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とても魅力的な人は周りからチヤホヤされる代わりに自分ばかりがそういう思いをすることに罪悪感を抱くことがあります。
愛情豊かで優しい心の持ち主だからこそのこの罪悪感はとても厄介なもので、自分の意識しないところに潜み、自分が幸せになろうとすることを阻もうとするのです。
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アラサー自武女(長女・過干渉母あり・表ファザコン)です。
今回は、「周りの人が恋愛で幸せになるまで自分は結婚してはいけない」という観念があることについて相談です。
私は婚活をしていますが、真実のパートナーになかなか辿りつきません。
そんな中、妹(6つ下でいつも気にかけてる。繊細だが明るくかわいい)と、お世話になっている年上女性(しっかりしてるがどこか幸薄い雰囲気)に久しぶりに恋人ができました。
この2つのニュースをほぼ同時に聞いて、「あぁ、これでやっと私も幸せになっていい」とほっとした自分がいることに気づきました。
少し経ってから、ぎょっとしてしまいました…!
ずっと、「みんなが幸せになるのを見届けてから最後に幸せになろう」という願望を抱えていたようです。
私は自分で言うのもあれですが、どこに行っても異性から人気が出るタイプでした。
ジブリや朝ドラのような清純な女性像を重ねられることが多いです。
(実際はドス黒い感情を持ち、常に武器を仕込んでる女ですが。そのギャップに苦しんで病になったり爆発したこともあります)
自己肯定感をあげるために、好意的な扱いはまず受け入れるようにしていますが、その様子を見ている同性の目が、すっと曇っていく景色も見えます。
あからさまな嫉妬はスルーしますが、心を許してる同性を、自身の劣等感に向き合わせてしまってる姿にはまだ心苦しさを感じます。
「最後にしか幸せになってはいけない」という観念は、この辺りの感情が原因な気がします。
何年も心理学や根本学を学んできたのに、こんなわかりやすい(?)罪悪感を全然自覚してなかったことがショックです。
また、ここからどうしたら自分の幸せにつながるマインドになれるのかもわかりません。
ここからの向き合い方について、ぜひネタにしてください!
(Aさん)
昨日のネタに引き続き罪悪感ネタをありがとうございます。
意外とあるんですよね。
無意識に「あの人が幸せになったら自分も幸せになっていい」という思いをお持ちのケース。
婚活や夫婦関係やライフワークで「なかなかうまくいかんのだ」とカウンセリングに来られた結果、「いやあ、おかんが幸せになるまで自分が幸せになったらあかんって思うてるみたいやねえ」と指摘され、「は?お前、何言うてんの?とりあえずうちの事務所で話しようか」という展開もよくあるわけです。(怖いです。)
この「おかん」ってのが時にはきょうだいになることもあるし、かつての恋人や配偶者であるケースもあるし、身近な友人なこともありますし、Aさんのように職場の先輩!ってこともありますし、様々です。
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かつて私の後輩が語ってくれたエピソードです。
彼がたまたまあるセミナーに参加した際、年も近く、家が比較的近所ってことで仲良くなった人がいたそうです。
それで、あれこれ話をしていると何かの流れで「最近出席した結婚式の写真」を見せてもらったんですね。
そしたら、そこに映ってる花嫁さんがなんと元カノだったんです。
「え?これってもしかして○○?」と聞くと「え!そうだよ!知ってんの?仲間内で仲良くしてる一人だよ」との話。
その瞬間、彼は膝から崩れ落ちるような安堵感に包まれて、心から「ほんまよかったー」と思ったそうです。
そして、その瞬間、その元カノに相当量の罪悪感を持っていたことに気付くのでした。
彼はそのときすでに結婚しており、奥さんとも仲良しで、幸せに過ごしていました。
だから、自分がそんなにも罪悪感があったことにめちゃくちゃびっくりしたそうです。
そして、元カノが幸せになったことを知って、めちゃくちゃ嬉しくなり、ニコニコしながらそのエピソードを私に語ってくれたのでした。
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罪悪感って見えないところにけっこうあるんです。
そして、海中深くに沈む原潜のように振る舞う罪悪感は自分が幸せになろうとすると爆撃を仕掛けてその幸せを軽減させてしまうんです。
だから「幸せなはずなんだけど幸せを感じられない」とか「周りからはすごく祝ってもらえるのにイマイチ喜べない」とか「成功しそうになるとなぜかダメになる」とか「自分は幸せになっちゃいけないような気がする」とかそんな「なぜかは分からんのだけど~」という状況を創り出します。
罪悪感って心の底にたまったヘドロのようなものであり、心にのしかかる重たい荷物のようでもあるんです。
そして、その罪悪感が披露する技の一つがAさんが感じられている「自分の幸せを後回しにして周りの幸せを望む」というものなのです。
何年も学んできたのに気づかないのも無理はないんです。
原潜は決して敵に見つかってはいけないわけですから。
そして、こうした体験して初めて「おぉ!ここにいたのか!」と感動を覚えるわけです。
だから、こうした潜在意識に潜む感情ってのは「出てきたときに対処しようぜ!」という風に捉えておくのが良いのです。
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先ほどカウンセリングでそんな罪悪感の存在に気付かされるって話をしましたが、なぜそれが分かるのかと言えば、お話しを伺っていて「うーん、なんか自分を後回しにする癖があるなあ」とまず気づくんです。
でも、それは「誰かのため」だったりするので本人は「善行」のつもりでいるんですね。
「自分のことを放っておいて、後輩の面倒ばかり見て、その子がうまく行くことをサポートする」ってものすごく良くデキた先輩じゃないですか。本人はもちろん周りからだって評価されるじゃないですか。
Aさんだって妹思いの姉だし、年上の女性を思いやる、めちゃくちゃいい人じゃないですか。
まさかそうした行為や思いの裏に罪悪感がわんさか隠れてるなんて気付かないですよね。
もちろん、その行為が100%罪悪感なわけもなく、純粋な愛だってたぶんに含まれているからなおさらです。
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「恵まれてることへの罪悪感」という、たいへんややこしい罪悪感があります。
自分が美人であること、人からモテること、周りから信頼されること、勉強ができること、家がお金持ちであること、いいとこに住んでること、上場企業に勤めてること、恋人がいること、結婚してること、体が元気なこと、そうした「素晴らしい良いこと」に対して時に人は罪悪感を持つんです。
例えば、婚活戦線において共闘を誓った仲間がいるとするじゃないですか。
夜な夜な最新の婚活ファッションをメルカリで研究し、上物に出会う確率が高いパーティに潜入捜査を行い、ヘラクレスオオカブトが潜んでいそうなアプリを徹底的に調査し、その情報を倉庫街の片隅の基地に集まって共有する女子会があるでしょ?
「みんなで幸せになるぞ!」と誓い合い、鉄の掟を作って団結を図るその女子会で次々絶望的な敗戦報告が続く中、自分が一人だけ素敵な彼氏ができてしまったらどうでしょう?
嬉しい!ものすごくうれしい!みんなに感謝したい!真っ先に幸せを共有したい!と思う一方で、仄暗い感情が動きません?
「共同戦線を張っている仲間を差し置いて、自分ひとりが幸せになっていいのだろうか?」という。そして、「やはり仲間のためにこの彼と別れたほうがいいんじゃないだろうか?」という思いが出てくることも分かりますよね?(え?分かんない?うそ!?)
それが「恵まれていることへの罪悪感」というものです。
Aさんにとっては「繊細でかわいい妹」や「幸薄い雰囲気の年上女性」が今回のターゲットなわけですが、肝心のAさん自身は
>私は自分で言うのもあれですが、どこに行っても異性から人気が出るタイプでした。
なわけですよね?
そしたら、やっぱ妹や年上女性を「ちょっとかわいそうな子」という目で見ちゃったとしても不思議ではないと思いません?
もちろん、マウントを取るようなことはせず、そこで彼女たちの幸せを必死に祈るような形で。
だから、そんな妹や年上女性を差し置いて自分が幸せになっちゃったら申し訳ない気持ちになるんです。
「あたしのことはいいから、あんたたち、さっさと幸せになってあたしを安心させて!」という風に思うわけです。
別にそれって嫌な女じゃないですよ。むしろ愛情深い優しいお姉ちゃんですよ。
そんな上から目線で彼女たちを見てるなんて!などと思わなくていいですよ。
でも、そこに落とし穴があるんです。
「あたしは大丈夫!」という思いが。
だから「あたしのことはいいから~」という風に自分を後回しにしてしまう癖があるんです。
だからAさん、昔から「なんか自分ばかり恵まれてるなあ」と思ってきたはずです。
それは今回の2人の女性に対してだけでなく、周りの人に対しても。
そして、その罪悪感ってのが
>(実際はドス黒い感情を持ち、常に武器を仕込んでる女ですが。そのギャップに苦しんで病になったり爆発したこともあります)
この表現に現れてるのかなあ?と思うわけです。
まあ、この仕事を20年以上やってきて得られたものが「女性不信」である筆者からすれば、「ジブリや朝ドラのような清純な女性像を重ねられることが多い」という女子には警戒レベルをMAXにして接する必要があるんです。(数少ない男子読者諸君はぜひこの一文を待ち受けにして頭に叩き込んでおくように。)
だって、人間ってそんなきれいなもんじゃないし、そんなきれいなイメージで見られたら「違う!違う!そうじゃ、そうじゃない!」と歌いだしたくなるでしょうし、まさかそんなことはできないから、表面上はそのイメージを受け止めて、そうじゃない自分を裏側に隠さざるを得なくなりますよね。
いや、ほんとうはAさんが自分で思うほどどす黒くはないんです。あくまで当社比だと思います。
しかし、周りからそんな風に見られたら、そうじゃない自分を隠さなきゃいけないじゃないですか。
「あなたはほんと清純派だよね」と言われたら、ハンドバッグに仕込んだロケットランチャーをひた隠しにする他ないですよね?
そうすると、そんな周りのイメージと合わない自分をものすごく汚く悪いものにして必死に隠そうとしちゃうんです。
それもまた「恵まれてることへの罪悪感」のなせる業です。
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私のお客様にはよく「なんであんたにパートナーができないんだろうねえ?」「それを教えてくださいよ!」「わかんねーんだよなー」と鼻を穿り回しながら会話する方がいらっしゃいます。
美人で性格もよく、仕事だってできるのに、なぜかパートナーができないという方々です。
そういう方によく見られるのがこの罪悪感でもあります。
「自分の魅力や長所を受け取ることが周りの人に対して申し訳ない」と思います。
小さい頃から目立ってきたり、よいお姉ちゃんをやっていたり、何かと優秀だったりして、そういう風に見られることがすごくイヤになり、むしろ、そんな自分の魅力や長所を嫌うようになるんです。
そして、自分以外の人を幸せにすべく頑張るんです。
たぶんAさんもそんな方だろうと推測するのですが、そんな方々に真っ先にやっていただくのが、
「あたしは全然大丈夫なんかじゃない」
という言葉を言ってもらうことです。
自分を慕ってくれる人はたくさんいるけれど、でも、逆に自分が心を開ける人が少なくて実は「寂しさ」をてんこ盛りにしていること。
モテる女として見られるんだけど、でも、実際は恋愛でロクな思いをしたことがなく、しっかり傷ついてきていること。
「自分は大丈夫!」という姿勢でいるのでいつしか周りから頼られる一方で、自分が頼れる人がいなくて心の中には不安がいっぱいあること。
表には決して出さないけれど、実は自分に自信がなくて、自己嫌悪が強くて、そんなギャップに常に苦しんでいること。
つまり、私のことを分かってくれる人っていないんだよね、という孤独感を持っていること。
これらの思いが「罪悪感」が作り出してるとは思わないですよね。
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そんなAさんに提案したいのはいくつかのプランです。
というのも自武女の中にはAさんと似た方が数多くいらっしゃいまして、かなりのプロセスを見てきたので、提案したいことは便秘明けのウンコほど大量にあるんです。
とはいえ、抽象的なテーマばかりですのでちょっと分かりづらいかと思いますが。
1)リーダーシップを取ることを自らに許し、自分の魅力や価値をさらに拓くこと。
2)「大丈夫じゃない自分」を明らかにし、弱い自分、ダメな自分をさらけ出していくこと。
3)最後が自分だとするならば、その前の一人は誰なのかを明らかにし、その人への執着を手放していくこと
もう少し解説すると、
1)まず、自分が幸せになる!という目標を掲げ、周りの嫉妬の目などはすべてスルーします。そして、自分自身が周りの人の「目標」になるプロセスです。
2)Aさんが内に隠しているどす黒い自分と向き合い、許すプロセスを進めます。その罪悪感そのものを流していくと同時に、そのどす黒い自分が持つ魅力や才能を開花させていきます。
3)たいがい「母」であるケースが多いのですが、そもそもその罪悪感を持ってしまったルーツを探り、その人との関係性を見つめ直し、その執着を手放していきます。
まあ、こういうプロセスは一人で頑張っても難しいので、カウンセラーなどと一緒に進めていくのがいいと思います。ていうか、Aさんみたいな方は何かと一人で頑張ろうとする癖があるはずですので、むしろカウンセラーを頼りなさい!と強制したいところでもあります。笑
ということで、まあ、そういう罪悪感があっても幸せになれるから心配すんな!とだけ思っといてくださいませ。
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