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自立系な方々は全身骨折のような心理的ダメージを受けたにも関わらず、気合や根性で立ち直ろうとし、再びエンジンを吹かすのですが、それって傷口を広げることになるんですよね。
廃人は廃人らしく過ごすのが一番で、それが回復の早道なんです。
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2週間程前に2年半付き合った彼氏と別れました。結婚も視野にいれていたのですが、向こうは外国人で、コロナで、次はいつ会えるか分からない状況に疲れてしまった、と言われ私から別れを切り出しました。
根本さんの失恋クリニックなどを読み漁り、色んな人に話を聞いて貰い何とか1週間は乗り越えました。好きなこともちょくちょくやるようにはしています。
でも、ここ2,3日体調を崩して、急に生きることが嫌になってしまいました。死にたいわけでは無いのですが、考えたくなくてベッドでずーっと寝ています。寝るのも疲れて起きると、また思考が戻ってきて絶望的な気持ちになるのです。
一応、仕事は出来ているのですが、仕事が終わると廃人に戻ってしまいます。
まともなときは仕事をしてるときだけ。
失恋はいつかは抜ける。と言われているので、この廃人のような生活を続けていても何時かは抜けるのでしょうか。
心が動かないときは無理に動かさなくても良いんでしょうか…好きなことも無理にやる必要はないんでしゃうか。(というか、単にやる気が出ないだけかもですが……)
よくよく考えたらあまりネタっぽくないな、と思いましたが
アドバイスいただけましたら幸いです。
(Sさん)
ちょうどお別れしてから1か月ほどが経つことになるんですけど、その後はどうでしょうか?
相変わらず廃人のような生活を送っていられるのでしょうか?
それともあっという間に離脱し、ブイブイ言わせながら(死語)次なる獲物を確保しに夜な夜な徘徊されているのでしょうか。
失恋ネタって意外と少ないような気もしますし、そもそも最近は恋愛ネタもそんなにないような気がするんですけど気のせいでしょうか?
いやいや「どこにヘラクレスなんておんねん!」とか「また野良猫が逃げました。」とか「ロックマン氏の鎧をぶち抜いたら5歳児が出てきたんだけど?」的なネタはあるんですけど、そういうのって一般的にはちょっとマニアックじゃないですか。
で、Sさんのお話。
とりあえず、廃人になったときはおとなしく廃人になっておくのが良くて、そこで無理して動こうとしても、それは灰に火を灯すような行為になるので、あんまりうまくいかないと思います。
もちろん、武闘派女子は「気合」とか「根性」とか「直線一気」とか「月月火水木金金」とか「一点突破全面展開」という言葉が好きなので、うぉりゃーーーーっ!と気合一発、猛然と動き出したりしますけど、ふつうは「廃人は廃人らしくおとなしくしておく」のがお勧めです。
寝るのも疲れるけど、起きていてもずっと考え込んでしまうのでしんどい、という状況でもどかしくもあり、そんな自分にイライラしちゃうかもしれませんが、あまり無理はいけません。
「もし、その失恋を怪我に例えたらどれくらいの症状だと思う?」ってよく聞くんです。
そうすると「ダンプカーに突っ込んで全身の骨を折ったみたい」とか「ヤクザの事務所に殴り込みをかけて返り討ちにあったような感じ」とか「パラシュートなしで5000メートルの高さからスカイダイビングしたようなもん」という「あんた、よう生きてるな」というたとえ話を武闘派女子たちはしてくれてるんですけど、Sさんの場合はどうでしょうか?
失恋の痛みってけっこう軽視されがちで、自分でも「大したことねえや。こんなんかすり傷だべ」と思ってしまったり、周りからも「もう立ち直った?」と気軽に聞かれたりするんですけど、当然ながら重傷なことも多々あります。
もちろんこれは失恋だけでなく離婚だって同じだし、リストラに遭ったり、突然担当していたプロジェクトを下ろされたり、大切な人を急に失ったり、めちゃくちゃショックなできごとが起こったときには同じような反応を示すものです。
自分の心や体に起きてる状況は「常に正しい」ので、それを否定したり、「こうあるべき論」をぶち込むのは、傷口に塩を塗り込むようなものですね。余計に悪化しますわ。
だから、「廃人」のようになってしまったときは「廃人」になっておくのが正しい処方なのです。
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さて、このコロナ禍でSさんのように国をまたいだ恋や国はまたがなくても「なかなか会えない」という事情で別れ話になった方のお話をちょくちょく耳にするようになりました。
また、コロナへの意識の違いから不仲になった夫婦・カップルも多く、特に最近は、それまでうまく行っていた関係が、生活環境の変化(在宅勤務とか)やコロナの解釈の違いなどから揉め事に発展するケースもよく耳にします。
短期決戦であれば乗り越えられたものが、これだけ長期になり、先が見えない状況ともなりますと、「もう我慢できん!」という心理になるのも無理はないものです。
この辺のお話もまた機会があればさせてもらいたいと思っているんですけど(リクエストください)、各方面で「コロナ憎し!」という思いを抱いている方は少なくないように思います。
けど、本質的に言えばコロナが悪いわけでも何でもなくて、急激な環境の変化がもたらしたもので、常日頃から何かと起きている問題なんです。
(例えば、「彼が急に仕事を辞めてきたんだけど再就職しない問題」とか「仕事がうまくいかなくてアルコールに頼るようになった彼氏の問題」とか「転勤して環境が変わったら夫婦関係も変わっちゃった問題」とか「子どもが生まれたことで夫婦間に溝が生まれた問題」とか無数にあります。)
ということでコロナに責任転嫁するのはやめましょうねーというのが私の基本的見解です。
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で、ちょっと話がそれてしまいましたが、廃人になるってことはそれだけ燃え尽きたということで、いかにこの恋にエネルギーを注ぎ込んでいたかがよく分かります。
何とか仕事はできているようですが、仕事中も涙が出ちゃったり、集中できなかったり、しんどい気持ちが強く出てきたりする方には「そんなときに仕事なんてするな、バカ!」と大変丁寧な表現をすることもよくあるんです。
ただ、仕事に行くと元気になれる、とか、仕事をしているときは辛いことが忘れられる、と言った効果もあるので、そういう場合は全然いいんですけどね。
仕事に救われてる、ならば全然OKだし、むしろありがたいことです。
ただ、失恋直後は何とかしよう!頑張ろう!なんとか乗り越えよう!と前向きになれてブログ読んだり、友達に話聴いてもらったりすることができても、何かのきっかけで奈落の底に落ちちゃうこともよくあるんですね。
それだけ命がけの恋をしていた証ですから無理もありません。
だから、やっぱり自分を責めないことだし、自分の心や体の言うことをよく聴いておいて今はひたすら廃人でいることをやっぱりお勧めするわけです。
そこではいろんなことを考えたり、ふとした瞬間に辛くなって泣いてしまったり、あれこれ思い出して悲しくなったりするかもしれませんが、それもまた自然の流れ。
全身の骨を折って入院してると思って絶対安静にしておいた方がいいのです。
早く立ち直らなきゃ、早く先に進まなきゃと焦ったり、この程度のことで屈してる自分が許せなかったり、こうした状況を招いた自分を責めたりしてしまうのも自立系な方々によくみられる傾向です。
それって折れた骨を気合でくっつけて歩き出すようなもので、けっこう危険です。
こういうときは思い切って自分自身に非常事態宣言を出して、徹底的に自分を甘やかしてあげることがお勧めです。
気力が湧かなければボーっと天井を眺めていればよし、
何もする気が起きなければ食事もテキトーでよし、
友達からの連絡も返事する気にならなければスルーしてもよし、
お風呂に入ればさっぱりすると分かっててもその気にならなければそれでもよし、
メイクする気にならなければマスク生活をいいことにすっぴんで外に出ればよし、です。
思考があれやこれや言うて来ても「今はこれでいいんや」と自分自身を甘やかします。
早く楽になりたいと思うのは無理ないかもしれませんが、やはり時間も必要です。
長くは続きませんので、心置きなく廃人になっておいてください。
私たちは無意識に「今の状況が未来永劫続いてしまうのではないか?」と心配になるんですけど、季節が勝手に変わりゆくように人の心も変わりゆくものですから、そのまま心に任せていれば自然と復活するものです。
もしそこで無理をしてしまうと引きずりやすいですし、復活の時期も遅らせますので、とにかく安静に過ごしましょう。
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カウンセリングでそんなショックな話をしていただいたときは、普段以上に優しく接するものです。
まあ、しゃあないよねえ、を連発しつつ、まあ、お茶でも飲みや、と一息入れて、あとは話したいことをただ話してもらいます。
話す気がなければそのままじーっと黙ってます。
無理に話す必要なんてありません。
そうした静かな場が安心することもあるでしょう?
涙が出てくるならそのまま流してあげましょう。
怒りが出てくるならそのまま吐き出しましょう。
悔しかったり、惨めだったりするなら、その思いも吐き出しましょう。
座っているのがしんどければ横になっても構いません。
東京のセミナールームは床に寝っ転がれますし、大阪のセッションルームにもソファの部屋があります。
実際、ソファのある部屋に移動して「まあ、横になんなよ」とお伝えして、向かい合わせで私も横になって天井を眺めつつカウンセリングしたこともあります。
そのときは失恋の話などせずに何か世間話的なことをしていました。
そうしてしばらく時間をやり過ごすと心が落ち着いてくるので失恋の話もぽつぽつできるようになっていきます。
寝っ転がっていたのが起き上がる感じ。
そうすると少し気分が軽くなっているのでボケたりツッコんだりすると笑えるようになります。
笑うと一気に心が軽くなるもんです。
もちろん、それは一時のことで、その場を離れてしばらくすればまた心が重くなってくるものですけど、一度でも笑えて心が軽くなった経験は体が覚えています。
そうすると同じ廃人でもちょっとマシな廃人になれるんです。
「あ、今日はちゃんとご飯食べよう」と思えるようになって、でも、ご飯を作る気力まではないからウーバーイーツをオーダーできたり。
気が付けば部屋がけっこう散らかってることに気づいたので久々に掃除機をかけてみたり。
ちゃんと湯船に浸かりたくなってお風呂を溜めて「ああ、あったかい」としみじみしてきたり。
もちろん、時折涙が出てくることもあるのだけど、それでもなんか前とは違う感覚を体は感じているものです。
カウンセリング受けたらそういう効果があるよ、ということを言いたいのではなく、放っておいても徐々にそういう変化が日常のちょっとしたところに出てくるようになるんです。
カウンセリングは時間短縮の効果があるだけ。
自分を責めず、否定せず、なすがままにしてあげることが、今のSさんにとっての課題です。
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まあ、おそらく仕事でも恋でも情熱を燃やして疾走してきたのでしょうから、これは夏休みみたいなもんかもしれません。
で、ここから先は少しでも元気になってきてからお読みいただけたらと思うんですけど、はてさてそこまでダメージを受けるのは、この失恋だけが原因なのかな?という見方もあります。
その失恋だけではちょっとダメージがでかすぎるよなあ、というケースにもよく当たりますので。
今回の失恋に、もしかすると過去の失恋のダメージが重なることもあります。
あるいは、今回の失恋にプラスして、日ごろの仕事のストレスや疲れが重なることもあります。
つまり今回の失恋は単なるスイッチで、それによって今まで溜め込んでいたいろいろなものが雪崩を打って出てきているような状況です。
そうするとその失恋だけを見ていても全然物事が動かないもんです。
思い当たることがあるならなおさら今はゆっくりすることですね。
本来なら仕事休んで「温泉」「南の島」「京都」などに滞在して人生の垢を流していただきたいと思うところです。
・・・ということで、今日の根本さん、優しいと思わない??えへへ。
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