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幼少期に欲しかった愛情がほとんど得られなかったとすると、それを満たす(解放する)ために性的な関係を強く求めるようになるケースもとても多いのです。
だから、恋愛の相談をしにきたのに実際は親子関係をネチネチと掘り下げられることが多くなるんです。
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結婚15年目、子どもなしの40代女性です。
ブログではあるあるかと思いますが、ネタにしていただければと思い投稿します。
結婚後すぐに2歳年下の彼氏ができました。
当時は若かったこともありお互い本気になって一時期は夫と別居、彼と一緒になることも考えましたが、次第に彼への執着が辛くなり、近寄ったり離れたりしながら10年近く経ち完全にお別れしました。
彼と関係を続けている間、自分の執着が異常だと気付いたことや職場の人間関係にも悩んでいたので、数年前に認知行動療法のカウンセリングに通っていました。今ではだいぶ気持ちが楽に自分を取り戻して生きやすくなっていると感じています。
そんな中、彼氏ときっぱりお別れした途端に今度は7歳年下の男性と仕事を通じて知り合いました。
正直にいうと過去に大変な修羅場があったにも関わらず、私は夫以外の男性と関係を持つことにあまり罪悪感を感じていません。夫への愛情はありますが、長期間セックスレス、レスが解消したあとも性欲が少なくあまり興味もないという夫とのセックスには不満があり、他所でうまく解消したいと思ってしまいます。
7歳年下の彼にはパートナーがいます。お互いに惹かれあっているのは態度で明らかだったので、私から誘って関係を持ちましたが、その後すぐ彼の態度がよそよそしくなりました。
彼曰く「どうやって距離を取ればいいのかわからなくなった」とのことで、身体は反応しているのに拒否される、という状態。私も自分をコントロールできず一度距離を置きました。
これまでのことを整理すると、私は誰かを好きになるという気持ちとは別に、そんな相手から性的に強く求められる、ということに執着しているのかもと気付きました。
強い気持ちを持つ相手とセックスしてお互いに少々傷ついてもいいくらいの欲望があるのですが、これからそういう相手と出会えるのか、それともうまく解消できる他のやり方はあるのか、と考えています。
そして一方で、夫と日々楽しく過ごしながら、秘密を抱えていることに少し罪悪感を感じます。夫は私の親みたいなもので、私は夫の愛情に甘えながら他に刺激を求めているんだなと。でも今はそれを禁じたくありません。
家族のことを話しますと、私が思春期の頃に長年鬱だった父親とそれを支える干渉的な母親、私は長女で弟がいます。カウンセリングに通いながら母との癒着を断つべく奮闘して、適宜距離は置きつつ、今は家族と概ね関係良好です。子どもの頃は性的なことに潔癖だった母親に「女であること」を強く抑圧された覚えがあります。
(Mさん)
お察しのようにあるあるなお話なのですけれど、形は似ていても中身はすべて異なるものですねー。
だから、杓子定規に収まるものでもなく、あれこれお話していくうちにそれぞれが別々の方向の話に向かうものです。
さて、2、3個ほど気になるポイントがありまして、その辺は機会がありましたら詳しく見ていきたいと思いました。
>子どもの頃は性的なことに潔癖だった母親に「女であること」を強く抑圧された覚えがあります。
こういうケースって日本ではかなり多くて、心当たりがある方も少なくないんじゃないかなあ?と思うんですね。
性的なものを抑圧することはもちろんなのですが、「女であること」まで否定されると精神的に不安定になりやすいものなのです。
分かりやすく言えば、母親との関係において「女」を否定されれば、表で「女」であることはタブーになりますよね?となると、「女」を感じるにはアンダーグラウンドが必要になるわけでして、表である夫とはレスになり、浮気相手である彼の前で思う存分女になることは必然なのだろうと思います。
そういう場合、社会的というか仕事的にはけっこう成功するというか、頼りにされるポジションに立つことも多いのですが(男性性が発達しますからね)、一方で、女としてのよりどころをアンダーグラウンドに求めている状態から罪悪感が募り、やはりメンタルが不安定になりやすくなります。
なので、その間を取り持つ「夫」というのは優しくて穏やかで寛容な人である必要があり、そうすると夫の前では「少女」「娘」になるわけですね。
そりゃあ、少女にセックスはありえませんから「ちょうど良い相手」となるわけですし、パートナーと言うよりも親子みたいな関係であれば、夫と別れることなんて想像することはできないでしょう。
さて、元々セクシャリティが強いにも関わらず、それを母親から抑圧されたとなれば、より欲求は高まるものでして、Mさんの頭の中が性的なものに支配されたとしても不思議なことではありません。
ただ、Mさんの状態を見るに他にも要因がありそうだなあ?というところでして、
>そんな相手から性的に強く求められる、ということに執着しているのかもと気付きました。
という一文から分かるように、「性的に強く求められる」ということがMさんにとってどのような心理背景に繋がるのかが大変興味深いところです。
>お互いに少々傷ついてもいいくらいの欲望がある
というくらいの強い情動をお持ちなわけですから、そこにどんな心理があるのかがすごく気になるわけです。
こうした強い性的欲求を生み出す背景には、幼少期の愛情不足(スキンシップ不足)が影響していることも珍しくないものです。
例えば、かつて「自分は異常な性欲があり、セックスに執着をしてしまう」というテーマでカウンセリングに来られた方は、両親が家業に忙しく、また、従業員も寝泊まりする家庭で育っていました。
弟妹もいて、母親はそちらにかかりっきりになりますから、彼女はお姉ちゃんとして半ば放置されていて、彼女の面倒は日替わりで手の空いている従業員や祖母が見てくれる状態だったそうです。
つまり、人は周りにたくさんいるけれど彼女に居場所はなく、常に孤独感を抱えながら育ったわけで、実に早く自立しました。
だから、彼女にとっては「誰かに強く求められる、必要とされる」ということがとても大切で、ゆえにそういう男性にはすぐなびいてしまいますし、セックスによって男性が自分に夢中になる(セックスしている間は自分を強く求めてくれる、自分だけを見てくれる)ことを体感してからはそこに依存するようになったわけです。
ちなみにそういうキャラですから、もれなくハードワーカーでして、必要とされる仕事をすべて引き受けているうちに昼も夜も働き続けていらっしゃいました。
なので、彼女の内側にある強烈な孤独感とか無価値感とかを癒していくことにエネルギーを向けて行ったところ、彼女は絶対嫌だった家業を継ぐ気になり、そのタイミングで以前から仲良くしていた友人と結婚することになりました。
という風な事例を挙げたのも
>思春期の頃に長年鬱だった父親とそれを支える干渉的な母親、私は長女で弟がいます。
という一文が引っ掛かったためですね。
お父さんは思春期の頃だけ鬱だったのか、それ以前からその兆候があったのか、母の過干渉がどれくらいのものなのか、弟との関係はどうだったのかなどが気になるわけです。
例えば、お父さんのことが大好きだったけど、お父さんには甘えることができなかった、スキンシップもほとんどなかった、としましょう。
そうすると甘えることもスキンシップも我慢に我慢を重ねることになり、その欲求は潜在意識に溜まっていきますね。
そして、それを大人になって満たそうとしたら、恋をするのが一番です。
その上で、大好きな人に甘えたり、スキンシップをしたりして、ずっと溜まっていた欲求を解放しようとするでしょう。
しかし、大人になればただ抱っこされるだけでコトが済むことはほとんどありませんから、セックスが必須になります。そうすると自分がずっと我慢して抱えてきた欲求がセックスによって満たされることを覚えるわけです。
けれど、欲求というのは厄介なもので1回満たされたらそれで十分とはなりません。
しばらく経てばまた欲しくなるんです。
みなさんもランチを食べてもディナーの頃には食欲が回復してるでしょう?
だから、そうするとセックスが非常に特別なものとなり、強い情動を感じるものになるのです。
そういう意味で本当に欲しいものは性的な体験なのか、それとも別のものなのか、というのはカウンセリングの軸になるところです。
さらっと簡単に説明していますが、それくらい幼少期は強い愛情を求めているわけです。
それはお子さんを育てていらっしゃる方ならよく分かると思います。
「ウザいほどに愛情を求められて辟易する」というお母さんだっているわけですしねー。
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さて、ここまで夫の話も、歴代の彼氏の話もほとんど出てこないのは私のカウンセリングあるあるでございまして、「いやー、それは現象だからさー。それを作り出してる心理を見ていく方が重要だと思うんだよねー」というのがその理由です。
「夫もいるけど彼氏もいる問題」の場合、クライアントさまは彼氏との関係についてあれこれ聞きたいにも関わらず、「そこは本筋じゃないから」とほとんど触れないんですよねー。失礼ですよねえ。笑
そうして気持ちとは裏腹にそれを「枝葉の問題」として扱い、「根っこの問題は別」として見ていくのが私のアプローチです。
という点から見ていきますと、
>これからそういう相手と出会えるのか、それともうまく解消できる他のやり方はあるのか、と考えています。
ここがこれから先を考える上で大切なポイントでして、おそらく、「そういう相手」を求めるとすればどんどん年下の男性に変わっていくと思います。
Mさんの、
>強い気持ちを持つ相手とセックスしてお互いに少々傷ついてもいいくらいの欲望がある
と同等の欲望を持つ男性というのは同世代以上では非常にレアキャラでしょう。
仕事もあれば家庭もあるという方ならなおさらですし、男女関係にそこまで情熱を上げたり、性欲が旺盛な同世代以上の男性というのは少ないものです。
ただ、Mさんが父・母・弟との関係、またはここでは出てきていませんが思春期の頃の人間関係などと向き合い続けて行った場合、その欲望にも変化は出てくるだろうと思います。
どちらにせよ、元々Mさんが強いエネルギーを持っていることは言うまでもありませんので、そのエネルギーをうまく使いこなせるように、すなわち、平和利用できるようにチャレンジしていくことは可能だろうと思います。
それで「夫もいるけど彼氏もいる問題」の行く末は「ライフワークを生きるぜ!」という方向性になることが多いものです。
幼少期の抑圧を解放していくと非常にクリエイティブな才能が開花することも多いですし、そのエネルギーを誰かに与えたい!という情熱からビジネスを展開していく人も多いです。
Mさんはすでに何年もカウンセリングを受けられているとのことですから、そうした方向性も少し見えてきてるかもしれませんね。
母親との関係が以前に比べて楽になり、生きやすくなった分だけ明るい未来も描けているんじゃないでしょうか。
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つまり、「強く求められること」が必要なのはなぜなのか?「セックス」を通じてMさんが得ている感情は何なのか?それくらい激しい欲望を持つに至った経緯は何なのか?というところをまずは明らかにしていくことから始めましょうか。
もし、それが明らかであるというならば、そのエネルギーを「罪悪感」のない方向に使っていくならばどう生きるのがベストなのかを考えていきたいものです。
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