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「彼は私が聞けば『好きだよ』って言ってくれるんですけど、自分からは言ってくれないし、ほんとに好きでいてくれているのか疑っちまうんです」(Aさん)
「彼は会うたびに何かプレゼントしてくれたり、いいお店に連れて行ってくれたり、旅行するのもすごく高そうな宿だったりして、ありがたいんだけど正直引いちゃうんです。ただ家でまったり過ごすだけでも私は嬉しいんですけどー。」(Bさん)
「彼に好きだとか、愛してる、とか言っても『言葉は信用できない』って拒否るんです。だから、全然愛情表現とかしてくれなくて。『こうしてここにいることが愛情がある証拠』とか哲学的なことばかり言ってるんですが、殴ってもいいですか?」(Cさん)
「彼は全然私の愛情を受け取ってくれなくて、手をつないで歩くのも嫌がるし、ふたりきりのときにくっつこうとしてもさーっと離れちゃうんです。嫌われてるんでしょうか?でも、ふつうに誘ってくれるし。要するにヤリたいだけっすかね?」(Dさん)
「うちの父は仕事ばかりして家族のことは無関心なんです。一緒に遊んでもらった記憶もなくて。もちろん、大学まできちんと出してもらったので、感謝の気持ちはあるんですけど・・・。ぶん殴ってもいいですか?」(Eさん)
「私の母はけっこう過干渉で、あれやこれやと口出しをしてくるんです。今でも心配性であれこれ言ってきて正直、ウザいんすわ。」(Fさん)
まあ、私の元にはそんな武闘派な皆さんからのご相談がけっこうな確率でやってくるわけですが、「まあ、要するに惚気話だよねえ~」って適当に受け答えすることにしております。
とはいえ、「人生はドラマじゃ!!道なき道を突き進むのじゃ!!」という武闘派女子の方々は、難易度が高い男しか狙わない癖があるので、「彼がおるだけマシじゃろ!」と憤慨されてるかもしれませんが、今日のネタはお主たちにも通じるところがあるので、ぜひ続きを読んで頂けると幸いでござる。
ツイッターに昨日、こんなネタを投稿したら反響がけっこうあったので今日の記事にしてみようと思いました。
ええ、思い出したように何かを呟くことを最近しております。
人の愛情表現には、言葉で伝える/モノやお金で示す/スキンシップ/尽くす/見守る/我慢する/心配する/相手に合わせる/一緒にいる/付いていく、など様々なものがある。自分と相手の愛情表現が違うことはザラで、だから、愛されてない、とか、受け取ってもらえない、とか感じてしまうのだ。
— 根本裕幸 (@nemotohiroyuki) August 28, 2019
文字数(140文字)の関係で、全部は書けなかったのですが、私たちはそれぞれ「愛を感じるツボ」というものを持っているものです。
つまり、「こういう風にされると愛情を感じるの(はあと)」という奴で、それがたまたま彼や家族と一致すれば「きゃー!!!あたし、めっちゃ愛されてるー!!!!幸せーーー!!!!」と有頂天になるのですが、ご存知の通り、退屈な人生を鬼のように嫌う武闘派女子たちにとって、そんな恋は「つまんね。面白くね。」になりますよね?ね?ね?
だから、自分と愛情表現が違う人とお付き合いして「愛されてねー。愛を受け取ってももらえねー」というドラマを自ら演出して、「これぞ、恋の醍醐味だわ!!」とコーフンなさるんだろうと思います。
中には「旦那さんからはストレートな愛情をいっぱいもらってるんだけど、全然受け取れなくて、愛情表現をほとんどしない彼氏にヤキモキしている」という複雑な技をかます奴も最近は多いですね。
また、「優しくて愛情をたくさんかけてくれる彼に退屈して別れて、愛情あるんだかどうだか分からない彼を追いかけてるんだけど、正直、後悔してる」なんて方も珍しくありません。
その辺は「与える問題/受け取る問題」にも関連してくるのですが、要するに
「私がしてほしい愛情表現を、彼がしてくれないからと言って愛されてないわけではない」
「私が与える愛情を、奴が拒否ってるように見えたとしたら、それは愛のツボが違うってこと」
ということが男女関係や親子関係などでは頻繁に起きてると思うんです。
(もちろん、職場でもよくそういうことが起きますね)
愛情表現というのは様々なスタイルを取り、千差万別です。
ざっと挙げますと、
○言葉で伝える(ライン、メッセンジャーなども含む)
○モノやお金で示す
○スキンシップ
○尽くす
○見守る
○我慢する
○心配する
○相手に合わせる
○一緒にいる(一緒の空間にいる、定期的に会う)
○黙って付いていく
○責任を果たす
などが考えられます。
心理学的な解釈をすれば「心配する、我慢する、相手に合わせる」などは「愛」とは言えないのですが、現実的には、愛情をそういう形で表現してしまう方は珍しくないと思います。
そして、人は「投影の法則」により、「自分が愛情を感じる愛情表現を相手に与え、相手から求める」ということになります。
「愛してる!大好き!」って言いたい人は、そう言ってもらうと愛情を感じます。
ただ、愛情表現って当たり前ですけど、人それぞれ違うんですね。
だから、「愛してるって言って欲しいのに言ってくれない!私はたくさん言ってるのに!それは彼が私のことを愛してないからだわ!」という風に感じてしまいますし、「愛情があるんだから一緒にいるんだろう?それ以上、何を望むんだ?」と自分の愛情表現を相手に押し付けることもよくあります。
こうした「愛情表現の切ないすれ違い」がものすごく頻繁に発生しているのです。
*
皆さんはどんな愛情表現をするタイプだと思われますか?
もちろん、ひとつじゃなくて、複数に渡ることも多いと思います。
また、どんな愛情表現をしてほしい人ですか?
自分がする愛情表現と、違っていても全然かまいません。
皆さんは、自分の愛情表現が何かを相手に伝えて、理解してもらっていますか?
また、皆さんは、相手の愛情表現が何かを知って、受け取ろうとしていますか?
よく私のブログでも、
「あなたのお父さんはどんな風に愛情を表現する人ですか?」
なんて問いかけをしていますが、お互いの愛情表現が違っていると、お互いに愛されてると、という実感は乏しくなるものです。
それはちょっと大げさに言ってしまえば「不感症」だからなんですね。
相手の愛情表現が感じられなくなっているわけです。
そこで、ケンカが起こります。
「あたしは言葉で愛情を感じる人なんやから、お前も言葉で愛情を示せや!こら!」
「だって僕、言葉で表現するの苦手なんだもん。いろいろとプレゼントすることが愛情表現なんだもん。分かってよ」
「そんなん愛情ちゃうわ!金があったらできることやろ!それより言葉やろ!言葉!」
「ええ、そんなこと言われたって・・・僕、そういうの苦手なんだもん。それに、言葉って言った先からなくなっちゃうものでしょ?だから、なかなか信じられないんだもん」
「は?何言うてんの、お前。ちょっと表出ろや、あたしが根性叩き直してやるわ!」
この場合、彼女が、「こいつはモノで愛情を示す奴なんだな。ということはあたしのことを愛してるってことなんやな。まあ、そういう不器用な奴ってことで、許したるか。」と解釈し、何でもいいので彼にちょこっとしたプレゼント(お手紙でも可)を渡すように意識を変えてみるといいでしょう。
同時に、彼は「彼女は僕がプレゼントするものでは愛情を感じられない不感症女なんだね。でも、言葉で示すのって恥ずかしいし、なんか、信用できないけど、彼女が喜ぶなら、ちょっと頑張ってみようかな」と意識を変えてみるといいのです。
こうして相手の愛情表現を受け取る・与えるという意識を持つと、「愛を感じるツボ」がどんどん増えていきます。
つまり、皆さんの「愛されてるー!!!!きゃー!!!!」と感じられる範囲が広がっていくわけです。
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そもそも、この愛のツボというのは生まれ持ってあるものというよりも、
・子ども時代、親が自分にしてくれた愛情表現
・子ども時代、親が自分にしてくれなかった愛情表現
がベースとなっていることが多いんですね。
え?矛盾しとらん?と思われるかもしれませんが、どちらの要素もあるんです。
ちなみに私の場合、母親が「これでもかー!!」と言葉やスキンシップで愛情を示す人で、父親は「モノやお金」もしくは「見守る」という愛情表現をしていました。
なので、私は妻や子供たちなどに対して、言葉やスキンシップで愛情を示す一方で、モノやお金を与え、少し距離を置いて見守ろうとする癖があります。
どちらからの影響も受けていると思っています。
もちろん、その影響の受け方はひとそれぞれですが、皆さんの中で、愛情表現の仕方についてあれこれ考える機会になれば幸いです。
*
最後に冒頭の方々の愛情表現についてフォローしておきましょう。
Aさんへ
「あんたは言葉で愛情を示すし、感じたい人やねんな。でも、彼は違うみたいやで。彼なりの愛情表現って何か?ってのを考えてやな、受け取ろうとしてみ。」
Bさんへ
「あんたの彼はモノやお金で愛情を示す人やねん。あんたはどういう愛情表現が好きなん?それがすれ違ってるわけやな。だからな、彼はそのプレゼントを喜んで受け取ってもろたときに嬉しいわけや。まあ、いらんようなったらメルカリで売ったらええから、とりあえず、受け取っとき!」
Cさんへ
「まあ、彼を殴っても変わらへんからな。とりあえず、彼は一緒にいるってことが愛情だと思ったはる人なんやな。それは彼なりの愛情表現やねんで。でも、逆に言えば、それだけ一緒にいるってことはめっちゃ愛されてるってことやろ?まずは、それを受け取ってみ」
Dさんへ
「スキンシップが苦手言う奴は意外と多いわなあ。あんたはそれが愛情表現やから寂しなったり、つまんなくなったりするかもしれんけど、それは徐々に教育したったらええ。『あたしはこうしてると幸せだし、愛されてるって感じるの。ちょっとだけワガママ言わせて』と可愛く言うてみ。あ、無理か?(笑)」
Eさんへ
「そういうお父ちゃん、多いよなー。特に昔はなー。愛情を言葉で示すなんて、たぶん、お父ちゃんもされたことないんちゃうかなー?ただ、ちょっと離れたところから見守って、お金を出すってことがお父ちゃんの愛情表現なんちゃうかなー。それを『ありがとう』言うて受け取れるようになったらええなあ」
Fさんへ
「日本人のお母ちゃんはよく『心配する』って愛し方をしてまうんやな。それはほんまの愛やないとか言われるけど、でも、お母ちゃんはそれしかできひんのやな。ウザいから『いらん!』言うても全然かまわへんのやけど、とりあえず、それがお母ちゃんの愛情表現なんやろなあ、と思っとき」
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