別れたほうがいいと分かっているのにずるずる関係を続けてしまう理由について。



こんな男と付き合ってても・・・と思いながらも別れられないケースってたくさんありますよね。
様々な要因が考えられるのですが、頂いた事例を元にあるあるな心理について紹介したいと思います。
実は、その彼との関係だけにとどまらない、というのが真相です。

いつもブログ読ませていただいています。
完全自武女で、恋愛面で問題が起きまくってる状態です。
自愛や心理学を学び始め、少しずつ自分でも変化を感じていますが、時間が経っても思い出してしまうトラウマがあります。
今付き合っている彼とは最初からこじらせまくっており、関係はうまくいっていないけれども私が別れられなくてずるずる続いているような状態です。
今ではうまくいっているように感じるときもあるのですが、完全にこじらせまくっていたときにキレた彼に殴られたことをふとした瞬間に思い出し、私が悪かったとはいえ、殴ってくるような人とうまくいくはずがない…とどん底気分に落ちてしまいます。
そんな人とはきっと別れた方がいいとも思いつつ、それもできない。
機会があれば根本先生のカウンセリングも受けてみたいと思っていますが、現状なにかアドバイスがあればお願いしたいです。
(Fさん)

短文なのはありがたいですが、あれこれツッコミを入れたい箇所が多数ありまして、詳細不明のためざっくりした回答になるかと思いますが、ひとつの心理学講座的な内容として読んでいただければけっこう役に立つんじゃねえか?と思っておりますのでどうぞよろしくお願いします。(書き出しが長い!)

例えば、モラ夫と暮らしている奥様がカウンセリングに来られることもあります。
その言動に傷つきまくっていて、離れりゃいいと分かっているし、親に遠回しに相談すると「すぐに帰って来なさい!」というありがたい反応をもらうのですが、なぜかそれができない、という相談です。

また、とある彼女は彼氏からの性的に傷つけられることが多く、こんな人といても幸せになれない!と分かっているけれど別れられなくてずるずると関係を続けてしまっている、と相談に来られました。

私の場合、「すぐに逃げなさい!」というアドバイスをすることは身の危険が迫っていると感じたときだけで、あとは「なぜそんなことを招いてしまうのか?」という心理の方に目を向けることが多いのです。

分かっているけど離れられないってことは、それだけの事情がある、ということです。

これはどんな問題にも言えることで、昨日も「夫と長年レスなんだけど別れられない」的なお話を頂いたのですが、中には半年間のレスで離婚を決意する人もいれば、5年もレスが続いているのに別れられない人もいて、その違いはやはり内面的な要因だと思うんですよね。

Fさんにしてもキレて彼女を殴るような男と別れたほうがいいと薄々思っていながらも別れられないってのは、やはり何らかの心理的な事情があると捉えるものです。

「癒着」という心理状態があり、「共依存」とも呼ばれる状況があります。

お互いが相手に執着している状態で「接着剤でくっつけたような状態」と例えられます。

接着剤でくっついてるんだから離れようにも離れられないし、いつもくっついてたらどんだけ好きな人でもウザいし邪魔なので、相手に対して怒りも出るし、離れることばかり考えるようになるんですけど、やっぱり接着剤のせいで別れられないって葛藤が続きます。

そして、その怒りが暴力や暴言に繋がることもあるんだけど、別れられなくて、ひどい場合は第三者の介入がないと離れることすらできない場合もあるくらいです。

>今付き合っている彼とは最初からこじらせまくっており、関係はうまくいっていないけれども私が別れられなくてずるずる続いているような状態です。

この「最初からこじらせまくっている」というのがポイントでして、好きだからか、女の意地だからなのか、「なんとかうまくやりたい」という思いを持ちながら悪戦苦闘されていたかと思います。

で、やっぱ苦労して貯めた100万円って使うのにも慎重になると思いませんか?
で、手のかかる子ほどかわいい、という言葉もありますよね?

こじらせてる状態を何とかいい状態に持って行きたいと思うことで、その頃は相手にかなりのエネルギーを割いてたかと思うのです。

これが「癖」になるんです。

こじらせていて歯車がかみ合わない状態が「通常」となり、それをあの手この手で噛み合わせようとするのが「腕の見せ所」みたいなもんです。

そんなときにたまにピタッと歯車がハマるとめっちゃ感動すると思いません?

それが「癖」になるわけです。

いわば、ギャンブラーの心理みたいなものですね。
基本的には当たらないんだけど、その分、当たったときの感動が大きくて、その感動をまた味わいたくてお金を掛け続けるんです。

そうして相手にエネルギーをつぎ込むので、頭の中が彼のことでいっぱいになり、常に次のレース、あ、いや、次に会う時の作戦を練るようになっていったり、「なんで当たらねえんだよな」と競馬新聞を熟読するかのように彼のことを研究し始めたりすると、どんどん沼にハマっていくのです。

だから、「彼に殴られた」という事件も、客観的に見ればひどいことなのですけど、ギャンブラー的には「今月の生活費を全部つぎ込んで勝負した手が外れた」ような衝撃を受けて「もう競馬は辞めよう」と誓うわけですが、一方では、くそー!絶対取返したるねん!とかえって情熱に火がついてしまうことになるんですね。

それで冷静に見れば「まあ、競馬なんて儲からないからお小遣い程度の額で楽しむ方がいいんだよ」と人に説法を垂らしながらも自分は常に万札を馬券に変え続けてしまうのです。

ということで、まあ、この辺は詳細がわからないので断定はできないのですけれど、別れたほうがいいと分かっているのにずるずる行っちゃうのは、依存症のようになってしまっているからかもしれない、というのが一つ目の見解です。

だから、これに関してはもう「自分ひとりではどうにもなれへん」と悟ったほうが良いものですが、とはいえ、あの感動が忘れられないし、意地にもなってるので「別れたほうが頭ではいいと分かっているのに、心は全然その気がない」ということで人に相談したり、カウンセリングなどを利用したりすることも実は躊躇しがちなのも問題です。

「別れたほうがいいと分かってるのに別れられない」が「カウンセリング受けたほうがいいと分かっているのに受けられない理由を探してる」に繋がってるわけですね。

「もう傷つきたくない」あなたが執着を手放して「幸せ」になる本」(学研プラス)
*セミナー動画『本気の手放しワーク』

で、Fさんのようなお話を伺うと深掘りが趣味(?)な私は過去の恋愛や親子関係についてお聞きしていくんです。

こうなっちまう原因は家族にあるんじゃねえか?というお見立てです。

そうすると様々なケースがあるんですけれど、子ども時代にすごく寂しい思い、辛い思いをした、とか、居場所が全然なかったとか、そういう苦しい家族関係が出てくることが多いものです。

とはいえ、ふつうに愛されて育って今も親と仲良し、みたいなケースでもFさんのようなケースは存在するので決め付けはあきまへんな。

また、今までの彼はむしろ紳士で優しい人ばかりだったのに今の彼は全然違う、という突然変異みたいな沼にハマっちまった場合もあれば、「いやー、ずっと問題児とばかり付き合ってきましたねえ」とベテランの風格を漂わせる場合もあります。

そうした過去の中に「なぜ彼とこじらせてしまうのか?そして、なぜ別れられないのか?」というヒントが隠されてるものです。

だから、「彼との問題は申し訳ないけど枝葉の問題で、幹は親との関係なんだよ」という見方が成り立つことも多いのです。

なので、私のセッションを受ける機会がありましたら、この辺を書いてきてくださるととても助かります。

さて、そうして人生そのものを振り返ってみると「ああ、Fさんは助けたい人なんだね。傷ついた人を何とか癒してあげたいと思っちゃうんだね」という別角度の結論が見えてくることもあり、何なら「あなたはセイバーであり、癒し人だから、その才能を磨いていくといいよ」とライフワーク的な見解が得られることも多いものです。

Fさんに「傷ついた男を癒す才能」があるとしましょう。

そしたら、彼なんてなかなか良い獲物だと思えませんか?
人生も性格もこじらせまくってるような、キレて暴力を振るうような、そういう男って癒しがいがあると思いませんか?

そんな癒し人にとって垂涎の的が目の前にあるならば、早々手放すのはもったいないですよね?

となれば殴られようが、暴言吐かれようが、離れられなくなるのは当たり前です。

「傷ついた男を癒してあげたい」と思う女性はたいへん多いと思います。
そして、それは本能的なものでもあるのですが、中にはそれを才能レベルで持ってる人もいるんです。

だから、そういう人は「あ、それは仕事でやったほうがいいよ。線引きしやすいから。プライベートはあなたを癒してくれる人がいいよ」とお伝えしますし、その手引きをすることも多いものです。

もし、ご家族(父とか兄とか)にたいへんややこしい人物がいらっしゃるのであれば、この線はほぼ確定と言えます。

だから、その癒しの才能を受け入れ、開いていくことで彼との関係も変わって行くんです。(ものすごくざっくりした説明ですんません)

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https://nemotohiroyuki.jp/everyday-psychology/46462

「癒着」というのは「罪悪感」が作ると言われています。

彼のことを癒してあげたいのに全然それができてない!という罪悪感(無力感)があれば、何とか彼を癒そうとするでしょう。

また、「傷ついたお父さんを救う代わりに彼を救いたい」という戦略も潜在意識にはよくあることなので、彼をどれだけ助けてもお父さんは助からないので、やはりこの罪悪感(無力感)からは離れることはできず、次々と傷ついた男たちを相手にするようになります。

さらに、元々Fさんが罪悪感が強い女性であったならば、彼を通じて自分を罰してる、とも解釈が可能です。

自分は穢れた女である。
自分は人を傷つける悪い女だ。

なぜか知らんけどそんな罪悪感を心の中に抱え込んでいたら、やっぱり自分を牢屋にぶち込んで罰しなければいけないわけです。

だから、こじらせたほうがいいし、殴られるのも当然だし、なんならもっとひどい罰を求めるようになったりします。

その相手として彼が選ばれた、とする解釈です。

だから、この元々Fさんの中にあった罪悪感を浄化してあげることが最初の1手になるものです。

「いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本」(ディスカバー21)
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*心理学講座動画:『罪悪感と癒着の心理』
光の瞑想~疲れや罪悪感などを癒すイメージワーク~

罪悪感があるなら無価値感もあるわけで、その角度から見れば「あたしなんてたいした価値のない女だ。だから、キレて女を殴るような男くらいしか、あたしのことなんて相手してくれない」というマインドが作り出すものです。

女性としての魅力に全く自信が持てない。
全然モテ期を経験したことがなく、自分には価値がないと思い込んでいる。

そんな方々が陥る罠です。

だとすれば、やはりこの無価値感を癒していくことが先手になりますね。

*セミナー動画「無価値感を癒して今の自分に自信を持つためのワークショップ」
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/45220

つまり、別れたいのに別れられないのは別れないだけの理由や目的がある、という風に考え、それが罪悪感だの無価値感だの癒し人の才能だのってところにつながるわけですけれど、当然ながらこれは潜在意識の中にあり、なかなか自分でも気づきにくいところがあります。

そして、さらに気付きにくい理由のひとつに「性的依存」というマインドがあります。

これは私がセッションを重ねるうちに気付いたマインドで、意外と言えるほど多い心理なので、はじめは私も信じられませんでした。

つまり、彼との性的関係に依存している、という状態です。

これ、相性がいいなら分かるんですけど、それはあまり関係ないようです。
また、ちゃんとしたセックスに限らず、オーラルセックスだけの関係、あるいは、アブノーマルなセックスで、決して望んでいるわけではないのだけど、その性的な刺激に沼ってる、て状態もあります。

さらに、ちゃんと愛されていないことからかえって潜在的欲求を高めてしまっているケースもあるものです。

そして、こうした性的関係を通じて自分を罰している、ということで罪悪感につながったり、こんな価値のない女は抱いてもらえるだけでもありがたいと思わなきゃ、と無価値感とつながることもあります。

この性的関係を通じて自分を傷つけるという目的は案外多くの女性が使っている手でもありますね。

・・・が、テーマがテーマだけに自分でも認められないことが多く、これに気付いた女性ははじめ自分自身に幻滅しちゃうことが多いのです。

ときにそこから古い性的トラウマが蘇ってきたり、性の目覚めが早かったことを思い出したりして、意外とルーツは過去にさかのぼることも多いものです。

だから、セクシャリティの問題についても深掘りしていくのもアリかと思います。

そんな風に「なぜそうなっちまうんだ?」という点を掘り下げて、その根っこから改善していくことを目的とするので、根掘り葉掘りいろんなお話を伺っていくんです。

そうすると辻褄の合うストーリーが見えてくるので、じゃあ、そのルーツを変えちゃいましょ!という方針でセッションを進めているのです。

特に分かってるのにできないこととか、繰り返し起こるパターンとか、意識レベルでは解決しない問題は心を掘り下げていった方が良いわけで、それが人生を変えるきっかけになることも非常に多いのです。

ま、個人セッションもありますし(←意外と予約が取りやすいと評判です!)、一番のお勧めはリトリートセミナーなので、機会があればぜひご利用くださいませ。

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