私の能力にタダ乗りしながら感謝の言葉もない夫に怒りを覚えます。~自分の価値を低く見積もっているほどパートナーに怒りを覚える~



自分の能力や価値を低く見積もっていると、相手に期待したり、無理な要求をしたり、犠牲したりしてストレスを思い切り溜め込みます。
そして、夫に対して不満や怒りを抱えることになるのですが、まさにこれって自作自演なんですよね。
「自立の依存問題」の一つの事例として紹介いたします。

根本先生こんにちは。
根本先生の本やブログやVoicyのおかげで、自分のことが受け入れられるようになり、楽な毎日が訪れました。本当にありがとうございます。

最近消えない怒りがあり(怖いですね)もしできれば、いつかネタにしていただけないかと思います。

それは育児に対して、夫が私にフリーライドしているように思い、怒りを感じるというものです。

私は小学生男子のワーママです。今思えばあそこまでやらなくてもよかったと思いますが、育休をとっても、時短でも絶対に、以前と変わらない仕事をすると誓って、自分の実感としては辛いながら頑張りました。

育児が楽になってくると、1番大変だった時に身につけたスキルで、定時に上がっても、それなりに仕事をこなすということができるようになりました。
私のチームは、女性が多いこともあり、定時に全員退勤できるような管理は、歓迎されているとも思います。
そんな日々で、仕事はほとんど困らないにも関わらず、夫に対してはフリーライドされている気がしてなりません。
遅くなるとの連絡もなく、残業をしたり、家で仕事の愚痴を言ったり、大変だと言ったり、家事をしなかったり、時々そのような態度が許せません。

私は何年もかけて、スケジュール管理やチームワークの構築、短時間で仕上げられるよう仕事のスキルを上げる努力などしてきたのに、それにタダ乗りして日々の謝罪も感謝もないだと、、、(怒り)と思ってしまいます。

そんなことでイライラして怒ると、逆に責められるので、本当に嫌になることがあります。また子供に当たってしまったりすると、私は何してるのかな?と思ってしまいます。

競争心なのか、罪悪感なのか、ただ単に自分に禁止してることを夫がやっているのが腹が立つのか、、。

こんな怒りをどうすればいいのか分からず、困っています。

いつかネタにしていただけたら嬉しいです!
(Eさん)

要するに「知らんうちにうちの旦那の器がものすげぇ小っさくなっちまったんだけど、どうしたらいい??」という話でよろしいでしょうか?

お怒りもごもっともかと思うのですが、それは競争心とか罪悪感というよりも「気が付けばずいぶんと差が開いてしまったねー」ということに気付いていないからかしら?と思うのです。

こういうことってめちゃくちゃよくあるので今日の記事はこれから幸せなパートナーシップを築いていきたいと思う人にはぜひとも覚えておいていただきたい話です。

Eさんはある日、天啓を受け、突然筋トレを始めました。
もちろん武闘派女子ですから、ゴールドジムを首席で卒業した筋骨隆々なパーソナルトレーナーを専属に指名し、週に7日間の超絶ハードトレーニングを自分に課しました。
始めは自分の体重ほどのバーベルも持ち上げられなかったのに、やがて100kgを余裕で上げられるようになり、体のラインも明らかに変化が現れ、いつ総合格闘技にデビューしてもいいほどの筋力を手に入れたのです。

そのトレーニングのおかげでEさんはイオンに出向けば30kgの米俵と2リットルのペットボトル6本入りケースを両手に持ちながら階段をうさぎ跳びして登ることも余裕でできるようになったわけです。

一方、夫氏はEさんが猛トレに励む間も縁側で茶をすすりつつ、日向ぼっこをしながらのほほんと過ごしていらっしゃいました。

そんなある日、夫婦でイオンに出かけたのですが、Eさんは例によってワイン3ダースと神戸牛の姿焼きをひょいと両手に抱えて坂道をダッシュをします。
しかし、夫氏はジャガイモ・ニンジン・タマネギ合わせて1kgが入ったエコバックを両手で持ち、「Eちゃん、速すぎるよ。この坂、けっこう急だよ。この荷物もすごく重いんだよ。手伝ってよ。」とほざくのです。

プチン!とキレたEさん。「おんどりゃー、その程度の荷物でひぃひぃ言うなんて笑い話じゃねえか。あたしがどんだけの荷物を抱えてんのか見えるだろ!情けねえこと言ってねえで、さっさと登ってきやがれ!」と叫ぶわけです。

夫氏、仕方なく、重いよ、しんどいよ、坂が急だよ、Eちゃん少しは持ってよ、などと愚痴をぶちぶち言いながら休み休み登ってくるのですが、「その程度の荷物でそんな大変な振りしよって、ほんまこいつ何様やねん。情けねえな。別れたろか!」とイライラしながら坂の上で待つEさん。
夕日に照らし出されるその姿はあたかも仁王像のように見え、頑張って坂道を上る夫氏にひたすら恐怖心を与えるのでした。

たぶん、Eさんのご相談を分かりやすく整理すればこんな話になると思うんですよね。
これで夫婦の間に何が起きてるか、だいたい理解ができたでしょうか?

Eさんが犯している間違い(=夫婦仲を壊す見方・考え方)は、

・自分ができることを夫もできると思っている。
・自分の能力(努力も含め)は夫のそれと同じか低いと思っている。
・自分と夫の器の大きさは同じだと思っている。
・自分が急成長したことに気付かず、夫と同じレベルだと思い込んでいる。
・子育て中に自分が身に着けたスキルの価値を分かっていない。
・その間に明らかな能力差が生まれたことを受け入れていない。

などでしょうか。他にもあると思いますが、だいたいこの辺が中心かと。
もちろん、異論も大いにあるかと思いますが、ブログという特性上、反論ができないのでヤキモキされるでしょう。笑

「共働き夫婦なのだから負担は平等に」という意識があるので、「私が30kgの米俵を持ってるんだから、あんたも30kgのミネラルウォーターを持ちなさい!」とやってしまうことがあるんですね。

そりゃあ、Eさんはそんなの軽々持ち上げられるけど、彼にその筋力あるの?という話です。

自分ができるから、相手もできる。
自分がやってるから、相手もやるべき。

その平等を求めるような意識が、夫に対する怒りと不満を持つことになるのです。

・・・まあ、この辺は頭で分かってもなかなか受け入れがたいところですよね。
だって、旦那さんのことは好きだし、尊敬しているし、ね。

カウンセリングでこの手の話になると押し問答みたいになることが多いんです。

Eさんはものすごく頑張り屋さんで、能力も高いわけですね。
だから、子育てしながらも仕事量を減らさず何とかやりくりする術を会得しました。
結果的に仕事の効率化を図ることに成功しましたね。

それは素晴らしいスキルだし、当然ながら周りの人たちもEさんに大いに感謝してると思います。

しかし、「やりすぎだと思う」とEさんも認めていらっしゃるように、そこには「犠牲」がだいぶあったようです。

つまり、結果的には時間内に仕事を終わらせることができる能力を身に着けたわけですが、それが「犠牲的」な分だけストレスもまた溜まるのです。

そして、そのストレスは旦那さんへの依存心として出てきます。

「これだけ頑張ってるんだから認めてよ」
「どんだけしんどいか分かってる?だったらもっと感謝してよ!」
「私がどんだけ苦労したか、少しは褒めてくれてもいいじゃない!」

と言ったニーズ(欲求)が出てくるんですね。
このニーズは「不満」や「怒り」「不平」などの形をとって出てきます。

これを「自立の依存」と言います。(いわゆる野良猫心理)
自立的な人の中にある依存です。

この「自立の依存」というのは多くの場合「正しさ」という鎧を纏います。
自分のしていることを「正しい」として、相手を「間違っている」と主張するわけです。
なので、関係性に自らヒビを入れることになります。

で、Eさんの話を具体的に見ていきましょう。

>私は何年もかけて、スケジュール管理やチームワークの構築、短時間で仕上げられるよう仕事のスキルを上げる努力などしてきたのに、それにタダ乗りして日々の謝罪も感謝もないだと、、、(怒り)と思ってしまいます。

仕事のスキルを上げる努力をしてきたのは素晴らしいことです。そして、それを実現できた能力もまたすごいことです。

で、その努力を旦那さんはどんな風に見てきたのでしょうか?
それだけ頑張ってやってきたことを旦那さんに感謝してもらいたいと思うのはなぜでしょうか?

「タダ乗りされてる」と感じるのは、先ほど話したEさんの「犠牲」の度合いの強さだけ出てくると思います。

もし、自分が好きでやりたくてこれらのことをやってきたのであれば、

「いやー、こんな面白いこと、なんで旦那はやらないのかねえ?うふふふふ」

とニヤニヤできるはずだからです。

また、このEさんの努力が「旦那さん」の存在なしに「単独で」行われた可能性もあるかと思います。
一人で勝手に頑張って成果を上げて、そこで旦那さんに「感謝せえ」と言ってるような部分ってないでしょうか?
そのプロジェクトの進行をちゃんと旦那さんとシェアできていたでしょうか?

そして、何よりも大事なのはEさんがこの間に旦那さんをはるか後方に置いてけぼりにするほど成長してしまったという事実を受け入れることです。
すなわち、その自分が成し遂げた価値をもっともっと知ることです。

そこにあるのは「自己価値や自己肯定感の低さ」なんですな。意外かもしれませんけど。
自分の偉大さを受け入れられないから、旦那にそれだけムカつくわけです。

「まあ、あたしだからこれだけのことができるんだもんなあ。あたしってすごいよなあ。偉いよなあ。ぐふふふ」ということをもっともっともっと思った方がよいのです。

日々の謝罪や感謝の言葉については彼のコミュニケーション能力によるところもあるので何とも言えないのですが、その前に、自分の偉大さをもっと受け取らなきゃダメですよねー。

そしたら、旦那の器が「え?こんなに小っちゃいの?これで目的を果たせるの?」というサイズであることも笑って受け入れられるようになるか・・・もしくは「やはりあたしはデカいのがいい。このサイズじゃ気持ちよくなれん」と別々の道を行くのかを主体的に選べるようになるでしょう。

ちなみに感じてしまった「怒り」についてはしょうがないので、御恨み帳に吐き出すのが最も効率的かと思います。

しかし、自分を低く見積もっているとどうしたってこの怒りは量産されることになりますので、意識を改めるところはやっておいた方がいいと思います。


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こんなに頑張ってるのになんで感謝がないのか?
 


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