生活費には困っていないのに万引きがやめられない理由~罪悪感とその才能について~



生活に困っていないのに万引きを繰り返したり、満たされているのに浮気をしたり、やめればいいのになぜそんなことをしてしまうのだろう?という心理を掘り下げます。
罪悪感という感情がカギで、その感情の特性を理解することは大いに意味のあることだと思うんです。

いつもすごい情報をありがとうございます。
はじめまして、Sと申します。よろしくお願いします。
モラハラな父と被害者意識の塊の母、私、妹、優しい祖母(父方)の家庭で育った典型的な長女です。両親揃って厳しく私も妹も実家で楽しかった記憶が一切ない状態です。

私は小1の頃から父や母の財布からお金を盗っていました。
見つかっては怒られ叩かれ、小4の時は父から蹴り飛ばされました。殺されるかと思いました。
その癖は大人になっても無くならなくて、職場のレジからお金を盗っていました。盗ったお金で何か欲しいわけでもなくて当時の彼氏にひたすら貢いで・・・・お金が切れたら暴力を振るわれて怖かったのと、捨てられたくなくて必死で・・・・。
その後妊娠を機にその彼と結婚しました。職場を辞めて盗ることが無くなってホッとしたのを覚えています。
でも今度は万引きをしてしまいました。あまり覚えてないのですが確か出産後彼の浮気複数とDVがひどくなって、多分その頃から食材と子供服を万引きしたような気がします。
子供にも暴力を振るうようになったので離婚して、その後優しい方と再婚しましたが優しくされればされるほど嫌になり、再婚後出産してからはセックスレス(10年以上)です。
再婚してからも万引きしていました。生活費には困らないのに毎日食材を盗っていました。
それが何のきっかけか思い出せないのですが8年前に止めることが出来たんです。ある日からピタッと。10代の頃からしていた過食嘔吐も同じくらいに止まりました。それから今日までどちらも再発しておりません。
今年の1月に根本さんのブログと出会ってから、やたらとお金を盗んでいた事と万引きの事を思い出すんです。またしょっちゅう「死んでもいいかなぁ」とぼんやり思ったりします。
でも多分、今は、これまで生きてきた中で一番穏やかに過ごせているんです。
これは根本さんのお蔭です。ブログを拝読してから色んな取り組みをして随分と思考が明るくなりました。
本当にありがとうございます。

私がこれまでやってきた事に対してどのように意識を持てばよいのか教えて頂けないでしょうか。
どうか宜しくお願い致します。
※3歳の頃にオナニーが見つかり母から凄まじい折檻を受けた記憶があります。歴代の不倫相手3名のセックスはそれぞれ気持ちはいいけど皆様クンニしてくれません。今夫は執拗にしたがっていました。
(Sさん)

今日のお話は正義感が強い方やお店を経営されてる方にとっては気分のよくない内容かもしれませんが、人の深い心理を知る上ではたいへん深い意味を持ったケースですので、少しでも興味を持っていただけるとありがたいです。

さて、こういうお話を伺うとSさんってめちゃくちゃエネルギーが強くて(セクシャリティが強くて、と同義)、才能豊かな人なんだよなあ、と思っちゃうのって職業病ですかね?笑

万引きとかお金を取るってもちろん犯罪なんですけど、カウンセラーというか心理学って「罪を憎んで人を憎まず」というのが原則でして、「なんでそういうことをしちゃうんだろうね?」という視点で物事を見て行きます。

※ちなみにカウンセラーって守秘義務があるのでカウンセリング中に犯罪を告白されても通報義務はありません。(一部例外あり)

さて、犯罪心理学につながる領域かと思いますが、Sさんの内側を掘り下げて行きたいと思います。

例えば、「お金にまったく困っていないお金持ちの主婦が万引きを繰り返す」というメジャーな事例があります。

日常が退屈で刺激が欲しかった、という理由が語られることが多いのですが、「じゃあ、刺激ってほかにもいろいろあるのになんで犯罪を選んじゃうの?」という疑問も付きまとうと思います。

また、犯罪ではないんですけど「彼氏で十分満足しているし、体の相性も抜群で不満は何もないはずなのに、体目的で男と合っちゃう」というケースも私のカウンセリングではけっこうメジャーな部類に入ります。

心理的には「満たされている、けれど、悪いことしちゃう」というという点で共通していますね。

そして、誰もがこの心理を持っていて、そのカギを握るのが「罪悪感」という感情です。

罪悪感という感情は「罪で罪を重ねる」という習性があると同時に、「非常に刺激的な感情」です。

アルコール、ギャンブル、セックス、買い物などの依存症も罪悪感が大きな作用を果たしていて、この罪悪感の2つの特徴を完璧に満たす案件です。

そうすると「満たされているけど悪いことしちゃう」という心理を読み解けば、「満たされていることに対してなぜか罪悪感があり、その感情が悪い行動を引き起こす」ということになります。

ということは「なぜ満たされていることに罪悪感を覚えるの?」というのが次の疑問になるわけですが、そこで出てくるのが「あたしは幸せになる資格なんてない」という思い込みを作っている「罪悪感」です。

罪悪感が2回出てくるからややこしいですよね。笑

例えば、親子関係で、例えば、かつての恋人との関係で、「自分は幸せになってはいけない」という罪悪感を持つ体験があったのでしょう。

そんな自分が「パートナーから愛され、満たされる」なんて幸せな状況になることなんて許せないんです。

だから、「お前は悪い奴なんだ、幸せになる資格なんてないんだ」という思いを持つに至り、今の満たされた幸せを壊すようなことをしてしまいます。

そして、万引きしたり、浮気したりすればさらなる罪悪感が生まれますよね。

そうして元々根っこにあった「自分は幸せになってはいけない」という罪悪感をさらに強化することになり、また同じことを繰り返していく悪循環にハマっていきます。

つまり、「罪悪感が元々あり、その罪悪感が自らをさらに強化するために、罪悪感を感じるようなできごとを引き起こす」わけです。

これ、万引きとか浮気とかじゃなくても、ついやっちゃうことって誰でもあると思うんですよね。

罪悪感が自分を傷つける方向に動けば、アルコールを呑み過ぎたり、ハードワークをしたり、体に悪いものを取り過ぎたり、一緒にいても楽しくない人と時間を過ごしたり、なども同じことです。

そうなるとカウンセラーってのは「じゃあ、そもそも自分は幸せになってはいけない、という思い込みが生まれたルーツを癒しましょうね」という方向で話を見て行きます。

根っこを癒せば現実が変わるわけですから。

ということで、Sさんのお話とは直接関係がない話をジャブとして突っ込んだのは「罪悪感って感情が万引きを引き起こしているんだよね」ということをまずは理解していただきたかったからです。

そして、ここからのお話は「なぜ、私は幸せになってはいけない、という思いが生まれたのか?」というルーツを探っていくことになります。

いくつか条件をSさんの話からピックアップしていきたいと思います。

・モラハラな父と被害者意識の塊の母
・お金を盗って見つかっては怒られ叩かれ、小4の時は父から蹴り飛ばされました。
・3歳の頃にオナニーが見つかり母から凄まじい折檻を受けた記憶があります。

ちょっと話が飛びますが、現代もモラハラな夫・妻というのは存在しておりまして、「子どもに対する夫の態度がひどい」という相談を頂くことも珍しくありません。
なので、子育て中の方にも子どもの将来に対してとても重要ですのでぜひお読みいただければと思ってます。

Sさんは子どもの頃から「死ぬんじゃないか」と思うくらいの折檻、すなわち虐待を受けて来られました。

そのときSさんの心の中に生まれたのは「お父さん、お母さんを怒らせる自分は悪い子だ」という思いであり、これが罪悪感です。

そこからSさんの中にはずっとこんな“観念”(思い込み)があるんじゃないかと思います。

「私は生まれてきてはいけない存在なんだ。私はすごく悪い存在で、居ない方がいいんだ。私は人に迷惑をかける存在だ。」

そして、その罪悪感が存在し続けるために「悪いこと」が必要になってくるのです。

すなわち、「自分は悪い奴であり、罰せられるべきである」という罪悪感を証明するために、「お金を盗ること」であり、「万引き」であり、「不倫」だったりを必要とするのです。

その罪悪感をベースに考えれば、「浮気とDVを繰り返す彼」と一緒になるのも理解ができますし、

>優しい方と再婚しましたが優しくされればされるほど嫌になり、再婚後出産してからはセックスレス(10年以上)です。

という現象もたいへん理解ができますし、

>歴代の不倫相手3名のセックスはそれぞれ気持ちはいいけど皆様クンニしてくれません。今夫は執拗にしたがっていました。

という話も辻褄が合ってきますよね。

「私は罪な存在で罰せられる悪い奴だ」という思いがあれば、優しくされることを自分に許しませんし、自分が気持ちよくなることもクンニしてもらうことも許せませんもの。

ところがその今のご主人に救われたんですよね。

>それが何のきっかけか思い出せないのですが8年前に止めることが出来たんです。
>10代の頃からしていた過食嘔吐も同じくらいに止まりました。

例えSさんが彼の愛を拒否したところで、彼はその愛を贈り続けてくれたみたいです。
そして、拒否したとしてもその優しさの一部を受け取らざるを得なかったSさんはその罪悪感が癒されていったのでしょう。

「過食嘔吐」という現象は心理的に見れば「愛に飢えてるマインド」を表しますから、彼の愛によって満たされたSさんがいらっしゃるんだろうと思います。

また、ここには書かれていませんが、お子さんの存在も癒しに一役買っているようにも思います。

とはいえ、すべてが癒されたわけではありません。
“万引きをするほどではないにせよ”まだまだ罪悪感はあるんだろうと思いますが、ま、これは皆さん持ってらっしゃるものですね。

さて、そんな中、

>今年の1月に根本さんのブログと出会ってから、やたらとお金を盗んでいた事と万引きの事を思い出すんです。またしょっちゅう「死んでもいいかなぁ」とぼんやり思ったりします。

ということが起きているわけですけれど、これにはこんな解釈を付けることができます。

「万引きとお金を盗んでいたことが「過去」になったので、向き合えるようになった。また、罪悪感が癒された分だけ自分を罰する時間が浮いてヒマになったので、死んでもいいかなぁ、などと思うようになった。」

もし、Sさんが現在進行形で自分を罰しているとするならば、自分を罰するための新たなネタ作りに忙しいはずです。過去のことを思い出すヒマがあれば、必要がないものを盗ってきた方が罪悪感を刺激するから都合が良いわけです。

でも、罪悪感が癒された分だけ、もう自分を過剰に傷つけ、罪悪感を重ねる意欲が失われるので、そうしたできごとがピタッとやんで「過去」になっていきます。

そして、この魑魅魍魎が跋扈するブログに出会い、口を開けば「自分と向き合え~♪」と呪いの言葉を目にするわけですが、「過去」になった分だけその過去と向き合うことができるようになったわけです。

なのでけっこう思い出すんじゃないですかねー。

そして、「死んでもいいなぁ」という思いについては罪悪感の名残かね?という見方もできるんですけど、ヒマになったからかなあ?という見方もできそうです。

「死んでもいいなあ」がどんなニュアンスなのかによるんですけれど、「特にやることもねえなあ」という感じだったりするなら、このヒマ説は有力です。

罪悪感に限らず自己嫌悪が癒された人たちが体験することの一つに「ヒマ」があります。
それまで膨大な時間を自分を責めることに費やしていたので、癒されて罪悪感なり自己嫌悪なりが少なくなると、その分だけヒマになります。

ところが、長年自分を責めることが一番やりたいこと(?)だったので、それがなくなってしまうと「何をしていいのか分からん」ということになります。

なので自己肯定感があがって自己嫌悪が消滅していくと「ヒマで退屈になる」って報告をよく頂くようになりました。

ちなみに、このGWに必死に書いていた本のテーマは「暇が人をメンヘラにする」です。笑

つまり、Sさんにとっては長年「自分を罰する」「自分を責める」という仕事をハードワークされてきて、それが旦那様のお陰で勝手に癒されてしまい、その結果、やることがなくなってヒマになったんだと思うんですね。

で、その以前に比べれば平和で穏やかな生活になると、そこはまるで天国のようなので「死んでもいいかなあ」なんて思うようになったのでは?と推測されるのです。

罪悪感って刺激がなくなるとかくも平和になるのですが、その平和に違和感を覚えてそこから逃げ出したくなるのもまた人の心理の面白さと言えます。

さて、ここまでで切り上げてもいいのですが、せっかく貴重なお話を頂いたのでもう少し心理学的なお話をしていきたいと思います。

私がカウンセリングの中で疑問というより興味を持つのは「なんで今の旦那と出会えたんだろう?」という点でして、それまでと全然違うタイプの人と出会うにはその前になんかあったんかなあ?と邪推するのですね。

ときにそれは「そんな最悪だった家族の中で救いになっていた人っていない?」という質問になります。

例えば、似たような環境の中でも「東京のおばさんがいつも自分を気にかけてくれた」とか「小2のときの担任の先生がすごく親身になってくれた」とか「何かと近所に住んでるおばさんが優しくしてくれた」みたいなことがあり、それが心の中に光を灯し続ける(命を長らえさせる)潜在的な理由になっていることがあるんですね。

そうするとSさんにとっては「優しい祖母(父方)」が旦那さんを引き寄せてくれたのかなあ?という風に見たくなるものです。

ちゃんと彼と出会う素地はできていたんだな、という意味で。

また、虐待が罪悪感を作る、より深い理由は「無力感」です。
これはもう全然納得なんてできないと思うので、へえ、そうなんだ、と思っていただきたいのですが、ほんとの罪悪感はこっちで、かつ、そこにはSさんの才能が隠れているレベルのテーマです。

すなわち、そんな両親を助けたい、癒したい、救いたい、愛したい、という思いをたんまり持って生まれてきたのに、自分はそのミッションに失敗した、というストーリーです。

それにより「両親を助けられなかった無力感ならびに罪悪感」「重要なミッション(使命)に失敗したことによる自信のなさ」が根っこにあります。

けれど、それってのは私からすれば豊かな才能でして、「そんな両親を命がけで助けてきたってことは、その辺の人を癒すなんてチョロいでしょ?」という話。笑

まあ、癒しを仕事にしなくてもいいんですけど、少なくても相当根性は鍛えられているし、しなやかさと強さを持っているし、セクシャリティも相当も豊かだし、ライフワークのデザインをするには面白い素材(失礼!)だなあ、と思うのです。

だから、これからはライフワークをデザインしてみるとヒマつぶしにもいいんじゃないかと思います。

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