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「自分には愛される価値がない」という感情である無価値感。その無価値感についてざっくりとまとめました。
「え?こんなところに無価値感?」とか「あれ?あの人、実は無価値感が強いん?」と思わせる点が出てくるかもしれません。
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最近、無価値感を扱うことが増えて今朝もそんなツイートをかましましたし、読者の皆様からの関心もけっこう高いようなので罪悪感と双璧をなす無価値感について今日は心理学講座的にお届けしたいと思った次第です。
無価値感のルーツは親から愛されてないと感じたことが1つのルーツなのだが、条件付きの愛を提示され、期待されて育った場合にも無価値感が育ってしまう。つまり頭では親から愛されたと思っていても「何かしないと愛されない」という無価値感を持ち、ハードワークにハマってしまうことがある。
— 根本裕幸|カウンセラー・作家・講師 (@nemotohiroyuki) February 5, 2022
ちなみに以前、こんな記事も書きました。
☆無価値感がハードワークを作る心理~無価値感は何かで埋めるものではなく、内なる愛で満たすもの~
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無価値感というテーマは今までも言葉としてはちょくちょく記事に出てきましたが、その傾向や対策についてはけっこうスルーしていたのかな、と思っています。
それは無価値感にフォーカスするとニーズ(依存心)や不満が出てくることが多く、受動的かつ他人軸になってしまうから問題解決にはちょっと遠くなるよね、という考えを持っていたからです。
その依存に流れる心理については昨日の記事で触れてます。
☆無価値感があると外側に幸せを求めるようになるけれど、外側にある幸せを手に入れても無価値感がその幸せを消してしまう、という話。
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ということで「無価値感」。
私たちの中に必ずあるもので罪悪感と対をなすと私が考えている感情です。
つまり、ある見方をすれば罪悪感となり、別の角度から見れば無価値感になるという感じ。
それ故に慢性的な問題、すなわち、なかなか解決が見えない問題の裏には無価値感が隠れている、と言ってもいいんです。
ものすごく大上段に構えた言い方をすれば「すべての問題の根には罪悪感と無価値感がある」となります。
で、無価値感というのは「私は愛される価値がない」という思い込みを言います。
もちろん、この表現には無限の拡張が可能で、
「私には魅力がない」
「私には何のとりえもない」
「私は人に与えられるモノはない」
「私は何かが欠けている」
「私はそのままでは誰からも必要とされない」
などの思いもそうですし、ほかにも大量にあります。
この「 」内には続きがあって、「だから、○○がうまく行かない」「だから、○○が手に入らない」「だから、○○しなければならない」などと続きます。
「私には魅力がない。だから、魅力的なブランドで身を固めねば」
「私には何のとりえもないから、せめて資格を取らなければ」
「私は人に与えられるモノはないから、相手の奴隷にならなければ」
「私は何かが欠けているから、何かで補わなければ」
「私はそのままでは誰からも必要とされないから、何者かにならなければ」
と言った感じです。
無価値感を象徴的に表せば「自分をちっぽけな存在として扱い、周りの人よりも劣っているように感じ、心にぽっかりと穴が開いている状態」です。
「みんなすごいけど、あたしはすごくない。あたしには何もない。だから、人より頑張らなければ愛されない」と犠牲的に振舞います。
「何をしてもいつも満たされない。幸せなはずなのに幸せを感じられない。いつも何かを求めて、何者かになろうとして、頑張ってしまう。」とハードワークをします。
心の穴を埋めるために何かを入れようとするのですが、昨日の記事に書いたように「外側から」その何かを調達しようとするので全然埋まらず、でも、どうしたらいいのか分からないので、何かをずーっと探し求めることになります。
仕事でめちゃくちゃ実績を残し、周りの人から賞賛されていていても、無価値感があると、その価値を全然受け取れません。
だから、自分に自信を持てません。
「こんなにすごいのに何で自信が持てないの?」と思うんですけど、本人はどれだけ頑張っても心が満たされることはないので、どんどんハードワークを重ねていきます。
彼らは外側から得たもので自分を満たそうとするので、地位、名誉、お金、モノをたくさん手に入れるのですが、全然心が満たされないのです。
だから、自信のなさだけでなく、不安、怖れ、寂しさ、虚しさを常に感じ続けることになります。
つまり、無価値感とはそんな不安、怖れ、寂しさ、虚しさを作り出すんです。
「お金も手に入れた、地位も名誉もある、なのになんで幸せじゃないんだ!」という心理の裏には、無価値感があって、埋めようにも埋められない穴が心の中にぽっかり空いてしまっているんです。
その穴を埋めようと頑張るのですが、外側からそれを埋めようとしているので全然埋まらないんです。
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昨日の記事とかぶりますが、昨日の記事を読むのはめんどくさいという方にちょっと概要を触れておきますね。
無価値感があると外側に価値を感じるものがたくさん見えます。
自分には価値がないけれど、周りには価値のあるものがたくさん見えるんです。
(心理学に詳しい人はそれって投影じゃね?と思われるかもしれませんが、実にその通りでございます。けど、今日はここにはあまり深く触れません。)
それでその外側にある価値のあるものを手に入れて、自分の無価値感(=心の穴)を埋めようとするんですね。
これも「補償行為」と言います。
ところが、外側に見た「価値のあるモノ」を「価値がない自分」が手に入れたらどうなるでしょう?
やっぱり「価値がないモノ」になるんです。
お金も学歴もブランド品もかわいい彼女もイケメンの彼氏も楽しい友達も美味しい料理も高級車もいい家も最高のセックスも手に入れるまでは「価値あるモノ」だったはずなのに、実際手に入れてみると「虚しいモノ」に変わります。
幸せになりたくて「これを手に入れれば幸せになれる!」と思い、頑張って頑張ってそれを手に入れるのですが、手に入れてみれば「価値のないモノ」になってしまうのです。
切ないですよね、それ。
そこで「外側から何かを得ても心は満たされないのか」ということに気付いて内側に目を向けられたらいいのですが、それはなかなか難しいのが現実です。
だって、外側には価値のあるものがたくさん見えるんですから、それをシャットアウトして“価値のない自分の内側”に目を向けるなんてイヤじゃないですか。
だから、「まだ足りないんだ」と思い込んで、次々と外側から価値のあるモノを手に入れようとするわけです。
「収入を得た、けど、心は満たされない。よし、次は高級車に高級マンションだ!」という風にどんどん欲求がエスカレートしていく場合があります。
この「欲求」を作り出しているのが実は「無価値感」だったりするんですね。
あるいは「事業で成功した。けど、虚しいままだ。もっと働いてさらなる成功を得なければ!」という風に、ますます頑張っちゃう人もいます。
これがハードワーカーを作り出す要因となります。
「あの人ってほんとに仕事が好きだよね。平日も夜中まで、土日もずっと仕事してるよね。」と思われている人の心の中に無価値感があるなんてなかなか気づけませんよね。
また、プレイボーイ/プレイガールを作り出すのも無価値感が影響していることが多いです。
「素敵な彼と巡り合えた。けど、なんか幸せじゃない。なんか足りない。もっと素敵な彼がいるはず」という風に。
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さて、この無価値感、私たちの日常のそこかしこに溢れている感情なんですけどあんまり注目されることがありませんね。
そもそも無価値感という言葉自体が心理学用語であり、一般的じゃないです。
けれど、私たちの問題の陰には罪悪感同様、必ず無価値感があると言ってもいいんです。
じゃあ、こいつはどこからやってきたものなのでしょう?
私の記事を読み漁っている武闘派な方々はすでにお気づきかと思いますが、やっぱり親子関係、それも母親との関係に由来することが多いと思っています。
お母さんから愛される、ということがどれくらい子どもに重要な影響を与えるかってことですね。(もちろん、父親の影響も大きいので軽視することはできません!)
で、ここで多くの方は疑問を持たれると思います。
「でも、うちの母親はそれなりにあたしのことを愛してくれてたと思うけど?」と。
親がネグレクト(育児放棄)だったり、不在だったり、無関心であまり愛してくれなかったり、全然褒めてくれなかったり、という分かりやすい状況だと「ああ、だからあたしは無価値感が強いんだー」と気づけると思います。
しかし、「けっこううちの親は自分のことを愛してくれてたよ?」と思っている方でも無価値感が強くなっちゃうケースがあるんです。
それは冒頭のツイートでも軽く触れましたが「期待されて育った」なんて場合です。
『条件付きの愛』という言葉を皆さんも聞いたことがあると思います。
「○○してくれたら愛してあげるよ」という心理学では“取引”と呼ばれる愛です。
「いい子にしてたらお菓子買ってあげる」
「ちゃんと宿題したらゲームしていい」
「お手伝い頑張ったから今日の晩御飯はハンバーグね!」
などの表現はすべて「条件付きの愛」です。
これをひっくり返せば、
「あんたはなんで電車の中で騒ぐの!今日はお菓子食べちゃダメ!」
「なんで宿題してないのに遊んでるの!ダメじゃない!」
「あんたお手伝いサボったからハンバーグはなし!」
と怒られるシーンになります。
さらにややこしいのは「期待をかけられた」という場合。
期待されないのも辛いけど、大きな期待をかけられるのは負担ですよね。
つまり、親から期待されなかったら無価値感が生まれるし、期待をかけられすぎても無価値感が生まれるってことです。
「あんたは頭がいいからいい大学行ってね」
「あなたは妹の面倒をよく見るいいお姉ちゃんね」
「ほんとあなたは手のかからないいい子ね」
もちろん、期待の裏には愛情もあるんですけど、それがプレッシャーになるくらい大きなものになれば、
「いい大学に行かなければ愛されない。ヤバい。」
「妹の面倒を見るからあたしは愛される」
「親の手を煩わせてはいけない」
という義務感に変わってしまいます。
で、軽く書いてますけど、たぶん、子ども時代の親子関係ってこういうことの連続だと思うんですね。
その結果「何者かになれば愛される」「人の期待に応えれば愛される」「人が羨むものを手に入れたら愛される」という風に自分じゃない何かになろうとしたり、外側から何かを得ようとしたりするマインドができあがるんです。
だから、ここまで読まれてきて察しられた方も多いと思いますけど、エリートと呼ばれる人たち、成功者と呼ばれる人たち、周りから見れば何の問題もないと思われる人たちの中にこの無価値感がしっかりと根付いていることは少なくないんです。
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じゃあ、この無価値感。どのように癒していけばいいのでしょう?
残念ながらここでステマを突っ込むべき「無価値感本」を私はまだ書いていないのでamazonへのリンクは貼れませんし、「無価値感を癒すセミナー」を私はまだ開催していないのでセミナー動画の販促もできません。笑
昨日の記事では「自分に意識を向けることを決めようぜ!」という提案だったのですが、その先を今日はお話ししたいと思います。(けど、過度な期待は禁物だぜ?)
外側から得られるもので無価値感を得ようとしても虚しくなることはお話しした通りです。
となれば、内側から湧き上がるエネルギーによって心の穴を埋めていくということが無価値感を癒すための方法です。
もちろん、自分の価値や魅力や長所や才能などの素晴らしい自分、最高の自分を受け取ることもその一つです。
だから、自己肯定感をあげていくに連れて無価値感も癒されていくこともあります。
けれど、その自己肯定感をあげることに無価値感が邪魔したりするのでややこしいところでもあります。
じゃあ、内側から湧き上がるエネルギーって何でしょうか?
それは自分が本当に望むこと、自分が本当に好きなこと、自分が本当にやりたいこと、自分が本当にワクワクすること、自分が本当に感動すること、自分が心から笑えること、自分が心から楽しいと思えること、等々。
つまりは内側から湧き上がるポジティブな感情であり、言い方を変えればそれを「愛」と言います。
親からの愛を求めて頑張ってきた私たちは、その流れで外からの愛を求めて頑張り続けています。
でも、外から得られるものではなく、内側から湧き上がる愛によってその心の穴を埋めていくんです。
だから、「与えなさい」と言われるんです。
しかも、条件付きではなく、無償の愛を与えなさい、と言われるんです。
犠牲から愛するのではなく、心から愛するのです。
そのためにはまず、自分の心を自らの愛で満たしていくことが必要です。
自分の心を愛で満たさず相手に施すことはすべて犠牲です。
だから、自分が本当に喜ぶこと、自分が本当に感動すること、自分が本当にワクワクすることを“まずは自分に与えること”が必要なんです。
あなたは本当にしたいことを今、どれくらいやっているでしょうか?
そもそも、あなたは自分が本当に喜ぶことが何かをいくつ知っているでしょうか?
心から笑ったのはいつのことでしょうか?
それをまずは自分に許していくのです。
内観も役立つでしょう。
瞑想も効果的でしょう。
愛を説くカウンセリングやセミナーも有効でしょう。
そんな本を読んで実践してもいいでしょう。
今まで自分と関わってきてくれた人に感謝をささげてもいいでしょう。
好きなことを思い切りやるのもいいでしょう。
休日はひたすらやりたいことをやりたいようにしてみるのもいいでしょう。
具体的な方法論はやはり無限にありますけれど、自分で自分を愛で満たす、すなわち「自己充足」がものすごく重要ということです。
※自己充足についてはこの本・セミナーに詳しいです。見方を変えれば無価値感から来る寂しさを扱った本・セミナーとも言えますので。
〇動画配信/DVD:「つながりと自己充足で寂しさと孤独感を癒す3時間ワークショップ」
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ということで、自分の内側から湧き上がる愛(喜び、感動、感謝、笑い等)を見つけて行こうぜ!!という話になりますね。
そのためには自分の枠を外したり、自分の人生を振り返ったり、日ごろから自分を笑顔にしてあげたり(=自分のご機嫌をとる)、できることはたくさんありますけど、究極のところ、「もっと笑って生きようぜ!」ということになるのですね。
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さて、これらの話を読むと心理学に詳しかったり、私の弟子を名乗る者どもはきっと「この話って全部罪悪感でも置き換えられるよな」ということにお気づきかと思います。
罪悪感と無価値感はきょうだいみたいなもんだと思ってまして、そんな書き方になりました。
なので過去記事や罪悪感本も読みようによっては無価値感の話になりますし、解決方法も結局は同じところに行き着くんです。
だから、無価値感を癒せば罪悪感も軽くなるし、罪悪感を癒せば無価値感も軽くなるというところがあります。
〇「いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本」(ディスカバー21)
〇セミナー動画:『私の幸せを阻む「罪悪感」を「愛」で癒して「私」を自由に解放するワークショップ』
*心理学講座動画:『罪悪感と癒着の心理』
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さらにディープな話として「無価値感とセクシャリティの問題」という話があるのですが、今日も長くなってしまったのでまた気が向いたら書いてみたいと思います。
●この記事を読んで「ああ、自分の場合はどうだろう?」と思われた皆さん。そのネタ、聞かせてください!もしかしたらブログ上で回答させていただけるかもしれません!(不採用になっちゃったらごめんなさい!何度でもチャレンジ可!です)
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