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最近流行ってるのかなあ?というこのテーマですけれど、お陰様で色々と研究をさせていただきまして(笑)その背景についてだいぶ理解が深まりました。
今日は総括ではないですが、この問題に至る心理をつらつらと挙げまして、理解に役立てていただければと思います。
ゴールは「あたしにとっての幸せな人生ってなんやねん!」です。
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が、ご想像のとおり、はい。彼がいます。彼も既婚者で子供なし。付き合って一年。8歳年上です。
彼は野良猫男子だと思います。出会った時から惹かれあいお付き合いが始まりましたがすぐ距離とゆうか攻撃にも似た質問責め。
いつ捨てられるのか。他に彼氏がいるだろ。モテるしどーせ俺の事なんて飽きてしまう。これ以上ハマったら傷つけられる。等々すごかったです。が、私は彼の事が大好きで愛そうと決めていたので一つ一つ向き合い喧嘩もしましたがどうにか抱えている弱さも私に見せてくれるようになりました。
そしてずっといい感じだったのですが、最近早く一緒になりたい。もう待てない。など言われ、将来的に私も主人と別れ一緒になりたいと思っていますが2,3年時間がほしいと伝えています。
が、彼はなんだかんだと理由をつけて逃げてるようにみえる。虚しくなる。など悩んでいます。
とにかく私に今すぐ行動をしてほしいみたいでその為に、もう無理なら別れないとね。とか意味がない。とか離婚したら連絡して。など色々と言ってきます。
気持ちはわかるし、受け止めてはいますが家族の事もあるので早くても2,3年が精一杯かな。と思っています。(経済的にも私の仕事、自立することも含め。)
家族への私の罪悪感もたくさんあります。急にドラマの様に全てを捨てて走っていけない自分がいるのも事実です。
どう彼に対処すればよいかアドバイスいただければすごく助かります。
(Rさん)
相変わらず「夫もいるけど彼氏もいる」というネタがカウンセリングでも多いわけですけれど、世間ではそれくらい流行してるんでしょうか?笑
そういうケースの基本的な見方はちょっとあとでお話しするとして、Rさんをカウンセリングするとしたら、まずは「その彼のどこがいいの?」とお聞きしてみたいですね。
そして「そういうメンタルが弱い男性が好きなの?助けたいの?なんでなん?」という感じで質問攻めにしちゃうかもしれません。(RさんがドMで言葉攻めが好きな方だったらきっと喜んでいただけるかもしれません!笑)
他にも「なんで彼はそんな焦ってるの?Rさんの事情を汲み取れないほど余裕がないの?元々彼は自分のことしか考えられないタイプなの?」等々。
つまり、離婚してでも彼の元に走りたい理由って何だろう?ということを知りたいのですね。
さて、「夫もいるけど彼氏もいる問題」というケースを見ていく場合、「なぜ彼がいいのか?」という理由がとても大切でして、でも、その理由ってのは自覚しているものとそうでないものがあるものです。
そして、多くの場合、自覚していない理由ってのがかなり重要な意味を持つんですね。
それで離婚ができるかどうか、彼と別れられるかどうかってのが決まってきます。
なので、こうしたテーマの最重要人物ってのは彼ではなく夫です。
そこと向き合うのはイヤかもしれませんが、でも、「夫がいることで彼の存在が成り立っている」ので、カウンセリングの時くらいはそこに目を向けてみることをお勧めするんです。
ふつう「夫もいるけど彼がいる」という場合、世間では「夫が問題児」で、女、酒、お金、仕事、モラハラ、セクハラ等々、問題を起こすので、そこから逃げるために男とを作るって考えやすいものですが、そういう場合もありますが私の扱うケースではむしろRさんのようなパターンが一般的ですね。
すなわち、
>主人はよく働いて優しくていいパパで家事をこなし私を変わらず愛しつづけていてくれています。
という状態で、一見、仲の良い家族だし、幸せそうな家族、、、なんだけど、なぜかそこに不満を抱え、目を外に向けるんですね。
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よくあるケースとしては「夫に男を感じない→男を感じる人を彼にする」という場合です。
これは心理的に見れば夫を「パパ」もしくは「兄」として見ていて、しかも、単なるパパではなく「理想のパパ」であることが多く、奥さんの実父との関係性に何か問題があるのでは?という風に話を展開していきます。
実父(もしくは実母のケースもある)に対して満たされていない感情があり、それを夫がうまく満たしてくれたんですが、夫がパパになっちゃったものですから、女の自分が男を求めて彼氏を作る、というわけです。
これ、優しくてイクメンなパパが多い現代ではとてもよくある事例だと思います。
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また、似たような状況ですが「刺激」を外に求めることもよくあるケースです。
夫が優しい、穏やか、メンタルが安定している、家事ができる、子育ても楽しんでる、という状態ですと、平和な日々ですが、武闘派女子としては少々退屈を覚えることになります。
それで刺激を外に求めるようになるんですが、当然ながら刺激を求めるってことは一筋縄ではいかない男の方がいいわけで、「家庭が安定しているほど、不安定な彼氏を持つ」という流れになるものです。
そうして退屈を紛らわせているんですよね。
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で、これら2つのケースでは、夫は何も悪くないし、むしろめっちゃいい人だし、子どももパパにすごくなついているし、何なら私も夫をパパとして見ているし、という状態なので、なかなか離婚までは至らないことが多いです。
どれだけ彼のことが好きだとしても、それは心理的に見ると「中高生に彼氏ができた状態」みたいな感じなので、実家と縁を切って彼と一緒になる、という決断はなかなか難しいのですね。
これは奥さんの恋愛経験や成熟性にもよるのですが、「思春期を迎えた娘に大好きな彼ができた」という状態になりやすいってことです。
だから、離婚を考えるし、自分でもそうしたいと思うんですけど、なかなか踏み出せないのです。
もちろん、そこでは夫を捨てる罪悪感もてんこ盛りですしね。
なので、ここでは奥さんの大人の女性としての成熟性に着目していくことも多いです。
カウンセリングでも「イチゴのパンツをやめてそろそろ大人っぽいパンツを履く時期だと思うんだけどなあ」などとお話しするわけですね。
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さて、これらのケースはまだ分かりやすい部類に入るのですが、ここからは少しディープな領域に入っていきます。
これも起点は夫婦関係にあるんですけれど、夫があまりに素晴らしい人、夫があまりに良くできた人な場合、奥さんとしては「無価値感」や「罪悪感」を強く覚えます。
奥さん側も自立してるので夫との競争心が少なからずありまして、そうすると「こんな素晴らしい夫がいる」ということ自体が惨めさにつながり、無力感を生み出し、「幸せなはずなのに、心は沈む」という状態になります。
つまり、良くできた夫と一緒にいることで自分の自信のなさがどんどん顕著に表れるようになって辛くなっていくんですね。
「あたしなんていなくてもいいのかも」
「子どもたちはあたしよりも夫の方がいいと思ってる」
「あたしはこの家に必要ないのでは?」
みたいな思いを抱えるようになるんですけど、そんないい夫に対してそんな思いを抱いていることに嫌悪する自分もいるので、ますますそこから目を背けたくなるのですね。
そんなとき目の前を助けが必要な、支えてあげたくなるような、そんな男が通りかかったら、思わず手が出ちゃうんです。
その彼と一緒にいることで「自分は必要とされている」とか「自分が役に立っている」とか「自分が求められている」という感覚が得られます。
こうしたケースは元々自立的で役に立ちたい思いが強い長女気質の人がハマりやすいのです(なので夫とも競争するんですけどね)。
で、そうするとじゃあ、その無価値感や罪悪感、無力感、競争心という感情って夫といるときに生まれたの?違うよね?ということで、そこから話を掘り下げていくことになります。
家族の中であなたはどんな役割を担ってきたの?
助けられない人とかいた?
あるいは、ずっとお母さんとかの世話をしてきたの?
子どもの頃、甘えられなかったよね?それはなぜ?妹に取られたの?親に余裕がなかったの?
頑張って親を助けて来たけど、それが不十分だと感じてる?
あるいは、子どもの頃からずっと居場所がなかった?頑張ってるのに誰からも認められなかったの?
罪悪感や無価値感のルーツを探るうちに家族だけでなく、クライアントさんの様々な思いが浮かび上がってきます。
親のために頑張ったのに親はいつも兄ばかり評価していた、とか、すごく恵まれた環境で育ったのに学校では友達ができなくて寂しい思いをしていた、とか、思春期くらいから自己嫌悪がすごく強くて自分を傷つけることばかりしていた、とか。
そうした過去の感情が今の夫と彼との関係につながってるとは意外かもしれませんが、そうすると「なぜ夫との間で幸せを感じられないか?なぜ彼という存在が必要なのか?」が明確に分かってくるものです。
結局、夫の問題でも彼の問題でもなく、他ならぬ自分自身の問題ですから。
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さて、自立系武闘派女子な妻が平和な家庭に退屈を覚えて刺激物を求める裏には、罪悪感という感情が強く影響していることもあるものです。
先ほどのケースとかぶる点もありますが、この罪悪感ってやつはなかなか厄介な感情なので、独立して扱った方が良いんです。
親を助けられなかった罪悪感があれば、常に助けを必要とする男を求めるようになります。
また自分が外見・頭・運動能力・家柄等々で恵まれている環境にあった場合、「恵まれていることへの罪悪感」というのを持つことが少なくありません。
先日、こんな記事を書きましたが、根っこにある罪悪感はこういう行動だって起こさせるって一例です。
*生活費には困っていないのに万引きがやめられない理由~罪悪感とその才能について~
*このネタ元のSさんが感想も送ってくださいました。
例えば、奥さんが何らかの罪悪感を持っている場合、「穏やかで平和で落ち着いた幸せな家庭」を望む一方で、それを自分に許せない自分が現れます。
罪悪感って自分を傷つける自己破壊的な行動を起こさせるものですから、そうするとそんな家庭とは反対の「幸せになれない相手」を求めるようになるものです。
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それ以外のメジャーな理由としては「親密感への怖れ」という問題も避けて通れません。
自分の生まれ育った家族にけっこうなトラウマを持つ場合、「幸せな家族」というのは喉から手が出るほど欲しかったもののはずです。
しかし、いざ自分が家族を手に入れてみると、潜在意識に潜んでいた幼少期の息苦しさが蘇ってきて、家族といることがなぜか苦しくなってくるんです。
そうすると家族からとにかく逃げたくなり、彼氏を作ることになります。
彼氏くらいの距離だったらいいんです。
しかも相手にも家庭があったらなお距離が取れるからいいんです。
さらにその相手が野良猫君タイプだったら、相手も親密感への怖れが強いですから、とても都合が良いのです。
この親密感への怖れが家族から逃避させる事例ってのは案外多くありまして、やはり幼少期の家族関係を見つめ直すだけでなく、セクシャリティの問題も同時に扱っていくことが少なくないものです。
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それから何らかの習慣的なものに目を向けることもあります。
子どもの頃から孤独で寂しさを満載している人は、その状況が嫌なんだけど寂しい状況に慣れている分だけ、孤独になることを求めてしまう傾向があります。
家族が安定し、居場所らしき存在になって来るにつれてそれが苦しくなり、孤独になることを選ぼうとしてしまうわけです。
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さらに、結婚生活の中で「自立」が進んできた場合、家から自立して出て行きたい気持ちになることもあります。
結婚当初は夫に甘える依存型の妻だったのが、子どもを産み、育て、だんだん自立していくと、家に居づらくなるんですね。
それは子ども時代の成長をなぞっているようなもので、思春期くらいに「早く家を出て独立したい」と願う心理が、夫婦関係にも訪れるんです。
その頃には恋だってしたいわけですし、「家を出る一番簡単な方法は男と結婚することだ」という方針に従うような感じですね。
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また、「ずっといい子ちゃんの優等生をしてきた人がその生き方に苦しくなって悪い子ちゃんになる!」というケースもあります。
子ども時代も手のかからないいい子、学校では優等生、社会人としても優秀な社員、そして、結婚してからは理想的な良い妻、良い母。
そんな生き方に疲れるというか嫌気がさすというか、苦しくてしょうがなくなって逃げたくなるんです。
その先は酒でも仕事でもギャンブルでもいいんですが、手っ取り早く男(しかもダメンズ系)に手を出すってことでこの問題が生まれます。
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そんな風に細かく見て行けばもっとケースがあると思いますが、「夫もいるけど彼もいる問題」をあれこれ研究せざるを得ない(!?)筆者としては、そうした様々な心理の存在を教えてもらったわけですね。
そして、ここに紹介したケースがたった一つだけ当てはまるというよりも、いくつかの要因が混ざり合って問題につながっているんですね。
だから「なんか全部当てはまる気がする」という方も珍しくないかと思います。
ということで、Rさんの話に戻るわけですが、ここまで読まれてきてどこか自分に刺さった箇所はありますでしょうか?
つまり、彼との関係を何とかしたいと思ってらっしゃるのですが、そこを何とかするためには、夫、そして、その背景にある心理に触れておかないと何も言えないのですね。
彼の問題でも、夫の問題でもなく、自分自身の問題ですから。
そのとっかかりとして「なぜ自分は彼を必要としているのか?」という理由を解決しておく必要があるんですね。
そして、今のRさんの状態だと、彼の言葉に振り回されてるような段階ですし、少々自分を見失いがちなのかもしれません。
好きな気持ちはいいんですけれど、地に足が着いてないのでどんな選択をしてもきっと後悔されることと思います。
だから、ここはじっくり自分と向き合い、なぜこのような状況になったのか?を理解し、何か癒すべき問題があるならそっちに目を向け、その上で「自分らしい幸せとは何か?」を考えていくことが私からの提案です。
それまでは彼がにゃーにゃーうるさく言って来ても「はいはい。」って受け流しつつ、時間稼ぎをしておくのが良いと思います。
「あたしが本当に欲しいものは何だろう?あたしはどんな人生を生きたいのだろう?」
その視点に立って今の問題を見つめてみることをお勧めしたいものです。
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*心理学講座動画:『罪悪感と癒着の心理』
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