を手放せば、その中からは幼いお嬢ちゃんが出てくるだけでなく、その鎧の重さの分だけ怒りもまた出てくるんです。

そして、その怒りは「欲求」(ニーズ)でもあるんです。

だから、そういう状況では多くの方が「不満」をたらたら持つことになります。

そんな依存的でニーズが強く不満をたらたらこぼすことってものすごくイヤですけれど、どうしても出ちゃうわけですね。

でも、こうして流れを見てみると、Nさんが自立を手放して素の自分に戻りつつあることが明らかなので、「ものすごく順調ですねえ」ということになるのです。

さて、そんな時に依存先を予定していた旦那さんがメンタルを病んでまた自分が頑張らなきゃいけなくなる状況になるってのはほんとうに皮肉なものですが、ここで方向転換して再び自立し始めたら昔の自分に逆行することになるんです。

ものすごく正確に言えば、今、Nさんが感じている夫への気持ちは、かつて、親に対して感じた感情を再び感じているとも言えるんです。

すなわち、

>私だって限界だったのに結局落ち着くところはパートで~

の部分の気持ちって、かつて親に対してNさんが感じていたものなんです。

だから改めてこの文章を「親に対して思っていたこと」として読んだとしても意味が通じますよね。

つまりNさんは「夫に自分の親を投影している」とも言えますし、「夫を親代わりにしようとしてる」わけですし、「親に対する恨み辛みを夫に対して向けている」とも言えるのです。

そういう意味で、ここで夫のメンタルが不調に陥ったというのは、不謹慎な話ですが「とてもタイミングがよく、神様は粋な計らいをしてくれるよね。それくらいNさんは神様に愛されているんだね。」ということになるのです。ええ、まったくもって信じられないとは思いますけど。

さて、パートナーシップってのはお互いに成長し合う関係性になっておりまして、妻が成長すればその分、夫に未熟さを感じたり、頼りなさを感じたりするものですし、逆に夫が成長してしまえば、その分、置いてけぼりを喰らったような寂しさを覚えるものです。

それは「競争心」が生み出すものなんですよね。

その状態だと「依存の競争」と呼ばれるドロドロした癒着関係が生まれることも珍しくないものです。

「あんたがあたしの面倒を見なさいよ」
「は?俺の方がしんどいんだからお前が俺の面倒を見ろよ」
「何言ってんの?今までずっと頑張ってきたのはあたしだよ?ちょっとくらい楽してもいいじゃない」
「は?俺だって頑張ってきたからこうなったんだよ。むしろ俺の方が頑張ったんだよ。」

みたいな感じで依存の取り合いをするわけですね。

そうなるとお互いに「こいつとはやってられへん」と離れる方に意識が向くのですが、しかし、癒着してるので「離れるに離れられない」という状態になります。

それがDVやらモラハラやらを引き起こすこともあるくらいです。

で、じゃあ、どうすればいいんだ?という話から言えば、Nさんがすでにお気づきのように

>本当は、怒りと絶望よりもさらに深い所では、「これは、私ももっともっと我慢をせず力を抜いて自由に生きろというサインだ」と一応受け取っています。

という風により「自分らしさ」を意識していくことが今は必要なようです。

もっと好きなことをやりましょう。
もっと自由に生きましょう。
もっと自分らしさを追い求めましょう。

ということで、旦那に足を引っ張られることなく、我が道を行くのが大前提です。

ただ、その一方で、このタイミングで夫が病んじゃったことは非常に大きな意味もあるわけです。

似た者同士ということであればなおさら腹の中に持ってるものも似てると思ってよく、だから、Nさんは彼の気持ちがほんとうによく分かると思います。

だから、ここからは二人して好きに自由に生きるということをテーマに掲げていくと良いのですが、一歩先にその領域に入ったNさんは自分がそうして自由になることで夫に対してリーダーシップを示すことができるんです。

こういう風にやれば自由になれるよ。
好きに生きるってこういうことなんだよ。

そんな見本を夫に見せてあげるわけです。

そして、自分がここまで来たプロセスを振り返り、「ここはこういう風にしたらいいんちゃう?」というアドバイスまでできるかもしれません。

そうして二人揃ってより自由を手に入れていったとき、夫の不調も改善していくでしょう。

二人でアーティスティックな生き方をするにはどうしたらいいか?
キッチンカーでサンドイッチとコーヒーでも売りに行こうか?
田舎に土地を買って農業従事者にでもなってみようか?
しばらく国内外を二人で放浪してみるか?

そんなことを描いてみてもいいでしょう。

状況にもよりますが、とりあえず二人でしばらく南の島あたりでのんびり養生されることもお勧めするかもしれません。

ライフワークというと自分らしい幸せな生き方のことですが、パートナーが幸せじゃなかったら自分も幸せじゃないわけですから、パートナーというのはまさに一蓮托生なわけですね。

そうするとお互いがそれぞれライフワークを生きていくプロセスとなり、それが重なる部分で夫婦をやることになるのです。

だから、お互いにサポートし合ってお互いのライフワークの実現を目指すのが理想なのですが、それはあくまで机上の空論でして、お互いの状況も進捗もペースも異なるので、「あぁ?まだそこなんかよ。はよ、こっちまで来いや」「うわっ!こいつ成長しとる。あかん、置いていかれる」みたいなことを繰り返していくものです。

その中で「自分の心地よさ」を研究し、「好きなことやりたいこと」を実践し、夫に対しても幸せを感じることを与えて受け取ってということをやっていくわけです。

つまり、自分自身のライフワークを目指すプロセスの中に夫の存在もあるわけです。

とはいえ基本は自分ですけどね。

そうすると「私のライフワーク」「夫のライフワーク」に加えて「ふたりのライフワーク」というのが見えてくるようになってくるものです。

なので、今のNさんとしてはまずはそのことを意識していただいて、ますます自由に好きに自分らしく生きていくことを選択していただきたいわけです。

さて、その心の中にいたお嬢ちゃんが持つニーズはどうしたらいいのか?と言えば、夫にぶつけるのも違えば、また我慢するのも違うわけで取り扱いが難しいと思います。

この話は過去に何度かしてるので詳しくはそっちを参考にしていただきたいのですが、どの記事だったのかなんてすっかり忘れてるので結局ここである程度しゃべらなきゃいけなくなっております。

子ども時代に親に対して持つニーズをパートナーに満たしてもらおうとするのはあるあるな戦略なのですが、ただ、それはちょっと違うよね?いろいろと問題起こすよね?ということで、大人になった自分がそのニーズを引き受けるというのが基本線です。

もちろん他の人たちに少しずつ受け持ってもらう部分もあるんですが(先輩に甘えるとか上司に助けてもらうとか)、基本はお嬢ちゃんの面倒は姐さんが見るのが最も効率的です。

自分育てとも言いますね。

お嬢ちゃんと姐さんが喧嘩することなく仲良く共存し始めますと、そのお嬢ちゃんが持つ様々なエネルギーが解放されまして、さらに生きやすく、楽しく、人生が面白いものになっていくものです。

そして、自然体に自分らしい日々が構築できるようになるので、他人に任せるのではなく、自分でちゃんと面倒見てあげてね、という話でございまする。

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