自分軸になると夫が求める妻ではなくなるのでは!?



怖れや不安、そして、不信感などがあると私たちは繰り返し「シミュレーション」に励んでしまいます。
でも、そのシミュレーションは「過去」と「未来」を往復するだけで、「今」が空白になってしまうので、考えれば考えるほど「行動」ができなくなってしまうのです。

根本先生、いつも読み応えのあるブログをありがとうございます。このブログでどん底のところを救っていただいたアラフォーのKと申します。

自分軸になると夫が求める妻ではなくなる、ということについて相談があります。
私の夫は亭主関白で身の回りのことをすべて私にやってもらうのを理想としています。家ではほぼ動きません。ずっと他人軸で生きてきた私はそれをすべて当たり前のようにやってきました。
(今思うと愛されたいから、1人では経済的に生きていけないからという気持ちからくる犠牲と我慢でした)
子供が生まれ(今は小学生)、夫を後回しにしたところ同じ会社の女と不倫を始めるという現在です。

自分軸になると私本当は料理が好きじゃないからご飯を作りたくないとか、夫の帰りを待って夜遅くまで起きているのはいやだとか、今まで当たり前だと思ってやってきたことがやりたくないことだと気づきました。
思い切ってそれをやめたいのですが、やめると見事に夫の不満が募ることになり、さらに関係が悪化しそうです。(その時点で自分軸じゃないですよ、と言われそうですが)

私が自分軸で生きてきていたら、そもそもこの亭主関白夫とは結婚すらしてないのでは?という疑問も湧いてきました。
本来の自分に戻った私を相手(夫)がNOと言ったら「じゃあ私とは合わないわね、さようなら」とお別れすればいいのでしょうか?
私のしたいようにすれば?と言われそうですがまだ手放しの途中でどちらにも振り切れません。
自分軸になった途端、破綻する関係はそこまでの関係だったということでしょうか?

ご教示いただけたら幸いです。
(Kさん)

「事実は小説よりも奇なり」という言葉がありますが、私も長らくこの仕事をしていると、「え?そんなことになんの?」という話をよくお聞きします。

Kさんのように「もし○○したら××になるのでは?」という想像・妄想・シミュレーションをよくお聞きするのですが、私としては、

「確かにそうなるかもしれんけど、そうなるとも限らんよ」

という至極曖昧な回答をしてクライアントさんを混乱に陥れる技を酷使しているところです(笑)

でも、ほんと、何が起こるか分かんないんですよね・・・。

最近、耳にしたケース。

〇「やりたいことをやりたいから仕事を辞める!」って宣言したら、「好きなことだけやってくれたらいいから会社に残ってくれ」と言われ、嫌な業務が全部目の前から消えた。

〇「私はもう好きに生きる!自分の人生を生きる!」と宣言して、やりたいことを始めたら、モラハラ夫が急に優しくなって応援してくれるようになった。

〇「私はやっぱり女なんだ!愛されるセックスがしたいし、男を愛したい!もう我慢しない!」と行動したら、6年間のレスがあっさり終わりを告げて、週に3~4回生活が始まって腰がヤバい。

〇「やっぱり年齢じゃない!好きなもんは好きだ!」と開き直ったら、一回り以上下の野良猫君が急に家猫になって懐いて来てヤバい。

最近の根本くんは何かと「自分軸!自己肯定感!」という話をしていて、また、人間関係においても「まず自分、次に相手、そして二人の関係性」という順番を説いているのですが、それを「よっしゃ!やったるで!」と決意した途端、当初のシミュレーションとは違う方向に進むことが多いんです。

ちなみに「自分軸と自己肯定感」はこちらの本

敏感すぎるあなたが7日間で自己肯定感をあげる方法」(あさ出版)

ちなみに「まず自分、次に相手、そして二人の関係性」はこちらの本

敏感すぎるあなたが人付き合いで疲れない方法」(フォレスト出版)

ほんと「どうなるかわからんよねえ」という話をよくしてるんです。

>思い切ってそれをやめたいのですが、やめると見事に夫の不満が募ることになり、さらに関係が悪化しそうです。(その時点で自分軸じゃないですよ、と言われそうですが)

そういう風に思いますよねー。ふつう。
まさか、思い切って辞めたら旦那が家事をガンガン手伝ってくれるようになる、なんて想像できないですよね?
まさか、思い切って辞めたら私に気になる人ができて、え?どうしましょ!ヤバい!根本先生~!!!ってなるとは想像できないですよね?

私たちの想像・妄想・シミュレーションというのは、

「過去の体験から来るデータ」(旦那がこう言うた、私がこうした等)
 
 +

「自分の思考パターン」(旦那は変わらない、私は他人軸、家事は妻がするもの等)

から、「未来」を予測することによって成り立ちます。

もし、これが「正しい」のであれば、Kさんの人生はすべて思い通りになってきたはずですよね。

また、もし、これが「正しい」のであれば、競馬で負ける人なんて誰もいないってことですよね?(競馬は過去のレースのデータが事細かく公表されてます)

「過去のレースの傾向から見れば、今日は絶対5番の馬が勝つに決まってる!!」と思って大枚をはたいて勝馬投票券を買ったとしても、予想もしなかった3番の馬が一着になることなんてザラなんですよね。

ちょっと引用が長くなってしまいますが、Kさんのこの文章。

>私が自分軸で生きてきていたら、そもそもこの亭主関白夫とは結婚すらしてないのでは?という疑問も湧いてきました。
>本来の自分に戻った私を相手(夫)がNOと言ったら「じゃあ私とは合わないわね、さようなら」とお別れすればいいのでしょうか?

これも「もし○○ならば××になる」という思考が作る想像なんですよね。

自分軸で生きて来てもこの旦那と結婚しているかもしれないし、
本来の私に戻っても旦那と別れたくないかもしれないし。

何が起こるか?なんて分かりません。

だから、「どうなるかわかんないよねえ~」としか私も言えないんです。

過去のデータに自分の思考パターンをミックスして未来を予測するとき、私たちは「今」に生きていません。

過去と未来を往復してはいるけれど、今、ここにいる自分にスポットが当てられてないのです。

そして、このシミュレーションを繰り返せば繰り返すほど「今」に生きられなくなるので、行動できなくなりますよね?

「行動」って「今の自分」がすることでしょう?
それなのに「今の自分」に意識が向いていなかったら「行動」ってできないんです。

よく「考えすぎだよ~」って人に言われる方はここがポイントです。

>自分軸になった途端、破綻する関係はそこまでの関係だったということでしょうか?

ま、そうなったときに考えましょ。
先ほどの話から分かるように、「もし自分軸になったら」という前提で考えてる間は自分軸になることってできませんから、この仮定はあまり現実味がないんです。

Kさんが自分軸になるのは何のため?誰のため?
旦那との関係が変わるなら、という条件付きで自分軸になりたいのでしょうか?
それとも自分らしい人生を生きたいから自分軸になりたいのでしょうか?

今は「旦那軸」だったとしますよね?
そして、Kさんが「自分軸」に移行するとするでしょう?

そしたら、今とは見える世界が変わるんですよね。

ハワイに行く前に想像していた景色と、実際ハワイに行ったときの景色がまったく同じように感じられるってあまりないと思うんです。

想像よりも○○だった!!という経験は皆さん、お持ちだと思います。

だから、自分軸になったらきっとこうだろう・・・という想像も、実際自分軸になってみたら全然違ってたってことがザラに起こります。

そういう時は「今」に目を向けてみましょう。

「どうして自分は自分軸になりたいんだろう?何のため?そして、自分軸になるために今できることって何だろう?」

そして、もし本当に自分軸に移行したいのであれば、「今できること」を一つずつやっていくといいんです。

アファメーションをしてもいいし、自分が好きなことややりたいことを優先してもいいし、家事を放棄してもいいし、何でもいいです。

そして、やってみて「こんなん出ました~」てなったら、そこでまた考えましょ。

考えてしまうのは「怖れ」があって「不安」や「不信感」があるから。

「このつり橋、ほんとうに大丈夫かな?途中で切れたり、ひどく揺れて落ちたりしないかな?」と考えているうちはつり橋は渡れませんよね。

つり橋の向こう側に行きたい場所があって、見たい世界があって、初めて一歩踏み出せます。

Kさんが自分軸になりたい、と思うのも、その向こう側の世界に「こうなったらいいな」という世界があるはずなんです。
そこにワクワクしているならば、怖いつり橋も頑張って渡ろうと思えます。
でも、その「こうなったらいいな」という世界があまり魅力的でなければ、わざわざつり橋を渡ろうとは思わないでしょう。

「何のために自分軸になるの?」というのは、そんなつり橋の向こうのワクワクする世界を描くための質問です。

自分にそんな問いかけを繰り返しながら、今、できることやっていきましょうね!


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