「デキ婚」の見方。



デキ婚だから、というのは体のいい言い訳に過ぎないんです。
潜在意識のレベルでは、パパ、ママ、子ども、3者の合意の上でこの結婚が生まれています。

先日、あるセミナーでこんな質問を頂きました。
「夫とはできちゃった結婚で、2人目も生まれたのですが、夫婦であることに違和感があります。夫もたぶん同じように思ていると思います。罵り合いのケンカも多いし、夜の生活も自分本位だし、離婚を考えた方がいいのでしょうか?」

ご本人はいわゆる“デキ婚”(授かり婚)であることに引け目があり、また、ほんとうにこの人で良かったのか分からない、という不安もあるようなんですが、潜在意識・無意識的な見方をすればこんな感じなんですね。

「『早う、結婚せんかいな!』って子どもに蹴とばされてする結婚をデキ婚と呼ぶ」

つまり、お子さまはあちら側の世界でこう思ってたわけです。

「このお父ちゃんとお母ちゃん、ほんまに煮え切らんな~。もうここの人をママにするって決めてるのになかなか結婚しよらへんな~。ぐずぐずしてたら、うちが生まれるのが遅うなるやんか。ほな、行ったろか」

ってママの子宮に飛び込んできた、少々慌てん坊、かつ、情熱的、かつ、早くママやパパに会いたい病の子どもなわけです。

「子どもに背中を押されなきゃ、お二人は結婚することもなかったんじゃないですか?」

そんな言い方もします。

それが仮に付き合って3か月だったとしても、3年だったとしても。
また、ちゃんとしたお付き合いじゃなかったとしてもあまり関係ありません。

もちろん、子どもは両親が離婚するかどうかもちゃんと分かって生まれて来てますから、『デキ婚のちシングルマザー』という現実もきちんと受け止めてます。
そもそもそのつもりだったわけで。

「僕がいれば、ママ、寂しくないでしょ?」って思ってるのかもしれません。

デキ婚の場合、確かにコミットメントが不足することが多いです。
「ほんとうはこの人を選んだわけじゃない」とか「子どもができたから結婚したわけで、そうじゃなかったら別れてた」という言い訳がしやすいです。

でも、じゃあ、ちゃんとプロポーズがあって、結納して、結婚式を良き日に設定し、親族、友達、職場の人みんなに「おめでとう!」って言われて結婚したら問題が起きなかったか?というときっとそうじゃないんです。

ただ逃げ道として「デキ婚だから」が用意されてるだけなんです。

「起きたことは必然」とか「起きてることがすべて正しい」とか「起きてることは全部計画通り」ってよく言います。

だから、ほんとに「子どもができなかったらずるずると行ってたんじゃないの?」とか「潜在意識の世界では、ちゃんと子どもができて結婚することを前提にセックスをしたんだよ」という説明もよくしています。

中絶って選択肢もあるわけでね。
そこで「産む」って選択をしたのは自分自身だし(それが中絶が嫌だったから、という一見消極的な理由だったとしても)、「結婚する」という意志決定をしたのも自分自身なんです(たとえ、シングルで育てる自信がなかったからだとしても)。

だから、違和感を感じるのも、ケンカが多いのも、「デキ婚だから」ではなく、「この2人だから」なんです。
すなわち、ちゃんと(一般的な)手順を踏んだ結婚だったとしてもきっと同じことになっていただろうと思います。

これは夫婦間の様々な問題をお聞きしてるので確信を持って言えることです。

だって、周りからほんとうに祝福されて結婚した夫婦だって離婚寸前のケンカ、よくしてますからね~(我が家も例にもれず(笑))。

だから、潜在意識のレベルでは「父、母、子どもの3者が合意して起きたできごと」なのですが、顕在意識レベルではコミットメントが少し弱いんですね。

それで、先ほどセミナー中に質問して下さった方には「改めて、この人を選んだという意識を持つことにしましょう」と提案しています。

具体的には
「この人が夫(妻)で良かったと思う30の理由」
などをじっくりと考えて頂いて、最終的には「まあ、なんだかんだ言って、私はこの人と結婚するのがベストな選択だったんだな」と思えるようになることが大事です。

私もそうでしたが、そもそも第一子の時は父親って実感がわかないものです。
ある女性がこんな名言をおっしゃってました。

「女はお腹が出てきたり、胎動があったりして実感として母親になっていくものだけど、男は自分の体には変化がないから想像力だけで父親にならなきゃいけないから大変だよね」

だから、このデキ婚に関しては特に男性側(パパ)は実感なんて湧きません。
そもそも男性は「結婚」にだって実感が湧くには時間がかかります。
今でも多くの夫婦は女性が姓を変えますよね。それに伴い会社での呼称、銀行、クレジットカード、保険等の名義変更など面倒な手続きに奔走しなきゃいけなくて、『結婚する』という意識は女性の方がはるかに強く持ちやすいのです。

だから、その実感が湧きにくい「結婚&出産」がダブルで来ちゃうわけですから、男性はなかなか「夫」にも「パパ」になるには女性に比べて時間がかかるんです。

それで、よりコミットメントしにくい(逃げやすい)わけです。

だから、「この人が妻である30の理由」はまさに男性陣に熟考して頂きたいテーマですし、かつ、「デキ婚じゃなかったら自分は結婚しなかっただろう30の理由」なども加えて考えて頂きたいところなのです。

それで「なんだかんだ、俺はこいつを嫁にしたんだろうな」と納得していきたいんですね。

この見方が「正しい」というつもりはまったくありません。
私はこういうスタンスでお二人の結婚を見て、その後起きた問題も理解していくんです。

「デキ婚だから」というのは体のいい逃げ口上に過ぎない、と思っていただけたらより前向きに夫婦関係に向き合えると思いませんか?

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