フリーランスで自分で金額を決められるのにどうしても安くしてしまうし、ハードワークしてへとへとになってしまいます。



フリーランスの人にとって値付けが難しいのは商品に値段をつけるだけなのに、それがまるで自分自身に値札を付けるように感じられてしまうからなんですよね。
そこを変えようと思ったら自己肯定感をあげる、というほかにもう一つお金ではなく信用を稼ぐという考え方もあるんです。

根本先生こんにちは!いつもブログを拝見し、Voicyも聴いております。

私は今、芸術関係の仕事をしています。フリーランスとして、自分で金額を決められる状態なのですが、どうしても自信がなく低くしてしまいます。
私が持っている資格をアピールすれば、だいたいこのくらいはいただける、という市場価値も調査もしたのですが、相場の半分やそれ以下にしてしまいます。
また、時間外でのアフターフォローなども丁寧にしてしまい、ファンは増えるのですが連絡も増え、自分がヘトヘトになる稼ぎ方をしている気がします。

芸術関係での著名な方(著名でもありますが、私がすごいと思っていた方でした)からの依頼もあり、「自分はもしかしたら上手いのではないか?」と思うこともあるのですが、単価を上げようとしたり、宣伝を頑張ろうとするとフリーズします。

私と同じ資格を後から取った方が、メディアで活躍したり、SNSで派手に宣伝している姿を見るととても悲しく、とても悔しいですし、どうにかしたいです。
また、安くしているためハードワークになりがちで、本当はもっとゆっくりした働き方がしたいです。

お付き合いしている彼は優しく真面目、イケメン、そしてハードワーカーです。
(芸術関係の仕事をしているのも、著名な方から依頼があったことも、完璧な彼がいることも罪悪感やいじめられたらどうしようという気持ちがあり、自慢ぽくて嫌われるのではないかという感じがあります)

一緒にいる時間はお互い仕事をしていることが多いのですが、同じ時間で何倍も稼いでいる彼に対して、引け目と羨ましさがあります。

長くなりましたが、2022年には稼げない状態から抜けるためのアドバイスをいただけたら幸いです。
よろしくお願いいたします
(Hさん)

フリーランスで仕事をされてる方って少なからず同様のお悩みを持ってらっしゃると思うんですよねー。
うちのお弟子さんたちにとっても最大の難敵は「値付け」でございまして、そこは皆さん抵抗を持たれるものです。(なので、この手のご相談はめちゃくちゃたくさんいただいています。)

で、私も自分なりに考えたり、周りのコンサルさんたちに相談したりして「値付け」について考えるのですが、実は大きく2つのあり方があるのかなあ、と思っています。

逆に言えば私も「こうすればいいよ」と簡単に言えないところがありまして、どっちのアプローチも一長一短なんですよね。

なので、このテーマに関して講座を開いてもいいくらいお伝えしたいことがあるんですけど、たぶんそんなに需要がないんでこういう機会にしゃべり倒させていただくことになります。

ってことで長くなるよ!(いつものことじゃん)

いくつかお伝えしたいことがある中で、どこからツッコミを入れようかと迷うところなのですが、まずは無難な一般論から語ってみようと思います。

>私が持っている資格をアピールすれば、だいたいこのくらいはいただける、という市場価値も調査もしたのですが、相場の半分やそれ以下にしてしまいます。

ここまでデータがあるならば、「だいたい自分に単価はこれくらい」という目安をお持ちだと思います。だから、半分とかにしてしまうと思うんですけど、それってなぜなんでしょうね?
そこをまずは考えてみましょう。

●自分の作品(商品)に自信がない!という恒常的な問題。

フリーランスの方がなぜ値付けが難しいかというと、誰も値段を決めてくれないからです。(当たり前や!)

だから、そこに「自分の責任」がかかってきます。

例えば、私の個人セッションは60分3万円なんですけど、この金額を提示した瞬間に「へえ、あんたはそれだけ価値のあるもんを提供できるってことやんな?」と見られます。

それに対して「へえ、そうでございやす。あたしぐらいのレベルになるってぇと、これくらいが妥当でござんす」と平然と答えられる人はいいんですが、それってその商品に自信があるから言えることでし、自信がない分だけ「え?あ、いや、高いですよね、やっぱり。カウンセリングごときでそんな値段付けちゃいけないですよね。すいません。」と引き下がってしまいます。

そうすると「じゃあ、すいません。お客様には特別に半額で提供させていただきたいと思いますが、、、」と値引きしてしまったり、あるいは、定価で引き受けたとしたらめちゃくちゃサービスしすぎて、60分なのに120分やってしまったり、その後も「気軽にLINEとか送ってもらっていいんで」とかやっちゃって自分の負担を増やしてしまいます。

それで結果的にハードワークになってしまい、その割に収入が増えずにどんどん疲弊していき、せっかくの才能を自分で潰しちゃうってことが起こるわけですね。

で、実はここがフリーランスの方にとっての最大の難関なのですが、Hさんは芸術関係の商品を、私はカウンセリングを売っているのですが、それってまさに「自分自身が売り物」なんですよね。

形の上では商品に値札をつけるわけですが、心理的には「自分の胸に値札が付いている」という状態なんです。

だから、ここが厄介なのは「商品に対する自信+自分に対する自信」が値段に反映されてるってことなんです。

これ、意味、通じてますかね?

すなわち、仮に自分が作り出す作品には自信があっても、自分自身に自信が持てない(=自己肯定感が低い)と、相場通りの値段すら付けられなくなるんです。

それがよく分かるのが次の一文ですね。

>「自分はもしかしたら上手いのではないか?」と思うこともあるのですが、単価を上げようとしたり、宣伝を頑張ろうとするとフリーズします。

つまり、Hさんはご自身の作品には自信が持てるようになってきてるんです。
著名で尊敬できる方から依頼もいただいているし、ファンも増えてきているし。

けれど、そこに「自分への自信」というものが付いてきてないのかもしれません。

あるフリーのコピーライターさんはこんな風におっしゃってました。

「私が作ったコピーがクライアントのパンフレットの表紙にデカデカと載っているのを見ると嬉しいというより、何か他人が作ったコピーを見てるような気がするんですよね。」と。

つまり、作品=自分であるはずなのに、それを納品した直後からその作品は自分のものじゃないような気がしちゃうってわけです。

そうするとそのコピーがいかにクライアントさんや、そのお客様に響いたとしても、自分のものじゃなくなっているので、その評価が自分の自信にならないんですね。

だから、作品を評価されても自己評価は上がらず、相変わらず自信がない状態で次の依頼を受けることになるのです。

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●宣伝や営業はまた違った能力が必要なのかも。

Hさんのように「もっと宣伝に力を入れたら」「SNSでバンバン発信すれば」「もっと表に出て活動すれば」という思いを持ちながらも、そんな行動が全然できない人も少なくないんですよね。

うちのお弟子さんたちやお客さまにも少なくないんですけど、そういう相談をされるたびに「宣伝や営業が向いてないんだろうね」と元も子もないことを言ってしまいます。笑

でも、そりゃその通りなわけで、メーカー企業では伝統的に開発部門と営業部分は仲が悪いですし、気質も全然違いますよね。

フリーランスってのは多くの場合、その開発と営業を1人がやらなきゃいけないわけで、「モノ作りも好きだけど、それをSNSにアップするのも好き」という人じゃないと、なかなか両立できないんですよね。

特に“セクシャリティが強いクセにそれを抑圧している人”というのは「表に出る」ということを異常に怖がったり、恥ずかしがったりします。

芸術系のお仕事でそれなりに評価されているHさんは当然セクシャリティが豊かな人だと思われるのですが、それ故に自分が目立つこと、周りから注目されることなどに異常なほどの怖れを抱いてしまうのかもしれません。

しかも、自分が作った作品をSNSに載せたり、宣伝しまわったりってのは、まるで自分のヌードを出すような恥ずかしさや怖れを感じるでしょうし、当然ながらフォロワーの反応が気になりすぎて夜も眠れなくなるかもしれません。

人にどう思われるか?を気にし始めたら、不特定多数の人の目にさらされるSNSなどはめちゃくちゃ抵抗が出てくると思います。

だから、ここでは「人目にさらされても大丈夫なくらい自分をオープンにする=セクシャリティを解放していく」、もしくは、「広報や営業はアウトソーシングする」という選択肢が考えられるわけです。

ただ、今のHさんがさらにセクシャリティを解放すると作品の質がさらに深まると思いますよ。

セクシャリティってのは「創造性」を司りますからね。ますますクオリティの高い作品ができるようになると思います。

●単価を上げるか?信用を稼ぐか?という選択肢。

さて、そうした前提の話から値付けの問題を考えていきましょう。

そうして自己肯定感をあげたり、セクシャリティを解放したりして、自分に自信を持ち、よりオープンに自分を表現できるようになると、堂々と相場通りの値段、あるいは、それ以上の値付けができるようになります。

なんなら「60分で3万ってだいぶお安いでしょ?」とお得感すら感じられるようになります。

それくらいの価値を提供できる自分に自信が持てるようになるからです。

だから、その道を選択して単価を上げて行くのもいいんですけど、実はもう一つポイントがあるんです。それが「信用を稼ぐ」という考え方です

彼氏のことについてはまた後で触れようと思うんですけど、

>同じ時間で何倍も稼いでいる彼に対して、引け目と羨ましさがあります。

などの文章を見ると、Hさんにとっては「お金を稼いでる=価値がある=素晴らしい」という思い込みがあるように思えます。

単価が高い=価値がある、という見方もされてるかもしれませんよね。

それって「お金」が基準の価値観と言えます。

しかし、現代はそれこそSNSなどのおかげで必ずしもそうとは言えなくなってきました。

つまり「信用経済の時代」というわけですね。

安い金額で商品を提供すると、多くのお客様はお値段以上の価値をHさんの商品に感じると思います。

「これ、めっちゃお得だわ。ありがたいわ。」という風に。

しかも、アフターフォローまで丁寧にしてくれるわけですから、「この値段で、ここまでしてくれるの?」とお客様は感動してくれると思います。

もちろん、中には「こんなもんだよね」と思う人もいるかもしれませんが、多くの顧客はとても喜んでくれると思います。

だから、ファンが増えるわけですね。

Hさんの商品がどんなものか分からないのではっきりは言えないんですけど、そうして感動してくださったお客様はかなりの確率でリピーターになってくれると思うんです。
そして、他の人に紹介してくれるんじゃないかとも思うんですよね。

つまり、相場よりはるかに安い値段で良い商品を提供し、アフターフォローまでしてくれるHさんは、お金は稼いでいないかもしれませんが、信用はだいぶ稼いでいると思うんです。

この信用って目に見えないものなのでなかなか分からないんですけど、お客様の喜びの声や口コミで仕事が舞い込んだりする様子を見ると何となくわかるんじゃないかと思います。

だから、これまでへとへとになって頑張ってきた分だけ、Hさんは信用を貯金してきてるんじゃないかとも言えるんですね。

そして、今の時代、この信用はお金に換金できるんです。
だから信用を稼いでいる人って実はお金に困らないんです。

「今月厳しいっす」と一言言えば、Hさんのファンがお金を出してくれたりします。
資金が足りないと思えばクラウドファンディングを立ち上げて集めることができます。

この辺はすぐには信じられない話かもしれませんが、もし、あんまり表に出て自分を売ることが得意でないのであれば、目の前の一人のクライアントさんを必死にもてなして感動してもらえば、入ってくるお金以上の信用を稼ぐことになると思ってください。

目に見えるお金を稼ぐのか?それとも信用を稼ぐのか?

もし、Hさんが後者がいいとするならば、へとへとになりながら信用を集めてきたんだと思います。

「もっとゆっくりしたい」と思うならばやり方は2つあると思ってください。

単価を上げてお金を稼げる自分になるか?
信用を稼ぐ自分になるか?

手に入るお金は少なくても「その分信用が稼げる」と思えば、もっと手厚いサービスを提供できるかもしれません。
それはお客様をより感動させることでもあります。

だとしたら、ゆっくり一人一人のお客様に向き合った方がいいですよね。

※とはいえ、お金ちょうだい!って頼んだり、クラファンに手を出すためには、すでにお話しした自己肯定感やセクシャリティの解放にも多少は手を出しといた方がいいんですけど。

●恵まれていることへの罪悪感。

Hさんもお気づきのように私たちの中には「恵まれていることへの罪悪感」という罪悪感があります。

芸術系の仕事をしてること、著名な方からの仕事の依頼、そして、うちの読者が血眼になって探し回っている完璧な彼氏がいるわけですから、そりゃあ、罪悪感のひとつやふたつは抱えてもらわないと、干からびそうなうちの読者たちに面目が立ちませんわな。笑

ということで、受け取れってことですね。

罪悪感にフォーカスするのではなく、「ありがたいなあ」と受け取れ、ということです。

つまり、Hさんは罪悪感や自信のなさの方にエネルギーを使いすぎて、感謝することを忘れてるんじゃないかと思うんです。

今の仕事ができることに改めて感謝するんです。
著名な方からご依頼を頂いたことに感謝するんです。
こんな素敵な彼氏がいることに感謝するんです。
もちろん、自分を恋人として選んでくれた彼氏にも感謝するんです。

感謝ではなく罪悪感の方に意識を向ければ、そりゃあ、罪悪感ってのは「自分を罰する感情」ですから、よくないことも起こりますし、ハードワークもしますし、自己肯定感を下げる努力をしちゃうんです。

ということで、敢えて1日のどこかに「祈りの時間」を作ってみてください。
その時間に「感謝」するんです。

寝る前でもいいし、朝でもいいし、いつでもいいんですけどね。

そうして、罪悪感で受け取るのではなく、感謝で受け取れるようにします。

これだけでもだいぶ変わると思うんですよねー。

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