第3週のテーマは 「観念(ビリーフ)」。
「〜すべき」「〜しなきゃ」といった思考の癖や義務感は、心理学では「観念(ビリーフ)」と呼ばれます。
これは長年の経験や教育の中で刷り込まれた“心のルール”であり、人を縛る見えない荷物です。
ここでは、その観念を自覚し、心の声と切り分け、手放す練習をします。
「「心の荷物」の正体は「感情」なんです。じゃあ、どんな感情なの?どうやって手放していけばいいの?」という記事で、私たちが背負ったり、抱え込んだりする荷物の正体は「感情」であるとお伝えしました。
今回はまた別角度から私たちの荷物をあぶりだし、それを手放していく回です。
私たちは心の中に「○○すべき」「○○しなきゃ」「○○してはならない」「○○であるべきだ」などの思い込みを持っています。
第1週で見つけた「期待に応えなきゃ」「家族を支えなきゃ」などの荷物もそのほとんどがこれに当てはまると思います。
前回は感情を解放することでその荷物を手放すことを学びましたが、今回はまた別の方法でそれを手放していくことができます。
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こうした思い込みのことを「観念(ビリーフ)」と言います。
私たちは知らず知らずのうちにこの観念を持ち、それに縛られて生きています。
「人に迷惑をかけてはいけない」という観念を持っていれば、つい自分の力を制限して思い切り自分の人生を生きられなくなるかもしれません。
「場の空気を読むべきだ」という観念を持っているならば、自分の意見を言うのが怖くなり、周りの意見に同調してしまうかもしれません。
「いい年なんだからそんな派手な服は着てはいけない」という観念があれば、好きなファッションを楽しむことができなくなるかもしれません。
「大人なんだからもっとしっかりしなきゃいけない」という観念があれば、必要以上に背伸びをした生き方をしようとしてしまうかもしれません。
つまり、こうした観念は私たちを縛り付ける「荷物」になるのです。
では、自分がどんな観念を持っているか、をあぶりだしてみませんか?
(義務)「○○すべき」「○○しなければならない」
(禁止)「○○してはならない」「○○すべきでない」
(定義)「○○であるべきだ」
この○○に当てはまる言葉をできるだけたくさん思い浮かべてみてください。
すぐに浮かばない場合はシチュエーションを設定してみるといいでしょう。
「仕事しているときの自分を思い出して・・・」
「パートナーシップで思っていることは・・・
「家族に対して思っていることは・・・」
締切は絶対守らなければならない/上司には常に状況を報告すべきだ/輪を乱してはならない/上司から頼まれた仕事は期日までに仕上げなければならない/職場ではきちんとした身なりを心がけるべきだ/仕事なんだから敬語をきちんと使わなければならない/ミスが起きないようきちんとチェックすべきだ/後輩のミスは自分が責任を取らねばならない/チームで仕事しているのだから少々具合が悪くても出社すべきだ/きちんと計画を立てて仕事を進めなければならない、等々。
彼の前では常にご機嫌でいなければならない/ふたりの関係をよくするためには少しのことは我慢すべきだ/彼を裏切るようなことをしてはいけない/きちんと二人の将来を考えるべきだ/なんでも話し合って決めるべきだ/相手を尊重する言動を取らねばならない、等々。
他にもめちゃくちゃたくさんあると思います。
私たちはこうした観念を数万~数十万は持っていると言われています。
また、あなたがカチンとした経験は、そこに観念があることを示していますので、そこから見つけ出してもいいでしょう。
例えば、「後輩がミスをしてもへらへら笑っていることにカチンときた」としましょう。
そこから「あ、自分はミスをしたら神妙な顔して反省しなきゃいけない、という観念があると気づけますね。
こうした観念はもちろん「良いもの」もたくさんあります。
自分の身を助け、守ってくれるもの、成長させてくれるものもあるでしょう。
しかし、その逆に自分自身を縛り付けて自由を奪い、荷物になってしまってる観念もたくさんあるのです。
それが手放せたらどんなに楽になるでしょう。
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今回のワークショップではこの観念を次のような方法で手放していきたいと思っています。
〇自分の心に問いかけて本音を知る。頭ではなく、心を見る。
〇その観念をゴミ箱に捨てる。
〇その観念を別の言葉に書き換える。
シンプルだけど意外と潜在意識に響くワークを用意しました。
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この観念を手放すをもれなく「自由」が感じられます。
束縛から解き放たれ、息が自由に据えるようになる感じです。
とはいえ、必要なものはなくさなくてもいいですし、多くの観念は形を変えるだけです。
「期待に応えたい/期待に応えない、をケースバイケースで選べばいいよね」
「しっかりできないときもあるよ」
「人に迷惑をかけちゃうときもあるから、そのときは素直にごめんね、とか、ありがとうって言おう」
「場の空気を読めたほうがいいかもしれないけど、時には場の空気を打ち破ることもしてみたい」
そんな風に柔らかい表現に変わるのです。
ずいぶんと硬さが取れると思いませんか?
そのときあなたは背中が軽くなっていることにも気づけるでしょう。
そうしてまた抱え込んだ荷物を手放すことができたのです!