「コントロール」というテーマが初日は多かったようです。
傷つくことが怖いと私たちはその状況ならびに周りの人たち、そして、自分自身をもコントロールするものですが、これが子どもの頃から癖になると非常に巧みに「自分をだます」ようになるものです。
でも、案外これってみんなの中にあるものでして、傷つかないように、失敗しないように、怒られないように、恥をかかないように、騙されないように、いいように思われるように、敵を作らないように、傷つけないように、等々の理由で「コントロール」が日常化します。
そうして「自分ってこういうものだ」「これが自分に合っているんだ」「これが自分なんだ」という思い込みを作り、自分を守ります。
そこには巧みな計算や狡さやあざとさも入ってきますし、それがバレないように上手に隠すこともできますし、そうして自分自身でもそれが分からなくなっていくものです。
さらに”匠”になりますと、思い通りに行かないのだけどまだ受け入れ可能な範囲でコントロールできない状況を作って”遊ぶ”ということもあります。
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こうしたコントロールは、親が厳しくて優等生をやっていたり、親が過干渉で振り回されてきたり、逆に放任主義で自分で自分をなんとかしなきゃいけなかったりしてきた中で育まれることが多く、また当然ながら賢さと器用さを併せ持つ必要があるものですし、状況判断に長けていなければならないので感受性も高い、、、というまこと女性性豊かな方がやりがちなのですね。
そうして状況をコントロールして「安全な場」を作るのですが、同時にとある問題が生まれます。
それが「退屈さ」ですね。
がっちがちな防御壁を作って完全防備しているわけですから傷つかないのですが、それはすなわち刺激がない日々を送ることになります。
安全で、平和で、安心できる日常を求めてコントロールしてきたのにいざ手に入ると「退屈」してしまうのですね。
だから刺激が欲しくなるのですが、当然ながらその完全なる防御壁を崩すわけにはいきませんから、穴を掘るのですね。笑
そうしてアンダーグラウンドに刺激を求めるようになっていきます。
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退屈もイヤなモノなのですが、それ以上にややこしい問題がやはりそこには存在しています。
防衛を求めてコントロールして作り上げた安全な場が「ほんとうの自分らしさ」を体現しているかというとたいへん怪しいのですね。
また、状況をコントロールするためには自分の心の声を無視しなきゃいけないことだってたくさんあります。
自分の心の声を聴くことよりも、傷つかないようにすることの方が優先度が高いのです。
そうして作り上げた自分のための城は防御は完璧なのですが、自分らしいかどうかというと怪しすぎるわけでして、ずっと心の中に違和感があるんです。
もちろんその違和感は無視できるほどのものでもあるのですが、やがてそれは「後悔」という形をとるようになっていきます。
また、自分の心とのつながりが切れている部分も多いので、悲しみや虚しさ、そして、寂しさがひたひたと心の中を支配していくようになります。
それもまた「安全」を失うよりはよほどマシなのでずいぶんと長く無視できるものですけれど。
だけど、何か違う、これは自分じゃない、自分がほんとうに欲しいモノじゃない、という声は年々大きくなっていくものです。
自分を守るために築いた城壁が、逆に、自分らしさを失う結果を生んでいるのですからここの葛藤はすさまじいものがあるんです。
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天地を揺るがすような大問題が起こることもあるのです。
あまり想像したくないようなできごとがやって来ちゃうのです。
それによって鉄壁と思われていた城壁が吹き飛んでしまうことも珍しくありません。
多くの人が命にかかわる病気をしたことで目覚め、自分らしく、好きに生きよう!と決意する話を聞いたこともありますよね。
そして、彼らの中は「病気にならなかったら、こういう生き方はできなかった。だから今ではあの病気に感謝している」と言っている人もいます。
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このコントールを手放すのは一人ではやはり難しいものがあります。
セリフコントロールも強くなっていますし、実際、その壁は役に立っているものですからそう簡単に崩したくもありません。
そこで「サレンダー」とか「コミットメント」という言葉が登場しますし、自分とのつながりをより深めることをしていきます。
でも、ひとりで難しいというのは、今まで抑圧してきた、無視してきた感情と向き合う点でも言えるのです。
見たくないものをたくさん見なきゃいけないし、今までとは違う自分の人格に辟易することもあるでしょうし、罪悪感だって大量に噴き出してきますし。
けれど、確実に「軽く」なっていますし、「希望」だって見えてきます。それが自分を支えます。
だから、ここではライフワークを追求していくことを意識するのがお勧めです。
自分らしい幸せな生き方とは何か?を模索するんです。
こういうプロセスにおいては冒頭の方で述べた女性性の豊かさ以外にも様々な才能や魅力、価値を見ていきます。
「ちゃんと自分の才能を活かしなさい」
というメッセージを次々送ることになります。
その才能は自分でも薄々気付いているものの、そんなリスクを取ったら安全が脅かされるから、見ないようにしてきたものです。
だから、それだけ女性性が豊かな方であればこの文章を読んでいる時点で「ああ、あれかもしれない」と察することができるでしょう。
もし、そうでなくてもカウンセラーから指摘されれば「ああ、知ってる。ていうか、言われたことある」なんて感じかもしれません。
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今回のリトリートセミナーでのセッションでは「サレンダー」を扱いました。
それと同時に「与える」ということで、その壁を外していくようなセッションも作りました。
そして、その才能をちゃんと活かしなはれや、という話をしたものです。
◎オンライン:5/10(金)20:00-22:00 特別心理学講座「自分とのつながりを取り戻す~直感/感覚に耳を傾ける」
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/52513