平和主義な人って実は怒りんぼ?相手の反応を気にし過ぎて考えすぎる人の裏にあるほんとうの自分とは?



自分のことが一番分からないものでして、また、生きてきた歴史もありますから、ほんとうの自分をどこかに隠しちゃっていて、その隠してることすら忘れちゃってるケースも多いのです。
平和主義で人間関係に苦労しちゃう人が実は怒りんぼなんてこともあるんです。

こんにちは。
私は仕事の人間関係や、その他対人関係の中で嫌なことをされたり言われたりした時に、「そういうことは不快なのでやめてください」と伝えたとしたら、「こいつはこういうのが嫌なんだな、しめしめ」とますます状況が悪化するのではないか・・と怖くなり、なかなか主張できません。
性格的にピエロになって場を和ませようとする傾向があり、母も要らない自虐をして愛されようとして空回りしているタイプです。
カウンセラーからは「あなたは徹底した平和主義で、人が好きなんだね」と言われたことがあり、そう感じさせることもナメられる原因の一つかなと思っています。
今は人と関わるのがとても怖いです。
どうしたら対人関係で生きやすくなりますでしょうか?
(Nさん)

「分かるー。あたしもそうなんだよね・・・」と感じられた平和主義な皆さんも多いんじゃないでしょうか。

カウンセリングでもよくあるテーマなんですよ。

「イヤって言ったら余計にひどいことされそう」
「はっきり言ったら気分を害されてこれからやりにくくなりそう」

そこから

「自分さえ我慢すればいい」

と思うこともありますし、

「人から下に見られてばかり」
「あたしには何を言っていいと思われてるフシがある」
「バカにされるというか、なめられてると思う」

みたいに悔しい思いをすることもあるでしょう。

それでピエロを演じてしまうのも「分かる分かるー」という方も多いんじゃないでしょうか?Nさんはお母さん似ということですね。

さて、結局のところ「自分軸の確立」というのが何よりも求められるところでして、「優しい」のはいいけど「優しすぎる」のは自分の首を絞めますから、時には「鬼」になることも必要なのですね。

そのためにも「自分軸」はすごく大事なのです。

また、相手のことを思うことは良いことなのですが、相手のことを考えすぎて疲れちゃうこともあるでしょう?

職場なんかだといつも人のことを考えてしまいませんか?
だからコミュニケーションに苦手意識が出てくるでしょうし、職場がすごく疲れる場になりやすいものです。

で、ここからは私の経験というか思い込みというか先入観というか決め付けというか、そんな感じで話を進めて行こうと思います。

Nさんが画面の向こうで「違うよ!全然違うよ!」と叫んでいたとしても残念ながら私の耳には届かないので、そう思った場合はスルーしていただくか、御恨み帳を活用してもらえれば幸いです!!

さて、「人が怖い」と感じる心理を掘り下げていくとたぶん意外と思われる結論に至ることが多いものです。

ひとつずつ行きましょう。

まず、そうした優しい人、人の気持ちが分かる人だからこそ、相手の気持ちを考えすぎて平和主義になります。

相手の気分を害したくないし、揉めたくもないし、仲良くしたい、と思います。

でも、やっぱみんながそういうタイプじゃないから合わない人もいれば、自分とはタイプが違う人もいます。

だから、大人しくしていることが多くなるんですよね。

それで周りから舐められたり、軽く扱われたり、いいように扱われたり、利用されたりするわけで、それがものすごくストレスになります。

けど、それを嫌だと言っても分かってもらえなさそうだし、余計にひどくなりそうなので、我慢しますよね。

顔で笑って心で泣いて、となるわけです。

辛いけれどそうするしかないので、人と付き合うことが嫌になり、人が怖い、苦手、という風に感じます。

だから、そんな方の中には「人よりも動物の方が好き」というタイプだって少なくないものです。

でも、ここはまだ浅瀬です。
ほんとうの問題には触れられていません。

「人が怖い」を「投影」として読み解きます。

一つ目の解釈は「人に誰を投影しているの?」ということになり、自分が過去にうまく行かなかった人たち、自分が苦手だった人たちを目の前の人に投影していると捉えます。

例えば、いじめられた経験があってそれがまだトラウマになっているとするならば、どんな場にいっても「またいじめられるんじゃないか?それは絶対に嫌だ」と思うので、びくびくしてしまいますね。

そして、ものすごく気を遣うようになり、ほんとしんどくなります。

この場合は「いじめられた経験を癒して行こうね!」という風になります。

同級生だったり、きょうだいだったり、親だったり、先生だったりと改めて向き合っていこうぜ!という方針で心の痛みを取り除いていこうとします。

そして、二つ目の解釈。ここが本題です。

「怖いのは自分自身なんじゃね?」というものです。

「自分が自分のことを怖れているから、それを人に投影して、人が怖くなる」わけです。

え?自分が自分のことを怖れてる?なんで?え?なんで?

怖れているのは自分のキャラではなく、「怒り」です。

たぶんNさんをカウンセリングするならば、「ほんとはけっこう怒りんぼじゃね?」といきなり切り出してしまうかもしれません。

イヤなことをしてくる奴らのこと、めっちゃ怒ってません?
自分と同じようなことをしてるお母さんのこと、怒ってません?
そして、うまく立ち回れない自分のこと、すごく怒ってません?

この「怒ってません?」というのは「嫌いじゃないっすか?」に置き換えてもらっても構いません。

「平和主義な人って実は怒りんぼなんだよね」というのはけっこう定説だと思っています。

でも、その怒りを怖れて抑圧しているので「え?全然怒ってないですよ」と思ったり、「自分は怒るのが苦手」と感じていたりするものです。

だから、「けっこう怒りんぼですよねえ?」と伝えても「え?いや、そんなことないと思いますけど・・・。むしろ、あたし、怒るのは苦手で、友達からももっと怒ったほうがいいよって言われることが多いです。」と返ってくるのが既定路線です。

そう、あたしが怒ったら相手をその炎で燃やし尽くしちゃうから出しちゃダメなんです。
そう、あたしが怒り始めたら止まんなくなっちゃってヤバいから出さないようにしてるんです。
そう、あたしが本気で怒ったら半径5km以内を焼き尽くしちゃうから、地球のためにも怒らないようにしてるんです。

なので「けっこう怒りんぼですよね」と言ったらその火炎放射器で焼かれそうだ、とビビった根本先生は実際は「Nさんって実はめちゃくちゃ情熱の女ですよね?」と表現することが多いものです。

これがやりたい!ってことってあんまりないんじゃないでしょうか?
恋愛はどう?自分から好きになることってある?遠くから見つめてるだけ?
相手が好きって言ってくれたから付き合うことが多くない?
何かにドハマりすることってあんまりなくない?

「ほんとうはすさまじい情熱の女」
 ↓
「あたしが本気出したら周りの人たちを焼き尽くしちゃう!」
 ↓
「それはイヤだ。みんなのことが好きだし、仲良くしたい!」
 ↓
「でも、炎が強すぎてうまく調節なんてできない!」
 ↓
「じゃあ、いっそのこと、その情熱を封印しよう!」
 ↓
「そうだ、情熱を封印することに情熱を注げばいいんだ!あたし賢い!」

という経緯によって「クール」「平和主義」「何考えてるか分からない」「従順」「おとなしい」「口数が少ない」「あんまり怒らない」「ピエロ」になるんです。

あ、ちなみに「ピエロになって笑いを取りに行く」というのも怒りの表現の一つなんですよ。

でも、情熱的に情熱を封じることに成功すると、当然ながら自分が情熱的であることなんて忘れてしまいます。ていうか、忘れないとヤバいので忘れようとします。

だから、上記のプロセスはすっかり歴史に埋もれてしまいまして、「あたしは物心ついたころから大人しくて平和主義だった」と思い込むようになります。

そして、情熱を封印することによって確かに怒りは感じなくなるんですけど、同時にやる気もやりたいこともハマるものも見つからなくなります。

もちろん、一部の賢明な方々は「アンダーグラウンドにてそれを解放する」とか「家族の前では怒りまくる(内弁慶)」とか「推しにはものすごく課金する」という作戦に出てバランスを取りますが、ガチ勢な方々は表でも裏でも情熱を隠すので、本気で自分は大人しいと思い込んでるアブナイんです。

なので、

>嫌なことをされたり言われたりした時に、「そういうことは不快なのでやめてください」と伝えたとしたら、「こいつはこういうのが嫌なんだな、しめしめ」とますます状況が悪化するのではないか・・と怖くなり

というNさんの心境なのですが、本音の本音で言えば、何が怖いって「あたしが怒ったらこの人のこと秒で殺しちゃうもん」ということだろうと思われるのです。

そもそも「そういうことは不快なのでやめてください」なんて言うまでに火炎放射器をぶっ放して黒焦げにしちゃいそうなので、必死に抑えてるんですけどね。

・・・なんて言われたらNさんどう思います?

「え、全然ちがう。そんなことない。」と思います?

それとも「そう言われてみればちょっと思い当たるかも・・・」でしょうか。
あるいは「うははははは。バレたか!しょうがねえなあ!」と思うでしょうか。

お母さんも同じタイプであれば、お母さんもたいへん情熱の女で、昔から怒りを抑えまくって来られたのかもしれません。

そして、そのやり方をNさんはまるまる真似たんだろうと思われます。

だから、案外、この抑圧の歴史は古いと思うのですが。

となると体は元気でしょうか?

情熱の女はその情熱に耐えられるボディをお持ちなことが多いので健康な方も多いのですが、あまりに情熱が強すぎる人はその耐熱ボディに傷がつくことも多いんですよね。

だいたい胃腸もしくは婦人科系に出ることが多いんですけどね。
(長期的に見ると肝臓に出る人もいます。)

とはいえ、長年封印してきた情熱(怒り)をいきなり出せって言っても難しく、御恨み帳を書こうとしてもなかなか筆が進まないと思います。

なので、怒りそのものを扱うっていうよりは情熱の方に目を向けていくのがいいのかなあ?と思いますし、そのためにはやっぱり「自分軸」って大事なんですよね。

「あたしはあたし、あいつらはあいつら」という線引きです。

それと同時に「自分を知る」ということをより進めていただきたいと思うのです。

今日はNさんに「情熱の女っすよね?」という話をしたのですが、それをNさんがどれくらい自覚しているか分からず、また、それが間違ってる場合だってあると思いますし、そこは実際に話をしてみないと何とも言えませんよね。

でも、そんな風に「自分の知らない自分」というのを私たちはけっこう持っているものです。

自分ではダメだと思ってるけど意外とイケてる、とか、自分は○○だと思ってたけど実は△△だった、みたいなことって実に多いのです。

カウンセリングでも「自分がそういうタイプだとは思ってませんでした」という感想を頂くことも多いのですが、ある意味、それくらい自分のことは自分では分からないんです。

なので、カウンセリングを受けるなりして「自分を知る」ということをやっていきます。

そうすると「あれ?あたしは後方部隊所属だと思ってたけど実は突撃部隊だったの?」とか「え?それがそんな価値のあることだったの?」とか「へ!?それがふつうだと思ってました。意外です。」なんてことがたくさん見えてくるわけです。

そうして知ることによって意識がそっちに向きます。

Nさんが「そうか。あたしは怒りんぼで情熱の女だったのか。全然知らんかったけど、そうなのかもしれへんなあ」とか思っていると、Nさんの意識はその方向に行きますから、徐々に怒りを覚えたり、情熱を感じたりすることが増えてくるのです。

そうして、気が付けば「鼻息荒く、道なき道を驀進する筋金入りの自立系武闘派女子」になるかどうかは分かりませんけど笑、今よりはずっと情熱を感じながら生きられるようになっていきます。

そしたら、今よりずっと楽に生きられるし、人に対しても怖れを抱くことなく向き合えるようになっていくのです。

ま、自分らしく生きられるようになったら大丈夫なんだぜ?だから自分を知ろうぜ!という話ってことですね。笑

◎ワークショップ「自分軸とは何?なぜ自分軸が大切なのか?どうしたら自分軸が確立できるのか?」
 東京・神楽坂:2023/7/16(日)14:00-16:30
 大阪・西梅田:2023/7/23(日)14:00-16:30
 オンライン:2023/7/29(土)19:30-22:00
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/49488

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平和主義な人ってほんとうは怒りんぼなの!?〜自分のことは自分が一番わからない〜


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