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心理学、カウンセリングらしいアプローチを今日はご紹介したいと思います。
苦手な人、嫌いな人と一緒にいるのはすごくストレスになり、メンタルヘルス上よくないですよね。
そこを乗り越えるための本格的なアプローチを紹介しますので、感情的抵抗を乗り越えてチャレンジしていただきたいものです。
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2ヶ月前に入った新人はアラフィフで長い事務経験があり、言われた仕事の主軸よりオプション的な所に目がいきます。
しかし基本を押さえてないので、結局時間のロスになったり手間が増えて腹が立ちます。
出来る限り愛想悪く接していますが笑、鈍感でなついてくるので鬱陶しくて仕方ありません。
私は事務4年アラフォーですが、昔「当たり前と思ってしていたことがおもてなしレベルだった」という所があります。
三味線の世界で弟子になりかけた時があり、全てのニーズに気付くようにするという経験がそうさせていたと思います。
しかし無理がたたりうつ病を経て、かなり手抜きも覚えたこの頃、新人が来て「確かに自分もオプション重視する所あるわ」と思いました。自分の場合は基本をやった上のオプション増し増し、という感じでしたが。
そこで嫌いな人の投影を認めて、長所変換して受け入れて…いると思うんですけど、相手に対する嫌悪感が全然拭えません。
最初の日から無神経質問が続いて、私が心のシャッター即下ろしたせいか逆に食いついて来ようとされてしまいます。
で、以前私が飲んでいたのと同じドリンクを、私の机に差し入れで置きましたと言われた日には嫌悪感と寒気がしました。
でも確かに似たようなことは前職でもやってたし、投影やな~、自分の才能も受け入れよう!ってしてるんですが。
男女問わず、嫌いな人や好きでもない人から好意を向けられて嫌な思いをしたことは何度もあります。
今は自己肯定感上がって来たので、嫌いな人にはちゃんと優しくしないようにしてるんですけどね笑。
ちなみに中身が荒んでる割に優しそうな見た目なので、肉屋の看板掲げた八百屋?である自覚もありです。
ご指導頂けたら、ものすごくうれしいです。よろしくお願い致します。
(Mさん)
中身が荒んでるけど見た目が優しければそりゃあなつかれますよね~と思うんですが、よう考えたらよくあるケースやなあ、と思い、いろんな「見た目は童顔だけど中身は武士」「ぱっと見おとなしそうだけど中身は筋金入り」な詐欺師の皆様の顔が浮かび、まあ、ほんと人は見た目だけじゃわかんねぇよなあ、と思った次第です。
さて、何かと苦手なイヤな奴が職場にいることってよくあるのですが、とりあえずドライに接してみることを推奨しています。
まあ、あくまで仕事上の付き合いだからビジネスライクに行こうぜ!というわけです。
で、仕事なんて一緒にいる時間が長いわけですから、苦手だったり、嫌いだったりする人が職場にいたら、ストレスが強くなり、場合によっては体調すら崩してしまうことになったりします。
きっと読者の中にもそんな体験をしたことがあるでしょう。
Mさんの場合は「年上の後輩」ですけれど、上司、同僚、部下、後輩、いろんなところに出現するものですね。
で、そうなると「向き合うしかねえか」ということになります。
>そこで嫌いな人の投影を認めて、長所変換して受け入れて…いると思うんですけど、相手に対する嫌悪感が全然拭えません。
Mさんのように投影を使っていくことになるので、今日はがっつり心理学な話をしていきたいと思います。
ちなみにこの辺の話はこちらの本に書いておりますので良かったら参考にしてください。
4章あたりで苦手な人とどのように付き合っていくかを距離別に紹介しています。
*新書版『なぜ、あなたは他人の目が気になるのか?』(フォレスト出版)
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「投影」ってのは自分の心の中を外の世界に映し出すことで、ほんと様々な理解に役立つ心の法則です。
で、「あの人が嫌い、苦手」と思ったときに、なぜ嫌いなのか?と言えば、自分の中にある自己嫌悪を投影していると捉えます。
例えば、職場で苦手な人がいて、何が嫌なんだろう?と考えてみます。
するとその人の「いい加減」「約束を守らない」「その場しのぎのウソが多い」という要素が嫌いだということに気付きます。
それが投影だとすると「いい加減で約束を守らず、その場しのぎのウソを付く自分が嫌い」という風に言えます。
自分の中にもそういう要素があり、自分がその要素を嫌っているから、その要素を持つその人のことが嫌い、というわけです。
そして、自分がその要素を嫌っているので、ふだんは自分は「きちんとして、約束を守り、ウソを付かない」ということを頑張ります。
つまり「私はきちんとしていて、約束は守るし、ウソも付かない人」になろうとするんです。
だから、「あたしとあの人は真逆の人。全然違う人」という風に思います。(ていうか、思いたい、です。)
でも、それって、自分の中にあるその要素を嫌い、否定し、隠そうとしているんですね。
そんなところにその要素を見せてくる人がいたら、そりゃあ、その人のことを嫌いになりますよね。
そして、すごく苦手になるんです。
これが「投影」を使った心理分析ってやつです。
とはいえ、これを受け入れるのは相当抵抗がある場合があります。
「いやいや、あたしは絶対いい加減な人間なんかじゃないです!」と主張したくなる場合が。
それくらい強く否定したいということは、それくらい強い「いい加減さ」が自分の中にあり、それをめちゃくちゃ嫌っているという証です。
ここまでが第一段階。
嫌いな人に見る嫌いな要素は実は自分の中にもあって、それを自分が嫌っている、ということに気付くこと。
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ここでMさんは長所変換をやってそれを受け入れようとされたんですよね。
「いい加減」を長所に変換したら「力が抜けてる、自然体、自由人」などでしょうか?
それを受け入れることで、その人のことも受け入れて行こう!という作戦なんですけど、ここで一つ肝心なポイントが抜けてるんですね。
それは「自己肯定感」という奴です。知ってた?笑
「いい加減な人」を「自由人」として解釈して、それを受け入れようとしても、元々の「いい加減さ」を許してなければ、自由人であることも受け入れられないものです。
だから、まずは自分の中にある「いい加減さ」「約束を破る」「その場しのぎのウソを付く」という要素を“許す”“肯定する”“受け入れる”というプロセスが必要になるわけです。
投影の法則によれば、その嫌っていた要素を自分が許し、受け入れることができれば、その要素を見せてくる人のことも許し、受け入れることができます。
逆に、その人のことを受け入れられないということは、まだまだ自分自身が自分を受け入れられていない、という証になるわけです。
だから、自分の中のいい加減さとか約束を破っちゃうことがあるところとかを許して受け入れていくことが大事だってことですね。
これができた分だけ職場のあの人のことが嫌じゃなくなるし、普通に受け入れられるようになっていきますし、何なら扱い方も理解できるようになります。
いわば手の内に入れるってことができるようになるんです。
これ、なかなか難しく感じることも多いのですが、その場合はさらに次のステップに向かいます。
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なぜ、その要素を自分はそんなにも嫌っているのだろう?ということです。
「まあ、別にいい加減なとこなんて誰にでもあるし、むしろその方が力が抜けて自由に生きられるからいいっちゃいいことだよね」と思えないのはなぜなのでしょう?
それはそこに「トラウマ」が何かあるみたいなんです。
そこでカウンセラーは(ここはもうカウンセリングレベルですよね)、「あなたの身近でいい加減な奴って誰かいませんでしたか?」という質問をするわけです。
その要素を持った他の人を知りませんか?しかも、あなたの身近で、と。
「ああ、そう言えばお父さんがすごくいい加減でウソ付きで約束守らない人ですごくイヤな思いしたし、母もそれでとても大変そうにしていた」という過去のできごとが出てきたりするものです。
父や母、きょうだい、だけでなく、祖父母、友達、過去の恋人等、いろんなケースがあります。
そうすると今度は「いい加減さを許す」という問題が「父を許す」というテーマに変わっていきます。
これまた壮大なテーマに見えるのですが、ここは非常に恩恵が多いアプローチなので、ぜひとも腰を据えて向き合っていきたいものです。
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この許しのプロセスにおいては「父を理解する」という段階があるんです。
なぜ父はそんなにもいい加減なのか?なぜそんな嘘をつくのか?を感情的に理解していくんです。
また、同様に「感謝」という部分も見て行きます。
「そんないい加減なお父ちゃんだったけど、こういう部分は好きだったし、こういうことについては感謝してるんだよね」というところをたくさん掘り出していくんですね。
そして、そんな嘘つきなお父ちゃんのことが嫌じゃなくなってきたら、不思議と職場のあの人のことも嫌じゃなくなっていくものです。
一方、この辺までくると、「父」と「職場の嫌いなあの人」の共通点も見えてきたりして、問題がスッキリ整理されたりするのですね。
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さて、今日のテーマはなかなか感情的に向き合うのが難しいテーマなのですが、投影を使って嫌いな人から自分の内面を見つめ、時にトラウマに出会って誰かを許していくプロセスは案外大きな恩恵がいくつも生まれてくるので、覚悟を決めてがっつり向き合ってみることをお勧めしたいものです。
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