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いい子ちゃん始め、長らく他人軸で生きてきた人がいざ自分軸に移行しようとしても「へ?なんも分からん」という状態になりやすいものです。
そんなときにどんなことに取り組んだらいいのかのステップを紹介しています。
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今日のブログの中やあちこちで出てくる、↓下の質問に全く答えられない私は他人軸で生きてきたからでしょうか?
〇〇さんが好きなものは何?
〇〇さんがしたいことは何?
〇〇さんは何にときめく人?
〇〇さんはどういう人が人が好き?
〇〇さんがワクワクするのはどういうとき?
2度の結婚にピリオドを打ち、しかも最後は旦那が浮気して出て行ってしまい呆然とした日々を送っています。
これまで頑張って仕事して、家事もして、尽くしてきたつもりの私。そんな私に嫌気がさしたのでしょうか?
少しづつ自分を取り戻したくて改めて自分軸&自己肯定感のことを勉強している日々ですが、自分のことになると全くわからないのです。
(元旦那のことならわかるのに)
ましてやどのブログにも”自分を愛してください””自分を守るのは自分だけ”と書いてありますが・・・
その意味も全くわかりません。根本先生の新刊も読み、うんうん!わかるわかる!となるのですが、そこまでです。
私は一体どこから手を付けたらいいですか?
(Mさん)
イイ感じにMさんが設問を考えて下さったので、常に他人のふんどしで相撲を取る便乗家の私としては大いに活用しちゃうんですが、皆さんはどうでしょうか???
それぞれの質問に3秒以内にパッと答えられますか?
1分以内に最低5個は浮かびますか?
たぶん、Mさんは器用な方なんだろうと思います。(はいはい、そこで全力で否定しない、しない(笑))
だから、元旦那さん始め、いろんな人の気持ちが分かっちゃうんだろうと思います。
ところが長年の癖で「自分よりも他人」を優先する人生を送ってくると(すなわち、それを他人軸と呼んでいます)、
「あれ?私が好きなものってなんだったっけ?彼以外は思いつかないわ」
ということになるだけでなく、
「私が好きなものは彼が好きなもの・・・。それ以外は・・・えっ?な、なにも思いつかないっ!!!!!」
という状態になったりします。
また、恋愛や夫婦だけでなく、仕事や趣味でも他人軸で生きていると、
「ほんとうに彼のことが好きなのか分からなくなった」
「今の仕事、好きなはずなのに、最近ほんとに好きなのか分からなくなった」
「やりたくてやってる趣味なのに、ほんとにそれがしたいのか分からない」
なんて状態になってしまうんです。
Mさんも元旦那さんとうまく行っているときはこんなこと露ほど思わなかったと思います。
でも、寄っかかっていた彼がある日忽然といなくなってしまったときに、支えがなくなったことに気付いて倒れてしまい、「あれ?どうしたんだろう?なぜなんだろう?」と呆然としてしまうんだろうと思うのです。
そこで初めて「私、他人軸で生きてきたのか」ということに気付かされるのですね。
だから、まあ、酷な話ではあるんですけど、それって前進したことになるんですよね。
気付いたんですから。
何とかしようと思い始めたのですから。
その分、過去と全く同じことを未来では繰り返しにくくなります。
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「他人の人生を生きる」という話がよく私のネタに出てきます。
これは無理やりそうさせられてきた人もいれば、自然とそうなっちゃったケースもあり、一概にまとめられません。
親が過干渉なコントローラーだった場合、子どもは自分の意見を持つということを禁止されるようになります。
「あなたのために言ってるのよ」
「あなたにはこっちの方がいいと思うよ」
「こうしてくれたらママは嬉しいの」
などの言葉も、巧妙なコントロールであり、子どもはママの顔色を伺って物事を決めるようになります。
それが「辛い、しんどい、苦しい、嫌だ」という感情が芽生えた場合、思春期にオラオラ系になって親とバトルを繰り広げたり、スルー作戦を用いて冷戦化させたりして、親のもとを精神的に自立していき、その結果、立派な自立系武闘派女子(男子)として社会に出ていきます。
一方で、器用だったり、いい子だったり、まじめだったり、賢かったり、人の気持ちが分かりすぎたり、それらの要素をまとめて持っていたりする子は、「良かれ」と思って親の言うことをきくようになります。
そもそも子どもは親から愛されたい気持ちが強いので、嫌われるようなことを敢えてしません。
親が喜んでくれたら嬉しいし、その顔を見たくて、自分の意志を殺すことも厭わないものなんです。
そうすると、先ほど述べたようないい子ちゃんたちは、
『「自分の意志」よりも「親の意志」を選ぶことが親を喜ばせることなんだ!』
ということを学習し、それが学校でも、社会に出ても、結婚しても、そのパターンを踏襲するようになります。
そして、器用さがある人は、うまく“演技”ができるので、少々嫌なことであっても我慢できるし、無理難題にも笑顔で突撃できるので(それくらい愛されたいのですね)、知らず知らずのうちに「他人の人生を生きる」ことになってしまうのです。
Mさんはこのプロセスは既にご存知だと思いますが。
ちなみにその辺の詳しい話はこちらの本に書きました。
>『人のために頑張りすぎて疲れたときに読む本』(大和書房)
あ、別にこの本の宣伝をしたくて「そんなこと分かってるわ!」と思われる文を書き連ねてきたわけではございません!!!でも、いい本なので良かったら読んでください(自画自賛)。
>これまで頑張って仕事して、家事もして、尽くしてきたつもりの私。そんな私に嫌気がさしたのでしょうか?
これだけ頑張ってきたことに何ら無駄なことはありません。
ただし、それだけ頑張って来た裏にどんな心理があるのか?といういやらしいところをカウンセラーはツンツンするんです。
「ここ、すごく感じるんじゃない??」てな風に。
それが「他人軸で生きてきたからじゃね?」という理由になるわけですね。
さて、Mさんはその先の話をされてるわけなので、ようやくここからが本番ということになりますね。相変わらず長い前戯ですいません。でも好きでしょ?その方が?(笑)
他人の人生を生きてることに気付いたら、「自分軸、自分軸」と呪いのように唱えて「私はどうしたいの?私は何が好きなの?」と自分に問いかけ続けることがお勧めです。
っていうか、それだけです。ほんと。
だから、その問いをずっと自分に投げかけ“続ける”ことで大丈夫なんです。
あ、でも、ここで終わると「根本さんって前戯はしつこいくせに、いざ本番となったらすぐ終わっちゃうのね(ため息)」とバレてしまう可能性があるので、もう少し説明を加えることにしましょう。
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まず、「他人軸で生きてきたこと(=他人の人生を生きてきたこと)」ってそんなに悪いことなのかしら?という点を考えてみましょう。
自己肯定感的な見方をすれば、「そうなるべくしてそうなったんだし、良かれと思ってそうしてきたんだから、別にいいんじゃね?」ということになります。
まあ、私のブログや本を読まれると「他人軸=ダメ!」「自分軸=素晴らしい!」って思いを持ちやすくなりますし、私もそういう風に書いてるところがあるかもしれませんが、他人軸を悪者扱いしちゃうと、即、自己否定が生まれるのであまりお勧めできません。
「そっかー、今まで他人軸で生きてきたから苦しいんだ。そしたら、これから自分軸で生きられるようにしていこう」
という風に目標設定をするのはいいんですが、
「ああ、今まで他人軸で生きてきたからダメなんだ。そんな自分はダメなんだ。自分軸で生きなきゃダメなんだ」
と否定的に捉えてしまうと、もっともっと苦しくなります。
だから、「今までは必要があって他人軸になっちゃってただけ。だから、これからはちょっとずつ自分軸で生きられるようにしていこう」という風に思っていただきたいんです。
これがひとつ。
そして、続いて、「いい子ちゃんのパターンを抜け出す」ということ。
いい子ちゃんだったり、器用な人だったり、賢い方は、自然に「うまくやること」を目指しますし、「うまく行く方法」を探します。
だから、「好きなものはなあに?」と聞かれて答えられないことに自己嫌悪しちゃうんです。これがいい子ちゃんのパターンです。
「いやいや、自分軸に関しては初心者マークなんだからそんなにすぐにうまく行くわけではねえべ」
という寛容な考え方ができなくなってしまうんですね。
(たぶん、他人に対してはそういう考え方ができると思うんですが、自分に対してはかなり厳しいわけです。)
もちろん、苦しいし、早く抜け出したい気持ちがあることは分かるんですが、今までやったことないことをやるわけですから、急にはうまくできません。
料理したことがない人が結婚してはじめてキッチンに立つようなものなのですから。
だから、「ちゃんとしなきゃ。早く結果出さなきゃ。」と焦る気持ちを落ち着かせながら、「今、できることを探していきましょうね」という話になるのです。
さらに3つ目のポイントは、今までやってきたことは何一つ無駄にはならない、ということ。
先ほどご紹介した本にも出てくるのですが、他人軸で相手に尽くし過ぎてきたとしても、そこで経験したこと、やったことについては全然無駄じゃないんです。
相手の気持ちを考えることも、
相手の望むことをしてあげられることも、
場の空気を読んで行動できることも、
相手を喜ばせようとしてきたことも、
すべて役に立つようになります。
そして、多くの場合、自分軸に移行し始めると、今までやってきたことが長所、強み、セールスポイント、才能として開花していくことも多いんですね。
なので、今までやってきたことを否定しないでほしいなあ、と思うわけです。
こうして、自分を肯定し、初心者マークであることを自覚し、そして、今までのことが無駄にならないことを知った上で、
>私は一体どこから手を付けたらいいですか?
という質問に答えるとしましょう。
結局、今できることしかできないので、今できることをするってことなんです。
自己肯定感をあげる方法のひとつでもありますが、できることとできないことの区別をちゃんと付けることですね。
その上で、先ほど紹介したように自分に問い続けます。
「何が好きなの?何がしたいの?何にときめくの?何にワクワクするの?どんな人が好きなの?」って。
答えが返ってこなくてもいいんです。
だって、初心者マークなんですもの。
心は麻痺することはあっても、死ぬことはありません。
今までそういう問いかけをしてこなかったから分からなかっただけで、ほんとうに分からないわけではないんです。
だから、「私は何が好きなのかなあ?何がしたいのかなあ?」という風に自分の心に問い続けていたら、やがて「ああ、これが好きだったなあ」という風に気付くようになります。
そのためには「感じる」ということに意識を向けてみるといいと思います。
(あ、感じるったって、下ネタじゃないですよ!!もぉ!!!)
太陽の日差しが温かい、とか、風が気持ちいい、とか、花がキレイ、とか、シュークリームが美味しい、とか、この番組面白い、とか、そういうこと。
今、自分が何を感じているのか、心に問いかけてみます。
そして、ネガティブな気持ちに支配されている中でも、今感じられるきれいなもの、美しいもの、楽しそうなものなどのポジティブなものを探していきます。
ひとつひとつ、丁寧に、丁寧に。
そうして心との対話を始めていくんです。
そうするとね、あるコツが掴めるようになります。
「あ、そうか。他人に接するように、自分の心に接したらいいんだ」と。
だってMさん始め、同好の皆さんは、人の気持ちを考えて動くことについてはプロフェッショナルなんですもの。
今まで「夫」に対してしてきたことを、今度は「自分」に対してやればいいってことに気付いちゃうんです。
それが感覚的につかめると後はめっちゃ早いです。
「自分の友達に接するように自分と接する」なんて話をよくしていますが、まさにそういうことです。
「他人軸」をしてきた人は、その「他人」の部分を「自分」に置き換えるだけで自分軸で生きられるようになります。
良かったら参考になさってくださいませ。
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