そもそもどうして自己肯定感をあげたいと思うの?



セッションのときによく私は「なんでそう思ったの?」という質問をします。
「変わりたい」という人に「どうして変わりたいの」という風に。
その理由がネガティブなものだとすると次に出てくる問題は「変わりたいけど変われない」になるんですね。
だからポジティブな動機がどうしたって必要だと思うのです。

根本さん、こんばんは。
自己肯定感を高めようとすればするほど、嫌なこと辛いことが増えていくのはなんででしょうか…

他人の顔色を伺って、周りに合わせれば、周りとの関係は円滑になるのに、自分の心はどんどん疲弊します。
でも自己肯定感を高め、周りに合わせず、自分の意思を持つと、途端に周りと上手くいかず、悪いことが重なり、心はどんどん傷つきます。

婚活を5年やっています。
会った人数は数えきれず、本当にいろいろありました。一夜限りの関係、都合のいい女、2度目のデートで振られる、彼女がいる男の性処理係…
好きな人に合わせる他人軸でいると、一度として、私を大事にしようという男が現れません。自分の気持ちを伝え、自分軸でいようとすると、好きな人はみんな私から逃げていきます。
中には初対面で好意を寄せてくれる人もいました。女性慣れしてない男の人ばかりで、そういう人を私が好きになれないのです。

私には価値があると思えば思うほど、周りがいなくなっていき、私には価値がない、所詮体だけ求められる女だと思うと、好きな人には適当に扱われます。

私の願いは好きな人とお付き合いをして、結婚することです。
(Mさん)

たぶん、Mさんと同じような体験をされた方って少なくないんじゃね?と思いまして、ご紹介させていただきました。

「変わろう」と思って、自分の意識や考え方を変えようとするんですけど、なかなか思う通りに行かず、「こんなことやっても意味ないんじゃね?」なんて思っちゃうもんです。

「好転反応」という都合の良い言葉もあります。

良くなり始めは必ず悪くなる、という奴です。

まあ、今までイエスマンをやって来た人が、いきなりNoをはっきり言うようになれば、当然、周りの人は離れていきますね。
なんせイエスマンであるあなたのことが必要だったわけですから。

で、選択のときです。

そこで自分を信じて続けるか?それとも元のやり方に戻すか?

どちらでも自由です。

新しいやり方が馴染むにはそれなりに時間がかかるから、今はしゃあないわ、そういう時期なんだわ、と続けるのも良し。

やっぱこんなにしんどいならイヤやわ。前のやり方の方がなんだかんだ都合がよいわ、と元に戻るもよし。

どっちでもいいんです。

大事なのは「自分で選ぶこと」。

自己肯定感の話にはセットで「自分軸」ってのが付いてくるんですが、「○○さんがこっちの方がいいから」とか「著名なベストセラー作家先生がコレがいいって言ってるから」という理由で決めるのは「他人軸」です。

他人軸の時は、うまくいかなくて「ほんとうにこれでいいの?間違ってるんじゃないの?」という疑いやら何やらが出てきたときに、「次の他人や方法」を探し始めちゃいます。

よく「セミナー・ジプシー」などと呼ばれる人たちがいます。
Aさんのセミナーに行き、始めは「ここいい!」と思って通うんだけど、だんだん合わなくなってきて、「この人は違う」と疑い始めて、Bさんのセミナーに行きます。
そこでも「やっぱりAさんよりBさんだわ!」と思って通うんだけど、やっぱり合わないと感じるようになって「やっぱ違うわ!」とCさんのセミナーに通い始めるようなタイプの人です。

これは「セミナーに行くことで何かをもらおうとする」という心理が生み出すものです。
正確な心理学用語を使うと「奪う」という行為になります。

恋愛でも「愛したいから」ではなく「愛されたいから、○○してほしいから、△△が欲しいから」という自己都合的理由で恋をしている状態を言います。
もちろん、仕事でもよく起こります。

「奪う」ことが目的であって、「得る」とか「学ぶ」ことが目的ではないので、「奪う」ものがなくなると次に移りたくなるわけです。

それは他人軸であると同時に、動機が間違ってることが多いんですね。

私のセミナーやセッションにいらっしゃる方の中にも「変わりたい」という思いで来てくださる方が多いのですが、私はそこで「なぜ、変わりたいの?」という理由を必ず聞くようにしています。

Mさんに対しても真っ先に浮かぶ質問は「なぜ、自己肯定感をあげたいと思ったの?」です。

その理由が「今のままでは苦しいから」「婚活がうまくいかないから」「人とうまく付き合えないから」「好きな人と付き合えないから」「ゴミみたいな男ばっかり寄って来るから」「野良猫くんばかり追いかけてしまうから」というネガティブな理由だけだと、やはりそのプロセスは苦しくなってしまいます。

だって、自己肯定感をあげようと思うほど、そのネガティブな思いが付いて回るからです。

いやでしょ?そういうの。

「自分を認めよう、もっと褒めよう」と思うたびに「うまくいかねー、つらいー、さびしいー」という感情が付いて来たら。

だから、そういうネガティブな理由があってもいいんだけど、同時にポジティブな、ワクワクするような理由がないと「変わる」にしても「自己肯定感をあげる」にしても続かなくなるんです。

先ほどお伝えしたように好転反応も出てきますから、そしたら、ネガティブな感情がまた増えちゃうでしょ?

だから、自分がワクワクするような理由が自分を変えるときには必要になってくるんです。

「いい男と出会えるから」
「いい女に成長できるから」
「楽しいことがたくさんあるから」
「もっと笑って暮らせるから」
「自分を責めることがなくなって楽になるから
「気分が安定して過ごせるから」
「ヘラクレスオオカブトくんに出会えるから」
「野良猫くんをグーパンチして追い返せるから」

まあ、たくさんありますけれど、Mさんにとってのワクワクする理由って何でしょう?

そもそも人は「楽しい、面白い、ワクワクする、笑える」みたいな理由がないと行動できないものです。

ネガティブな理由での行動は立ち上がり(初動)はいいんだけど、長続きしませんよね。

自己肯定感をあげる方法のひとつに「半年前、1年前の自分と比べて良くなったことを探す」というものがあります。

放っておくと人はネガティブにモノを見ちゃうので(それはある意味、防衛本能がなせる業なのでふつうのことです)、変化していてもそれに気付けないんですね。
だから、意識的にポジティブな変化を探すわけです。

Mさんも色々と取り組んでこられてますから、ぜひ、そういう変化を探してみてください。

自分の見方の癖を変えることにもつながります。

>でも自己肯定感を高め、周りに合わせず、自分の意思を持つと、途端に周りと上手くいかず、悪いことが重なり、心はどんどん傷つきます。

始めはみんな通る道ですね。

「周りに合わせてきた時代にうまくいっていたこと」は「自分を大切にするとうまくいかなくなる」のは自然なことです。

そもそも「周りとうまくやるために自分を押し殺してきた」わけでしょう?
それを辞めたら当然「周りとうまくいかなくなる」のは当たり前だと思いませんか?

だから、そこで起こる「悪いこと」は自分が変化した証であり、吉兆なので、「赤飯炊いてシャンパンで乾杯しましょう!」と言うレベルのめでたいことなのです。

しかも、「新しい自分」というのは生まれたてなわけです。
その自己肯定感があがった状態でどう人と関わればいいかはまだまだ初心者マークです。
だから、そこは試行錯誤が必要になってきます。
時には人とケンカしちゃうこともあるし、相手に誤解されることもあるし、傷つくことを言われることだってあるでしょう。

それは辛いことなのだけど、それをどう受け止めるか?ってのが大事なんですね。

よく「自己肯定感」を万能薬のように捉え、自己肯定感があがればすべてがうまくいくように捉えてらっしゃる方がいるのですが、残念ながらそういうことは起こりません。

いつもお話しするように自己肯定感があがったって恋人に浮気されたり、振られたり、逃げられたりすることはふつうに起こります。

ただ、自己肯定感が高い人は、その時の「反応」がそうでない人と違うだけです。
その「反応」というのは「できごとの受け取り方、受け止め方」です。

「恋人に浮気された」というできごとに、自己肯定感が高い人もショックを受けます。

「こんないい女と付き合っているのに、なぜ、あなたは他の女性に行くの?」と思うわけです。

そして、「そっちの女の方がいいなら、そっちに行っていいのよ。あなたのことは好きだけど、あなたがそうでないなら二人はハッピーじゃないよね?あたしにもまた素敵な男性が現れると思うから、どうぞそちらに行ってくださいませ」と言えます。

自己肯定感が高い人は恋愛でも仕事でもうまくいかなかったときに「これも必要なこと。学びなんだよね。成長なんだよね。もっと上を目指そうかしら?」という風にポジティブな受け止め方ができる人です。

以前、講座でやった実習を最後に紹介しますので、Mさんも皆さんも良かったらやってみてください。

【実習】Mさんの状況を自己肯定感が高い人はどう受け止めるでしょうか?それを想像して書き出してみてください。

この実習自体が自己肯定感を高める効果がありますけれど、それと同時に、あなたの中に今現在いる「自己肯定感の高い私」とつながる方法でもあるんです。

だから、必死こいて想像してみてください。

「こう解釈するのかなあ?」という答えが浮かんだのならば、あなたの心の中にも自己肯定感が高い私が今現在ここにいるってことですから。

〇自己肯定感をあげる実習をたくさんする3時間ワークショップです。

ワークショップ『自分を愛する、ということ』
札幌:7/13(土)15:00-18:00
仙台:7/15(月祝)15:00-18:00
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/27420

〇自己肯定感と自分軸を徹底気に学ぶ2日間でもあります。

6/23,24 軽井沢プレミアム・リトリートセミナー
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/29926


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