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女性性が豊かな人は思考よりも感情や感覚を優先する上に、結論よりもそこに至るプロセスを重視するものです。
だから、決断を迫られるとつい慣れない思考を使ってしまって悩み深くなるのですが、そこには女性性を活かした決断の仕方があるのです。
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年末のオンラインワークショップだったり、先日のライブ配信だったり、あるいは昨日の記事でもそうでしたが、ここ最近「まず自分が決める」というお話をしている機会が多いものです。
ということで、改めて「決める」ということについて話をしてみようと思います。
言い換えるならば「決断力」ですね。
「決める」ということが苦手な方って実はよく耳にします。
かくいう私も実は苦手でして、年末年始もスケジュールを決めなきゃいけないのに、なかなか決められなくてモヤモヤとしておりました。
実はスケジュールを決めることがとても苦手。予定を入れるとそこに縛られちゃうので行き当たりばったりの方が楽なんです。やりたいことはたくさんあるけどそのスケジュールを押さえるのが苦手なのでいつもギリギリになるか、えいやっと決めてしまって窮屈になるかなのです。#只今スケジュール思案中
— 根本裕幸|カウンセラー・作家・講師 (@nemotohiroyuki) December 27, 2020
私はどちらかというと自由業なのでスケジュールはある程度勝手に決められるのですが、自由度が高すぎる分だけなかなか決め切れないことが多いんです。
「スケジュールを決めなきゃいけないのに、なかなか決められない!」という葛藤をよく抱えております。
けど、それってはっきり言えば「決めたくない」からなんですよね。
昨日、少人数のオンライングループセッションの開催を決めて、オンラインスクール向けに告知したのですが(もうすぐ皆さんにも告知します!)、そのスケジュールも内容も実は一瞬で決めました。
パッとアイデアがひらめいて、お!これはいいぞ!と思い、それでしばらく泳がせておいて、やっぱこれだ!と思って告知文を書き始め、その勢いのまま告知しました。
ちなみに余談ですが、こういうセミナーやセッションは「思いついたときにやると決めて告知文を書いて、告知した後にスタッフKちゃんにお知らせする」という流れを取っておりまして、Kちゃんからすれば「ある日突然降ってわいたようにセミナーの告知がスタートし、受付対応を迫られる」という状態にあるので、時々「早めに言ってもらえません?」とお叱りをいただきます。
ま、確かにその通りですよね(笑)
でも、パッと思いついたときにパッと動きたい奴だということは彼女も重々承知のようで「しゃあないですけどね、やりますけどね」と納得(?)してくれているのはありがたいところです。
で、本の中でもいくつか自分の話をしたのですが、私はそんな風に直感的・感覚的に物事を決めることが多く(特にセミナーやセッションやネタに関しては100%近い)、感覚的に腑に落ちたら(やる気スイッチが入ったら)、即座に行動に移すタイプです。
だから「決めなきゃいけない」という状況にストレスに感じてしまうのです。
そもそも「決めなきゃいけない」と思うのは「決めたくない」からなので、モヤモヤするのは無理もありません。なので、そういうときは「今は決めんほうがええな」と判断して、じーっと見つめていた手帳を閉じるようにしています。
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人によって得手不得手があるのは当然のことですが、「決め方」についても人によって得手不得手があります。
理詰めで考えて納得解を出すのが向いている人もいるし、感情的に決めるのが好きな人もいるし、私のように感覚的な決め方が得意な人もいます。
ビジネス書なんかを読んでいると、基本的に「理詰め・思考的」でありつつも、最後は「感覚的」であることを勧めている本が多いかと思っています。
実は「理論・思考」と「感覚」はつながりやすいところがあるので。
また、そもそも女性性が豊かな方は「決めること」はすごく苦手です。
女性性が豊か=感情が豊か=直感を受け取る力が豊か、なので、一つの物事を決める際も、そのことについて様々な感情が湧き上がり、かつ、それは時間とともにどんどん変化していくので、「一つに絞る」ということがなかなかできないんですよね。
しかも、女性性が豊かな方は「つながり」や「コミュニケーション」を重視しますし、相手がいるならば、その相手と歩調を合わせて物事を進めていくことを望むものですし、かつ、自分のご機嫌が斜めになることは避けたいわけです。
だから「物事を決める」ということよりも、「自分の気分」「場の雰囲気」「相手とのつながり」「コミュニケーションの量」などが優先される結果、「あたし、決めるのめっちゃ苦手なのよねー」という風に思うのです。
また、女性性は「プロセス志向」が強いので「決めるまでのプロセス」を重視したくなります。(対して、男性性は「結果志向」の傾向があり、プロセスはあまり重視しません。)
だから、「AかBかの選択でAに決める!」というプロセスにおいても、結果的にAになったんだからそれを受け入れる、というよりも、Aに決まるまでのプロセスが大事なんです。
それで最終的にAという結論になったとしても、そこまでのプロセスに納得してない(気分が悪い)と「Aでいいんだけど、なんかモヤモヤするのよね。ほんとにAでいいのかなあ?」なんて言い出したりします。
夫婦間で旅行先を決める際に揉めたり、会社の会議で結論が出た後に「でもー」と反論が入ったりするのは、そんなプロセス重視の傾向が理由なのです。
だから、女性性が豊かな方にとっては「AかBか」のどちらを選ぶか?というよりも、AかBかを決めるプロセスが楽しかったり、面白かったり、しっかりお互いの意見を言えたり、つながりを感じられたりしたら、ぶっちゃけ、AでもBでもどっちでもいい!って思っちゃうんです。
ありません?そういうこと。
女子同士で旅行先を決めようって話をしていて、めちゃくちゃ盛り上がって楽しくて、ついでに、男の話やら上司の悪口やらもきゃっきゃ笑いながら話をして、結果、旅行先は決められないまま解散になるんだけど、全然、それで問題なし!って思ったこと。
それで男に「ええ?旅行先決まってないの?なんで?それでいいの?」とかビックリされると「は?決めるまでが楽しいじゃん。ああやって女子同士わちゃわちゃしてんのが楽しいのよ。わかんねーの?」と蹴りを入れたこと、ありません?
で、まあ、ぎりぎりになって「うわー、どうする?もうどこでもいいよねー?」となって、「じゃあ、あんたが行きたいって言ってた然別峡かんの温泉でいいよ」「それでいい?楽しみだねー」てあっさり決まったりするんですよねー。
そんなわけで、AかBかのどちらかにするか?よりも、それまでのプロセスの方が大事なので、「あたし、決めるの苦手なんです!なかなか決められないんです!」という話になるのです。
これは旅行先を決める話だけではないのはもちろんで、結婚するかどうか、離婚するかどうか、引っ越しするかどうか、転職するかどうか、などのライフイベントについても同じことです。
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で、そんな女性性豊かな方がプロセス重視だから結論なんてどっちでもいいじゃん!というのは確かにそうなんですが、これが目の前に問題が迫ってきたときには大いに悩むことになるんです。
「旦那に離婚を迫られているんです。今月中に結論出せって言われてるんですけど、なかなか決められなくて」
「今の仕事を続けていてもしんどいだけだし、心はもう限界だし、人間関係も良くないから転職した方がいいと思うんですけど、なかなか決められなくて」
「彼のことは好きなんですけど、今みたいなあいまいな関係だったらこの先はないし、私も早く結婚したいので、結論を出さなきゃいけないんですけど」
「婚活しなきゃって思うんですけど、イマイチ踏み切れなくて。自分がほんとうに結婚したいのかどうかが分からなくて。どうしたら決められますか?」
「上司から昇格試験を受けるように言われたんです。確かに給料も良くなるのは間違いないんですけど、なんか乗り気じゃなくて。でも、ここで断るのも違う気がして。」
「彼と別れて旦那に戻ったほうがいいって頭では分かってるんですけど、気持ちは全然言うこときかなくて。でも、このままずるずる関係続けるのもよくないって分かってるんですが、なかなか決められないんです。」
「結婚を考えてる彼がいるんですが、彼の気持ちが分からないんですよね。それらしいことを匂わしたりするんですけどはっきりしなくて。待っていればいいんでしょうか?それとも私が決めなきゃいけないことなんでしょうか?」
「とても大きな仕事の話が来て、はじめの頃は自分が認められたような気がしてすごくうれしかったのですが、だんだん怖い気持ちが勝るようになって、まだ返事はしてないんです。どうするかすぐにでも決めて連絡しなければいけないんですけど」
などなど。などなど。
すでにお話ししたように、そもそも決めることが苦手な人にとって、こういう決断を迫られる状況というのは、めちゃくちゃストレスです。
とにかく結論を出さなきゃいけない、どっちにするか決めなきゃいけない、という「結果」を求められるシーンは、プロセスの方が大事だもん!と言ってる間を与えてもらえないので、すごく不自由で、窮屈で、嫌ですよね。
なので、どうするか?というと、めちゃくちゃ考えるんですね。
思考的に結論を導き出そうとするんです。
でも、当然ながらふだんから思考的に物事を決めることなんてしてないので、考えれば考えるほどどんどん分からなくなります。それはまるで、ふだん全然運動していない癖に、急に息子の運動会だからと張り切ってケガするお父さんみたいなもんです。
当然ながら、その間も感情が揺れ動いているわけですから、言うなれば波が激しいときに、小舟に乗って矢を的に当てようとするが如くの状況です。
そんなの決められませんよねー。
じゃあ、そんなときどうすればいいのか?っていうと、やっぱり大事なのは「感情」であり「感覚(直感)」なんです。
元々そういう生き方をしてきたんだから、この期に及んでふだん使ってない機能を使おうとしたって無理に決まってますね。
でも、不安や怖れや焦りなどの感情はすぐに思考を動かして「考えさせる」ということをしますから、どうしたって考えてしまうわけです。
はたまた、そこで焦っていろんな人に相談すると、これまた人それぞれの意見を勝手に言うもんですからますます焦りますよね。
しかも、自分が決めかねてるところを人に相談して答えをもらったとしても、その答えが正しいのかどうかを考えてしまうので、ますます悩んでしまうんです。
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で、そういうときにどうしたらいいのか?というと、改めて自分本来のステージに戻る必要があります。
感情で決める人は感情で決める。
直感派の人は直感の声に耳を傾ける。
感覚で決める人は腑に落ちるポイントを探す。
「決める」ってのは自分にしかできないことなので、まずは、そのことを受け入れる必要もあります。
感情で決める人って時間や思考なんて関係ないので、自分の感情の赴くままに納得解を出す必要があります。
なので、私はクライアントさんにまず提案するのが「時間稼ぎ」です。
「気持ちの整理をつけたいから、もう少し待ってほしい」と相手にお願いします。
そして、自分の気持ちをノートに書き込んだり、カウンセラーに話を聴いてもらったり、手放しワークをやったりしながら、ほんとうに気持ちの整理を進めていきます。
そこでは「嫌なもんは嫌」だし、「好きなもんは好き」だし、「やりたくないことはやりたくない」で、自分の気持ちに素直に従うことが一番のポイントです。
直感で決める人は、パッと思いついた直感を信頼することが求められます。
理屈ではAだけど、直感がBという答えを出したなら、それに従うことが必要です。
これはシンプルですが、思考や感情が蠢いているときは直感の声がかき消されてしまうのでなかなか難しいんですね。
だから、直感を受け取りやすい環境や状況を整える必要があります。
静かな公園で瞑想をしたり、体を動かして思考と感情を止めてみたり、やはり今の思いをノートに書いたり、カウンセラーに話したりしてそれらを落ち着かせたりします。
そうしてパッと思いつく答え(でも、たぶん、それはずーっと前から何度もやってきてる答えだと思う)を支持するわけです。
感覚派の人は自分の思考や感情を離れて感覚的に腑に落ちるポイントを探っていきます。
ボーっとしながら自分の感覚を探っていくんですね。
そうすると、ゴルフボールがカップインするときのような、パズルのピースがピタッとハマるような、服のコーディネートがスカッと決まるような、そんな感覚がやってきます。
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とはいえ、これらの方法ってふだんからトレーニングしてないと、いざって時に使えませんよね?
また、ロジックで決める方法が巷にあふれているだけに、感情・感覚・直感で決めるということ自体が「ダメ」な気がしちゃう場合もあると思います。
そして、何より重要なのは自己肯定感です。そう、いきなり毎度おなじみのキーワードが出てきました。
自己肯定感が低いと、自分の感情・感覚・直感を信頼できないんです。
自分が「Bだな」と腑に落ちたのに、その感覚に疑いを持ってしまうし、そもそもその感覚を信じることができないので、「Bだな」という声にも反応できなくなります。
だから、「決断力」という話って、実は「自己肯定感(と自分軸)」の上に成り立つものでもあるのです。
周りを見回してみれば、自分に自信のある人ほど決断が早かったり、自分の決断に自信を持っていたりしませんか?
だから、決断力を着けるには自分と向き合い、自己肯定感をあげることが一つのテーマですし、それにまつわる様々な課題(理想主義、完璧主義、優等生・いい人、思考、調整役、頑張りすぎなど)をクリアにしていく必要があります。
その上で自分の感情や感覚を信頼することを学んでいくと「自分らしい決断」ができるようになっていくのです。
こうした感情・感覚・直感で物事を決めることを「女性性の決断力」という風に呼んでもいいと思います。
女性性が豊かだなあ、と感じる人。元々ロジカルシンキングが苦手で感情的、あるいは感覚的に物事をとらえるのが得意な人、などは、そんな女性性を活かした決断力を身に着けると、自分らしく物事を決められるようになるでしょう。
ちなみに、その決断力を身に着けられるとどうなるか?っていうと、時間、相手、状況などに振り回されることなく、シンプルに、かつ、即決できるようになっていくんです。
こんな感じになるかな?
「旦那に離婚を迫られているんです。今月中に結論出せって言われてるんですけど、なかなか決められなくて」
→そんなのすぐに決められないに決まってるんだから、もうちょっと待ってよ。今月中なんで無理だからもう少し期限伸ばしてくれると嬉しいなあ。その間に決めるからさ。
「今の仕事を続けていてもしんどいだけだし、心はもう限界だし、人間関係も良くないから転職した方がいいと思うんですけど、なかなか決められなくて」
→もう自分の心は悲鳴上げてるんだから、自分のために辞めることにする。その後のことは分かんないけど、何とかなるでしょ。
「彼のことは好きなんですけど、今みたいなあいまいな関係だったらこの先はないし、私も早く結婚したいので、結論を出さなきゃいけないんですけど」
→ほんとうに結婚したいのか、あいまいな関係でも彼といたいのかってことをまずは決めればいいのよね。自分の心に聞いてみるわ。あとはそれからよね。
「婚活しなきゃって思うんですけど、イマイチ踏み切れなくて。自分がほんとうに結婚したいのかどうかが分からなくて。どうしたら決められますか?」
→今のあたしは結婚したくないんだと思うわ。周りの声や年齢のことを考えてただそう思ってるだけだから、今、婚活したって面白くないよね。それより楽しいことをしようかな。
「上司から昇格試験を受けるように言われたんです。確かに給料も良くなるのは間違いないんですけど、なんか乗り気じゃなくて。でも、ここで断るのも違う気がして。」
→そんなんお断りの一手だなあ。全然気分が乗らないから試験受けることにしてからの毎日がたぶん地獄だからー。
「彼と別れて旦那に戻ったほうがいいって頭では分かってるんですけど、気持ちは全然言うこときかなくて。でも、このままずるずる関係続けるのもよくないって分かってるんですが、なかなか決められないんです。」
→今の状態は苦しいこともあるけど、今の自分にとって必要なことなんだろうなあ。ここで無理に旦那のところに戻っても無理よなー。もう少しちゃんと自分の心と向き合ってから決めることにしよう。
「結婚を考えてる彼がいるんですが、彼の気持ちが分からないんですよね。それらしいことを匂わしたりするんですけどはっきりしなくて。待っていればいいんでしょうか?それとも私が決めなきゃいけないことなんでしょうか?」
→自分が彼と結婚したいんだから「彼と結婚する!」って勝手に決めちゃう。あとは彼の決断待ちってことで。
「とても大きな仕事の話が来て、はじめの頃は自分が認められたような気がしてすごくうれしかったのですが、だんだん怖い気持ちが勝るようになって、まだ返事はしてないんです。どうするかすぐにでも決めて連絡しなければいけないんですけど」
→自分の気持ちをちゃんと掘り下げてから結論出した方がいいだろうなあ。ワクワクしてるのも、怖れがあるのも事実だし。でも、それってたぶんこの仕事に魅力を感じてるんだろうなあ。もしかしたらもう自分はYesって結論を出してるのかもねー。
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さて、そんな女性性の決断力を自分のものにするセミナーを2日間開催で行います。
そう、今日の記事はこのセミナーの宣伝なんですよー。気づいてた?バレてた?笑
自分らしい決断ができるようになるために、心を整え、自分と向き合い、決めるトレーニングをする2日間です。(どちらか1日だけの参加もOK)
オンラインでも開催するので、「決められる人になりたい!」と思う方は、このセミナーへの参加をいち早く決断されると良いと思います(笑)
みなさまからのお申込み、心からお待ちしておりますー!
★東京/オンライン:1/17(日)13:00-17:00 / 2/27(土)13:00-17:00
ワークショップ「決断力を身に着けて人生を変える~自分らしく、自分の人生を決めていく!~」(2days)
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/38597
★本ならこちら!
『7日間で自分で決められる人になる』(サンマーク出版)

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『女性性が豊かな人はどうして物事を決めるのが苦手なのか?』
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