*
相手の否定的な言葉を真に受けてしまい、さらにそれを引きずって気分が沈んじゃうことってありますよね?
でも、それ、自作自演の可能性が高いんです。
もし自分軸が確立され、自己肯定感が高ければそういう反応は起きないのです。
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パワハラともとれる職場の先輩の発言に怒りが治まりません。気持ちをどのように持ち直すのが良いか毎日モヤモヤしております。
仕事で、「絶対にやらなければならないけど面倒な案件」というものが発生し、そのメンバーの一人に選ばれてしまいました。
先輩(49歳男性)は、そのメンバーを見て面白がるように、「こんなの貴方しかやる人いないじゃん」と若干私をイジるように言い、「これって、絶対にやらなきゃいけない仕事なんだけど、正直誰でもできる仕事じゃん」とパワハラとも取れる発言をするのです。
私は自分には無価値感や劣等感があることを自覚していますが、(自立系武闘派女子の後方待機部隊かと思っています)普段は人に対して言い返したりなど出来ませんが、次に何か言われた時は絶対に言い返してやろうと思うほど、腹が立ちました。
なにかスキルが欲しくて今まで技術職として実務経験を積むべく頑張ってきただけに、とても悔しかったです。
けれど、それと同時に、そう言われても仕方ないほど、自分には特別なスキルや経歴があるわけではないという事も思いしらされるのです。
これから数ヶ月と、その仕事に関わらなければならないのに、そのたびに先輩のその発言を思い出し、惨めな気持ちになります。
私も自己肯定感を上げれば、こんな発言に対しても聞き流せるようになるのでしょうか。
(Aさん)
よく後方待機部隊に所属される方々は「恨みは岩に刻め!」というポリシーに基づいて、怒りを丁寧に折りたたんで肚の中にしまい込むことが多いようですな。
そして、いざって時にそいつを取り出して「うぉりゃー!!」との掛け声と共に目の前の野郎どもを吹っ飛ばす技をお持ちですね(それを俗に爆発とか噴火とか言いいますね)。
そういう意味では先輩(49歳男子)がいつまで命長らえるかが気になるところでして、このネタを頂いて10日ほどが過ぎておりますが、まだ彼はご存命でしょうか?それともとっくに秩父の山あたりに埋められている頃でしょうか?
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上司や先輩、時には後輩の一言がグサッと刺さり、悶絶しつつもその思いを必死に押し殺して平静を保つ、という技術も勤続ウン十年となれば容易に獲得されていることかと思いますが、はてさてその押し殺された怒りはどこに向かうのか?が肝心なところでございます。
自分の中に怒りを溜め込みますとその多くは「自己攻撃」の材料として使われることになります。
Aさんもその先輩のイジリに対して無価値感や劣等感を刺激され、さらには特別なスキルや経歴がない自分に怒りの矛先が向いちゃいますよね。
その発言を思い出して惨めな思いをするってことはやっぱ自分を責めてますよねー。
で、今回のことに限らず、【何かのきっかけで怒りが出る→抑える→自己攻撃が始まる】というパターンってありませんか?
そして、それが癖になっちまってるようなところ、ありませんか?
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自己肯定感は確かに大事なんですけれど、そこでまず思い出すと良いのは「自分軸」です。
その先輩の言葉をきちんと線引きをして受け止めることをするんです。
HSP気質な方に限らず、けっこう相手の言葉を真に受けてしまう方って少なくなくて、それで必要ない自己攻撃が始まるのは「自分いじめ」みたいなもんなんです。
分かっていても繰り返しちゃうことがあると思いますが、だからこそ何度も繰り返し「自分軸トレーニング」をすると良いのです。
ちょっと意識的に「ああ、先輩はそう思ってんのねー。」という風に捉えるわけです。
このとき「先輩は」という部分を強調することがポイントです。
この自分軸が確立されてないと先輩の冗談とも本気とも取れる言葉を「全人類の意見」として受け止めてしまうことも少なくないんです。
いやあ、それはないよね?笑
単にその先輩がそう言ってるだけで、「私には関係ないこと」として意識することが目的です。
後追いでもこれをやってみると少し心が軽くなるかもしれません。
★自分軸を確立して人間関係をよくするための本。
*文庫版人のために頑張りすぎて疲れた時に読む本 (だいわ文庫)
*新書版『なぜ、あなたは他人の目が気になるのか?』(フォレスト出版)
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さて、「絶対にやらなければならないけど面倒な案件」と言えば、個人事業主の皆様はまさに今「確定申告」という案件に嫌々ながら取り組まれている頃かと思いますが、Aさんにおかれましても、そんな面倒な仕事を惨めな思いを持ったまま関わるのは相当気が重たいですよねー。
さて、なぜそんな風になっちまうか?というと、Aさんの中で、
(先輩)「こんなの貴方しかやる人いないじゃん」
(A氏)「そうなんすよ。あたししかやる人いないんですよ」
(先輩)「これって、絶対にやらなきゃいけない仕事なんだけど、正直誰でもできる仕事じゃん」
(A氏)「そうなんすよ。誰でもできる仕事なんで、何のスキルもないあたしくらいしかやる人いないんすよ」
と“全面的に同意”しちまってるからなんです。
そこで、“本来のAさん”が対応するならば、
(先輩)「こんなの貴方しかやる人いないじゃん」
(A氏)「は?ほほー、あたしにそんなこと言うなんて度胸あんな。とりあえず表出な」
(先輩)「これって、絶対にやらなきゃいけない仕事なんだけど、正直誰でもできる仕事じゃん」
(A氏)「は?じゃあ、お前やれよ」
という流れになるはずで、先輩も秩父の山に埋められることなく、恐怖に慄きながらその面倒な案件に取り掛かっていたことでしょう。
これを「自分軸が確立されると人間関係が楽になるんすよ」という一例だと思ってもいいです。(ま、言葉遣いには多少のアレンジが必要かと思いますが)
でも、みなさんも先輩、上司、後輩、取引先、彼氏、友達、親、きょうだい、大将、女将などの言葉に“全面的に同意”しちゃうことってありませんか?
何か言われて「え?そうなの?そうだったの?ガーン」みたいな。
元々いい人で素直な人だから、という風にも言えるんですけど、人間関係を良くしたい、場の空気を乱したくない、みんなと仲良くしなきゃ、などの思いがある「いい人」がよくハマりがちな落とし穴です。
あくまでその人が勝手にそう思ってそう言ってるだけなので、「ふーん、あんたはそういう風に思うんだ。へー」と受け流すこともできるはずなのに、「あ!そうなんすね!分かりましたっ!」といい反応を返しちゃうんです。
そして、それは自分軸が確立されてないだけでなく、やっぱり自己肯定感の低さがそうさせるんです。
自信がなくて、自分のことが間違ってる(悪い)と思っているからこそ、「相手の言葉を真に受けて、全面的に同意」してしまうんです。
*
そして、その全面的に同意しているからこそ、次に「自己攻撃」につながる「怒り」が湧いてくるんです。
「そうなんですよ。あたしなんてロクに仕事もできないし、たいしたスキルもありませんから、誰でもできる仕事しかできないんですよ」と思っている自分がいるってことです。
>なにかスキルが欲しくて今まで技術職として実務経験を積むべく頑張ってきただけに、とても悔しかったです。
という風に、たぶん元々Aさんは自分のことを「否定的」に見ていたのでしょう。
スキルが欲しくて実務経験を積むってのはものすごくいいことなんですけど、逆に言えば、それが自己嫌悪にもなってたんです。
でも、悔しいって思うってことは「先輩にはあたしの頑張りを理解してもらってない」「あたしだって一生懸命スキルを身に着けようとしてるのにそんな否定的な言い方をするのはよくない」みたいな思いもあるということで、これはとても良いことです。
また、「怒り」が出てくるってのは必ずしも悪いことじゃなくて、Aさんはあまり自覚してないかもしれませんが、それなりに自信もあるんだろうと思われます。
まったく自信がなければ「ただただ凹む」もしくは「諦めの境地に達する」という状態になるものですから。
だから、そうして頑張ってきた成果は少なからずAさんの心の中に蓄積されてるみたいですね。
*
でも、やっぱり無価値感とか劣等感があるんでしょうなー。
それ、どこから来てるんでしょうね。
中間子長女だから?
兄・弟の方が優秀だったから?
母の目が自分を通り過ぎて弟に行ってたから?
その辺は「ふつう」と思われてる家族関係にも目を向けてみるといいかもしれません。
一般的によくあるケースですが、中間子は浮きやすいものです。
ただ、唯一の女の子ということで目をかけられるケースもあります。
また、末っ子は元々可愛いし、男の子ということで母の目が末っ子ばかりに向いちゃうこともあって、寂しい思いをする中間子も少なくありません。
そういう風に親ときょうだいの関係に着目してみると「なんであたしはこんな自分に自信がないんだろう?」ということが分かってくる場合が多いです。
★兄弟姉妹本
「兄弟姉妹の心理学 弟がいる姉はなぜ幸せになれないのか」(WAVE出版)
Youtube:「兄弟姉妹の心理学~きょうだいそれぞれの言い分を聞いてみようじゃないか!~」
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そもそも人の言葉で傷ついてしまうのは、
「元々自分でも自信がなく、自己嫌悪している」
↓
「誰かがその部分を直接的・間接的に突っついてくる」
↓
「傷つく」
↓
「傷心もしくは激怒」
みたいな流れがあるんです。
大事なのは「自己嫌悪」が先にあって、「人の言動」が後に来るところです。
例えば、「あたし太ってるよなー。太ってたらモテないよなー。ダメだよなー」と自分を責めていたとします。
そうすると「○○ちゃん、もう少し痩せない?」って人に言われたら傷ついてしまいます。
でも、「太ってるあたしも可愛いわあー。みんなこの体に癒されるんだよねー」と肯定的に見ていたら同じことを言われても「ええ?なんで?今のままでいいじゃん」と思えるので傷つかないんです。
そう、「元々自分で自分を責めている(否定している)ところを他人に指摘されるから傷つく」ということは「他人の言葉で傷つくんじゃなくて、他人の言葉を“利用して”自分で自分を傷つけている」と言えるんです。
これ、ものすごく重要です。
だから、逆に言えば誰かの言葉で傷ついたと感じたら「あ、あたしはそこに自己攻撃があったんだ!」と気づけるし、「よし、そのことをもっと肯定していこう!」という風に思えるでしょう。
誰かの否定的な言葉に傷ついてそれを引きずってしまうのも、その人の言った言葉を自分が受け止めて、それを今度は自分が自分に言い続けてるからです。
Aさんのケースでも、先輩が「これって、絶対にやらなきゃいけない仕事なんだけど、正直誰でもできる仕事じゃん」と言ったのは一回だけだと思います。
でも、今現在もその先輩を自分が脳内に登場させて、そのセリフを言わせてるから、怒りが収まらないし、惨めさが続くんです。
先輩が悪くないとは言いませんが、その先輩の言葉を使って自分を責め続けて、自分を惨めな思いにしているのはまさしく自分自身なのです。(これもまた「すべての問題は自作自演」と言えます。)
「じゃあ、その先輩を脳内から排除すればいいじゃん」と思うんですけれど、それがなかなか難しいのは、そもそもその先輩を脳内に呼び出してるのが「自己嫌悪してる自分」だからです。
元々自己嫌悪があり、「自分なんてダメな奴なんだー!」と思っていて、そこに飛んで火にいるなんとやらで先輩の言葉がやってきたわけですから、自分を責めたい自分からすれば格好の材料を手に入れたわけです。
なので、Aさんもお気づきのように「自己肯定感」ということがものすごく大事なんですな。
*
「こんな自分でも愛されるし、許されてるし、大丈夫。」
日々、そう唱え続けてみてください。
同時に自己肯定感をあげるべく、「まあ、それが今の自分なんだからしょうがないよねー」と言い続けてください。
それから自分の頑張りを自分で認める(自己承認)を日々意識したり、自分のご機嫌をとって自分を笑顔にすることに取り組んだりしていきましょう。
自己肯定感をあげるために「自分をご機嫌にする」ってとっても大切です。
そうして自分で自分を認めていけば、「情熱的なゆえに怒りんぼうでもある本来のA氏」が爆誕し、その先輩を躊躇なく秩父まで連行することが可能となるでしょうし、そもそもそんな不用意な発言ができない関係を築くことができるものです。
「けっこう大人しそうに思われるけどほんとはわがままだし情熱的だし怒りんぼだし、ってことはセクシャリティも強いし、まさに武闘派でしょ?」
最近グループセッションとか個人セッションで幾度となく参加者の方に伝えた言葉をAさんにも送りたいと思います。
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