親からの卒業~「自分は十分、子どもとしての役割をやり切った」という宣言をしてみる~



様々な事情で大人になっても親を背負って生きているケースによく出会います。
それは親への愛情から生まれるものではありますが、時には人生の足かせになってしまうことも珍しくありません。
親と「大人同士」の関係を築くうえで重要な「親離れ」についてお話しています。

昨日、個人セッションを北浜でしていましたところ、おんなじテーマが続いたので「これは天からネタにしなせぇ」と言われてる気がするのでお話してみたいと思います。

年末の心の大掃除に案外役立つかもしれません。

ちなみに昨日の記事も参考にしてみるといいと思います。けっこう似たお話ですので。

母のことを「かわいそう」と気の毒に思ってしまうこと~恵まれていることへの罪悪感とその対処法~

忘れないうちにツイートしたネタがこちら。(最近、Twitterがネタ帳代わりになってます(笑))

このツイートだけでオチまで分かってしまうのですが、より深く解説していければと思う次第です。

パートナーシップでもライフワークでも親との関係が顔をのぞかせるのは私のブログをお読みの方ならすでにご存知かと思いますが、親を愛するがゆえに、ずっと親を背負って生きてきた方が少なくありません。

「親離れ」「子離れ」という言葉がありますが、後述する様々な事情でずっと「親と子」の関係を維持してしまっていると、それはまるで「親を背負って生きる」ようななかなか体力のいる人生になるので、何かとうまく行かないことが増えてきます。

それこそ、若い頃は体力も暇もあるので何とかなるんですけど、仕事での責任が多くなってきたり、子育てがスタートしたり、夫婦関係にがっつり取り組もうとしたりすると、親を背負ったままでは本来のパフォーマンスを出すことができなくなるものです。

それに「親を背負う」というのはパターン化しやすく、「会社や仕事や後輩を背負う」「パートナーを背負う」「子どもを背負う」とさらなる負荷を自分にかけてしまうこともよくありますね。

親を背負っている上に、仕事やパートナーまで乗っけってたら、そりゃあ、生きづらくもなるって話です。(インドなどの屋根まで人があふれてるバスなんかを想像してもらえたらいいと思う。)

で、どういう方がそんな「背負い込み」のパターンになりやすいか?を考えてみたいと思います。

●親が精神的、もしくは肉体的に弱く、子どものころから家のことなどをしてきたし、親の愚痴や文句をいろいろ聞いて育った。そのため、何をしていても親のことが心配になり、まるで、親の親をやってきたような気がする。

●過干渉な親であれこれとコントロールされてきて、いつの間にか自分の意志よりも親の意志を優先するようになっていた。だから、自分のやりたいことが好きなことが分からなくなってしまってる。

●父親がアルコール依存症やDV、モラハラなどの問題を持っていて、母親を守る立ち位置にいたところ、母親と癒着するようになってしまい、母親を何かと優先する人生になっていた。

●夫婦仲が悪く喧嘩ばかりしていて、その仲裁役もしくは調整役もしくは通訳などとして、親の間に入ることが多かった。それゆえ、自分がいなくなることで両親の関係が悪くなるのではないかと思い、なかなか両親から距離をおけない。

●働かない父親のため、母親が子どものころからめちゃくちゃ頑張らなければならず、そこから「迷惑をかけてはいけない」といい子をずっとやってきた。自分と母親を比べてしまい、自信がもてなくなったり、自立していくことが母を見捨てるような気がするので躊躇してしまう。

●きょうだいが体が弱かったり、障害があったりで親が大変だったことを側で見てきたので、やはりいい子になってしまい、自分を抑圧することが癖になってしまった。この場合は、両親だけでなく、そのきょうだいも背負っていることが多い。

●何らかの罪悪感を抱えていたため、親と癒着することになり、自分を牢屋にぶち込むべく、精神的に家から独立できない状態が続いている。親に対しては補償行為ばかり繰り返している。

●心配性な母親を安心させるために、ずっと期待に応えて生きてきた。その結果、誰かの期待に応えることが自分の癖になってしまう他、心配し続ける母親に今も束縛されているような気がする。

・・・挙げていくとキリがないような気がしてきたのでこの辺で。

過干渉、心配性、弱い、問題のある親、期待に応える、いい子・優等生などがキーワードになるでしょうか。

で、自分ではそこまで自覚できなくても、なんだかんだ親を助けたい、親が心配、親を支えなきゃ、親の期待に応えなきゃ、親に心配かけちゃいけない、親に迷惑かけちゃいけない、という思い込みがデフォルトになるので、親に縛られる/親に執着する/親と癒着するということになります。

これが他者に投影されると、仕事、パートナー、子どもなどに対しても同じことをしてしまうようになります。

これも元をたどれば、やっぱり親を愛していて、親のことが嫌いになれなくて、親を助けたいと思う子ども心ですし、また、親からの愛情を感じているから誰かが悪いわけではなく、なるようになっちゃった!ということです。

「誰も悪くない」というのがポイントです。

でも、やっぱり生きづらいし、好きなことが分からないのは嫌だし、これからも重たいものを背負って生きるのはやっぱり辛いので、何とかしていきたいですよね・・・。

カウンセリングの中でも「やりたいことが見つからず、好きなこともよく分からない」とか「パートナーと距離を縮めようとすると抵抗が出てくる(親密感への怖れ)」とか「チャレンジしたいことがあるのに、後ろ髪を引かれて動けない」とか「そろそろ結婚したいと思うけれど、親のことがどこかで引っ掛かってて」なんて話をお聴きすることになります。

そこでは、大人になったはずの自分が、なぜか親の前では「子どもの役割」を担ってしまうわけです。また、一方の親も子どもに子どもを求めます。

だから、日常生活では大人なんだけど、実家に帰るととたんに子どもに戻ったりしてしまうんです。(親に甘えることはもちろんですが、子どもの頃の親子関係が再現されてしまうんです。)

でも、親はもう大人で、ずっと自分を育ててくれた関係なので、どうしたって子どもとして見てしまうものです。自分ではすっかり忘れてるけれど、おむつを替え、ミルクを飲ませた時代からの付き合いですからね。

だから、親に変わってもらうのはなかなか難しいので、子どもが自らの意志で「いやー、もう自分は大人なんですけどー」という態度を取り続けなければいけないんですね。

これが「親離れ」というものになります。「子離れ」を要求するのは難しいので、大人っぽく、子どもである自分がリーダーシップを取って「親離れ」するんです。

成熟した大人というテーマが時折語られますが、それは「子ども時代は大人と子供だった親子関係が、子どもが成長するにしたがって、戸籍上は親子だけど、実際は大人と大人の関係になっていくこと」というほどの意味です。

「おかんのことをちょっとキャラの濃いおばちゃんだと思えたらいいのにね」とか「お父さんをふつうのおっちゃんと思ってみたらいいよ」なんてアドバイスをするのもそこにあります。

つまり、親離れ=成熟性の一つ、と言えると思います。

それによって得られるのは自由であり、軽さであり、楽さです。

そうすると、今度は親に「与える」ということができるようになっていきます。
犠牲でも補償行為でもなく、心配だから、とか、親が求めるから、でもなく、自分の意志で、親を喜ばせたいと思えるようになるんです。

この違いってなかなか自覚しにくいんですけど、めちゃくちゃデカいんですね。

では、どうしたら背負ってきた親を手放せるか?というと、まずは次のことを押さえておく必要があります。

○親を手放す=親を捨てる、ではなく、親と心理的に適切な距離を取れるようにすること。

○親と対等な関係になることを目指すこと。

○親も一人の大人であることを「信頼」すること。

そうした意識を持つことです。その上で、例のアファメーションを声に出して言ってみましょう。

「私は子どもとしての役割を十分果たしてきました。
 子どもとしてできることを自分なりにしてきました。
 だから、もう子どもを卒業し、一人の大人として親と向き合います。」

アファメーションですから、何度も何度も口にするといいでしょう。

もちろん、これは「親軸を手放して、自分軸を手に入れる」ということでもありますから、次のアファメーションも有効です。

「私は私、親は親。
 私には私の人生があり、親には親の人生がある。
 私は私で幸せな人生を創造することができ、
 親も自分の意志で親自身の人生を選べる。」

つまり、これが親を「信頼する」ということになります。
昨日もそんな話を書きましたが、親は親で自分の人生を選択できるわけですから、幸せになりたかったり、人生を変えたかったら、自分の意志でそれができるわけです。

そうして、親から精神的に自由になると、人によっては驚くほど心が軽くなります。
まるで背中に羽が生えたかのように楽になるのです。

そしたらできることっていっぱいありますよね。
自分らしい人生が見えてくるし、ライフワークだってデザインしやすくなるし、パートナーシップにも思い切って飛び込んでいくことができます。

ということで、ピンと来た方はぜひともその言葉をつぶやいてみるといいと思います。

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 『親からの卒業~親と子の関係から大人同士の関係へ~』
 


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親からの卒業〜自分は十分、子どもとしての役割をやり切った、という宣言をしてみる〜
 

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