きょうだい仲が良いからこそ生まれる問題もあるだぜ?~今うまく行ってないことがあるならば兄弟姉妹の関係を見てみるといい~



人間関係において「仲が悪い」というのは気分がよくないので問題意識を持ちやすいのですが、「仲が良い」というのが問題の原因になってることも意外と珍しくないものです。
そしてそれがきょうだいの場合も現代は多く、なかなか自分では気付きにくく、意識しづらいのです。

昨日のネタで「妹(6つ下でいつも気にかけてる。繊細だが明るくかわいい)」というくだりがあって、ああ、そうなんだよね、そういうのってあるよね、と思い、今日は改めてネタにしてみようと思った次第です。

例えば、昨日のAさんもそうですが、なぜ婚活がうまくいかないのか?という問題に対して「どうやら仲の良い妹を気遣ってのことらしい」みたいなケースが意外とあるんです。

よく兄弟姉妹の問題というと仲違いしてシャドウになってるようなケースを扱うのですが、「仲が良いきょうだい」というのも意外と問題が潜んでいることがあるんですね。

特に年が近いきょうだいの場合、同じ親を持つという非常に大きな共通点があるので、何かと共同戦線を張ることが少なくないのです。

親の愛を奪い合うライバルであると同時に運命共同体でもある、という複雑な心理がそこに誕生します。

なかでも両親が不仲な場合はまさに「味方はこいつ(きょうだい)しかいない」という風になって結束が強まるもので、あるクライアントさんは「小学生の頃から親が離婚したらどっちに付いて行くかとかいざとなれば二人で頑張って生きていこうという話をしていました」と語ってくれたものです。

特に長子は下のきょうだいを守る意識が強くなりますし、下の子は上とはぐれないように必死にしがみつくんです。

そして、昨日のケースのように「妹より先に幸せになってはいけない」みたいな思いを気付かないうちに抱えていたり、「弟のことが心配で自分のことどころではない」と親心を持っていたりするんです。

これ、本人たちにとっては当たり前すぎて自覚できず、こうしてカウンセリングなどの場を利用した際に気付かされるのですが、まさか仲が良いからこその問題があるなんて想像もしないですよね?

兄姉が弟妹を心配して背負って生きる。
弟妹が兄姉を何かと気遣って生きる。

その結果、運命共同体であるきょうだいはまさに「血の結束」を固めることになって、お互いの間に他人が入り込めないどころか、時に親すらも入り込む隙間がないことも珍しくありません。

それが例えば「彼は妹さんとめちゃくちゃ仲が良くて今でも一緒に買い物に行くのが当たり前みたいなんです。何かと妹さんが彼に相談してくるし、彼も何かと妹を大事にしてるので、あたしよりも妹の方が好きなのかと思ってしまうんです。」と嫉妬するようなケースがあります。

彼に言えば「妹なんだから当たり前だろ」と思いますし、彼女としても「血を分けた妹に嫉妬してる自分も情けない」と思うので、不満に思っていても何も言えなくなるんですね。

もちろんその不満は次々と重なっていきますからいずれ彼女が爆発するか逃走するかになるものです。

その前に相談してくださった彼女には色々と秘策を伝授しましたが(そうやって期待を煽りながら実際は大したことない作戦。笑)、そうした事前に手を打っておくことで大事にならない道もあるんです。

※秘策=きょうだいの心理について。このあと話をしていきます。

また、「ずっと弟の面倒を見てきた」ということがパートナーシップの障壁となっていることもあるんですね。

これ、「母(父)の精神的な面倒を見てきたから結婚できない」というケースはブログでもよく扱うし、分かりやすいのですが、その対象が「弟」の場合はなかなか本人たちも気付きにくいものです。(弟を妹に置き換えてもOKです)

何かと世話をしてきた弟がいて、その弟も姉である自分のことを慕ってくれていて、その雰囲気は何となく「長年連れ添った夫婦」を感じさせるものになっています。

親という存在があるから姉も親みたいに弟の面倒を見てきた意識は持てないですし、弟側も母という存在があるものですから、姉にそこまで甘えてるとは意識しづらいんです。

だから、お互いに「いい姉(弟)で良かった。仲が良いきょうだいで良かった。」と思っているテイなんですね。

しかし、実態はその結びつきは親よりも強く、気が付けば母親よりも先に姉に相談する弟と、母親より適切なアドバイスをする姉みたいな関係になってるわけです。

そうすると仮にお互いに彼氏・彼女ができたとしても、弟・姉以上に居心地の良い相手なんてなかなかいないわけですから、結局彼氏よりも弟を慕うし、彼女よりも姉に頼る関係は継続されるのです。

また、こういうケースでは無意識に「弟代わりの彼氏」「姉代わりの彼女」を求めることが多いので、「結局のところ、本物にはかなわねーよなー」という思いを抱くことになります。

じゃあ逆のタイプに行こうか!という作戦に出たとしても、「弟のように彼氏に接してしまう姉」と「つい姉に頼るように彼女に甘える弟」という点で問題が発生し、なかなかうまくいかない、ということになるんです。

そして、何よりも運命共同体なので「自分ひとりが幸せになるのが許せない」という罪悪感が芽生えるので、お互い全然結婚できないってことにもなりかねないわけです。

ちなみにこれが同性のきょうだいの場合だともっとこの問題に気付きにくいものです。

妹と仲が良い姉が、彼氏よりも妹を優先しているという現状に気付くことはまずないですし、問題化しづらいものです。

妹もまた彼氏よりも姉を優先していたとしてそれがどんな問題を作るの?と思いますよね。

彼氏よりも妹(姉)の方が居心地よかったとしても「そりゃ同性だもん」としか思えないと思います。

しかし、そこには「彼氏よりも妹(姉)を選んでいる=妹(姉)が本命で彼氏は愛人ポジション」という心理が密かに生まれている可能性もあるのです。

その結果、「なんで付き合う男は既婚者ばかりなの?」「え?あたしはダメ男コレクターなの?」「どうしてなかなかパートナーができないの?」「婚活しても全然出会いがない!」「彼氏ができても長続きしない!」みたいな問題として表出するんですけどね。その原因がまさか姉妹にあるとは想像もしないですよね。だって仲いいんだもん。お互い応援し合ってんだもん。

とはいえ、仲の良いきょうだいとはいえ、当然ながらそこに性的な交わりはないわけですから、パートナーとの違いはそこにあるんですね。

しかし、弟とまるで恋人みたいに仲が良い姉にとってみれば、それが習慣化した分だけ性的な興味に蓋をしやすいんですね。

だから、こうした問題を扱うのにセクシャリティは必須項目なのですが、そのテーマに対しては腰が引けがちになる姉(妹)が多いかもしれません。

この点、思春期以降性欲が強まる男性(弟)の方が、姉と恋人を明確に線引きすることはできるのですが、同時に「精神的には姉に頼り、恋人に体を求める」という役割分担が生まれてしまい、彼女の不満を買うことは想像に難くないと思います。

そうした仲が良いきょうだいが特にパートナーシップにおいて障害になっている場合、どういう風に扱っていけばいいのでしょう?

きょうだいと縁を切るなんてのはとても想像ができませんし、それを勧めるのもどうかと思います。

そもそも「仲がいいことが問題を作っている」ってのはにわかに信じがたいですし、受け入れたくないモノでもあります。

そこではやはり意識の成熟性と言いますか、繰り返しになるんですけどやはりセクシャリティが重要なカギを握るものです。

これは異性のきょうだいだけでなく、同性のきょうだいについても同じことが言えます。

子どもの頃から仲が良く、運命共同体となっているきょうだいの場合、きょうだい間では性の話題はよりタブーとなります。

大人になることはお互いの関係が崩れるように感じてしまうからです。

だから、性的な成長を無意識のうちに抑え込み、大人にならないように自分をコントロールしてしまうんです。(その場合、オナニーは全然OKだけど、セックスは苦手みたいになることも少なくありません。)

そして、長年連れ添ってきた分だけ、相手が大人であることを受け入れることに抵抗を覚えるのです。

例えば、ある兄は妹がセクシーな下着を持っていることを知ってめちゃくちゃショックだったと語ってくれました。

彼氏もいるし頭では分かっているつもりでしたが、なんか妹が遠い存在になってしまったと感じて寂しさを覚えたそうです。

つまり、彼は妹の性的な成長をなるべく見ないようにしてきたわけですね。(別にそれを見る機会もなかったわけですけれど)

要するに、きょうだいに対してもそうですが、何よりも自分が成熟した大人であり、性的にも成長した大人であることを受け入れていくことが肝心要なわけです。

さて、話はいきなりディープになるのですが、人の心理の深いところには近親相姦願望なるものがあると言われています。

大昔の人間は小さいコミュニティで共同生活を送っていたので近親相姦が当たり前だったようで、そうした経験が私たちのDNAというかマインドの中にきちんと残っているらしいのです。

あるクライアントさんが「思春期の頃、兄とエッチなことをする夢を幾度となく見た」と語ってくれたことがあるのですが、無意識の中にはそうした欲求が隠れているものです。

でもそれはいつしかタブー(禁忌)となってきましたから表面意識ではきょうだいに対して性的欲求を抱くことはまずありません。(なぜタブーとなったかというと、近親相姦の結果生まれる子どもは血が濃すぎてちゃんと育たないからと言われてます。)

とはいえ、「きょうだいに対する性的欲求のみを封印する」なんて器用なことってできません。

となれば、性的欲求そのものを抑圧してしまうことになるわけです。

その結果、仲が良いけどレスになってしまう夫婦が誕生しますし、そもそも性的欲求を持たない大人が増えるのも現代の特徴と言えるかもしれません。(現代は親子はもちろん、仲の良いきょうだいも多いですから)

だからこそ、セクシャリティと向き合うことは非常に重要なテーマとなるわけです。

でも、こうした心の動きは意図的なものであるはずもない、無意識的なものですから、「あなたは弟に性的欲求を持っていましたね?」なんて質問が成り立つわけもありませんので安心していいですし、そんなことを想像する必要もありません。

あくまで自分を大人の女(男)として意識し、自らの内側にあるセクシャリティと向き合っていく意欲を持つだけで大丈夫です。

また、あまりにきょうだいのことが好きなあまり、「妹よりも先に幸せになってはいけない」という罪悪感を持ってしまったケースについてはぜひ昨日のネタを参考にしていただければと思う次第です。

そして、パートナーシップに限らないのですが、何らかの問題があって前に進めないな、停滞しているな、と感じた場合、もしかしたらきょうだいの関係の中に何か問題があるのかも?という視点を持ってみることもお勧めしたいところです。

仲が悪いケースはもちろんですが、今回紹介したように仲が良いからこそ生まれる問題というのも少なくないんです。

その点も踏まえてぜひ兄弟姉妹の心理について学んでみてはいかがでしょうか?
今まで見えなかった視点が得られ、視界が開けてくる可能性が高いと思います。

なんか本の宣伝みたいになっちまってますけど(苦笑)

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