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「いい人・いい妻・いい母」として頑張る女性が、抑圧された感情を解放するために秘密の恋や過度な買い物などに走る「アンダーグラウンド」。
これは、子ども時代の抑圧や無価値感が原因で生まれる心の逃避先です。
どういうプロセスでアンダーグラウンドが作られるのか?そして、そこからどうしたら抜け出せるのか?について改めて考えます。
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アンダーグラウンドのカウンセリングがけっこう続いているので今日は改めてそんなお話をしてみようと思った次第です。
「アンダーグラウンド」というのは私が勝手に名付けた言葉で、「表の社会で処理できない感情を解放し、満たされない感情を満たそうとする閉じられた世界」というほどの意味で使っています。
例えば、ふだん「いい人・いい妻・いい母」をやっていて溜め込んでしまったストレスはなかなか日常の中では解消されないことも多いものです。
それで秘密の恋をして、その彼との2人だけの世界でその鬱憤を晴らそうとするのがアンダーグラウンドであり、はたまた、家族に内緒でたくさん買い物をしてしまい、気が付けば借金を重ねることになってしまっているのもアンダーグラウンドであり、はたまた、ストレスのはけ口としてアルコールや甘いものに頼ってしまっている状態もアンダーグランドと言えます。
じゃあ、やめればいいじゃない!そんなの心身に良くないよ!というのは誰にでもわかることですし、何より本人がその自覚ありありなのですが、ただ、その方法でしか溜め込んでしまった感情(ストレス)を解消する方法がない、というのが現実です。
必死にもがいてストレスを解消しようと意識的・無意識的に感情の出口を探していたところ、ようやく見つけた安息の地とも言えるのです。
だから責められるものではありません。
「結婚したい!」と思って婚活を頑張ろうとするのだけど、それまで自分を抑圧して生きてきたストレスがあまりに大きければ、まずは心はそれを解消することを優先させようとするものです。
だからこそ、既婚者ばかりが寄ってきて、不倫関係になり、そこに新たなストレスを感じながらも、どこか安息を覚える、、、なんてことも起こりうるわけです。
「彼の前では思い切り自分を出せるんです。泣いたり喚いたり怒ったり。そうして甘えてるんですよね。子ども時代から長女としてずっと我慢してきたことを彼で解消してるのでしょうか?」
だからやっぱり責められるものではないのです。
しかし、それしか感情を解放する場がないとするとその場に依存してしまうのが人の心理でして、それゆえ、「彼と別れて夫の元に戻ればいいと分かってはいるのですが、それを考えるとあまりにむなしくてつらい気持ちになってしまう」のです。
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さて、その人は大人になってから「いい人」になり、結婚出産して「いい妻・いい母」になったのか?と言われたらもちろんそうではありません。
子ども時代を思い出してみれば、窮屈さ、不自由さ、怖れ、不安、寂しさ、孤独感、無価値感などの感情に苛まれていたことが多いものです。
ちょっとみなさんの子ども時代を思い出してみてください。
多かれ少なかれ子どもは不自由さを覚えながら育つものですが、あまりに窮屈で、怖れが強い環境で育つと、「まるで縄でがんじがらめになっているようなイメージ」として子ども時代を思い出すものです。
親が教育熱心で躾けに厳しかった、というケースもあれば、毒親で子ども時代はほんとうに辛くてしんどかった、というケースもあります。
ちなみに、そうした束縛が強い環境で育つと「生命力」がたくましく育つもので、セクシャリティがとても強くなりやすい傾向があります。
性の目覚めが早いのがその証拠で、小学生の頃からそうと知らずに毎日オナニーをしていた、という話は非常によく耳にするものです。
実はその時点ですでにアンダーグラウンドの住人なのです。
親にバレないようにオナニーにふけ、性的快楽を得ることで窮屈で不安な心を紛らわせているわけですから。
性の世界って多くの人にとってはタブーであり、その世界がすでにアンダーグラウンドと感じている人もいますよね。
それでアンダーグラウンドと性というのは非常に密接な関係を持つのです。
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だから、どうしてもカウンセリングでは子ども時代の話になるんです。
どんな環境で、どんな思いを抑圧し、どんなストレスを抱えてきたのか?
そして、それはその後、どのように解消されてきたのか?されてないのか?
例えば、親が厳しくて塾だの習い事だの受験だのって「自分のことを思って教育を与えてくれた」としましょう。
そのおかげでエリートコースを驀進してきたわけですが、その一方で、見たかったテレビも見れず、アニメやゲームに興じることもできず、友達との会話にあまりついていけなかったり、友達と遊ぶことも滅多になかったりしたとしましょう。
「子ども時代に子どもをやってこなかったんだね」というひとつのパターンです。
そうすると頑張って親の期待に応えてきたし、それでいい思いをすることもたくさんあったのだけど、いつも我慢することが当たり前にもなっています。
それでファンタジーの住人になって自分を慰めることもあれば、思春期にはひそかにアイドルにハマってそれを夢見たりすることもあれば、「親にバレたら怒られるから、こっそりと推しの写真を眺めてた」ということもあるんです。
そこでストレスが一定量を越えてしまえばアンダーグラウンドを求めるようになります。
「実は弟をいじめてました」「友達のおもちゃを盗んだことがあります」「実はいじめる側に加担してました」みたいな告白を耳にすることもあります。
でも、それが受験に成功して解放され、“大学デビュー”とかを果たした場合はまだ良いのですが、そうならずにずっと周りの人の期待に応え続けると、その「自分の気持ちを我慢して人の期待に応える」ということが人生のパターンになってしまいます。
そうすると自分がしたいことなんて分からないし、自分が何かにハマることだって許せなくなるし、好きなことって何?という気分に陥ったりもするのです。
そうして「表の社会ではいい子であり、エリート、立派な人。ほかの子の見本になるような優等生」になるのですが、その裏には大量の抑圧された感情(ストレス)を抱えることになるのです。
でも、それを出せる場所なんて知らないわけですし、そもそも自分がそこまでストレスを抱えていることにも無自覚なんです。
それで、大人になって時間とお金が手に入って推しのライブに行ってすごく楽しくてストレスが解消されたらそれが虜になります。
また、大学生になって一人暮らしを始めて自由になったら、親に禁止されてた「だらだらと寝て過ごす1日」や「ポテチを一袋一気食い」や「動画を見ながら夜更かし」にすごく開放感を覚えるものです。(これもアンダーグラウンドの一種ですね。)
それで解消されるほどのストレスだったら良いのですが、案外そういうわけにはいきません。
ある程度はよくなったのですが、相変わらず表の社会では人の期待に応える日々は続いていきます。
恋人ができても「相手の期待に応える癖」は発揮されますし、あれこれわがまま言ったとしても恋人を困らせてしまった罪悪感が出てくるし、セックスを覚えたって相手に気を使い、自分がどう見られるかを気にしちゃうものです。
そんなとき、既婚者の上司などに近づかれてつい体の関係を持ってしまうと、今までのセックスとは全然違う体験をするんですね。
ダメ、いけないこと、やめなきゃ、誰にも言えない、という制限がアンダーグラウンドをくっきり形作ってくれます。
しかも、相手は既婚者ですから「父」や「親」を投影しやすい相手です。
誰にも言えない秘密の世界で、その彼に子どもの頃から我慢していた思いがどんどんあふれ出てきて「沼」にハマってしまうのです。
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例えば、この話は「機能不全家庭」においてもまんま当てはまることは不思議なことです。
親が喧嘩ばかりしていたり、子どもに関心がなく放置されていたり、母親の感情のはけ口として利用されたり、子ども時代はほんとに辛かった、早く家を出たかった、何とか家から逃げたかった、という思いを抱えられてる方も同様のパターンを経るのです。
そういう家庭に育つと、自分の存在価値が分かりません。
何をすれば愛されるのか?が分かりません。
だから、無価値感を強く持つことになります。
それで学校でいい子をしていたり、自分を出せずに押し殺していたりすると、心の中には様々なストレスが溜まっていくことになります。
言いたいことが言えずに我慢するのは当たり前。
自分のことは放っておいて親同士の調整役を頑張る子も珍しくなければ、何とか母親を助けたくてやはり自分のことを放っておいてその愚痴を一生懸命聞いてあげる子もいます。
誰も自分のことを見てくれない。
自分なんていなくてもいいんだ。
そういう思いをずっと感じながらずっと育っていくんです。
「ずっと寂しかったよね?」って言われたらどんな気持ちになるでしょうか?
で、そういう環境に育つとどうしたって「助けが必要な人」を好きになりやすいものです。
親を助けたかった思いを恋人に投影するわけですね。
で、助けが必要な人ってことはそれなりに問題を抱えた人なわけですから、親との関係を再現してしまうことも多くなります。
そこでやっぱり無価値感や寂しさを強く覚えるようになるのです。
そこでアンダーグラウンドと出会います。
やはり既婚者との恋愛がそれにあたることもあれば、キャバや風俗などの水商売でそれと出会うこともあります。
「セックスしているとき、彼は自分だけを見てくれる」
「身体が目当てと分かっていても、熱烈に求められたら拒めない」
「自分の体に興奮してくれてる彼を見るとすごくうれしい」
そうしてアンダーグラウンドの住人になっていき、そこで得られる喜びがかけがえのないものになります。
しかも、罪悪感という刺激付きですからそこに依存してしまうのも無理はありません。
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そういう経緯をたどるものですからアンダーグラウンドから抜け出すのは至難の業のように感じられます。
大きな方向性とすれば「ライフワークを見つけ、そこにアンダーグラウンド以上の喜びを感じることで自然と抜け出せる」ということになるのですが、現在どっぷり沼ってる状態ならばそんなヴィジョンは信じられないでしょう。
アンダーグラウンドには罪悪感が付きまとい、自己嫌悪だって出て来ますが、ライフワークにはそれはありません。
純粋に喜びやわくわくだけがあってそれに満たされて行きます。
それは自由だし、開放的だし、未来がとても明るく感じられるものです。
長期的にはそれを目指していきます。
「その人生が示しているあなたの才能は何だろう?」
「アンダーグラウンドで解放されることでどんな魅力が出てくるのだろう?」
「あなたの心の軸となる“価値”とは何だろう?」
そこを見ていきます。
「あなたは癒し人ですよね。その才能を持って生まれてきたんです。」
そんな話を昨日もしました。
そして、その才能を活かすべく、これから何をしていけばいいのかを考えるんです。
「がんじがらめになっている子ども時代の自分を救いに行く」
「たくさんの穢れを浄化する」
「自分で自分を傷つける癖をやめる」
「女でよかった!と心から思えるように生きる」
「他人軸を卒業して自分のために生きられるようにする」
「自分が今まで得てきた価値や魅力を再確認する」
「子ども時代に抑圧してきた感情を解放する」
「自分が持っている才能、そして、エネルギーの強さを受け取る」
あとは個別メニューがいっぱいあります。笑
そうして「アンダーグラウンドで満たそうとしている感情を、表の社会でも満たされていくようにデザインしていく」んです。
アンダーグラウンドじゃなきゃ満たされないってことはないのです。
それは自分の価値観や思い込みを外したり、子ども時代の抑圧を解放したり、やっぱり親と向き合ったりすることで可能なんです。
「安全に、自分を解放し、自由に、自分らしく生きられるようになる。」
そこを目指していくんです。
少し勇気が必要かもしれませんが、「もっとオープンに、自分らしく生きたい!」と思ったら一歩を踏み出していただけたら幸いです。
◎過去や問題から才能・魅力を見出し、ライフワークをデザインしていく3日間セミナー。
5/3,4,5 ザ・リトリートセミナー in 神楽坂~生き方が、人生が、自分自身が変わる3日間~
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