男性不妊が分かった夫から離婚を切り出され、心を閉ざされてしまっているのですが妻は何をしたらいいのでしょうか?



男として自分にダメ出ししているであろう彼は罪悪感の塊になっているかと思います。
もしかすると今までの夫婦関係にもその傾向はあったかもしれませんが、これで離婚を切り出して別居することで、彼はますます罪悪感を重ねてしまうでしょう。
だから、これ以上彼に罪を重ねさせない、というところがポイントになるかと思います。

こんにちは!
夫の男性不妊判明と、別居離婚について相談させてください。

【経緯】
去年夏頃から、ゆるーく妊活してたものの子供が出来なかったため、年末に産婦人科へ検査へ行きました。
まずは夫から検査をしたのですが、結果がだいぶ良くなく、私の検査をする前に専門医を勧められました。

さて、これからどうしてこうか、という時に
検査の翌日の夜に夫から「離婚したい、元々君に不満があって、昨日の検査結果でなんか糸が切れた。子供がいないうちに別れよう」的なことを言われ、結果今月末に自分で見つけた家に引っ越すらしいのです。

正直言われた当初はだいぶ傷つき動揺して、「私のどこが悪かったのか」と本を沢山買ったり、カウンセラーへ行ったりしました。

彼は色々話し合いをした中で、(初めの方は私から話し合いを吹っ掛けてたから)
「今までここが嫌だった」「こんなふうに価値観が合わない」「もう君を許すことができない」「実はちょっと前から好きじゃなかった → 本当は子供は逃げとして作りたかった(不妊判明前は彼から子作りしたいと申し出があった)」とかなんだか、そういう話はいくらでもしてくるし、こっちの話もいくらでも聞きます。
ただ男性不妊の話になると、急に話を逸らしたり話をやめたりするので、正直最初から「いや、そこが気になっとるんやろ!」と思ってました。

元々は自分たちも仲良しの自覚があり、彼の方からも私からも「こんな仲良しの夫婦中々いないよね」とか言い合ってたくらいなんです(しかも検査の直前くらいまで)
とはいえ、検査のちょっと前に家事の分担をめぐって感情的に喧嘩してしまったことがあり、彼は離婚したい理由としてその時に感じた嫌な気持ちについてツラツラと語ってきます。(前からこうだった~…いつも君はこうだった~…と)

最近は私も自分が落ち着いてきたのか、話し合いをふっかけることもなく、普通に暮らしてます。(彼も普通に家にいて、普通にテレビ見たら休日に出かけたりする、最近Hも復活した→私から(カウンセリングの影響)、側から見たら普通の仲良し夫婦という感じの日々だと思ってます)

ただ、今月末に前から探してた家が見つかり、予約もしてきたみたいです。
前はそんなことを聞くと息ができないくらい辛くてなんとか引き止めなきゃという感じでしたが、今は「え、ほんまに引っ越すんや、、、」と「まあ大人が決めたことだから辛いけど引き止めることは出来んな、しばらく放っておくしかないか」という心境です。

放っておくと言っても、期限を決めた方が良いのか…とか、正直離婚はしたくないしな…とか。
心を閉ざしてしまった彼と、これからどう向き合っていけば良いのでしょうか、、、
(Hさん)

とりあえずは家を出ていくときにでもお手紙を渡して気持ちを伝えることはできそうですねー。
もちろんネガティブなことは書かず、愛情と感謝を綴って。
はっきりと「離婚したくない」という気持ちは伝えておいてください。

あとは彼がひとりになってどう考えるのか?ってのはどうしようもないので放置する他ないですね。ときどき体調とか食事とか仕事のこととかを気にする連絡をするのも良いと思います。

とはいえ、ほんとに出ていくかどうかは分からないのですけれど。

自分の気持ちが「正直離婚はしたくない」ならば、それをちゃんと伝えることが大事です。
そうしてバトンを渡してあとは彼に委ねる、みたいなイメージですね。

さて、不妊の原因が自分にあることが分かった男性ってのはものすごい罪悪感を抱えるものですし、また、男として医学的にダメ出しをされたことでのショックもめちゃくちゃデカいものですね。

とはいえ、理性的だから何日も落ち込んで泣き暮らしたり、パニックになって情緒不安定になったりってことはできないものです。

で、その事実が受け入れがたいがゆえに逃げ道を探すわけで、それでその話になると逸らしまくることになるのですな。

つまりはまだ受け入れられてないってことです。

とはいえ、そのショックにしても罪悪感にしても心の中に留まり続けることになるのでそれが少々厄介なのですが。

で、中にはヤケになって「離婚じゃ!」と奥さんに向けてキレ始めることもあるわけですね。

ただ、それも自暴自棄になってるだけかと言えば案外そうでもなく、最近は「良い夫」が多いものですから、それまでに溜め込んだものが何かのきっかけで噴出しちゃうこともあるんです。

Hさんのご主人のキャラにもよりますが、女子(妻)と仲良くできるのですから、男気溢れる昭和男子ってことはなさそうですね。

優しくて穏やかでいい人で、なんて場合、奥さんに少々不満があったとしてもそれを抑え込みますし、喧嘩するよりも我慢する方が良いと思っちゃうものですし、それで表面的にうまくやるために犠牲を重ねちゃうものです。

こういうのってかつては女子の専売特許だったんですけど、平成から令和に変わるにつれて男女問わず出てくる現象になりまして、溜めに溜めた不満が何かのきっかけで爆発してしまうんですよね。

ただ、その爆発の表現は男女でも違いがあることも多く、女性は感情的になることが多いですけど、男性は「切る」という形で表現されることが多いものです。

「切る」すなわち「離婚」ですね。

距離を置くってのは私もよくお勧めする方法です。

夫婦というのはフレキシブルに距離感が変えられる関係であるはずなのに、様々な事情で「固定距離」になりやすく、そこで問題が発生するものです。

この距離というのはふつう「自立側」が主導権を握ります。

だから、自立側にとって心地よい距離感が採用され、多くの場合そこで固定化されます。
それが依存側にとって心地よいかは微妙でして、むしろ近すぎると感じるか、遠すぎると感じるかのどちらかになります。

でも、自立側が主導権を握っておりますから、依存側はそんなことは口出しできません。

それで自立側は快適な関係にいるのだけど、依存側は我慢を重ねることになるのです。

こうして表面的にはうまく行っているけど、それは依存側の演技も加味されたもので、内面では「温度差」が生まれます。

とはいえ、依存側もそれが辛いだけかと言えばそうでもなく、仲良くしたいですし、いい関係になりたいですし、そもそも気を使って反抗なんてとてもできないですから、我慢もあれば、喜びもある、という状態になります。

それで自立側がご機嫌に過ごしていれば案外依存側もその状態に長期的に耐えられるものです。

しかし、それが何かのきっかけで「やっぱり無理!」となりますと反発し始めます。
それが自立側には「飼い犬に腕を噛まれた」ように感じることもあります。

我慢が募った分だけ反発心も大きくなり、「え?今まで仲良くやってたじゃん!すごくいい関係だったじゃん!」と自立側がびっくりするようなことを言い出したりするんです。

「ほんとはアレがすごくイヤだった」
「あなたのこういうところが耐えられない」
「うまく行っている演技を頑張ってた」
「あれはウソ。本音ではない。」
「結婚したことをずっと後悔していた。」
「もう何年も前からあなたへの気持ちはなかった。」

でも、それはあくまで気持ちの上のことで、全部が本音でも正しいわけでもありません。

だから一言一句は決して鵜呑みにしちゃいけないのですけれど、ただ相手がすごく我慢して犠牲を重ねてきたことは確かなのでそれは受け止めなきゃいけません。

Hさんの夫氏は「別居するほどに無理をしていた」ということが言えるかと思います。

で、そこで改めて距離を調整してみると関係が変わることも多いんですよね。

離婚が決まった途端、仲良くなって「なんで僕たち離婚するんだろうね?」と語り合い、二人で離婚届を出しに行った元夫婦もいます。

「実家に帰らせてもらいます」と離れて暮らすようになり、実家族のサポートがあったり、自分でも反省したりすることで相手の価値が改めて認識でき、彼もまた一人で自分を見つめ直したりして、よい冷却期間になった夫婦もいます。

別居することでお互いに自由になり、言いたいことが言えるようになって前向きに将来のことを考え、話し合うことができるようになった夫婦もいます。

最近はそもそも始めから「別居婚」「通い婚」「週末婚」をする夫婦も多くなりましたね。

それに、一緒にいてお互いを傷つけあうような、自分を傷つけ続けるような状態だと、どういう結果になろうとその傷を癒す期間が必要になるものです。

それで「傷つけあわない距離にお互いを置く」という意味で、別居を進めることも多いのです。

さて、そんな物語がHさんにぴったりフィットしているかは正直分からず、お互いのキャラとか、今までの関係性とか、お仕事とか、お互いの家族関係などの情報が欲しいのですが、一般論として読んでいただいても何かしらヒントになるかとは思います。

>前はそんなことを聞くと息ができないくらい辛くてなんとか引き止めなきゃという感じでしたが、今は「え、ほんまに引っ越すんや、、、」と「まあ大人が決めたことだから辛いけど引き止めることは出来んな、しばらく放っておくしかないか」という心境です。

こんな風に変化されたのはさすがだと思いますし、カウンセラーのお陰かと思いますが、ただ、これも本音でそう思えているのか、はたまた「諦め」のようなものがあるのかは要チェックですね。

ただ、私が気になったのは「息ができないくらい辛くてなんとか引き止めなきゃという感じ」という部分でして、もしかしてふたりは相当近すぎる距離にいたのかな?などと思ってしまうのです。

いわゆる「癒着」かそれに近い状態にいたのかな?と。

癒着の状態になりますと、これ以上くっつくことができないので離れることに意識が向くようになります。

接着剤でお互いをつなげてしまった状態ですから、離れようにも離れず、離れるときには強い痛みを伴うのですから、そこには強い葛藤が生じます。

となると「改めてなんでそんな癒着するくらい距離が近くなっちゃったんだろう?」というのは今さらながら振り返ってみると良いのです。

それが今後、関係を再構築する上でのポイントになるかもしれません。

そうした関係性も含めまして、なんでこんな仲良くできるのに別居しなきゃいけないのだろう?という背景を探っていきたいものです。

>彼も普通に家にいて、普通にテレビ見たら休日に出かけたりする、最近Hも復活した、側から見たら普通の仲良し夫婦という感じの日々だと思ってます

という状態になってきたのに、なぜ別居なのか?というところですよね。

自立側にいたHさんには見えなかった何かが夫氏の中にあるのでしょうか?

※そもそも「え?あたしが自立側?うそ。依存側だと思ってた!」と驚かれているかもしれませんけど、話の流れからたぶんそうじゃねえかなあ?と踏んでおります。間違ってたらごめんね~♪

コトの流れをちゃんと把握しておかないとなかなかはっきりしたことは言えないのですが、夫氏がそれなりにいい人で優しい人の場合、不妊についての罪悪感から「子どもができない俺は夫として価値がない」と決め付けてしまっていることもあります。

もちろんそれはプライドに触りますから決して口にはしないと思います。

そして、Hさんのことを愛する気持ちも実はまだ残っていると思います。
だから仲良くできるし、Hだってできるんですけれど、ただ、そこには純粋な愛情だけでなく、義理だったり義務感だったりも含まれているかもしれません。

もし、夫氏が長らく我慢と犠牲をしてきたのであれば、一緒にいる間は仲良くすることはたぶんさほど苦痛ではないでしょう。

こういう話はちょっとショックかもしれないので、あくまで可能性として受け止めてくださいませ。

さて、彼が抱える罪悪感がいかほどのものかは想像するほかないのですが、離婚を望まない奥さんを置いて家を出ることもまた罪悪感を重ねることになります。

さらに、そこで奥さんが悲しんだり、不安になったり、精神的にやられたりすると、これまた彼の罪悪感になるものです。

罪悪感という感情は罪を重ねることで成長する特徴がありまして、なすことすべてが罪悪感に結び付くこともあるのです。

そんな彼に対して接するときに重要なのは「彼の罪悪感をこれ以上増やさないようにする」ということです。

もし、可能であれば「彼を愛することでその罪悪感を減らしてあげる」というところまで足を踏み入れたいのですが、まあ、これはなかなか難易度が高いのも事実です。

ただ、このプロセスは自分自身の大いなる成長につながります。

また、同時に気を付けなきゃいけないことは、彼に対してHさんが罪悪感を持つことです。

自分が悪いんじゃないか?自分のせいでもあるんじゃないか?という風に捉えてしまうと日々罪悪感を生産することになりますから、それはお互いにとってハッピーではありません。

ちょっとややこしいですが、罪悪感を抱える妻を見て、夫がまた罪悪感を重ねる、という悪循環にもつながるのです。

従って、Hさんにできることは、この罪悪感の罠にハマらないことです。

夫を愛するってのは言葉にするのは簡単ですけど実践するのはなかなか難しいですね。

「彼には彼の人生があるのだから、彼の選択を尊重する」ということも愛の表現になります。

また「おそらく男として自分にバツを付けている夫を受け入れる」ということも愛ですし、さらに「夫の罪悪感を増やさないように、自分自身の人生を生きる」ということもまた愛です。

こういうとき私はたいてい「好きなことをして、自分が笑顔になれる時間を増やしてください。こんな状況だからこそ、自分を楽しませ、喜ばせることを最優先してください。」という風にお願いをします。

こんなときだからこそ、夫に対して自分軸を確立し、自分で自分を喜ばせることに意識を向けるのですね。

「こんなにも僕を愛してくれるのはあなたしかいない。だからもう一度結婚しよう。」というセリフを彼に言わせてあげましょうねー!

「いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本」(ディスカバー21)
*セミナー動画:『私の幸せを阻む「罪悪感」を「愛」で癒して「私」を自由に解放するワークショップ』
*心理学講座動画:『罪悪感と癒着の心理』
光の瞑想~疲れや罪悪感などを癒すイメージワーク~

◎大阪:3/20(水祝)、東京:3/24(日)12:00-17:00 ゆるむ・解放する・アク抜きする・頭を空にするワークショップ
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/51973

◎オンライン:3/10(日)14:00-17:00 ありのままの自分を知って受け入れる究極の自己肯定感ワークショップ~ありのままの自分ってなんだ?~
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/51841

根本の個人セッション
お弟子さんを検索する!

★武闘派女子のみなさまのための新たなバイブルが生まれましたっ!

戦闘力上がりすぎてひとりで頑張っているあなたへ1日5分、スキマ時間にととのう本(ハーパーコリンズ社)

●この記事を読んで「ああ、自分の場合はどうだろう?」と思われた皆さん。そのネタ、聞かせてください!もしかしたらブログ上で回答させていただけるかもしれません!(不採用になっちゃったらごめんなさい!何度でもチャレンジ可!です)

問い合わせフォームから「根本裕幸へのリクエスト(ネタ提供)」をお選びください。

また、お弟子さんたちのオンラインカウンセリング無料相談「ココロノマルシェ」でも随時ご相談を募集しています。


無料で読める根本のメールマガジン「予約の取れないカウンセラーが送る“毎日使えるココロの講座”」
より深く学びたい方のためのオンラインスクール「根本裕幸のメルマガ&動画で学ぶ、めっちゃ使えるココロの法則」


今日の話を無料アプリのvoicyで音声でラジオみたいに聴けます!

『(準備中)』


★Youtubeの公式チャンネルでも同じ内容を公開してます!(チャンネル登録よろしくお願いしますー!)

(準備中)


★voicy/youtubeで配信した話を文字起こしして公開してます!テキストで読みたい方はこちらからどうぞ!

『(準備中)』

★自宅で、カフェで、移動中に、どこでも学べる根本の心理学。
根本の著作一覧
根本裕幸のサイン本屋さん
セミナーセミナー動画・DVD販売・音声配信サービス販売サイト

あわせて読みたい