怒りの心理学~怒りとやる気は同じエネルギー。怒りを感じすぎるのも感じないのも問題なのでほどよく付き合いたい大切な感情~



怒りはイヤなものですけれどだからと言って怒りを感じないのも問題です。また、何かと怒りを感じるのは心の状態が不安定な証拠なのでそれもまた辛いところです。
怒りはやる気と同じエネルギーで大切なもの。上手に付き合っていきたい大切な感情です。

以前こちらの記事で取り上げていただいた者です。
「無価値感があると外側に幸せを求めるようになるけれど、外側にある幸せを手に入れても無価値感がその幸せを消してしまう、という話。」
おかげさまで人と比較することも減りましたが、ちょっと疑問があるのでもしよければネタにしていただけると幸いです。

これまで私は「怒り」を原動力にいろいろ頑張っていました。社会や組織に憤り、誰かに怒り、未熟な自分にもイラつき…。
そうすることで目指すべき目標をクリアしてきましたが、ガス欠を起こしてダウンしたので、喧騒から離れてとりあえずゆるっと働き、平穏に暮らしています。
ライフワークでは、創作に挑戦していますが、部屋でカリカリやるよりも最近はプレイヤーよりの趣味に楽しみや手応えを感じて継続中です。まじめな夫にはあまりいい顔されませんが汗

前置きが長くなりましたが、先日、怒りを感じることがあり闘志が湧き上がりかけました。久しぶりの感覚で何だか懐かしくなりました。
怒りという手っ取り早い可燃材料がないと、人生にやる気が出にくいみたいです。強制的な環境や、何くそという競争心がなければ、風船みたいにふわふわと飛んでいます。
ちなみに両親に対する怒りは過ぎて、ああいう性格だから仕方なかったと割り切っています。
もう頑張んなくてもいいやん、という方向もありかもしれませんが。でも、やはり何か努力の対象があった方が良いです。
その場合は怒りを原動力にするのもアリなんでしょうか。健康に悪いでしょうか…
怒りではなくてプラスの感情で動きたいです。これまでの人生で、思いえがく未来に向かって努力したこともありましたが、人からの評価を気にしていたり漠然としたイメージでした。
今は未来を描けていません。ポジティブな感情で目標を立てられたらいいなと思います。もしネタになれば幸いです!
(Rさん)

よくカウンセリングとかでも「あんたは怒りんぼだから~♪」とお話しすることが多い私です。こんにちは。

まず、基本線から「怒りとやる気は同じエネルギー」という話がありまして、だから、怒りを元にやる気になり、うりゃー!!と突撃する人たちも多く生息しています。

例えば、格闘技でもアメフトでも試合前にトレーナーがわざと選手をバチバチに殴って怒りを出させてリングやフィールドに送り出すシーンがあります。

また、選挙演説などでも「日本を良くしたいんだー!!」という候補者の叫びが怒りを帯びてることも珍しくありませんよね。

また、自分を変えるためにも「もうこんな自分はイヤなんじゃー!!」と夕日に向かって叫ぶことで本気になれたり、婚活にしても「もう一人はイヤなんじゃー!もういい加減男を見つけたるでー!!!」と鼻息荒く走り出したりするものです。

だから、怒りが悪いわけじゃなくて、怒りはいわゆる「やる気スイッチ」になりやすいってところがあるわけです。

つまり「本気でムカつくこと」が猛然と自分を突き進ませるエネルギーを生むんです。

怒りを感じるくらい本気だってことですね。

だから、何かを頑張るときに怒りを覚えるのはそれくらい本気だし、やる気になってると捉えていいんですよね。

そもそも怒りってそない感じたい感情やないですから、わざわざそれを発動するってことはそれだけ自分がその対象に本気だって合図として捉えることもできるわけですね。

一方、いわゆるポジティブな感情ってのはそこまでの瞬発力もなければ、緊張感もなく、また、ペースも怒りを元にしたときに比べればゆったりしているものです。

そうしたゆるい雰囲気を嫌う人も多く、「楽しいからやってるだけじゃ、なんか生ぬるいんすよね。やっぱこうガッと来るものが欲しいじゃないっすか」とおっしゃる方もいらっしゃいます。

やる気と怒りは同じエネルギーなので、やる気を怒りとして受け止める人もいるわけです。

そして、怒りはとても刺激的な感情です。

だから、刺激を欲する情熱の男女は何かと怒りを覚えて頑張ることが「好き」なところもあるでしょう。

楽しい、嬉しい、面白い、ワクワクするって感情だけでは刺激が足りんってわけですね。

それはまるで「この牛丼、旨いけど刺激が足りねえな」と思って唐辛子を大量に振りかけるようなもんかもしれません。

きれなカクテルじゃ満足できなくて、ハードリカーをグイっと行かなきゃ呑んだ気分になれないのと似てるかもしれません。

いいか悪いかは別にして、そうして「刺激物」を求めていて、その刺激が「怒り」という感情だと思えば理解は早いでしょう。

そういうわけで「怒り」を原動力にすることが悪いかどうかと言われたら微妙ですね。

それがRさんのキャラなんだからしゃあないんじゃない?という風に言うこともできます。
つまり、それくらいRさんが情熱の女であり、刺激を欲する種族だという風に捉えてもいいと思います。

特にクリエイターな方は怒りが自分の潜在意識を掘り起こす機能を持っていたりするので私としても「やめたほうがいいよ」と勧告することは難しいです。

とはいえ、唐辛子もハードリカーも「ほどほどはいいけど大量に摂取するのは健康面に影響があるよね」と同様に、怒りもほどほどならばいいけど、大量に分泌されると心身に影響を及ぼすよね、という風に捉えましょう。

だから、どっちかというと「注意喚起」くらいに捉えておいていただけたらと思います。

つまり「怒り過ぎ注意!」程度に捉えて、オン(怒り)とオフを分けるように意識するのがいいと思うわけです。

>ちなみに両親に対する怒りは過ぎて、ああいう性格だから仕方なかったと割り切っています。

Rさんの場合はこんな一文があるように、両親に対して怒りまくっていた過去があるわけですよね。
それがどんな怒りであれ、子ども時代からの習慣であれば、Rさんにとって怒りは共に成長してきた友人のような存在かもしれません。

何かに取り組むためにはその友人の助けが必要なように習慣化されてるわけです。

だから、まじめなカウンセラーは両親を許せばその怒りもなくなるし、怒りに頼ることも必要なくなるから、ポジティブな感情を原動力にできるようになるよ!と提案するかと思います。

でも、私は案外怒りという感情をとても大切なものと捉えているので、「怒り過ぎは体に悪いけど、ある程度の怒りは人生を豊かにするためにも必要」という解釈をしています。

ということで「怒り」についての心理を見て行きましょう。

まずは、一般論から。「怒りは感情の蓋」と言われまして、本当に感じている感情を隠すために用いられるものです。
だから、人によっては「怒りはほんとうの感情じゃない」と言います。

例えば、「間違いを指摘されて、真っ赤になって反論する上司」はきっと間違えたことが「恥ずかしかった」のでしょう。その羞恥心を隠すために「怒り」を使うわけです。

例えば、大切な人が亡くなって「なんでやねん!なんであいつが死ななきゃあかんねや!」と怒りをぶちまけてる人は、悲しみや寂しさを「怒り」で隠そうとしているのでしょう。
それにそれだけその人を愛していたわけで、その愛情を怒りで表現していると言ってもいいです。

例えば、罪悪感が旺盛な方は「正しさ」を主張することで自分を守ろうとしますが、「俺が間違っているって言うんか!」と怒りを出すことで、罪悪感に向き合わないようにします。
ほんとは申し訳ないと思ってるんですけど、それを認められないんですよね。

例えば、「なんで分かってくれないの?」「なんで連絡くれないの?」「なんで会ってくれないの?」となんで?なんで?と怒りながら相手を責めるのは「ニーズ(欲求)」なわけですね。
「分かってほしい」「連絡してほしい」「会いたい」って気持ちを素直に出せないので、怒りを使ってそれを主張しているわけです。

そんな風に「怒り」の陰には何らかの感情を隠しているわけです。

また、上記の使用法も含めて怒りは「防衛手段」として使われます。

何の躊躇もなく傷に触れられたら誰でも「なにすんねん!」と怒りを覚えると思いますが、怒りを出すことで、傷を守っているわけです。この傷は体の傷も心の傷も同じです。

だから、不用意な発言で相手を怒らせてしまった、ということが起こるわけですね。

ニーズにしても悲しみにしても寂しさにしても罪悪感についても「痛み」には違いわけですから、「怒り」ってのは自分の心や体を守るための感情と言えると思います。

その「防御本能」として「相手を攻撃する」という行動が生まれますね。

サッカーでも野球でも攻めてる間は失点することはないわけですから、「攻撃は最大の防御」と言われるわけです。

だから、怒りを覚えたときは「自分の本音は何なんじゃ?自分は何から自分を守ろうとしているんじゃ?」という風に見てみるのもありですが、怒りの炎に包まれてるときにそんな余裕はないですから、後になって振り返ってみることも価値はあります。

「ああ、もっと自分のことを大切にしてほしいんだな。相手が自分を大切にしてくれてないと感じて怒っちゃったんだな。ってことは自分は自分のことを大切な存在だと思っているんだな。」

「そっか。もっと自分の話に興味を持ってほしかったんだな。なんか無視されてるような、テキトーに聞いてるように思っちゃったんだよね。」

「ほんとは自分が悪いって気づいているんだよね。けど、それが素直に認められないんだよな。つい強がって怒っちゃったけど、それは申し訳ないことしたよな」

そんな風にあとから振り返れば冷静に見ることが出来ますから、自分の本音と向き合うチャンスとして捉えることができます。

そして、この怒りってのは多くの人によってはパターンになってます。

いつも同じことで怒っちゃうんです。

だから、そうした本音を都度振り返ることで、怒りのスイッチが入る前に本音に気付くことができるようになります。

「ああ、収入のことを言われると惨めで情けなく感じるから怒っちゃうんだよな。自分でもふがいないと思ってるからそれを指摘されたような気がするし、自分もプライドが高いから素直にそれを認められなくて怒っちゃうんだよな」という風に。

だから、本質的なアンガーマネジメントはここに帰着すると思うんですよね。

その一方で、怒りはすでに述べたように自分を突き進ませるための原動力になるものです。

社会への怒りが作品のクオリティを高めたり、失恋した痛みをバネにして次の狩りに猛然とやる気を見せたり、受注失敗の痛みを糧にプレゼンの質を上げる努力をしたり、多忙なスケジュールを怒りをベースに乗り越えたりさせてくれるものでもあります。

そこにもニーズや孤独感や惨めさや悲しみや切なさといった感情が根っこにあることは間違いないのですが、自分を高みに上げてくれるジェット噴射になるわけですから、やっぱ悪いとも言い切れないのが「怒り」なんですよね。

だから、怒りにも良い面と悪い面があると思った方がいいんじゃないでしょうか。

そもそも「怒りを感じない」ってのはカウンセラー的にはあまりお勧めできる状況じゃないんですよね。

怒りがないってことはやる気もでないってことになりますよね。

「諦め」も「怒り」の一つの表現ですが、「諦め」ってのは怒りが過ぎて心に完全に蓋をしてしまった状態を指します。

そうして「何も感じなくなる」のですが、それは「怒りがマヒして感じられなくなってるだけ」とも言えるんです。

だから無気力になっちゃうんです。

怒りまくるのは体に悪いのはもちろんですけれど、怒りを感じないってのもまたマヒを表すので危険な兆候です。

もちろん、事なかれ主義で何に対しても真剣に本気で関わることができなくなっちゃうのも、怒りのマヒが疑われる状況です。

その一方で、自己肯定感があがっていくと何に対しても寛容になるので(器が広がるので)怒りを感じることは確かに少なくなります。

前だったらムカつきまくっていたことも「まあ、そういうこともあるよね~」と受容できるようになるんですね。

なので、自己肯定感があがってきたから怒りが感じられなくなったのか、怒りをマヒさせてるから怒りを感じないのかはけっこう分かりにくいことが多いものです。

その辺は会ってお話してみれば伝わってくるエネルギーが全然違うのですぐに分かるんですけど、自分ではなかなか気付きにくいものかもしれません。

そういう意味で怒りを良い形で使いたいと思うんですが、怒りって相当なエネルギーですからたいがい手を焼いちまうものですね。

Rさんのように

>そうすることで目指すべき目標をクリアしてきましたが、ガス欠を起こしてダウンしたので、喧騒から離れてとりあえずゆるっと働き、平穏に暮らしています。

という方も少なくないと思うんですね。

怒りってそれだけエネルギーを使いますから、怒り続けてたらそりゃあガス欠起こしちゃいますし、燃え尽き症候群にも陥りやすいわけです。

とはいえ、ゆるっと平穏に暮らしているのは楽ですけれど、刺激が感じられない分、退屈を覚えやすいのも確かでしょう。

情熱系で武闘派な方々は「白黒はっきりさせてぇ」というポリシーをお持ちですから、発想や行動が極端になるんですよね。

「怒りを猛然と感じて突き進む」or「ゆるっと平和に穏やかにのほほんと暮らす」の2択になってしまうわけです。

まあ、それもキャラなんだからしゃあないよね~という向きもあるんですけどね。笑

だから、そういう情熱系で武闘派な性質を認めて「頑張るときはめっちゃ頑張る!そうじゃないときは廃人のように暮らす!」ということを許可するのもアリだと思います。

Rさんにとっては「何くそ!畜生!」という原動力で頑張るときは頑張って、その目標が達成されたら、風船のようにふわふわして暮らせばいいと思うんです。つまり、その両方に許可を与えるってイメージです。

その際に怒りよりも大切にしていただきたいのがヴィジョンであり目標であり夢であり野望です。

そのヴィジョンがあって初めて怒りがポジティブに作用します。つまり、やる気になります。

怒りを許可することはとても大切なことですから、その怒りをヴィジョンに向けて自分を飛ばそうとするわけです。

つまり、原動力がネガティブな怒りでも、目標がポジティブならいいんじゃね?というわけです。

そうして、始めは怒りを原動力にして飛び出した後に、ポジティブなヴィジョンにワクワクしていくようになると物事も継続できるようになります。

戦い続けるのではなく、始めは戦闘モードでも、そのヴィジョンに意義や意味ややりがいをどんどん見出していけば、怒りがやる気に代わり、モチベーションを保ち続けることができます。

それはロケットをイメージするといいかもしれません。
地上を離れるときは膨大なエネルギーを使って宇宙に向かって飛び立ちます。
軌道に乗ってきたら逆にそのエネルギーは不要になりますからエンジンを切り離して流れに乗っていきます。

怒りってとても大切な感情です。
が、それゆえにとても扱いづらい感情です。

だから、怒りを嫌うことなく受け入れ、向き合っていくといい感じに付き合えるようになると思うんです。

この怒りと上手に付き合うってのは大人としての成熟さにつながりますし、人生の大きなテーマの一つだと思いますので、前向きに取り組んでいただければと思う次第です。

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