「大嫌い」な人が「大好き」になってしまう心理~「嫌い」って気持ちはたいへんエネルギーを食うので向き合った方がいいと思います!~



嫌いな人ってのは相当エネルギーを食うでしょう?
最悪、好きなモノも嫌いになっちゃうパワーがあるのです。
でも、それだけじゃなく、「嫌い」と「好き」って私たちのマインドでは同じ動きをしちゃうんです。
そうするとさらに葛藤を引き起こす気持ちが出てくるんですよね。
だから、嫌いが強いときはちゃんと向き合った方がいいんです。

「嫌い」って感情って色々と大変だぞ?というお話です。

先日のザ・リトリートセミナー3日間で「大嫌いな上司がいる」というシェアがありました。
そのシェアをしてくださった方はお仕事も恋愛も家族もそしてイニシャルもドMでございましたから遠慮なくイジらせていただいて笑いをたくさん提供していただいたのですけれど、「え?その上司はは独身?そっかバツイチか。じゃあ、良かったー。心置きなく好きになれるね!」と話をしまして「は?ちょっとお前、表に出るか?」という狙い通りの反応を頂いておりました。その節はありがとうございました。

で、その際は「大嫌いな上司」ってのはいわゆる「同族嫌悪」であり、その人に見る要素は自分が抑圧しているものだ、という話をさせてもらいましたし、レポ的に記事にしました。

大嫌い→自己嫌悪→ニーズ→痛み→才能。


で、今日はもう少し平易というか日常的なレベルに落としてお話してみようと思った次第です。

みなさんの中には「はじめはあんまりいい感じの人じゃなく、正直苦手なんだけど、接していくうちになんか惹かれてしまってお付き合いすることになった」という経験がある方も少なくないんじゃないでしょうか?

私のクライアントさんにも「苦手だし、嫌いだった上司に迫られたんだけど断り切れずに不倫関係になり、そのまま何年もずるずる関係を続けてしまった。」という方がいらっしゃいまして、嫌いなんだけど、でも、なぜか断り切れないという葛藤をお話してくれました。

よく「『好き』の反対は『嫌い』ではなく『無関心』」と言われますよね。

心理的に見ると『好き』と『嫌い』はまったくと言っていいほど同じ影響を与えるものなのです。

いや、むしろ『好き』以上に『嫌い』に気持ちを持っていかれるのが私たちなのです。

例えば、クラスの中に「好きな人」と「嫌いな人」がいるとするじゃないですか。

あなたの右側の席に「好きな人」、左側の席に「嫌いな人」がいるとしたら、授業中、休み時間、どっちに意識が取られると思いますか?

「右」に意識を向けたいところだけど、気が付けば「左」に気が行っちゃうのって想像できるでしょうか?

また、セラピスト、ネイリスト、美容師、カウンセラー、コーチ、コンサル、士業のみなさまにとっては「うわー、今日15時から苦手なお客さんからの予約入ってるわー。それ以外はお気に入りの人なんだけどなー。最悪ー」と思ったことってありますよね?え?ない?ありますよね?(念押し)

その1枠の予約のために好きなお客さまと会える喜びもちょっと減っちゃうみたいな感じ。

これは人間の防御本能みたいなもので、嫌悪する対象から身を守るためにどうしても私たちは嫌いな方に意識を取られるのですね。

「嫌い」って感情はたいへん「不快」ですから、私たちの意識はそこに注意を向けてしまうわけです。

そうすると「嫌いな人」というのを私たちは観察するようになります。

「うわー、あの笑い方、ほんとキモいんだよね・・・」
「なんであんな嫌味を言えるんだろう?信じらんない・・・」
「何に対しても上から目線でほんと嫌なんだよね・・・」

坊主憎けりゃ袈裟まで憎いと言われるように、この人嫌い!となれば、その人が身に着けてる服もその色も持ってるアイテムまでも嫌いになりますね。

そして、その人を交わすために何かと相手を知って、対策を練ろうとします。

「あの人、自分はテキトーな癖に、人の言葉遣いにはめちゃくちゃうるさいから、あの人と話すときにはちゃんと敬語使わなきゃ。。。」

「あいつ火曜日の会議のあとは必ず機嫌悪くなるから、火曜日の午後は外回りに出たほうが無難だな。。。」

「あの人、ランチは決まってあそこのうどん屋に行くからあっち方面には行かんとこ。」

「いつも偉そうな態度取ってるくせに本部長にはぺこぺこしてるから、本部長と仲良くしとけばいざって時に守ってもらえるんじゃね?」

それで飲み会でその人の悪口で盛り上がると同時に、様々な情報を仕入れて防御を固めようとするわけです。

こうした行動って、、、好きな人に対するのと非常に似てるって分かります?

好きな人をたくさん観察します。
その好きな人が持ってるモノも好きになります。
好きな人に気に入られるように相手を知って、対策を練ります。
飲み会でもその人に関する情報収集に努めます。何なら「好き」ってことを匂わします。

そうするとどうなるか?

私たちのマインドが勘違いしちゃうんです。

「ええーっと、その上司のことって嫌いだったっけ?好きだったっけ?」

もちろん、意識上は「嫌い」です。間違っても「好き」ではありません。

けれど、その行動は「好き」と同じですので、自分のマインドが騙されてしまうのです。

それが周りにバレて「え?Mちゃん、もしかしてあの上司のことが好きなの?」とか思われたりしてめっちゃキモい状態になっちゃったりするし、なんか嫌いなんだけどなんか気になる、みたいに気持ちすら変わってくることもあります。

しかも、そうして「嫌い」な人を観察して理解しようとし、対策を練ることにエネルギーを割いているうちに、なんかいいところが見えて来ちゃったりすると風向きは一気に変わるんですよね。

嫌いだった分だけ、あとは加点するほかないんです。

「なんかあの人、みんなに嫌われて孤立しててかわいそう」とか思うようになっちゃうんです。先日までは「ざまあみろ」と思ってたのに。

「あの人、結局不器用なだけなんだよね。コミュ障というか、案外悪い人じゃないのかもしれない」とか「意外と紳士的なところがあるのかも。ふだんはそういう部分隠してるけど」とか見直しちゃったりしたらさらにヤバいですね。

それで、「あれ?もしかしてあたし、彼のことが好き?え?うそ。やだ。」という状態になることもあるんです。

とはいえ、嫌いな人を好きになるって話をしたいわけじゃないんです。今日のネタは。

そこに費やしてるエネルギーってものすごく無駄じゃね?ということが主題です。

嫌いな人に向けてるエネルギーって膨大ですよね。
しかも、そうしてエネルギーを費やすことって決して「快」ではありません。
つまりは「ストレス」なのです。

また、競争心旺盛な武闘派女子ならば経験があると思いますが、その嫌いな人とついつい張り合ってしまい、「その嫌いな上司に何とか認めてもらおう!」と情熱を燃やしちゃったり、その嫌いな人に勝つことだけを考えるようになったりして、本末転倒になることだって珍しくないものです。

そもそも「嫌いな人」とは関わりたくないですから、その相手から逃げようとします。
そうすると相手がどこにいるかを常に把握しなければならず、その時点でストレスですね。

その人と話をしなきゃいけないときには他の人の何倍も気を使います。
それもまたかなりのストレスを感じます。

何ならその人がいる場に行きたくなくなったりしちゃいますね。

その人の存在に意識を取られている分だけ、「やりたい仕事に就いたのに、ほんとにその仕事が好きかどうか分からなくなっちゃって」ということだって起こります。

嫌いな人にエネルギーを割くことでやりたいことができなくなったり、好きなことが好きじゃなくなったりするって、、、めちゃくちゃもったいないと思いません?

こういう話は職場ではもちろん、趣味の集まりでもそうだし、推し活でもあるあるだし、親族でも起こりうることですし、何なら「彼のお母様が嫌い」となれば一生もんのストレスを抱え込むことになるわけです。

それは辛い、めちゃくちゃ辛い。

だから、何とかしたいところなのですが、「嫌い」って感情だけど反応でもあるので、どうしようもないとあきらめてる人も多いわけです。

ましてや「嫌いな人を好きになるとか、受け入れるとか、もうそれだけで無理」と拒絶反応を示される方も多いでしょう。

とはいえ、自分ひとりで取り組むのはイヤだし、無理だし、難しいしってことで、こういう話題はカウンセリングとかリトリートセミナーとかグループセッションとかで解決していくのが望ましいものです。

よくお客様に伝えるんです。

「こういう嫌なことはこの場(カウンセリング)で扱いましょう。で、その問題はここで扱うからってふだんはもっと気分の良いことをやりましょう」って。

たぶん、そう思うだけで気持ちは軽くなると思います。

じゃあ、カウンセリングではどんな風に「嫌いな人」と向き合うのか?という話をしていくと、これまた気持ち悪い中身なんですよね。

「その人のどんなところが嫌いなの?」

一言で「キモい!」とまとめてしまうのではなく、どこがどんな風にキモいのか?というのを敢えて考えてもらいます。(ゲロ袋を片手に)

で、次に

「その嫌いな要素を持ってる他の人って誰か心当たりない?」

という点を見ていきます。

つまり、過去に嫌いだった人を今嫌いな人に投影してるんじゃねえか?ということです。

そして、そういう人に思い当たるところがあれば、さらに追っていきます。

そうすると「うーん、父かなあ」とか「姉ちゃんもそういうところがあるなあ」みたいな感じで具体名が上がってくるようになります。

そうすると問題は「その上司との関係」ではなく、「父ちゃんとの関係」に代わり、そっちが本命ってことが分かります。

「嫌いな上司問題のラスボスはおとんだった」ということです。

となると、今度は「父ちゃんとの関係を見つめ直していこうね!」という方法を取ります。

ルーツがおとんだから、ルーツを変えれば、今の上司との関係も変わるんじゃね?という戦略です。

そしたら、とりあえずここら辺のワークを「父」でやってもらうことになります。

「もう傷つきたくない」あなたが執着を手放して「幸せ」になる本」(学研プラス)
*セミナー動画『本気の手放しワーク』

さて、まあ、そこで「父」が登場して一安心か?と言えば、まあ、実はそこで終わりじゃないんですけどね。

最終的には「相手の嫌いな部分は、自分自身が嫌って抑圧している自分自身の要素の投影である」という大変不快な話にたどり着くわけです。

「嫌い」の度合いが強ければ強いほど、それは「同族嫌悪」と思ってよいと思います。

例えば、「上から目線で偉そうにモノを言う」ということが大嫌いであれば、自分はそうならないように繊細に繊細に注意しながら人間関係を築いていらっしゃると思います。

そうしなければならないのは自分の中にその要素があることを知っているからです。
自分の中になければそれを押さえる必要なんてありません。

そんな風に「上から目線で偉そうにモノを言う自分」が大嫌いだから、それを隠しているわけです。

その嫌いな理由も色々あります。

・昔、そういう言い方をして周りの人から総スカンを喰らって傷ついた。
・上から目線でモノを言って「あんたきついよね」と友達から言われて傷ついた。
・姉がやたら上から目線でモノを言ってくる人でとても傷ついた。

つまり、結局のところ「嫌い」の裏には「傷」があるってことです。

そう、こんなところは誰にでもあるわけです。

でも、傷が深い分だけその要素を隠そうとし、その要素を出してる人を嫌い、自分は絶対そうならないと誓うわけですね。

だから、この“誓い”が多ければ多いほど生き辛さを感じるようになります。

この“誓い”というのは「観念・ビリーフ・思い込み・自分ルール」と呼ばれるものですから。

だから、そうした自分の傷に気づき、そんな自分を受け入れ、許し、愛していくことが必要でして、そう、つまりは自己肯定感を上げていこうぜ!という話なんです。

さて、そうして嫌いな部分を掘り下げて自分で自分を受け入れられたらどうなるか?

まず、ものすごく軽くなります。

そして、「嫌いな上司」が「まあまあ嫌いな上司」に変わり、だんだん「まあ、どちらかと言えば嫌いかな」に変わり、やがて「まあ、平気」に変わって行きます。

でも、「まあ、平気」まで行かずとも「どちらかと言えば~」まで行けば、その上司と関わることはあまりストレスになりません。

そして、その頃にはその上司が上から目線で偉そうなことを言って来ても「はいはい、あなたはそういう人だもんねー。ほんで何?」という風に受け入れることができるんです。

「上から目線で言われることってあまり気分の良いモノじゃないけど、だからってそんな気になることでもない」という状態になるんですね。

ここ、注意してくださいね。

上から目線で言われることが好きになるわけじゃないってことです。
影響を受けなくなるってことです。

一度でもそういう経験をすると「嫌いな人がまあまあ平気になる」という自信が生まれるので、そこまで嫌いな人が現れなくなります。

つまり、他人に対して無駄なエネルギーを使うことが減るわけで、その分、余裕ができるんです。

かつて、その嫌いな人が父であり上司(社長)でもあった方をカウンセリングしていました。

その方はやがて「あれ?あたしって父のこと、そんな嫌ってましたっけ?」という状態になり(最大の癒しは「忘却」です)、父だけでなく、似たような個性のキツい社長さんたちとも対等に渡り合えるようになり、その分だけとても可愛がられる2代目社長になりました。。。

ただ、まあ、個人的にはこのプロセスってたいへんエネルギーを使うものでもありますから、ほんとうにそこにチャレンジした方がいいのかどうかは関係性にもよります。

例えば、習い事の先生が苦手で嫌いってだけなら教室を変えればいいと思います。
でも、その習い事が特殊でその先生しかおらん!ということであればがっつり向き合った方がいいと思います。

◎オンライン:3/10(日)14:00-17:00 ありのままの自分を知って受け入れる究極の自己肯定感ワークショップ~ありのままの自分ってなんだ?~
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/51841

◎大阪:3/20(水祝)、東京:3/24(日)12:00-17:00 ゆるむ・解放する・アク抜きする・頭を空にするワークショップ
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/51973

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