母親との心理的距離がパートナーとの親密感を決めてしまう???



昨日の大阪1DAYセミナーで「母との癒着とパートナーシップの関係について」というテーマが出てきたので、今日のネタにしてみようと思いました。

私たちは幼少期に母親との心理的距離が「人間関係の土台」となり、その後の人生の人付き合いがある程度決まっていく傾向にあります。
もちろん、そこには父親やきょうだいも絡んでくるのですが、話が複雑になるし、文章で説明するのってめんどくさいし(笑)、とりあえず母親との関係が一番重要なので、今日はそこに限ってお話したいと思います。

なんせ、母親とはお腹の中にいるときからの付き合いからですね。
言葉や所作を覚えたり、価値観を学んだりするのはやはり一番近いお母さんからの影響が一番強いのです。

で、そのお母さんが「過干渉・過保護・心配性」などの場合、心理的な距離はとても近くなり、時には母子癒着のような状態となります。
癒着するとお母さんとぴったりつながってしまってるようになり、お母さんの思考や感情をダイレクトに受けることになります。

お母さんが悲しければ、私も悲しい。
お母さんが笑っていると、私も笑える。

しかも、強いお母さんの場合は、思考も感情も支配されるのでまるでお母さんの操り人形のようになり、自分の意志ならびに考えが持てなくなります。
お母さんの顔色を伺うようになるわけですね。それが大人になっても癖になってしまっている方も少なくないと思います。

反面、お母さんが弱い場合、そのお母さんの悲しみや寂しさや弱さを救うために早い時期に自立し、お母さんを背負うようになります。つまり、お母さんのお母さん、をやるような感じになります。
そして、お母さんを助けるために人生を捧げることになったりします。いつもお母さんのことを気にかけ、仮に実家を離れて暮らしていても、いつもどこかでお母さんのことを心配してる、なんてことになりやすいのです。

さて、逆に、お母さんと心理的に距離がある場合も実は同じような心理的状況が生まれます。意外かもしれないですけどね。

お母さんが放任主義だったり、子どもに興味がなかったりすると、子どもとしては寂しく、また、とても気を使うようになります。
そして、お母さんの顔色を伺うように育つようになるので、あまり関わりはなかったとしてもお母さんと癒着していたような心理状態になることも多いのです。

この場合も早くから自立し、自分で自分のことは何でもできるようになり、妄想族になり、かつ、ハードワーカーになっていく人も多いものです。

このあたりのお母さんとの心理的距離と大人になってからの影響についての話は下記の著作に詳しく書いてありますので、良かったら参考にしてください。

『人のために頑張りすぎて疲れたときに読む本』(大和書房)

「敏感すぎるあなたが7日間で自己肯定感をあげる方法」(あさ出版)

で、ここからが今日の本題なのですが、このお母さんとの距離が人間関係の土台となるわけですが、それが人付き合いにおいてけっこうな問題を引き起こすことが珍しくありません。

実は、そのお母さんとの心理的距離があなたにとっての「親密感を感じる距離感」になりやすいのです。(厳密に言えば、お父さんとかきょうだいとかの影響を無視することはできませんが、お母さん一人との距離感がけっこう重要なんです。)

お母さんとの心理的距離が近すぎる場合、その距離にパートナーがいないと不安になったり、寂しくなったりしてしまうんです。

すなわち、お母さんが自分にしてくれたように、パートナーに対しても常に自分を見て欲しくなります。

「ねえ、ハンカチ持った?今日は何時に帰ってくるの?危ないからちゃんと横断歩道渡ってね。あんたはあわてんぼうだから急に道路に飛び出しちゃダメよ。先生の言うことちゃんと聞くのよ。何かあったらすぐに電話するのよ」

と同じレベルで自分に関心を持ってもらいたいと思ってしまうんです。

だから、ラインして既読にならないと不安になるし、既読になっても返信がないと不満になります。

思春期になると、そのお母さんとの距離を嫌がって自立したはずなのに、パートナーに対しては再びその距離感を求めてしまうのです。

だって、その距離が習慣になっているからですし、私のことを愛してくれている、私に興味がある、私が好きならば、きっとそういう態度を採るはずだ、とお母さんとの関係からそう思い込んでいるのです。

しかし、現実にそこまで求められて答えられるパートナーってどんな人なんでしょうか?

四六時中、彼女のことを思って関心を示してくれる男性って・・・たぶん、ニートとかヒモとか、、、ですよね?(笑)だって、みんな忙しいから、そこまではなかなかしてもらえません。

そうすると「私のこと愛してくれてない!私のことを大切にしてくれない!」と言って、相手に不満を感じるようになるんです。

もちろん、ラインの返信が自分の思う通りではない(=お母さんと一緒ではない)と、やはり「私のこと軽く扱ってる!気持ちがこもってない!」と文句を言うようになります。

当然ながら、そういう女は重たくなるので、ダメンズくんに付きまとわれるか、あるいは、彼に去られてしまったり、浮気されたりってことになるんです。

で、そういう経験をすると、こんどは「私は重たい女だから思ったことを言ってはいけない」と思って、ひたすら我慢する恋や夫婦関係になります。
ひたすら滝に打たれる修行僧のようなもんです。

しかし、それでは全然満たされないし、不安、不信感、不満がどんどん膨らんでいくので、定期的に大爆発を起こすようになるわけですね。

一方で、お母さんと距離がある場合もまた、その距離がパートナーとの親密感を感じやすい距離になります。

早くに自立しているので、自分がしたいことを優先したいわけです。だから、彼が毎日ラインしてきて、毎日会いたがったりすると、うぜぇ、と思います。

もちろん、時々、もっとラブラブで、いちゃいちゃして、ずーっとくっ付いていたい、という幼少期に抑圧した感情が出てくることがあるんです。
お母さんに甘えたいのに、全然甘えられなかった自分がいるわけで、それを彼に満たしてほしいと思うのです。

しかし、実際彼が「僕は君を離さない。君とずっと一緒にいるよ」と言ってくれたら、0.2秒ほどは嬉しいのですが、その直後、「うえぇーーーーっ、きもっ、きもすぎるーーーーーー」とトイレに駆け込むことになります。

近付きたいのに、いざ近付くとものすごく居心地が悪い、ということになります。

だから、ブザーを押したときだけ近くに来てくれて、再びブザーを押したらすーっと部屋を出て行ってくれる男が理想になったりしませんか??(笑)

でも、そんな男はいないので、ひたすら滝に打たれるがごとく、修行僧の道を励むことになります。

で、このパターンを持つ方は人間だとなかなか思い通りにできないので、「仕事」という比較的自分でコントロールしやすいものによって、その思いを満たそうとしますので、けっこうな確率でハードワーカーになりやすいものですし、時にはアルコール依存、または、ギャンブル依存などになってしまいがちでもありますね。

で、そういう状態があったとして、何が大事かって言うと、まずは「それが自分の基本的な距離感なんだ」ということを受け入れる/許す/肯定することです。

「お母さんと距離が離れすぎていたから男ができひんのじゃー!その距離感をなんとかせな、ずーっと男日照りが続いてからっからに渇いちまうんじゃー!」と問題化しないことです。

「そんな自分はダメだ!あかん!直さなきゃ!」と思うのは、自己否定に他ならないので、「ああ!今の自分にとってはその距離感がちょうどいいんだ!しゃなあい!」と受け入れることがお勧めなんです。

まあ、これが難しいんですけどね。

距離がある付き合いが私にとって心地よい。
距離が凄く近い関係が私にとって安心する。

という「事実」をただ受け入れること。これがまずはひとつめです。

で、その上で、「どうしたい?」という問いが投げかけられます。

よくブログや本の読者から、セミナーや個人セッションなどの際に
「お母さんと近すぎるから恋愛がうまくいかないんですよね?それを直したいんですけどどうしたらいいですか?」
という切実なお問い合わせを頂きます。

でも、その質問には「こんな私ではダメなんじゃー!」という否定がどうしたってあるんです。
「悪いところを直さなきゃいけない」という発想から来ているわけですから。

だから「ほんとにお母さんを手放しちゃっていいの?ほんとにいいの?」という風に意地悪な質問を投げかけたりするんです。

「うまく行かないから直したい」のではなく「もっと恋を楽しみたいし、男たちにちやほやされたいし、めちゃくちゃいい女になりたい!」の方がずっと前向きだと思いません?
そうした前向きなヴィジョンや目標があると、人は勝手にやる気になるもので、そうすると、癒着切りというプロセスもすいすいと渡って行けます。

自己否定があると、常にその否定が続くので、モチベーションが維持できなくなってしまうわけです。

だから、「どうしたいの?ほんとに癒着切っちゃっていいの?」という意地悪な問いかけが再び出てくることになるんですよね。

さて、その上で「男にめちゃくちゃモテたいからお母さんを手放してもいいっす」という気合が入ったら、何をすればいいかというと「感謝」です。

昨日のセッションでは安全のために段階を踏みましたが、つまるところは「感謝」なので、それをやっとけばいいっす!と強引に話をまとめるようにしています。

ただ、感謝をするだけではちょっと気持ちの持って行き場がないので、やはり「御恨み帳」は常備しておきたいところです。

手放しワークの中でも紹介していますが

「感謝のノートと、御恨み帳をセットで用意し、お母さんへの感謝を書いている最中に怒りが湧いて出てきたら、即座に御恨み帳にそれをすっきりするまで書きなぐる」

という方法がお勧めなのです。

そうして、ネガティブな感情を吐き出しつつ、感謝の思いでお母さんを見つめることができるようになると、徐々にその癒着が切れて、適切な距離にたどり着きます。

近過ぎる人は距離を置くことができるようになります。
遠すぎる人は距離を縮めることができるようになります。

そうして、癒着が切れるとお母さん(やパートナー)の態度によって自分の感情がいちいち振り回されなくなります。

もちろん、パートナーシップですから様々な感情や欲が出てくるわけですけれど、それでも相手の言動に反応する頻度や程度がどんどん減っていくわけです。

そうすると、何が起こるのか?

あなたが親密感を感じるエリアがどんどん広がっていく、ということになるんです。

凄く近い距離でも親密感を感じられるし、離れていても親密感を感じられます。

つまり、癒着を切ることによって、親密感を感じるエリアが広がるわけですから、これって幸せなことじゃない?という話なのです。

昨日のセミナーでは、1DAYなのでちょっと過酷気味な宿題を皆さんに課しましたが、これをお読みの皆さんの中で、「こいつはあたしのことだ!」と思われた方は、ぜひ、「男にモテてぇ」などのポジティブな目標を目の前の壁に貼っていただいて、感謝の手紙と御恨み帳をガンガン書きまくるといいと思います。

毎日でなくても1,2か月続けてみると明らかな変化が出てくると思いますので、成功した暁にはぜひ、根本宛に報告書を贈っていただけたら幸いでございます・・・。

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