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自立をこじらせてしまった「超自立」な人たちをセッションしたり、そんな男をひたすら追いかけている自立系武闘派女子のお話をたいへんよく伺っています。
ちなみにロックマンを追いかけている武闘派女子たちも「え?実は私、ロックウーマンだったの?」なんて場合もよくありますので、他人事じゃないかもしれないですよ~(笑)
どうしてそうなるのか?
何がそうさせるのか?
よくこんな図を描いてご説明しています。
そもそも「自立」というのはポジティブな面、ネガティブな面がありまして、ポジティブな面としては「自分でやりたい」「ひとりで頑張りたい」という前向きな思いから生まれるものです。
これはこれで大事なもんなんですね。
一方、問題を作りだしているのはたいていネガティブな自立の側面でして、「もう傷つきたくない」「愛されるためにはもっと頑張らなければいけない」「迷惑をかけてはいけない」「もう苦しみたくない」などのネガティブな思いを抑圧するものです。
そもそも辛い感情を感じたくないから自立するので、感情を抑圧し、思考的になります。
そして、「こうすれば愛されるんじゃないか?」と思う自分を作って行きます。
・いい子・いい人になる
・優等生になる
・頑張り屋さんになる
・前向きな人になる
・仕事や勉強ができる人になる
・人から信頼される実績を作る
・明るく振る舞う
・面白い人になる
だから、人当たりがすごくよかったり、職場でめっちゃ活躍していたり、友達がたくさんいたり、いろんな人から必要とされたり、「あの人は素晴らしい人だ」という評価をいただくようになります。
ところが、そうした評価を頂いても、そうした「受け取る」ということに関しては「感情」の仕事になるので、思考的なロックマン氏はそれができません。
だから、どれだけ愛されても、どれだけ認められても、どれだけ実績を残しても、全然自分は愛されているとは感じられずに、「もっと頑張らなければ愛されないぞ!」という思いでますます自立しようとします。
ここがちょっとした悲劇ですね。
だから、こういうロックマン/ロックウーマン氏をセッションすると次のような傾向が顕著に現れます。
・「すごいですよね」と伝えると「全然そんなことない」と否定する。
・「すごく頑張ってますよね」と伝えると「まだまだ全然頑張ってません」と否定する。
・「寂しかったですよね」「それは虚しいですよね」と感情を伝えると「いえ、そうでもないです」と否定する。
・価値や魅力を伝えても当然「否定」するだけでなく、魅力を伝えられているということに気付けない。
・セッション中に自分に関するポジティブな話(価値、魅力)はすべてスルーして、ネガティブな話(問題点など)のみ記憶する。
・すぐに「自分はまだまだダメです」という表現を使う。
・こちらが方法を提案すると「それはやりました」「それはできません」という否定的な表現が出てくる。
そもそも「自分はまだまだ甘い、もっと頑張らなければ。もっと自立しなければ」という思いが強いので、自分がロックマン/ロックウーマンになってしまっていることが分かりません。
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一方、思考的でいい人になってしまった表の顔の裏には、自分が「こんな私では愛されない」と思った部分をたんまり抑圧しているものです。
「弱い自分」を嫌い、「強くならなければ!」と気合を入れて頑張るわけです。
そうすると、その裏側の私には「さびしい、むなしい」という感情や、罪悪感(自分がいけないからだ!)という思い、そして、「こうしてほしい」「ああしてほしい」という欲求を山のように抱えることになります。
それはそれで苦しいのだけど「この程度で苦しいなんてダメだ」と否定するので、押し入れに見たくないものを押し込むようにどんどん感情を抑圧して麻痺させ、見えないように(感じないように)しようとするのです。
そうすると自分が何を感じているのかが分からなくなります。
だから、感情に関する質問をすると、答えられないか、否定するか、思考的に答えられるかのどれかになるわけですね。
そんなときに感じられる感情というのは「怒り」と「性欲」くらいです。
とはいえ、感情は麻痺させることはできても、なくすことはできないので、押し入れの中に押し込んだ感情はどんどん膨らんでいきます。
そうするとどうしたって処理しなきゃいけなくなるのですが、表には絶対出せない(今までの評価を失ってしまうし、今までの頑張りが無駄になってしまう)ので、こっそり裏で処理するようになります。
それが私の言う「アンダーグラウンド」で、ギャンブル、アルコール、ワーカホリック、セックスなどへの依存症や不倫、三角関係、風俗通い、デートクラブ通いなどのクローズな世界でその溜め込んだ感情を処理しようとするのです。
※アンダーグラウンドについては下記などを参照ください。
>https://nemotohiroyuki.jp/everyday-psychology/11899
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こうして自分自身を「表」と「裏」として分離していきます。
そもそもなんでそんなことになったか?というと「そうしなければ生き残れなかった事情」が影響しているものです。
親が過干渉・過保護、あるいは逆に無関心。虐待、いじめ。両親の不仲、離婚。大失恋や自身の離婚など原因はたくさんあります。
幼少期に早く自立した人は少なからずこのパターンを持っていると思います。
まるで自分の中に「立派な大人の自分」と「幼い弱い自分」の二人が存在しているようなもの。
この「大人の自分(=表)」は「弱い自分(=裏)」を激しく攻撃し、否定し、抑圧します。
一方、「弱い自分(=裏)」はずっと傷つき、辛い思いを抱えているので不信感を強く持つようになります。
自分自身に対する不信感。つまり、自己不信です。
それが他人に投影されるので、ロックマンはたいてい「他者不信」の塊になります。
人気者で、仕事ができ、見た目もスマートで、素敵な人なのに、誰のことも信じられなくなってしまうのです。
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どうすればいいのでしょう?
どうしてあげればいいのでしょう?
おそらく、ロックマン&ウーマンの方々は今日の記事を「自分じゃない誰かの話」として読まれていることと思います。
特にこんな風に感じる方はいませんか?
「確かに昔の自分はこうだったな。今は違うけど」
そうなんですよねえ。
でも、嫌なことを言ってすいません。そう思われるとしたら、たぶん、今も、そうである可能性が高いです。
理由はここまで説明してきた中にあります。
まずは、気付くこと。認めること。それが大事です。
そして、この「表」と「裏」の私がずーっと戦争状態になっていることに気付くことです。
以前よりはたしかにマシになっているかもしれませんが、今も自分を否定していることに気付くことです。
実はリトリートセミナーの裏テーマは「自分との仲直り」です。
こんなにも素晴らしい要素をたくさん持っているのに受け取れず、なおかつ、人知れず自分を激しく罰している、その人生から脱却しましょう。
自分の弱さを認めて許します。
ダメな自分、完璧じゃない自分を許します。
頑張ってる自分を認めます。
「負け」を認めます。
寂しさや虚しさを認めます。
ロックマン氏がセッションに来られると、ついカウンセラーに対してファイティングポーズをとっちゃう場合があります。
もちろん、本人はそんなつもりはありませんけどね。
カウンセラーの指摘を受け入れることは「負け」のように感じてしまうからです。
そうではないんですけどね~。
ということでよく「白旗を振りましょうよ」なんて話をするわけです。
つまり、
「もう頑張らなくてもいい」
「もう限界だ」
「もう頑張りたくない」
「全然大丈夫じゃない」
「ずっと寂しかった」
などの言葉を声に出して言っていただくのです。
これらの言葉に抵抗があるならば、まだあなたは自立的に生きようとしちえるのかもしれません。
〇そんな皆さんに贈る2Days。
↓
6/23,24 軽井沢プレミアム・リトリートセミナー
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/29926
〇親密感への怖れを作るのも「自立」です。
↓
東京:5/25(土)11:00-18:00
「自立系武闘派女子のための1DAYセミナー~親密感への怖れを手放す~」
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/29813