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人から評価されることを望む時点で他人軸なわけですが、もし、その評価されるために嫌いなものや苦手なことを克服しようとするならば本末転倒になることが多いかもよ、というお話です。
他人軸になると自分の魅力や価値を削ってしまうリスクが少なくないのです。
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駐在妻を経て無事に本帰国して高校教員に復帰をしました。4月から新しい職場で勤務しています。
もしもアドバイス頂けたらと思いメッセージを送ってみました。
私は幼少期から社会人に至るまで、要領があまりよくなく、物事(仕事内容等)ののみこみにも時間がかかります。
締切を守らない、時間に遅れる等はないもののスピーディーさに欠けます。
そのため、新しい環境や組織に入ってから約1年ほどはパッとしない毎日が続いてしまいます。
教員の仕事は成績処理などの事務仕事も多いため、要領よくスピーディーに処理できる人が評価され重宝される傾向にあります。
一方で私の得意分野は生徒との面談で心情を聞き出したり、記録をまとめたり、授業を行ったりということです。
誰にも心を開かない生徒が思いを話してくれるということも珍しくありません。
ただ、生徒との関わりは管理職が見ていないことも多く、評価され辛いという背景があります。
「もっと評価されてもいいのに」「アピールが下手だ」と言われることも多かったですが、自分の立ち位置を確立することが苦手で、どのようにアピールするのかもわかりません。
大器晩成が悪いとは思いませんが、もう少し評価されたりイキイキと働くにはどうしたらいいのだろうと疑問に思っています。
働きながら大学院を修了した経験と学びも、生かせていないように思います。
コツなどがあった是非お聞きしたいです。
よろしくお願いいたします。
(Yさん)
評価されることってそんなに大事なことなんでしょうか?
・・・というテーマでお届けしたいと思いまーす!
ということで、「え?」「は?」「へ?」と思われる方も続出しているかと思いますので、その辺の話を進めて参りたいと思います。
「評価されること」がなぜ欲しいのかを考えてみてくださいませ。
逆に「評価されないこと」がなぜ嫌なのかも考えてみてくださいませ。
どっちみち「他人軸」であることはお気づきいただけるかと思います。
組織の中で働いていらっしゃる方は評価されることがそのまま自分のポジションに直結するわけですから、とても重要なことだと思います。
また、事業をされてる方からすれば、お客様から評価されなければ売り上げが伸びないわけですから「いいね!」や「高評価」を気にしてしまうのも無理はないと思います。
で、その上での「評価されることってそんなに大事なの?」という問いです。
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例えばYさんはさすが自分のことをよく分かっていらっしゃって、
「○○や△△が苦手」
「1年はパッとしない」
という短所も知っていらっしゃるわけです。(1年経てばパッとするんだからそれでよくね?とも思いますが)
また、
>生徒との面談で心情を聞き出したり、記録をまとめたり、授業を行ったりということです。
という得意なこともちゃんと理解していらっしゃいます。
たぶん、Yさんにとっては、生徒や親御さんよりも校長・教頭・学年主任などから評価されることが大事なんだろうと思いますが、はてさて、短所を直そうとすることでその長所が削られてしまうリスクは怖くないのでしょうか?
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人は苦手なことに取り組むことはけっこうストレスを伴うものですし、その種類によっては改善しようと頑張ったところでさほど成果が得られないものも多いわけです。
その結果、頑張った割に変化が少なく、それでいながらストレスだけはたんまり抱え込むという謎の現象が生まれます。
これ、仕事のみならず、婚活などでもかなり多く見受けられる現象なので皆様も心当たりがあろうかと思います。
さて、ストレスが溜まるとやっぱりしんどいので、苦手なことに取り組む意欲というのは減衰していくわけですが、そのとき、同時に得意・長所分野についても当然ながらそのストレスが影響するので、モチベーションそのものが下がっていくものです。
つまり「苦手な事務作業を何とか頑張ってこなそうとするあまり、大好きだった人とのコミュニケーションがしんどくなり、結果、その仕事そのものが嫌になる」という状況になるわけですね。
そんな「短所を直すために長所を無くす」という切ない上にもったいないことに取り組むのは私としてはあまりお勧めできないんですよねー。
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人はけっこう思考的で、特に学がある方ほどその傾向は強く、その結果、「効率」みたいなものを求めたり、「正当な評価」などを求めたりするのですが、結果的にそれが遠回りになる可能性があることにあまり気づいていないのかもしれません。
つまり、東京から福岡に行く際に「飛行機は超絶嫌いなんだけどその方が早くて効率的だから頑張って飛行機に乗る!」みたいなことをするのですが、じゃあ、その福岡空港までの旅を楽しめるか?っていうと、乗ってるときじゃなくて、それを決めたときからあんまり気分は良くないと思うのですね。
それならば「飛行機は超絶嫌いなので福岡まで遠いけど5時間かけて新幹線で行く!」方がはるかに気分もよく、また、「どんなお弁当食べようかな?」「何して楽しもうかな?」という発想も出やすいはずです。
つまり、ここで「自分の気分の良さ」よりも「効率」の方を優先させてしまっていて、結果的にそれがまた新たなストレスを生み出すことは知っておいた方がいいと思います。
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さて、そういうわけで評価者に気を遣う他人軸な状態を続けると好きだった教員の仕事まで嫌いになるリスクが大きく、かつ、どんどんイキイキと働けなくなるという自分の資質を
「だってそれが私なんだもん」
と受け入れることを私はおススメしたいのですな。
苦手な事務処理を頑張ってできるようになって管理者に評価されたとしても、その管理者が定例異動になって変わればまた新たな管理者に気を遣わなければなりません。
しかも、評価ってのはその人がすることですから自分なりにできるようになったとしてそれが評価されるかどうかは分かりません。
となると、一見遠回りであまり評価には影響がなさそうな生徒とのかかわりによりエネルギーを注いだ方がきっとイキイキと働けるようになるし、「Y先生は、事務方には向いてないけど教育現場にはぴったりの人材である」と評価されることになるでしょう。
まあ、そこでYさんにとって何が大事か?というところは改めて見つめ直した方が良いところです。
管理者から評価されることを求めるのは、生徒との関係に自信があるからじゃないでしょうか?
生徒への対応に自信があるからこそ、事務作業が苦手なことで評価がマイナスになることを怖れていらっしゃるんじゃないでしょうか?
そこで事務作業にエネルギーを注ぐことにどんな価値があるのでしょうか?と思うわけです。
それならもっと生徒の魅力を引き出し、可能性を伸ばしてあげ、心を開かせてあげる方がずっと意義のあることだと思いますし、また、Yさんが目指しているのはそっち方面だと思うんですよね。
評価されることを求めるがあまり、ほんとうに大切なもの、自分にとって価値のあるものを蔑ろにしてしまうのはやっぱりもったいないわけです。
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私たちは無意識に「万人に好かれたい」という無謀な欲求を持っており、その結果、自分を好いてくれる人よりも、自分を嫌っている人にエネルギーを向けてしまう傾向があります。
その一方で、「分かる人に分かってもらえれば良い」という価値観があります。
せっかく先生という職業に誇りを持ち、生徒とのかかわりに自信を持っているのであれば、そっちにエネルギーを注いだ方がずっと心はイキイキしてくるものです。
自分の立ち位置を自分で確保することが苦手であれば「それは自分じゃない誰かの仕事」と手放してしまってもいいでしょう。
事務作業が苦手ならば「すいませーん!あたし苦手なんですー!ごめんなさーい!」とかわいく言えることを鏡の中で日々練習した方がきっと効果はてきめんです。
周りの人に「Y先生は事務が苦手だもんなあ。しょうがないよなあ」と思わせたほうがずっと仕事はしやすい環境になります。
「何が大事なのか?」
「自分は何がしたいのか?」
他人軸になるとこの大切なポイントを見失い、自分が自分じゃない状態になってしまいます。
結果、何のために先生をやっているのか分からなくなったらそれこそ社会の損失ですよね。もったいなさすぎます。
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例えば、職人気質な人というのは案外不器用なものでして、新しいものを採り入れるのに時間がかかる人も少なくありません。
しかし、じっくり時間をかけて自分のモノにしていくと、そこで職人気質が発揮されて、より質の高い仕事をするようになります。
キャベツは火が通りやすいけど、ニンジンはなかなか火が通りにくいよね?というのと同じで、人によって特性が異なるわけですね。
そこでニンジンは「すいません。キャベツみたいにすぐに火が通らなくて。」と下を向いてはいませんし、「頑張ってキャベツになります!」とは思いません。
自分には自分に合ったプロセスがあるわけです。
それを受け入れていくのが自己肯定感という奴ですね。
ということで、素晴らしい価値があり、自信も持ってるんだから、もっと胸張って堂々としてりゃいいんじゃね?というお話でした。
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