被災したときに仲の良かった友人数人から連絡が来なくてモヤモヤしているのですが、そんなあたしは視野が狭いんでしょうか?



決して視野が狭いわけではなく、心細いときにつながりを求めるのは自然なだからお怒りになるのもごもっともかと思います。
ただ、ずいぶんと回復してきてはいますが、まだまだメンタルも平常に戻ったとは言い難いですから早急な判断は後悔につながりやすいと思うんです。

根本先生こんにちは。もうすぐ40歳パート主婦です。4歳の子どもと夫と転勤族してます。時々、何かモヤモヤすると先生のブログを読み漁ってありがたい情報をいただいております。いつもありがとうございます。
さて、ここ数日もモヤモヤしており、思い切ってこちらに相談したいと思いました。ネタに採用していただけると嬉しいです。
元旦の能登半島地震で被災しました。震度6強で初めて大きな地震を経験しました。
家族は幸い皆無事でした。道路や建物はあちこちでダメージを受けており苦しくなりましたが、私達家族の住むアパートは無事でした。
しかしながら、断水が続き、復旧が遅過ぎる~!震災から1ヶ月経過しましたが、水が出ないー!メンタルがだいぶ疲れてきました。復旧にはまだ1ヶ月はかかると市が発表しています。
断水で日常生活が大変というおもいが大半ではありますが、私の中で、芽を出してすくすく成長中の気持ちがあります。
それは、自分が仲のいいと思っていた友人達から震災後、連絡が無かったことに寂しいと思っている自分がいることです。
年末、高校時代の友人8人グループでコロナ以降はじめて集まり久しぶりの再会を喜びました。(私は喜んでいました笑)
その、数日後に地震発生、いろいろな方から安否確認の連絡をいただきましたが、この友人グループから連絡があったのは2名でした。
それどころか、グループ連絡で年末の食事の割り勘分、ペイペイで送金お願いしまーすの文章が届き、がっかりしている自分がいます。
心配して連絡をくれた人は今後もお付き合いしたいがそうでない人は、、、ととっても視野が狭くなってしまいなんだか自分が情けないです。高校から何かあるごとに集まったり、結婚式に参加したりしていたのですが、繋がりなんてそんなもんかーとグレているところでございます。
こんな気持ちとどのように向き合えばよいでしょうか?
アドバイスいただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。
(Aさん)

大変な状況の中でメッセージ頂きありがとうございます。
ご家族のみなさまが無事でほんとうに良かったです。

そして、水が出ないというのは・・・そして復旧まで相当時間がかかるという話は・・・もう生活する上で不自由極まりないですよね。
「水」ってあって当たり前ですし、ほんとうに不便な生活を強いられていると思います。

こうした大きな災害のストレスは1か月~数か月後からじわじわと出てくるものです。
頑張ってなんとか生きていこう!という段階を経て少しずつ落ち着き、現状を受け入れ始めた頃にドッと疲れが来たり、情緒不安定になったりしますので、できるだけ睡眠や軽く体を動かすことをお勧めしたいのですが、、、余震の怖れや見える景色で気分が落ちたりしやすいですから、できる範囲でご自身のケアを心がけていただければと思います。

さて、とりあえず連絡を寄こさなかった5名にどういう処分を下せばよいか?というご相談でよろしいでしょうか?笑

とりあえず、「あいつ、連絡寄こさへんな。何割り勘がどうのこうの言うてるねん!」と不満が言えるってことは、震災直後に比べれば心に余裕が出てきて視野が広がってきた証拠でもあると思います。

つまり、Aさんの視野が狭いとか心が狭いとかそういうことではなく、心配して連絡をくれなかった奴らに対して不満を感じられるくらい余裕ができた、とも思えるのです。

もちろん、つい先日久々に邂逅を果たしたばかりであり、かつ高校時代の仲良しグループであるがゆえに安否を心配してほしいし、「何か必要なものあったら言うてね!自衛隊に運ばせるから!」くらいのことは言ってほしいと思いますよね?

実際、不自由かつ不安な生活の中ですから友達からのやり取りに心が安らぐこともあるでしょう。

こういうときは特に「つながり」を感じたいものですから、お怒りもごもっともです。

あれですかね、高校時代を思い出して体育館裏に呼び出してヤキ入れましょうかね?
それとも「恨みは岩に刻め」の如く、呪いの念を送りまくりましょうかね?

ちなみに転勤族の妻ということは、地元は能登じゃないんですよね?
となると地元に縁がない分、なおさら心細いですからつながりを感じたいですよね。

さて、「なんで連絡寄こさへんねん!」という事情については想像する他ないところですが、よくある心理をいくつか紹介したいと思います。

まず、「何を言うていいのか分からへん」という奴ですね。
こういう状況において、どんな言葉を伝えていいのか、何を言えばいいのか分からなくて右往左往しているうちに時が過ぎてタイミングを逃してしまった、という例です。

個々人の経験値にもよるのですが、ある意味、自分の方がパニックになってしまうようなタイプで、変に失礼なことを言って相手を困らせてはいけないとか考えすぎてフリーズしてしまう人です。

例えばあるクライアントさんが少し重めの病気にかかったのですが、その連絡をした友人の何人かに既読スルーされて大変お怒りになられてました。

で、のちほど理由を問い詰めたところ「何を言っていいかわからず・・・ほんとごめんなさい」とのことだったんです。

心配し過ぎて自分が不安になって彼女の気持ちを考えすぎてこれまた悲しくなって・・・という方で、エンパスとかHSPとか呼ばれる方に意外と多いです。

予想外のできごとが起こるとフリーズしてしまい、何もできなくなってしまう、というタイプが確かに存在するんです。

Aさんもその5名を思い出してみると「ああ、あいつはそんなタイプやな」ということが想定できるかもしれません。

いい悪いではなく、そういう性質なんですよね。

そして、変に感情移入してしまってるので「なかったこと」にして行動してしまい、なおさらAさんの逆鱗に触れてしまう輩もいます。

ちなみにこういうときに真っ先に連絡を寄こすのはほぼ武闘派な方々でして、同様の経験をしたことがあったり、医療・警察関係だったりしてある程度免疫のある方が多いものです。

で、次が「変に連絡を取って迷惑をかけてはいけない!」という風に思う人です。これは最近メディアでも言われることが多いので、こういう考えを持ってる方も少なくないと思われます。

実際に被災した方の中には「ふだん連絡を寄こさない人からも連絡が来てとてもウザかったでーす!こっちは返事する余裕なんてねーんだよ!」と感じられる方もいらっしゃいますし、だからこそ、少しでもスマホの充電を減らしてしまうなら・・・という配慮をする人です。

今回の震災では電気の復旧って意外と早かったんですよね?

だけど、かつての震災の際は場合によっては月単位で復旧が遅れていることがニュースになったりして、「こういうときはむやみに連絡を取ってはいけない」と思っている方も多いものです。

そういう方の場合は同じ仲間の別の人に連絡して「Aさんに連絡した?大丈夫そうだった?あ、そうかー。良かったー。じゃあ、こういう時期だからあたしからはしばらく連絡しないでおくわー」となっていることが多いです。

「迷惑をかけちゃいけない!」という意識が働いて「連絡を控えた」ということになります。

この辺の事情ってのは直接本人に聞いてみないと分からないですけれど、悪気があったわけではないのですが、「はよ、それ、言うてや!」となるものです。

もしかしたらその5名のうち何人かはここに当てはまることが想像できるかもしれません。

よく「自分がピンチに陥ったときに本当の友達が誰か分かる」という言葉がありますね。

そして、高校時代の友達グループでも、職場の仲良しグループでも、「グループ」という単位になると、それぞれ温度差が出てくるものです。

例えば、Aさんにとっても残り7名と平等に仲良しか?と言われるとYes!とは言えないと思います。

正直あんまり好きじゃない奴がいたり、もっと仲良くなりたい!と思う奴がいたり、その後の人生に嫉妬を覚える奴がいたり、逆に優越感を覚える奴もいたり。

グループという括りで繋がっているものの、それぞれに温度差が存在するのも確かです。

それゆえ、

「学生時代からの仲良しグループで未だに付き合いがあるんですけど、正直、今のあたしはあんまり関わりたいと思えなくて・・・。でも、やっぱり長い付き合いだから誘われたら参加するんですけど、、、どうしたらいいんすかね?」

「趣味の仲間でよく集まってわいわいやってるんですけど、その中に何人か苦手というか好きじゃない人がいて、疲れちゃうんですよね。もちろん大好きな人もいるからその集まりには参加したいんですけど、その人たちが来るならどうしようか悩むレベルでして。どないしたったらよろしいでしょか?」

という相談がちょくちょく寄せられるのです。

つまり、リーダー的な存在を中心に、ゆるやかにつながっているのが友達グループということで、もちろんたくさんの思い出を共有しているのですが、それぞれの状況の変化により、そのグループへの「忠誠心」というのはどんどん変わって行くものです。

Aさんもこの一件で「あいつとあいつは今後も付き合ってやろう。でも、残りの奴らは金輪際友達じゃねえ!あっしに近付くな!」と思われてるわけですが、メンバーそれぞれに似たような経験をしてきてるのかもしれません。

そういう意味では高校時代の友人グループが卒業後20年もつながってるってのはある意味奇跡みたいなものですけどね。

ふつう30代くらいまでの「就職」「転勤」「結婚」「出産・育児」「業務多忙」「海外逃亡」「怪我・病気」「親の介護」等々の事情によりグループのつながりが薄くなっていくことが想定されるのですが。

だから、ある意味それだけ絆が強いグループだったとも言えば、それ故に「あいつ、連絡寄こさへん」ということに幻滅と寂しさと悲しみなどが出てくるのは無理もないかと思います。

「えー、あんた友達じゃなかったん?うち、悲しいわ。あんたが失恋したとき、めっちゃ慰めたったやん?うちらその程度の友達なん?なんか寂しいわぁ」と言うのが本音だと思います。

ということで、繰り返しになりますが、Aさんの心が狭いとか視野が狭いとかいうことは全然ありませんのでご安心ください。

さて、マズローの5段階欲求という有名な話があります。

震災に遭った直後は「生理的欲求」(生き延びることが第一目的)が真っ先に動き、そして、次に「安全的欲求」(身の安全を確保したい)が動くものです。

そして、そこがある程度担保されると「社会的欲求」(他人とのつながりを求める)、「承認欲求」(自分を認められたい)という段階に進みます。

これは私もある程度その通りだと思っていまして、Aさんは安全的欲求をある程度満たした結果、社会的欲求を満たす段階までメンタルが回復してきたと言えるのですね。

そういう意味でも「なんであいつ連絡寄こさへんねん」という思いは至極当然であり、とても順調に来てると言えます。

ただ、平常時に比べると水が使えない、余震の怖れがある、街がすっかり変わってしまった、移動にも苦労する等々の不便極まりない生活をされているわけで、まだまだ緊張状態が続いているかと思います。

つまり、以前よりはだいぶ元気になってきたけど、まだまだ回復途上であるということです。

で、怪我にせよ、メンタルにせよ、その他病気にせよ、「良くなり始めてからがもっとも注意を要する」という時期なんですよね。

例えば、とある武闘派クライアントさまは、昨年、勇敢にも自動車に喧嘩を売って足を骨折する事態になられました。(ご本人は決して認めないのですが、その車は大破したし、運転手はなんとか無事だったそうです。)

そして、しばらく松葉づえの生活を送られていたのですが、それが取れた頃、担当医様ならびに担当療法士様からは厳重に注意されていたにも関わらず、「もう日常に戻った感」で普段通りの生活を始められたのですね。

そしたら今度は筋を痛めてしまったようで、お医者様並び療法士様には怒られ、担当カウンセラーには笑われるという屈辱の事態を招いてしまいました。

どうやら出勤時、自転車で坂道を猛ダッシュするトレーニングを毎朝繰り返されたようで、それが原因でした。(要するに朝が弱く、いつもギリギリになるってことです。)

「怪我した直後なんだから多少遅刻したってええやろ?」と思えないところが完璧主義系武闘派女子ですね。さすがです。

つまり「元に戻ったように思えて、実はまだまだ回復途中」という状態が一番危険ってことなのです。

つまり、今のAさんの状態もおそらくそんな感じだと思うんですね。

だから、確かにお怒りはごもっともであり、今後の付き合いについて議論を重ねたい気持ちはわかるのですが、先方にも事情があるかもしれず、また、ご自身もまだまだ生活がたいへんな中ですので、市中引き回し、打ち首獄門、島流し等々のお沙汰はもうしばらく後の方が良いのではないかと思われるのです。

とりあえず、連絡をくれた友人とは引き続き仲良くしていけば良いのですが、そうでない5名に関しては、今のところは「処分保留」にしておくのがいいんじゃないかと思うんですけどいかがでしょうか?

こうした災害に遭った場合に限らず、平常時でもメンタルって上下するじゃないですか。

特に女性はホルモンの関係で情緒が変わりやすいものですから、たとえ武闘派女子と言えども常に同じ状態をキープすることは無理と言っていいんですね。

で、そこに友人・恋人・家族・同僚などの間で不満を抱くことがあった場合、即座に斬り捨てて良いかと言えば、のちのち事情を知って後悔することも出てくると思うのです。

だから、自分のメンタルの状態を常にチェックしておくことが大切で、もし、なんか普段と違って情緒不安定気味だな、とか、上司にムカついてご乱心モードだな、というときは早急な判断は下さない方が後悔しなくて済むんです。

そういうときのためにも「なあ、これどう思う?」と気軽に相談できるメンターがいるといいですし、その存在が早急な判断を押しとどめてくれますね。

とりあえず皆さまもカウンセリングなどを使ってようが使ってまいが「こういうとき根本さんだったらどう言うだろう?」と考えてみるだけでも良いかと思うのです。

つまり「一時停止ボタン」をみなさまの心に装備していただけると無駄な武力を行使せずに済むんじゃないかなあ・・・と思うんですよね・・・。

ということで、まだまだ生活が不自由な中ですし、寒さも厳しい折ですが、ご自身、そして、ご家族の精神的な負担にも配慮しつつ、今できることにひとつひとつ向き合い続けていただければ幸いです。

◎慢性的な問題を手放して、本来の自分を取り戻してみませんか?(受付は2/6(火)18:00入金分まで)

東京:2/10,11,12 ザ・リトリートセミナー in 神楽坂~生き方が、人生が、自分自身が変わる3日間~
https://nemotohiroyuki.jp/schedule-cat/51398

根本の個人セッション
お弟子さんを検索する!

◎女性性とセクシャリティとサレンダーとコミットメント~実習メインのグループセッション~
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/43397

★武闘派女子のみなさまのための新たなバイブルが生まれましたっ!

戦闘力上がりすぎてひとりで頑張っているあなたへ1日5分、スキマ時間にととのう本(ハーパーコリンズ社)

●この記事を読んで「ああ、自分の場合はどうだろう?」と思われた皆さん。そのネタ、聞かせてください!もしかしたらブログ上で回答させていただけるかもしれません!(不採用になっちゃったらごめんなさい!何度でもチャレンジ可!です)

問い合わせフォームから「根本裕幸へのリクエスト(ネタ提供)」をお選びください。

また、お弟子さんたちのオンラインカウンセリング無料相談「ココロノマルシェ」でも随時ご相談を募集しています。


無料で読める根本のメールマガジン「予約の取れないカウンセラーが送る“毎日使えるココロの講座”」
より深く学びたい方のためのオンラインスクール「根本裕幸のメルマガ&動画で学ぶ、めっちゃ使えるココロの法則」


今日の話を無料アプリのvoicyで音声でラジオみたいに聴けます!

『(準備中)』


★Youtubeの公式チャンネルでも同じ内容を公開してます!(チャンネル登録よろしくお願いしますー!)

(準備中)


★voicy/youtubeで配信した話を文字起こしして公開してます!テキストで読みたい方はこちらからどうぞ!

『(準備中)』

★自宅で、カフェで、移動中に、どこでも学べる根本の心理学。
根本の著作一覧
根本裕幸のサイン本屋さん
セミナーセミナー動画・DVD販売・音声配信サービス販売サイト

あわせて読みたい